こんにちはUMEです。
『FANJET』(ファンジェット)とはハイロウズが活動期間中に運営されていたオフィシャルファンクラブの名称です。
そのファンクラブに入会すると年4回発行されて郵便で届いた季刊誌も『FAN-JET』というタイトルでした。
どちらも「ファンジェット」と読みます。ファンクラブのロゴにはFANとJETの間に「-」ハイフンが付いてませんが、それは細かいのでどっちでも良さげです。
オフィシャルファンクラブ『FANJET』
ハイロウズのファンクラブ「FANJET」は1995年デビュー当初から存在していたわけではなく、1999年の4thアルバム「バームクーヘン」の頃にやっと開設されました。
ファンクラブの存在を知ったのは、ハイロウズの“ツアー バームクーヘン’99”のライブ会場でFANJETのチラシが配布されたような気がします。
「ファンクラブ‼︎入るに決まってんだろ!」という具合ですぐに入会して活動休止までずっと会員でした。毎年、郵便局で年会費を払っていた記憶があります。
季刊誌『FAN-JET』の第1号目であるvol.001が発行されたのが1999年6月9日です。ロックの日ということでこだわりを感じます。2005年のハイロウズの活動休止までの7年間でvol.027まで発行されました。
vol.001の1ページ目です。
「FAN-JET」で覚えた言葉があります。
『頗る』(スコブる)
①程度のはなはだしいこと。たいそう。おおいに。
※すこぶるつき[頗る付き]
ずばぬけていること
FAN-JETvol.001より引用
頗る調子がいいとか言いますよね。「頗る」という言葉が好きになったし、自分でも使うようになりました。
vol.001〜027までずっと「頗る!」というコーナーがあって、毎回それぞれの頗ることをメンバー自身の言葉で掲載されていました。ヒロトやマーシーなんかは「頗る1枚」と題した自分が聴いているCDを紹介していたりしたので、いつも楽しみにしていましたが2、3回で終了して後は不定期でCDの紹介をしていました。それが気づいたら全然やってくれなくなってしまっていた肩透かし(笑)
それはいいけど、紹介された音楽を追体験してみるとか最高に楽しいです。もちろん自分には何か違うなと感じる音楽もありますが、バッチリ刺さった時の興奮はたまらないです。
季刊誌はいつも白黒で写真とか見えにくかったけど、内容は興味深いものばかりでした。FANJETからは季刊誌とは別にチラシが届いたりもしました。
最初のチラシがこれだったと思います。
当時の会費の情報としては入会費500円、年会費3000円と安く、何か気取ったやたらと会費が高くてよくわからないファンクラブとは格の違いを見せつけていました。
でも一番よくわからないのは「FANJET」だったかもしれません。
いつもほとんどただの色違いでしたが、年に一回FANJET特製のステッカーももらえました。奇妙な色が多かったです。2004年からは興奮必至のワッペンになりました。でも小さいです。手のひらよりだいぶ小さいです。
応募したことはなかったけど、たまにメンバーの私物なんかのプレゼント企画とかもやってました。
「FANJET」は2005年にハイロウズ活動休止とともに閉鎖されました。
季刊誌『FAN-JET』vol.001〜027
「FAN-JET」は年4回、郵便で届きました。毎回だいたい30ページちょいぐらいの白黒の季刊誌です。ペラペラで小さいので暑い時にうちわの代わりにもなりません。
サイズとしては縦17cm、横11cmくらいの小さいやつです。字も小さいので読みやすくはないです。だけどめちゃ薄いし超軽いので寝ながら気軽に読めます。いつもFANJETの印字がされた茶色の封筒に入ってきました。
見にくい白黒写真やライブレポートにセットリストやリリース情報なんかも掲載されていたし、何よりメンバー自身の文章が読めるのが楽しかったです。
最初の頃の数号(vol.6〜10)にはもくじがあったけど、すぐになくなって大体いきなり始まる感じでした。そこがいいです。もくじとかあんまり意味ないです。
表立っていない、これでしか知れない話を読めるのは「ファンジェッター」の特権でした。プライベートではそんなことしてるだなあという情報も満載でした。ヒロトが飼っていたクワガタのコロッペの季節違いの話や、マーシーが買ってきた激安のレンタル落ちのビデオの話なんか面白かったです。
「FAN-JET」ですごく感じたのはヒロトの文章は独創的なスタイルと超個性的な言葉選びでとても興味深いことです。
私が記憶しているハイロウズの情報はテレビで観たり雑誌で読んだものというより「FAN-JET」で得た情報の方が強い印象を残しているようです。
季刊誌も新しくなればなるほど楽しくなっていった印象です。
各号の見出し、個人的に刺さった部分なんかを紹介していきます。
vol.001
1999.06.09発行
☆たにやんのハイロウズ日記
☆頗る!
☆独自の見解を50文字以内で述べよ!第1回「バイアグラについて」
☆スクープ撮‼︎お笑い新人・真島昌利、ネプチューン原田「売れないね」発言に激怒か⁈
他ライブレポートなど
写真も掲載しつつ巻頭大特集に15ページも割いてまさに大特集という感じです。この大特集は4thアルバム「バームクーヘン」についてメンバーへのインタビューです。インタビュアーは甘美ちくろさん。インタビュアーは最後まで甘美さんがやっていました。文字を読んでいるとマーシーが結構しゃべっている印象です。
[たにやん日記 名盤「バームクーヘン」についての抜粋]
夕方には、やっとみんなが揃う。ちなみにヒロトと大島は毎日バイクで通った。マーシーは車。調と白井のおっさんは電車でした。そうして、また、なんとなくチューニングしたり、楽器をいじったりしているうちに、みんなでドーンと音を出す。だいたいいつもそんな感じでした。まずは曲出し。ヒロトとマーシーが代わりバンコに次から次へと曲を出しては、それをみんなで演ってみる。曲も出揃い、ああじゃこうじゃと言いながら演ってるうちに、固まっていく。また新しいロケンロールが出来ていくのだ。
[真島昌利の頗る1枚]
CD『25周年記念限定「バンド・オン・ザ・ラン」スペシャル・リミテッド・ボックス/ポール・マッカートニー&ウィングス』
[甲本ヒロトの頗る1枚]
『ハウリン・ウルフ』(別名「ロッキンチェア」)
CDならば、1枚めの「モーニン・イン・ムーンライト」と、2in1になった、お買い得なものがあるよ。
↓こんなところにヒロトの名言が!
これには完全に同意です。多分バイアグラなんかより効きます。超重要なのは愛じゃなくて恋です。愛⁇⁇…そんなものはない。
“恋の伝説に愛はいらない”
vol.002
1999.09.11発行
☆谷ヤン日記(第2回)
☆頗る!
☆独自の見解で50文字以内で述べよ!第1回「日の丸・君が代」について(第1回と表記されていますが正しくは第2回ですね)
他マガジン・テレビインフォメーションなど
巻頭インタビューは全員一緒ではなく一人ずつインタビューを受けるスタイルでした。マーシーはツアー先で買った『ぎんざNOW』のレコードを持ってきてました。8500円したらしく、一回は迷って置いたけど「迷った時は買え」という鉄則に基づいて購入したという話が楽しかったです。
[真島昌利の頗る1枚]
CD『エルビス・プレスリー登場!(アップグレイト・ヴァージョン)』
「ロックン・ロールを聞くまで、僕はただのボケナスだった」ージョン・レノンー
という訳で(どういう訳だ!)、エルビスです。エルビス・イズ・キング!!
これは1956年に発表されたエルビスのデビュー・アルバムです。今回のリイシューにあたり、同時期にレコーディングされた6曲がボーナス・トラックとして収録されています。久し振りに聴いたエルビスはやっぱりスゴイぜ。
[甲本ヒロトの頗るムービー]
『オースティン・パワーズ』『ウェインズ・ワールド』『ブルースブラザース』『サボテン・ブラザース』『オール・オブ・ミー』『天国から落ちた男』『大災難』
vol.003
1999.12.09発行
☆谷ヤン日記(第3回)
☆頗る!
☆独自の見解を50文字以内で述べよ!第3回「コンピュータの2000年問題」について
他ライブスケジュールなど
甘美さんによるインタビューでは、ヒロトは全国のデパ地下の食べ物の話のみで盛り上がっていました。メロンパンは日本中のを食ってると言ってました。1位は“アメリカ直輸入・ホットシナモン”(シナモンロール)だそうです。
マーシーは予想通り覚えていないと言い出して、特別に今年思い出した昔の思い出ベスト3になってました。またしても「銀座NOW」の話とかをしていました。
[谷ヤン日記]
怒涛のツアー「バームクーヘン’99」の序盤からここ最近にかけてステージ上での変化といえば、
◎ヒロトの髪が、どんどん激しくツンツンになってきた。
◎マーシーのステージTシャツが、だんだん伸びてきて、乳首が見えてきた。
◎調の前髪が、だんだん短くなってきた。
◎大島の髪が、だんだんなくなってきた。
◎白井のおっさんのコーラスが、ますます激しくなってきた。
というところです。
[甲本ヒロトの頗る1枚]
『ロックモンスター/グラハム・パーカー・ライブ!』
[真島昌利の頗る1枚]
CD『THE CLASH/FROM HERE TO ETERNITY LIVE』
vol.004
2000.03.10発行
☆谷ヤン日記
☆頗る!
☆独自の見解を50文字以内で述べよ!第4回「二千円札」について
巻頭企画ではレコードの話とか昔のデンオンのコンポの話なんかも出てきて楽しそうなのが文字から伝わってきました。この人たちそういう話好きですね。ヒロトとマーシーは同じタイミングで同じCDプレーヤーを貰った話題も出ました。「CDを買おう!」ということになり最初に買ったCDはストーンズの『サムガールズ』で、プラケースが割れてしまい、それ以来プラケは捨ててますと。これを読んで以来、筆者もプラケを捨ててます。
[真島昌利の頗る]
『LOUD,FAST& & OUT OF CONTROL! -The Wild Sounds OF ’50s Rock- 』
炸裂する’ 50年代アメリカの、ラフでタフでクールなリアル・ロックンロールを集めたCD4枚組、全104曲が君を直撃する!今すぐ買いに行きましょう。
[甲本ヒロトの頗る]
今回は、ロッケンロールと涙の話。
僕は、カッチョいいレコードを聴いたり、スゲーライブを見たりすると、よく涙が出ます。いっぱい出ます。…(中略)よく勘違いされて、悲しい映画とか、悲しい歌とか、悲しい小説なんかを推薦してくれる人がいますが、それはちがいます。悲しいのはキライです。感動するのと悲しくなるのは、全然ちがいます。まちがえないでね。
スゲーライブを見て涙がいっぱい出るのはこういうのです。悲しくないので大丈夫です。
vol.005
2000.06.15発行
☆谷ヤン日記 ハイロウズ世界一周の巻
☆頗る!
他、通販情報など
巻頭の懇談会では、時期的には5thアルバム「リラクシン」がリリースされた頃で、レコーディングとかライブの話が読めるのかと思いきや、いつも通りそんな話は一つもありませんでした。
個人的には好きだった“50文字以内で述べよ!”のコーナーがなくなってしまいました。
↓ところで、こんなにも車の運転が似合わない人を見たことがありませんw
[真島昌利の頗るニューヨーク]
—ニューヨークを汚したのは誰だ!—
強い風が吹いていました。僕は窓を少しだけ開けて、ティッシュ・ペーパーを小さくちぎって風に飛ばしました。ピューッと、そしてフワフワとティッシュ・ペーパーはマンハッタンの空を漂っていきました。…中略…僕は2時間以上もニューヨークにティッシュ・ペーパーの雨を降らせていたのでした。(抜粋)
[頗る、甲本ヒロト]
サニーボーイ…サニーボーイⅡのハーモニカには、人間ひとり分の体重と、強烈な体臭がある。
マディ…マディ・ウォーターズの存在は、ビートルズみたいだ。
ウルフ…マディがビートルズなら、ハウリン・ウルフはローリング・ストーンズだ。
リバプール…『見た』と『見えた!』は違うのか?あえて言うぞ、ジョンを見た。
vol.006
2000.09.22発行
☆谷ヤン日記
☆頗る!
☆I speak of summer feeling!(ライブリポート)
他ライブスケジュール、業務連絡など
ハイロウズのDVDに『that summer feeling』という作品がありますが、その頃のインタビューで、「ジョナサン・リッチマン」の話題が多かった号です。
[Hiroto Kohmoto’s 『SUKOBURU』]
『I Like Gumby』
ジョナサン・リッチマンがやって来た‼︎白いジャケットに水色の帽子。なんだか、カートゥーンのキャラクターみたい。そういえば、ジョナサンもガンビーが好きなんだって。
注1、ガンビー…アメリカのクレイ・アニメのキャラクター。緑色。ビデオは、少し入手困難。
[Masatoshi Mashima’s 『SUKOBURU』]
やることが沢山あるけど ひとつもやらなきゃいけない事じゃなかったり みんなの話について行くためじゃなく 自然に恋におちたり 何を疑うこともなく 友達を信じたり そんな幸せな気分に 足かせをかけないで あの夏の感じにずっととりつかれたまま
『THAT SUMMER FEELING』-JONATHAN RICHMAN-
vol.007
2000.12.15発行
☆谷ヤン日記 第7回〜ON THE ROAD〜
☆頗る!
☆さぁ、フリップ フロップらんららんららーん♪『flip flop』発売記念☆番外編インタビュー!
☆flip flop 掲載写真解説
☆クリスマス&お年玉プレゼント
巻頭企画ではボケっぷりに笑いました。こういう事情が読めるのが楽しかったです。
[ザ・ハイロウズ年末事情聴取]
@ ところで、ヒロトは今年、単独のお仕事があったでしょ。『タイムボカン2000 怪盗きらめきマン』のエンディングテーマ曲『フララン ランデブー』の歌手として。
甲本 ハイ。これはわたしの、個人のいとなみとして。
@ でもヒロトが昔から『タイムボカン』ファンだとかの事情を知らない人にしたら、なんだろうと思うよね。なにを突然1人でそんなアルバイトしてるんだ⁉︎って。
真島 へ、なにソレ。
@ なにソレって、なによそれ。
甲本 アレだよ、『タイムボカン』シリーズのエンディングテーマを歌ったんだよ。
真島 へーー。
@ えええっ、マーシー知らなかったの⁉︎
一同 わはははは。
甲本 一応、話題にしたんだけどなぁ。マーシーにも“これやるよー”って言ったら、“あ、いいんじゃない?”って言ってたんだけどなぁ。
真島 あ、そうなんだ。そっか(笑)
甲本 ね?その程度のことなんだよ(笑)
[flip flopインタビュー]
@ 今回、『flip flop』がリリースされるということで。発売前に、“ついにベストアルバムか?”って話題になったりしてたけど。
甲本 ベストアルバムっていうか、いつもベストですからね、われわれは(笑)。
甲本 いわゆる、シングルをただ集めたようなもんじゃないの。内容はね、説明すると、シングルには入っているけどもアルバムには入ってないもの。アルバムとは違うバージョンだったり、まったく新曲でシングルにしか入ってないものだったり。こーゆーのだけ集めた。もっと分かりやすく言うと、これを買って、アルバムとミニアルバムを買えば全部そろうの。いまさらシングルを1コ1コ買うのはタイヘンだろう、と。
甲本 今回のはボクらの資料としても面白いし楽しめるし。だから『ミサイルマン』とかは入ってないんだよ。あれはアルバムに入ってるから。
ヒロトの説明が楽しくて興味津々なインタビューでした。
この号のマーシーの「頗る!」の文章はビートルズ・アンソロジーの本が話題で、マーシーの言い回しなんかめちゃくちゃ面白かったです。
Vol.008
2001.3.15発行
アナタの質問いただきます! “ザ・ハイロウズのどーんと答えてみよう!”
☆谷ヤン日記
☆FAN-JET写真館〜白井幹夫編〜
☆頗る!
他、通販情報など
内容には関係ないけどこの「Vol.008」から表記がそれまでの「vol」から「Vol」に変わりました。「V」が大文字になって認識しやすくなりました。巻頭の質問コーナーはなんかやっぱりこの人たちでした。
“HIROTO”
Q2 ほとんどの曲はハーモニカマイクを使っているのに、『不死身の花』はなぜボーカルマイクで吹いているのですか?
なんとなく。
Q10 「心にガツン」ときた、すんげぇ言葉を教えて。
シュワッチ。
“MASHIMA”
Q1 「マーシー」というのは「真島」だからですか?「昌利」だからですか?
わかりません
Q9 お気に入りの映画を教えて下さい。
レオン
Q10 「心にガツン」ときた、すんげぇ言葉を教えて。
おまえ もう 帰っていいよ
[甲本 ヒロト の スコブル!]
vol.008のヒロトの頗るは面白すぎました。
Vol.009
2001.6.22発行
☆いったいナニしてたのよ アルバムTDまっ最中 検証・そのナゾの数ヶ月に迫れ!
☆谷ヤン日記
☆頗る!
他ライブスケジュールなど
検証のコーナーには多数の見にくい白黒写真が掲載されていて、みんなの笑顔や爆笑した表情が楽しそうでほっこりします。
[21 FLIGHT ROCK TOUR!!!!!!!!一部抜粋]
『21世紀音頭』じゃ〜〜〜!FUN FUN FUN TIME!お祭り騒ぎのまま2曲目『14才』へと続く。知らない曲だって関係ねえ、「おい!おい!おい!おい!」とオーディエンスは盛り上がりまくる。ヒロトの「ロッケンロ〜〜〜〜ル!」で次は『クリーミー』だ。べっちゃんの新しい白のプレシジョンベースがブワンブワン吠えてるぜ!『二匹のマシンガン』、『ダセー』も飛び出して場内もうアホみたいに大騒ぎ。ヒロトが「サービスするぜ〜〜〜〜!」と叫び、マーシーがボーカルをとる『ジェリーロール』が始まる。カッチョエー。マーシーちょっと声裏返ってもたとこあったけどな。確実に放送禁止の曲やな、これは。
[甲本ヒロトのスコブル!]
ジョーイが死んじゃったね。4月のこと、新聞にのってた。つーことでラモーンズだ。今回は。ロックンロールに出口なし。あるのは入口だけだ。しかも、たくさん。どっから入っても、中はおんなじ。ロックンロールをやるってことは、新しい入口を発見して、それをみんなに見せてあげるってことなんだな。
[真島昌利のスコブル!]
僕達のすることは間違っていない
信じてるんだ
僕達は絶対間違ってなんかいない
ー「THE BACK SEAT OF MY CAR」PAUL McCARTNEYー
という訳で(どういう訳だ)ポール・マッカートニーです。
『WINGSPAN』という2枚組のベスト・アルバムが発売されましたね。
この2枚組ベストアルバムのプロモーション用に’75ねん頃(人気大爆発中)のポールとリンダの写真が使われていて、その少しはにかんだようなポールの顔がいい。
Vol.010
2001.9発行
☆谷ヤン日記『THE HIGH-LOWS爆発ロンドン日記』
☆頗る!
☆ザ・ハイロウズ愛用 CLUB BRASIL Tシャツプレゼント‼︎
他アルバムリリース情報、ライブスケジュールなど
Vol.010からは発行日の表記が「年月」までに変わりました。日にちまで表示されていません。
巻頭インタビューはロンドンのアビー・ロード・スタジオにTD(トラックダウン)に行ったことについてが趣旨でしたが、もちろん話はソレにソレまくってました。
[巻頭インタビューより一部抜粋]
@ 6月のツアーで演ったマーシーがボーカルの曲、あれ入ってないんだって?
真島 ああ、『ジェリー・ロール』?あれはね、発売できないや。
@ ええーっ。やっぱ歌詞がヤバすぎて?じゃあ今後もライブのみ?
真島 まぁ、分かんないね。あの6月のライブの頃はね、いきどおってたの。寛平ちゃんの歌詞、変えさせられたりしてさ。つまんねぇことすんなよ、キューン・◯ニーって。
@ そんなことがあったんだ。そのいきどおりのパワーであの曲を作ったってこと?
真島 そだよ。
@ じゃあアルバム用に作った曲じゃなく、いきなりのホヤホヤな新曲だったんだ⁉︎
真島 そだよ。だからもう演んないかもしんない(笑)
マーシーの精神状態を話している部分なんかは興味深くて楽しかったです。この後『ジェリー・ロール』は21stシングル『夏なんだな』のカップリング曲として発売されました。
Vol.011
2001.12発行
☆特・別・寄・稿 Live Report!!(チキンジョージ/橋川孝治、ブレインズ/米倉浩志郎)
☆谷ヤン日記
☆頗る!
☆お年玉プレゼント‼︎
他ライブスケジュールなど
[巻頭企画より抜粋]
@ ウワサでは、ライブ直前までレコード屋にいて、戻ってこない事件があったって聞いたけど。
甲本 あー、あれどこだっけ?マーシーが直前まで帰ってこなかったのって。
@ やっぱりマーシーだ(笑)
甲本 オレだけ前のりしてて、ホテルの何軒か隣にレコード屋さんがあって、行ってみたらすごくよかったの。みんなは当日のりだったの。ほんでみんなが楽屋に入ってきたときに、「きのう行ったレコード屋さん、よかったんだよー」って言ったら、マーシーと大和田くんが、リハ終わりで行ったんだ。そしたら本番5分前くらいまで戻ってこなかった。
@ え、お客さんはもう中に入ってるんでしょ?
甲本 トーゼントーゼン。
真島 もっと早く帰るつもりだったんだけど、道が混んじゃったんだ、帰宅渋滞で。
大和田 でも楽屋からボクのケータイに電話があって、「5分押しです」って言われて助かった。
レコード好きエピソードが炸裂したこれにはめちゃくちゃ共感しました。そんなにいいレコード屋さんだったら仕事とか忘れてしまう。楽しそうなレコードを探すことへの熱量が伝わってきて、マーシーらしいなと興奮気味に読めました。
[真島昌利のスコブル!]
いいか ウェイラーズもくる ザ・ダムドも ジャムも クラッシュも メイタルズだって やってくる もちろん ドクター・フィールグッドもだ
ーー『パンキー・レゲェ・パーティ』ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズーー
もちろん僕もいく。と 言う訳でボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの『エクソダス〜デラックス・エディション』がすごくいい。
Vol.012
2002.03発行
☆頗る!
☆谷ヤン日記
他ライブスケジュール、リリース情報など
[“知ってどうする いまさら聞こう” アイドルちっく データベース]
甲本ヒロト
♪好きなコトバ まめ
♪腹立つコトバ 明日があるさ
♪最近お気に入りのCD レックレス・エリックのLive(ブート)
真島昌利
♪好きなコトバ 君 もう 帰っていいよ
♪腹立つコトバ 地球にやさしく
♪得意ワザ 散歩
♪もう一度みたい映画 『穴』
♪最近お気に入りのCD 『ダウンタウン物語』のサントラ
ヒロトの腹立つコトバ「明日があるさ」には共感しました。明日なんてあるか分からないし、ない場合だってあるんだ。ブルーハーツ時代にも言ってた名言「明日のための今日ではなく、今日のための今日ですよ。」と変わってないのが信念を感じます。
マーシーは最近お気に入りのCDを頗る!のコーナーでも少しだけ書いていて、
”それから先日発売された『ダウンタウン物語』のサントラはとってもいい感じだ。”
とオススメしてました。
[甲本ヒロトのスコブル!]
THE WHO のファースト・アルバム「MY GENERATION」が正式にリリースされるらしい。 ホントか? このFAN-JETが届くころには、はっきりしてるはずなんだけど。スゲーな、スゲーな、ウレシーな。1965年のことアルバム、日本でちゃんとリリースされるの初めてなんだよ。 ビックリですねー。権利問題でシェル・タルミーがどーしたとか、そんな話はおいといてヨロコビましょー。
Vol.014でマーシーもTHE WHOのファーストアルバムについて触れています。「FAN-JET」では色んなCDが紹介されていてワクワクします。ハッキリ言って全部聴きたくなります。
Vol.013
2002.06発行
☆谷ヤン日記
☆頗る!
他ツアーグッズ通販など
巻頭の宴デラックスではバッタモンなりきりバンド、ザ・ハイロウッズが登場してました。写真を見る限り特徴とか捉えててウケました。
[演芸会で打ち上がれ‼︎抜粋]
【“GO! ハイロウッズ GO! パンパパン”のコールと共に、怒濤のバッタモンなりきりバンド、ザ・ハイロウッズ登場。谷ヤンは白井さんら坂田くんはヒロト担当。相談天国からスタート!淡谷のり子も怒り心頭、針すなお10点満点確実の、ダチョウ倶楽部を超えるパフォーマンス】
@ ぎゃはは、なんだこれー。みんな似すぎー。
甲本 坂田くん、いきなりボウズなの(笑)
@ あれ、ホントだ!いつのまにボウズ⁉︎
甲本 この直前。バリカンで(笑)。裏で中西さんが刈ったらしいよ。
【メンバーそれぞれ、アクションの一挙手一投足が似すぎで大爆笑。一同、ビデオ観ながら呼吸困難。バンドがバンドならスタッフもスタッフ。本家もブッ飛ぶバカっぷり】
この号のヒロトの頗る!も最高に面白いです。ヒロトは文章とか苦手と言っていたけど、こんなに面白くて興味深い文章なかなか書けません。最高でした。今回はT-REXです。
Vol.014
2002.09発行
☆谷ヤン画日記 2002年 夏
☆頗る!
☆2002 FIFA ワールドカップ 自国開催記念 プレゼント‼︎
☆モヒカン おーちゃんをさがせ!
この号ではドラムのおーちゃんがモヒカンになっていました。ヒロトの飼ってるクワガタの話も出てきました。
[巻頭企画抜粋]
甲本 でもジャワ島生まれの二郎がいちばん元気かな。わんぱくで。面白いよ、むちゃむちゃ食べるよ、二郎。昆虫ゼリーあげてんだけど、最後までキレイにぜーんぶ。
白井 昆虫ゼリー?
甲本 アイツらバカだよ。昆虫ゼリーってのがあってうつわの中に顔つっこんで食うんだけど、ツノがジャマで最後までいけないんだ。そうすっとさ、なんかカンシャク起こしちゃって、そのまんまうつわをはねたりするの。ほとんど空っぽになったヤツをパーンとやってふんぞり返って、“ふん、空っぽじゃん”て感じでブスーっとしてんだよ、二郎くんは。最後はひっくり返して、土の上にこぼしたりして食ってる。すごいよ、態度わるくて。反抗期だな。
白井 しかし昆虫ゼリーってのはすごいな。
甲本 あ、スイカは絶対ダメなの知ってました?オレら子供のころ、スイカとかやってたじゃん、カブトムシとかに。
白井 ゲリしちゃうんだよな。
甲本 そう、ゲリしちゃうの。人間でも利尿作用とかあるじゃん?アレだよ。おもいっきりテレビとか見ればいいんだよ、クワガタもな。“あぁ、利尿作用か。やめとこ、スイカは”とかさ。
本当はもっとクワガタのことを語っています。めちゃくちゃクワガタとか好きですね。ここまで観察していらないし、伝え方がものすごくヒロトの世界になっているのが楽しかったです。
[真島昌利のスコブル!]
ーー年老いる前に死んじまいたいぜ 『MY GENERATION』THE WHOーー
ところでジョン・エントウィッスルが死んじゃいました。ジョン・エントウィッスル知ってる?THE WHOというバンドのベーシストだよ。THE WHO知ってる?えっ、知らないの?サヨーナラ。イギリスの有名なロック・バンドだよ。ファースト・アルバムの「マイ・ジェネレーション」がデラックス・エディションで発売されるから聴いてみてね。ロックンロールの超名盤さ。これは借金してでも買う価値ありさ。
Vol.015
2002.12発行
☆谷ヤン日記
☆頗る!
☆お年玉プレゼント
☆通販情報!FAN-JET限定Tシャツ
表紙のデザインでもわかる通り、7thアルバム「angel beetle」リリースの頃の発行です。
[巻頭企画抜粋]
@ こうして調&大島チームがサッカーを観ている頃、ヒロト&マーシーwith大和田マネは。
真島 一生懸命しごとしてましたっ。
@ いや、このチームは[N.Y.に渡ってストーンズ]を観てる!自慢してもいいよ。
甲本 よかったよー。2回観たんだけど、でもまずストーンズを観る前にひと波乱あったからな。
真島 くっくっくっ。大和田くんね、ストーンズのチケット、日本に忘れてきちゃったの。
@ ええーっ、一大事だ。
甲本 明日の1日目のチケットがないんだよ。“どこにあるの⁉︎”って聞いたら、“東京にある”。その状況でさ、いろいろ考えたよ。ダフ屋にしても、もう夜だからいまからじゃもうムリだと。マジソンスクエアガーデンなんだけど、ダフ屋きびしいんだよ。ボク、バスケット観たりしたこともあるんだけど、すごいきびしいんだ。“どうする?もし観れなかったらどうする?”。これしかない!ってオレたちが考えた方法は、いまからだれかに東京からチケット持ってきてもらおう、と(笑)。
大島 東京から大阪だってヤダよねぇ(笑)。
甲本 東京の大和田くんの部屋に行ってもらって、チケット持って成田に行って、とりあえず乗れる飛行機に乗って、このホテルまで来てもらおう。この計画に決定!ってなって(笑)。
真島 それはね、残り時間20時間ないんだ。
@ ドタバタコメディ映画かい。
甲本 そんでさ、佐々木くんて人に電話したんだ。大和田くんの友だち。佐々木くんさ、“いまなにやってるの?”って聞いたら、“バイト行こうと思って、いま出かけるとこなんですよー”って。そしたら大和田くん、“いまからバイト先に電話して、何日間か休みを取りなさい。そしていますぐ家を出て、パスポートと現金を持ってN.Y.に来い”。そしたら“いいっすよー”って(笑)。ぜんぜん悩まないんだよね?ふつう悩むじゃん。
真島 しかも佐々木くん、海外旅行1回もしたことないの(笑)あ、グァムに1回行ったことあるって言ってたな。
大和田 グァムは社員旅行かなんかでね。
真島 パスポートは持ってると。それで銀行で貯金おろして、大和田くんち行ってチケット取って、成田空港に行っていちばん早いN.Y.行きを自分でチケット買って、飛行機乗って(笑)。
はじめてのおつかいのようなこの話は最高でした。ハイロウズの人たちにインタビューとかしてもタイトルの趣旨からは外れた話になるのがデフォルトです。
Vol.016
2003.03発行
☆谷ヤン日記
☆前号プレゼントNo.5当選者、白井幹夫とデート in奈良
☆頗る!
☆プレゼントコーナー
巻頭企画でも「白井幹夫とデート」について語られていました。白井さんもやっぱりテキトーな感じで面白かったです。この号のプレゼントコーナーはなんだかよくわからない物が用意されていました。
[巻頭企画抜粋]
(白井さんは遅刻したらしい)
白井 だから奈良に着いて、デートの用意しなきゃならなかったんだ。
甲本 用意ってなんですか?
白井 だからヒゲそったり。
甲本 おー、やっぱそうなんだ(笑)。
白井 ウンコしたり、ションベンしたり。
@ 大事ですよね。
白井 だろ?モジモジしたりしちゃマズイからさ。だからちょっと遅れちゃってさ。
@ いくつくらいの女性だったんですか?
白井 19だっけかな?両親がマーシーと同い年だとか言ってたな。
@ とほほほほほほ。
真島 ふはははははは。
甲本 スゴイよぉ(なぜか小声)
白井 プリクラは面白かったねー。プリクラっていいねー。
@ ひーっ、そんなことしてるし。
甲本 もう、だから白井さん、もっと順序立てて話してくださいよ。まず遅刻して会って。
白井 会いました。寒かったんだけどさ、鹿せんべい……、
甲本 えっ、会っていきなり鹿せんべい?(笑)。
白井 そ。鹿せんべい。人力車、大仏、喫茶店、えー、そんでプリクラ。かな?
甲本 箇条書きだ(笑)。
[真島昌利のスコブル!]
ー俺達はいつも同じように感じていた。俺達は違った角度から見ていたんだ。ブルーにこんがらがりながらー
ー『Tangled Up In Blue』BOB DYLANー
「頗る!」のコーナーの冒頭でマーシーがよくこのように歌詞の和訳を書いていました。この号のヒロトの「頗る!」のカマキリ親分の文章もやっぱり面白いです。なにか天才的な感性で惹きつけられます。
Vol.017
2003.07発行
☆谷ヤン日記
☆頗る!
白井さん脱退のお知らせがあった号でした。
[巻頭インタビュー]
甲本ヒロト編
谷口 唐突ですけど、最近よくブルースを聴いてるらしいですね。
甲本 聴いてるねー。素敵だよ、ブルースは。とくにね、カントリーブルース。オレ、ブルースものすごく好きになったキッカケは、戦前のカントリーブルースなんだよ。エレキギターの音じゃなくて、そういう音にハマって、そればっか聴いてた時期があるんだよ。当時はそんなに出回ってなくてさ、けっこう捜して研究したんだよ。
谷口 戦前というと、ブラインド・ウィリー・マクテルとか?
甲本 そうそう。もちろん定番中の定番、チャーリー・パットンとか・・・・あと、ロバート・ジョンソンとかサンハウスとか・・・・。んでね、昔、ボクがブルースに初めてドップリハマったころには、そんなに一生懸命聴いてなかったのに、最近になっていいなぁと思ってるのはね、ジャグバンドなんだよ。ウォッシュボードとかジャグとか、あの系列なんだよ。ガス・キャノンとか。
真島昌利編
ところで、またレコードいっぱい持ってましたけど、今回はなに買ったんですか?
真島 ビートルズとストーンズと、『リバプールサウンドのすべて』っていうヤツ。
谷口 すでに持ってるのを、状態のいいヤツ見つけて、買い直したりしたんですか?
真島 帯が違うから。別帯のヤツを買った。
谷口 前に家に行ったとき、かなりの数のレコードがありましたけど、あれからまたずいぶん増えてますよね。何枚ぐらいあるんですかね。
真島 何枚ぐらいだろうね。もう置き場所がないよ。大変なことになってる。箱に入れて積んであるもん。レコード屋さんの倉庫みたい(笑)
谷口 ちょっとしたレコード屋さんより多いかもしんないすね。
真島 だろうね。
谷口 聴きたいヤツがすぐ見つからないんじゃないですか?
真島 そんなことはない。オレ以外の人には絶対わかんないだろうけどね(笑)
マーシーの話の自分以外には絶対わからないレコードの並べ方にめちゃくちゃ共感しました。うちもそうです。この後レコードプレーヤーの話もします。昔あった赤い蓋にクリーム色のボディーが存在感抜群だった、コロムビアのポータブルで聴いていると語っていました。安い音でレコード聴いてるなってカンジがすると絶賛してました。筆者も初めて買ったレコードプレーヤーがそれで、今思えば確かに安い音でレコード聴いてる感がぶっちぎりでしたが、手離してしまいました。ちょっと後悔です。マーシーはオーディオに興味はなくて聴けりゃ何でもいいと断言してました。それより1枚でも多くレコードを買いたいと。
[真島昌利のスコブル!]
いつの日か、いつかは わからねえけど 俺達、本当に 行きたい場所に行けるよ そんで 太陽の下を歩くんだ
ー『BORN TO RUN』BRUCE SPRINGSTEENー
Vol.018
2003.09発行
☆谷ヤン日記
☆頗る!
☆クオリーメンが飛行機でやってきたぞ!初来日だ!遠い国から、いくつもの海を越え、山を越え、45年の時を越え、いよいよ始まる THIS STAR SHOW「Puttin’ on the Style」‼︎
☆通販情報!angel beetle ツアーグッズ
[巻頭インタビュー抜粋]
@ で、白井さんが抜けた穴は、どうするかとかは、まだ決めてないのかな?
甲本 いやじつはね、ここだけの話、っていうかファンジェットだからいいと思うんだけど。サポートでキーボードの人をお願いしようっていう、ものすごい具体的な話があったの。ミキオくんていう、やっぱりミキオくんなんだけど。
真島 名前で選んだの。やっぱりミキオだよな、って。
甲本 衣装とかまんま使い回しできるから。あのベイシッティローラーズのミッキーって書いてある衣装とかとってあるからな。
@ その人、怒るよ?失礼だよ!
甲本 あ、シャレになってない?(笑)それはね、想像上ではね、バッチリうまくいく雰囲気だったの。今でもやればうまくいくだろうなと思う。んでね、まずそのミキオくんてのがスタジオに来るぞって時にさ、オレたちだけでどこまでできるかやってみよう。その上でサポート入ってもらおう、ってことで、オレたち先に2日間くらい先にスタジオ入ってたの。で、4人で演ってたら、4人が良くなっちゃったの。
@ あらま。これでイケる!と。
甲本 うん。いまだにそのミキオくんが入ったらどうなるかっていう可能性は残したまんまね。まだ1度も一緒に演ってない。でも、4人がいいな、ってすごく思うんだ。
@ それはみんな一致して?
一同 (※うなづく)
甲本 みんなだよ。みんなじゃなくっちゃできないよ。
@ ママミルクみたいな、キーボードがないと演らなくなっちゃうのかと心配してた曲も、ガンガンに演ってるもんね。しかも強烈バージョンで。
真島 とりあえずギターの音デカくして。
甲本 それでごまかしてる(笑)。
真島 そうそう、音1つなくなっちゃったからさ(笑)。3メモリくらい、デカく。
甲本 メモリなんだ(笑)。
@ よりロックなカンジでイクぞ!と。
真島 ま、バカでかい音で演ってりゃ大丈夫だろ、と。とりあえず。
@ アマチュアかい。
アンプのメモリの話がハイロウズらしくて楽しかったです。3メモリもデカいから4人になってからよりロックに聴こえるだな。それはそれですごいエネルギー感じます。
[真島昌利のスコブル!]
あの娘の名前も知らなかったけど ニコリと笑って俺の金を盗んだ そのやり方が気に入ったね
ー『SILVER TRAIN』THE ROLLING STONESー
[甲本ヒロトのスコブル!]
『雨ダス。』 甲本ヒロト
その日は休みだったので、ぶらりと出かけて、お菓子を買いました。
帰ろうと思ったら、突然の雨ダス。それも滝のような激しい降り様です。
おいしいケーキ、そのうえ傘まで貸してくれた親切なおばちゃんに感謝しつつ上機嫌で歩いていると、突然、何か黒い塊が飛んできて、目の前のアスファルトにベチャッと音をたてて落ちました。
そいつは2メートル程の高さの塀を飛び越えて、大きな放物線を描き、道のまん中に着地したのです。
腰をかがめてようく見ると、握りこぶし大のカエルでした。
あまりの大ジャンプでバランスをくずしたのか、背中から地面にたたきつけられて、あお向けのまま失神しているようです。しっかりせよと、つついてみれば、ピクピクとふるえています。
自力では起き上がれないと見た僕は、ここは危険ダスよと声をかけ、手を貸してやり、なんとか道の端っこまで連れてってあげました。
『どうも』
と、ひと言、というか、ひと鳴きして、のそのそ歩きだしたので、僕はその場をあとにしました。
Vol.019
2003.12発行
☆頗る!
☆谷ヤン日記 〜相変わらず白井のおっさんに振り回されるの巻〜
☆flip flop 2 掲載写真解説
☆恒例のクリスマス&お年玉プレゼント‼︎
毎回、見出しのタイトルの付け方が思わず笑ってしまったり興味をそそられることが多いなとびっくりします。この号は企画盤『flip flop 2』がリリースされた頃に届きました。
[巻頭企画抜粋]
【flip flop 2】
@ 今年は新譜のアルバムリリースはなかったけど、『flip flop 2』は面白かったよ。
甲本 うん。狼ウルフも入ってたし。ナンシーも入ってるしね。
@ ふつう入れないよね。ベスト盤じゃないにしろ。入門としてこれで聴いてみようとか思って買った人はビックリするよ。あんなシークレットトラックまで入ってたら。
大島 なんか友だちが作ってくれるテープみたいだよね。裏ベストみたいな(笑)。
真島 うはははは。
甲本 ボブ・ラディックだよ?マスタリングが。ストーンズとかだってやった人だよ?
@ すごいよね。なんかずーっと汗びっしょり、言ってるし。
甲本 そうだよ。あれはでもね、通して聴いたら楽しかった。アルバムじゃなく、1コ1コが別々に入ってたものたちじゃないか。あれを並べて聴いたときに、不思議なケミストリーがおきた。よかった。
@ それはそうとライナーノーツにはまたしてもピーター・ビトリチェンコ。誰よ、それ(笑)。
一同 ははははは。
@ この人はたぶん、ほかのとこでもピーターって呼ばれてる人だよね。
甲本 そうだね。ピーターってのにシンパシーを感じてるんだね、きっと。
この後でマーシーのレコードの話が始まるとまた面白いです。
@ マーシーはレコードとかありそうだよね。
真島 ああ、レコードはけっこうレアかな、っていうのあるかな。んー、たぶん一般的にいちばんレアかなと思われるのは、オレが持ってる中では、ザ・ダムドの『Neat neat neat』の国内盤の7インチシングルのレギュラー盤。レギュラー盤ていうのは、サンプル盤とかじゃなくて、ちゃんと売られてたヤツ。
甲本 数百枚って噂だよね。
真島 タイムボムっていう大阪のレコード屋さんの人が言うには、レギュラー盤は300枚しか存在してない、って。邦題がね、『嵐のロックンロール』っていうの。
甲本 見たことないもん、オレ。たぶんその300何枚は新宿あたりでちょっと出ただけだよ。岡山のウチの近所のレコード屋にはなかった。
@ ヒロトはいろいろありそうだよね。
甲本 オレはあんまりレアなものには興味ないんだ。なんかバカバカしいものが好きかな。あー、これゴミになるなぁ、っていうガラクタとか。あ、あった。KISSのギター。あれお宝。
@ 客席でゲットしたやつだ。そりゃお宝だ。
甲本 ああいう、買おうと思っても買えない、思い出の詰まったものってあるじゃない。
@ オークションで手に入れたとかじゃなく。
大島 自分が取った!っていうね。
甲本 そうそう。マーシーの『嵐のロックンロール』っていうのもさ、たまたま買ったんでしょ?
真島 そう。高校生くらいのときに。当時、パンク好きだったからさ、いろいろ聴きたいな、って思って、近所のレコード屋で買って。
甲本 そういうのが大事なんだよね。
@ ちゃんと取っておいてよかったね。
真島 うん。何枚か売っちゃって、さんざんくやしい思いしたんだけど。
[甲本ヒロトのスコブル!]
『映画』 甲本ヒロト
まだ見ていない映画を、大絶賛します。『飛ぶ教室』という映画です。
(中略)
これ以上は説明できません。僕もまだ映画は見てないです。来週だったかな、土曜日だったかな、えっと、どこだったかな。つまんなかったらごめんね。
[真島昌利のスコブル!]
そんでよぉ 人生なんて苦痛だけだなんて言いながら こそこそ歩き回ろうなんて考えてるんだったら 俺はおまえのことをひっぱり出してこづき回してやるぜ おまえに思い出させてやるぜ 俺達はアバディーンに高く突き上げた腕 心意気だけが 俺達のガソリンだろうって事をな。
ー『ARMS ALOFT』JOE STRUMMER&THE MESCALEROSー
Vol.020
2004.03発行
☆頗る!
☆谷ヤン日記
☆HAPPY SONG RECORDS設立!
表紙からすでに赤と黒のチェックで揃えたファッションが目に留まります。カッコいいな、ロックだなと心を奪われ、同じのを欲しくなってしまいます。
[赤格子軍団、アジト潜伏中]
@ で、なんなのよ、そのお揃いルック。
一同 うははははは。
@ この間、ヒロトにスタジオどう?って聞いたら、“楽しいよー。みんなで衣装も揃えたんだよ。ミッシェル・ガン・エレファントみたいだぜ”とか言ってんの。ちがうじゃん!
真島 ん?その通りじゃん。
@ そんなもっさりチェック、ミッシェル着ない。
甲本 ミッシェルもチェックにいく前に解散しちゃったからね。“あとは頼んだ!”って。ね?
@ どうしてこんなことになったの?マーシー、説明してください。
真島 なんでかな。最初に着てたのはヒロトなんだよね。いや、おーちゃんがずーっと昔に着てたの。ビートルズでいえばハンブルグ時代。
甲本 カッコいいな。クオリーメンか?
@ ビートルズに例えてもカッコよくないから。
甲本 ミッシェルとビートルズ、もう2コでた。
真島 自分たちにいいようにいいように言ってるからね。ほんでヒロトが着てきて、あ、オレもあんなの家にあったな、と思って、オレも着てったら面白いかな、と思って。
@ 友だちが着てたらかぶらないようにしない?
真島 ん?そんなことないよ。
@ 次のアルバムのコンセプトに合わせて今回は衣装揃えよう、とかいうならともかく。
大島 そういうのはヤなんだよな。
甲本 話し合ってそういうことするのはヤなの。
真島 で、着てったらなんかウケたんだよ。
甲本 その日はさ、下に着てたトレーナーまでお揃いだったんだよね(笑)。帽子もお揃いで。
真島 そそそ。そんで場が楽しい雰囲気になって。“おーちゃんも昔こーゆーの着てたよね”って言ってたら、次の日おーちゃんも着てきた。そんで3人目だよ。
大島 となれば調くんも買うっきゃないと。
調 そうそう。これはもう買うしかないな、と思って。次の日ちょうどスタジオが休みだったから買いに行ったの。
大島 みんなの生地とか確認してね。
真島 チェックの幅が何センチとか、面積を計って。
調 そんで買いに行ったワケですよ。
大島 スゴイよね。歩き回ったらしいよ、1人で。
甲本 しかも近所とかじゃないんだぜ?
調 渋谷、原宿をウロウロしたんだよ。
一同 カッコい〜。
真島 休みの日は服買いに、渋谷、原宿(笑)。
[真島昌利のスコブル!]
みなさん、こんにちは!元気ですか?俺は今日も元気だぜ、Yeah! ところで『SONIC MANIA』のストレイ・キャッツはカッコ良かったね!ブライアンもスリム・ジムもバリバリだし、マーク・ウィンチェスターもスゴかったぞ。(リー・ロッカーどうしたのでしょうか?)
ロックン・ロールはやっぱり最高だーーー。
わーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
うるさいよ!ハイ、ゴメンネ。よーし、ジーン・ヴィンセントを聴こう!
マーシーのスコブル!はいつもこんなノリです。ヒロトのクワガタの話もとても楽しかったです。
[甲本ヒロトのスコブル!]
『総入れ歯』
その1
そういえば、うちのクワガタ、また冬を越したみたいです。こないだ、ずいぶんあったかい日があって、春みたいだ、と思っていたら、クワガタもそう感じたらしく、ムグムグと出てきてイゴイゴしてたよ。ほんで、急いで昆虫ゼリーを入れてやったら、ヘモヘモ食べてた。すごい、すごい。コロッペは3才だ。それに、滅多に冬眠などしないと言われているノコギリクワガタまで出てきちゃった。どうせ死んでんだろうけど、掘り出すのもキモチ悪いから放っとこーって思ってたのが、生きてたんだよ。捨てなくてよかった。あと、去年コロッペが産んだ子供たちが順調に育ってて、この春にはサナギになりそうだ。いやー、どうなっちゃうんだろう。
Vol.021
2004.06発行
☆頗る!
☆谷ヤン日記
HAPPYSONG RECORDS 第一弾 SINGLE『荒野はるかに/ズートロ(69バージョン)』が発売された直後に発行された21号目です。
【NEWシングル2連発リリース!】
@ いよいよシングル発売だ。6月9日ロックの日、『荒野はるかに/ズートロ』だ。この会報が出るころにはもう発売されてるんだよね。
甲本 そうか。
@ 7月21日にはこれまた3曲入りシングル『砂鉄』も立て続けにリリース!と。でもアルバム発売は9月でまだまだ先なのね。
甲本 ふむ。ここだけの話、もうできちゃってるんだけどね。
@ 6月のシングル聴かせてもらったんだけど。
甲本 面白いでしょ。
@ カックィ〜。3曲目はマーシーが歌ってた。
真島 うん、歌ってたねぇ。
甲本 ひさしぶりだねぇ。
@ あの曲はアルバムには?
真島 あれはね、入んない。
@ ガーーン。なんで?
真島 ん。そうやってアルバムとシングル両方買ってもらおうって作戦に決まってんじゃん(笑)。
@ ガラにもなく商売っケあるようなこと言うな。
真島 ふはははは。
@ えー、すごいカッコよかったんだけどな。やっぱダメ?シングル買わないと。
真島 いや、借りてもいいんだけど・・・・(笑)。
@ マーシーさ、ストーンズのキースのボーカルってどう?
真島 え?なんで?好きだよ。
@ キースがライブで歌ったりすると。
真島 うんうん。なに?いや、カッコイイじゃん。『HAPPY』とか。
@ わーい、キースが歌った〜!てカンジになるよね。つまりそういうことっ。
甲本 たまには歌え、と。
真島 あ、なるほど。
@ そうだよ、そうだよ、そうなんだよ。
真島 ふむ。そっか、よし、歌おう。
@ アテにならん(笑)。
甘美さんがマーシーにも歌ってほしいというファンの気持ちを代弁してくれたインタビューでした。でもハイロウズにはマーシーボーカル曲が割とあります。全部で何曲だったかな?意外と多くてすぐにパッと答えられないや。ファン失格じゃん(笑)
[甲本ヒロトのスコブル!]
テレビばっかり見ています。探偵ナイトスクープとか、キン肉マンⅡとか、あと一番多いのがお笑い番組。テレビなんて、たまたまついてたら見るよ、てなもんだったのに、ここ数ヶ月ムキんなって見てます。
まるで義務のように、毎週かかさず見る番組がたくさんあります。
(中略)
そして、今、さらに恐ろしいことが起ころうとしています。以前使っていたDVDレコーダーがこわれちゃったので新しいのを買ったのですが、そいつがハードディスク内蔵のやつで、なんと、最長約153時間も録画可能なのです。ひゃ、ひゃ、ひゃく、ひゃくごしゅ〜〜〜、すぁ、すぁ、すぁ〜ん ずぃー〜〜くゎん〜〜〜。いったい、わたしは、どーなってー、しまうのでー、しょーかー。
[真島昌利のスコブル!]
イェーッ!問題ないぜ、いかしてるぜ、BABY! イェーッ!深刻ぶるなって、俺はジャンピング・ジャック・フラッシュ まったく最高だ。
ー『JUMPIN’ JACK FLASH』THE ROLLING STONESー
Vol.022
2004.09発行
☆頗る!
☆谷ヤン日記
☆プレゼントコーナー
他ライブスケジュール、通販情報など
この表紙は“黄土色のサファリルック”ってやつですね。カラーじゃないから実際には何色なのか分からないけど。カッコいいなぁ。真似したいな〜。
【Do‼︎The★新譜発売】
@ さて、やっとこさニューアルバム発売おめでとう!
一同 ありがとうございまーす。
@ とっくにできてたらしいけど、やっと出たね。
甲本 そうですねえ。今となっては、完成したときのよろこびはもう忘れています。
@ またこれだよ!
甲本 今いちばん嬉しいのは、ジャケットの完成かな。この工程に関しては、いちばん最近できたのはジャケットやポスターなんだよね。そういうものに対する満足感?
@ ピンクのジャケットって珍しいよね。馬も岩みたいだよ。笑顔インパクトありすぎ。
甲本 カックイー。アナログ盤だともっと迫力あるよ。
@ しっかしいいアルバムだー。聴けば聴くほど好きになってくる。ウマが合う!
真島 ふふふん。
@ 毎回アルバム出るたんびにバカみたいに感動した!って言ってるみたいでシャクなんだけど、とにかく色とりどりでビックリした。
甲本 ハァ、そうすか(笑)。
@ MUSTANGは発音記号通りマスタングなの?
甲本 うん、議論した。
真島 昔は日本人はみんなムスタングって言ってたよね。クルマにしても。
甲本 それはほら、デズニーランドとかさ、レモンテーとかいうカンジ。オレたちはムスタングだよね。デズニー世代だから。
真島 そう、キャンデーズ。
甲本 そうそう、テーシャツ?そういう世代はムスタング。わしらの世代はムスタングじゃ!ってこだわったんだけど、ちょっとはずかしくなっちゃって。
@ 誰に対してよ。
甲本 いや、なんとなく(笑)。今さらキャンデーズもないかな、と。で、マスタング。
@ マスタング、野生馬か。野良馬でいこう!か。で、これはそれぞれが音を聴いてもらえばOKなワケで、今回もアルバムの話などする気ナシ、と。
真島 終わり(笑)。
@ たはは、やっぱし。
[真島昌利のスコブル!]
泣くなってばよお、そんな目すんなよ たかが十代の荒れ地じゃねえか。
ー『BABA O’RILEY』THE WHOー
ところで今年の夏は暑かったね。バカなマスコミは『異常気象』などという言葉を使って必要以上に危機感をあおっていましたが、夏が暑いのはあたりまえじゃんか。異常でも何でもなくて普通だ。7月、8月に東京に大雪が降って、電車が止まったりしたらさすがにおかしいとは思うけど、ただ暑いだけじゃないか。夏が暑いのはあたりまえだ。はい、皆様ごいっしょに。『夏が暑いのはあたりまえだ!』何の問題も心配もない。異常なのは、そんな事で騒いでいるマスコミだ!バカ!
マーシーが誰も言わないあたりまえな事を言っていて、すごく刺さりました。最後のひと言なんかまるで聖人だ。タバコを吸う聖人(現在はタバコは辞めたそうです)。
Vol.023
2004.12発行
☆頗る!
☆谷ヤン日記
☆お年玉プレゼント‼︎
他ライブスケジュール、通販情報など
【応答せよ!質問ジェッター11連発!】
@ じゃあ次。「2004年に買ったCDでよかったものは何ですか?」
甲本 すんげーたくさん買ってるからなぁ。どこからが2004年かもよくわからないんだよな。あっ、これフツーに答えていい?笑いないよ?
@ いいよ、笑点じゃないんだから(笑)。
甲本 あのね、ワシントン・フィリップス。ブルースというか、1930年代の録音なんだけど、その人ね、38年とかそのくらいにもう死んでんの。あんまりプロフィールとかもよくわからないんだけど、僕ね、2曲だけコンピレーションアルバムとかオムニバスに入ってるの聞いたことあって愛聴してたんだ。自分で編集したお気に入りのブルースみたいなのを録音するときは、かならずワシントン・フィリップスをしのばせておいて。で、最近ね、16曲入りのCDを見つけて、すげえ嬉しかった。生きてるうちに18曲録音したっていう記録が残ってるんだけど、そのCDには16曲だった。
真島 どうせならコンプリートで入れればいいのにね。
甲本 でも情報が間違ってる可能性があるんだよ。もともと16曲だったかもしれない。18曲あったんだけど、あとの2曲はもう音がボロボロで聴けた状態じゃないとか。
@ 黒人の人?
甲本 そう。ギターじゃなくて、ピアノでもハーモニカでもない。ドルジオーラだかダルシオーラとかいう珍しい楽器を弾くの。トイピアノみたいな、グランドピアノのちっちゃいのみたいなの、って英語で説明してあったけど、可愛いーい音なの。オルゴールのようなトイピアノのような。ブルースっていうよりどっちかっていうとスピリチュアルに近い。なんかね、ジーンとする。
(中略)
@ じゃあマーシーは?
真島 何が?
@ 今年買ったお気に入りのCD。
甲本 たしかそういう質問だったな(笑)。
真島 あー、そんなことすら忘れてた(笑)。ブライアン・ウィルソンの『SMILE』。あと、キーン。ドラムとピアノとボーカルの3人組。曲がすごいよかった。あと、シャック。元ペイル・ファウンテンズのマイケル・ヘッドがやってるバンド。そのニューアルバムが出たの。あと赤木圭一郎。
甲本 そんなの買ったの⁉︎(笑)。
真島 なんか新しいベストが出てて、ジャケットがかっこい〜、と思って。ジャケ買い(笑)。曲は全部知ってる曲なんだけどね。
@ 和製ジェームス・ディーンか(笑)。元々好きなの?
真島 うん。かっこいい。しびれちゃう(笑)。
@ これもCDネタかな。「海外のロックを聴いたことがないのですが、初心者にオススメのものを教えてください」
真島 自分でジャケ買いしたほうがいいんじゃない?自分のセンスで。CD屋さんに行って、北米/白人、てコーナーがあるから。
甲本 そんなコーナー分け(笑)。
@ 少年時代、そういうこと実際してた?
真島 してたよ。しょっちゅう。
@ じゃあ失敗もした?
真島 もちろん。
甲本 でも大抵はラジオでチラッと聴いて、あー、これ何だろう、っつって、レコード屋のレジで歌って聴かせる。“ローンドーン・バーニーン!”とか(笑)。僕はロンドン・バーニングとは歌わなかったけど、口笛ふいて聴かせたことあったよ。結局はわからなかったけどね(笑)。
@ 店員さんも大変だなー。クイズウルトラドンみたいだ。
こういう話題だとよくしゃべってくれるし面白いです。実際に買って本当に愛聴しているCDとか興味深いです。ヒロトの「情報が間違ってるかもしれない」と疑ってみる姿勢も共感しました。
ジャケ買いで失敗することはやっぱりあるんだなと、なんか安心しました。でもジャケ買いしてバッチリ刺さった時は人生の名盤になります。
[真島昌利のスコブル!]
この頃は中島らもさんを追悼して本棚からアレコレひっぱり出して読み返しています。あと『THE BEATLES ARE COMING!』という’64年にビートルズがアメリカに上陸した時の事あれこれをまとめた大きくて重い洋書。あとはマンガ(←またかよ!)諸星大二郎や水木しげる、細野不二彦『ギャラリーフェイク』などなど。
Vol.024
2005.03発行
☆頗る!
☆谷ヤン日記
他ライブスケジュールなど
[近況+例の件]
@ この2月は何やらNEWシングルのレコーディングをしてたそうで。これってもしやポール・マッカートニー来日未遂と関係アリ?
甲本 スルドいツッコミですね。
真島 そうだね。ホントは来るはずだったんだけど。スケジュール空けて待ってたんだけど、来ないからさ、しょうがないからレコーディングでもするか、と。
@ うはは、やっぱそうだったかっ。ポールが来るって噂はいつ頃あったんだっけ?
真島 去年、(ハイロウズの)ツアー始まる前、来年の2月はポール来るから、スケジュールばーっと空けとこう、と。
@ で、来ないし、オフにするのもヒマだな、と。
甲本 そ。転んでもタダじゃ起きない(笑)。
@ まあ、ポールの来日がなくなった時点でツアー入れようと思えば入れられただろうけどね。
そうだ。前号でお年玉プレゼントがあったせいもあるけど、今回もおたよりがいーっぱい来たのね。で、前回のインタビューで“PV集出してよ”“よし出そう”ってな軽はずみなやりとりがあったじゃない?
甲本 あー、あったね。
@ そしたらみんな“楽しみにしてます”“いつ出るんですか?”ってすごい反響なのよ。
真島 じゃあやめよう。
@ うがぁぁげげぇげぁ〜、や〜め〜れ〜‼︎
一同 うははははははは。
甲本 サイテーだそうだ(笑)。あのね、決まるときはいつも軽く決まるんだよな。
@ いちばん恐れてたんだよ、あのあまりにも軽い受け答え。私がナメられたってこと?どうしてくれるんだ、みんな期待させちゃって。
甲本 いや、そのうち出すよ、ほんとに。でもね、すぐじゃない。
@ それって親におねだりした時に“そのうち買ってやる”ってのと似てない?大丈夫?
甲本 大丈夫。それはさ、“そのうち買ってやるよ”ってよくダマされるのは、そのうち自分が欲しくなくなるのを親が待ってるんだよ。そうじゃないよ。ちゃんと出すよ。
@ またしてもはぐらかされてる気がして心配だなぁ。あんまり待たすとファンの人も欲しくなくなっちゃうよ?
真島 じゃあその頃に出そう。“もういらねーよっ、今さら”って頃に(笑)。
調 今かよ!って(笑)。
後にPV集は発言通りしっかり発売されました。「FLASH BACK vol.1」、「FLASH BACK vol.2」というタイトルです。有言実行ですね。ただしリリースはハイロウズ活動休止後の2006.2.22でした。
今回の「谷ヤン日記」はレコーディング中のスタジオで、みんなが出前で何を注文したのかが掲載されているのが興味深かったです。そういうどうでもいい情報こそ楽しい情報だったりします。
「頗る!」ではヒロトは文章が苦手といっていましたが、毎回めちゃくちゃ楽しい文章が読めました。
[甲本ヒロトのスコブル!]
子供の頃から文章が苦手です。読むのも書くのもめんどうでたまりません。ヒロトです。なのに、いろんなトコからコメントとか感想文とか頼まれる度、ついニコニコOKしてしまうとです。ヒロトです。
Vol.025
2005.06発行
☆頗る!
☆谷ヤン日記〜沖縄ツーリング編〜
☆プレゼントコーナー
☆通販情報
☆2005年5月29日(日) BMG Presents『サンダーロード・アー・ゴー‼︎』@横浜BLITZ ライブリポート
この号はめちゃくちゃ面白いマーシーのレコードの話が聞けて楽しかったです。こういうの好きです。
[おぼろげな人々]
甲本 あ、思い出した!山梨って僕とマーシーが無言のドライブで帰ったときじゃない?
中西姐 それは小山。静岡です。
甲本 あれ〜?(笑)。じゃあぜんぜん覚えてないな。失礼だな。
真島 中古レコード屋なら覚えてる。
@ ほぅ、品揃えはどうだった?
真島 わりとよかったんだ。で、そこでなんかお客さんでヘンなオヤジが来てたんだ。俺が入ったときはもういたんだ。そしたらそのオヤジが、“ここはどんなレコードでも買ってくれんの?”なんて店の若い人に聞いてんだ。“60年代のビートグループのとかも買ってくれる?”“ええ、買いますよ”なんて。“ウチにいっぱいあるんだよねー”なんて言ってんだ、そのオヤジが。ちょっとその前に俺に見せろ!って言いたかった(笑)。
甲本 そんなこと言ってたねぇ。行きたいね、そのオヤジの家。
真島 そのオヤジ、車で来てたみたいで、“今からウチに帰って持ってくるから”とか言ってるから、もうその車に乗ろうかと思ったよ。トランク、がーっと開けて(笑)。
@ 尾行して直接買いつけかい。
真島 そこでいきなり“僕も行ってもいいですか?”なんて言ったらヘンじゃん。“キミだれ?”って言われちゃうし(笑)。
@ トランク潜伏のほうがよっぽどヘンだよ。
真島 よっぽどそこでそのオヤジが持ってくんの待ってようかと思ったんだけど、そんな時間も余裕もなく。そのオヤジがどんなレコード持ってきたのか気になるんだよね。
@ 見た目はどんなオヤジ?
真島 オヤジ。ふつうのおっさん。
甲本 べつにかまやつひろしみたいなんじゃないんだ。
@ ビートグループとか言って、ダウンタウンブギウギバンドとかだったら怒るよね。
甲本 60年代じゃねえし(笑)。
真島 いや、デイヴ・クラーク・ファイブとかって言ってたもん。具体的な名前。
@ おぉ、それはたしかにそそられるかも。
真島 気になるでしょ?あの車、ほんと乗って行きたかったな。“ちょっといいですか?まず僕に見せてください”って(笑)。
@ また段ボールの上に“見なくて良い”って書いてあるかもよ。
真島 ふはははは。そんなことがあったよ、甲府。
甲本 その店に問い合わせたほうがいいよ。“こないだこんな光景を見たんですけど、その後どうなりましたか?”って。
真島 “あー、あんときのヨダレ出して一緒にオヤジんちに行きたそうな雰囲気まるだしだった人ですね?”って(笑)。
甲本 “雰囲気まるだしだった真島さんですね?”。
@ 面割れはキツぅ〜。
[真島昌利のスコブル!]
そんなけだるいアンニュイな雨の午後によく似合うCDを一枚おすすめするならば、『ニーナとピアノ/ニーナ・シモン』だ。有名なレコードだからすぐに見つかると思うよ。
Vol.026
2005.09発行
☆頗る!
☆谷ヤン日記
☆定番グッズ通販
[ネタばれ注意!ライブDVDの真相やいかに?]
@ 今度のライブDVD『The★MUSTANG04-05』、観せてもらった。イベントものとかはあったけど、久々だね、ライブもの。『ザ・ハイロウズ登場!TOUR』以来じゃない?
甲本 ああ、そっか。
@ しかしなんなのよ、アレ。
甲本 ん?なにが?
@ ホントにいいの?あれ売っちゃって。ほぼ裏ルートビデオの映像だよ?
真島 ふひゃひゃひゃ。
甲本 『Ramones Raw』みたい?(笑)。
@ たぶん怒る人いると思うなー。マジメな人は。
甲本 えぇーっ、また怒られるのぉ〜?怒られ続けたのに、10年間。
@ 全編ホームビデオの映像だよ?満を持して出すライブビデオだし、みんな期待してたよ。
甲本 あれ〜?
@ こら、全員で下を向くな。
真島 シュ〜ン(笑)。
甲本 そっかぁ。意識したことなかったな(笑)。
@ 最初に観たとき、正直ちょっと呆れました。
一同 うはははははは。
@ でも可笑しくなっちゃったよ。これがふつうに大手のCDショップとかに並ぶかと思うと。
甲本 新宿のエアーズとかにありそう?
調 うん、ありそう(笑)。
甲本 そういうのばっかり観てるからかなぁ。
@ だけど観てるうちにやけに楽しくなってきちゃってさ。なんかね、まるで鼻毛が出てようと、ズボンが脱げかけてようと、“気にしませーん!”とばかりに全力で走ってくる人たちを観てるみたいな。
一同 ふははははは。
@ あの映像は自分たちでセレクトしたの?
甲本 もうほとんどの編集はまかせた。
@ 自分たちは最初に観たときどう思った?みんな観たでしょ?どんなカンジで?
甲本 ん?ビデオとかで観たよ。
@ 観る手段じゃなくて雰囲気だよっ。どんな感想を言いながらとかさ。
甲本 どうだったかなぁ〜。
@ ついこの間のことだよっ。
甲本 いいじゃん、いいじゃん、とか言ってたんじゃないかなぁ(笑)。
@ だってさ、せっかく収録するライブMCにあんなのセレクトされると思った?
甲本 なんだっけ?あーあー、しりとり?撮ってたんだね、あの映像。
@ ふつうバンドなら、心にグッとくるようなMCを選ぶだろうに。
甲本 そんなMC、とんとしてないからなぁ。
@ そもそも演奏中断のトラブル中にしりとりするかね。よりによってそれを入れるかね(笑)。
甲本 あんなことでもないと喋らないからな。
[甲本ヒロトのスコブル!]
お面は高い。唐突ですが、お面は高すぎます。ペラペラなのに。子どもの頃、お祭りに行ってお面を買ってもらった時、その法外な価格設定にギョッとした記憶があります。いくらだったのかハッキリとは覚えてないけれど、自分としてはせいぜい100円くらいだろうと思ってたのに、実際に親のサイフから出ていったのは、その3倍とか4倍とか、そんなかんじでした。
(中略)
僕がかぶりたいのは、機関車トーマスと機関車パーシーです。キッパリ。
[真島昌利のスコブル!]
最近レンタルビデオ屋さんが商品の主流をビデオテープからDVDに移行しているような気配があり(くわしくはわかりません。)商店街などでよくレンタルに使用されたビデオテープのワゴンセールをみかけます。1本¥200〜300くらいで売っているのです。このあいだ散歩の途中で何気なくのぞいていたら発見しました。『北京原人』。即ゲット!ついでにロバート・ゼメキス監督の『抱きしめたい』も買って帰宅しました。(2本で¥400)いやあ、すごすぎるぞ『北京原人』。面白い。マンモスすごい。アッというまの115分でした。『抱きしめたい』は1964年ビートルズアメリカ上陸をめぐってのティーンネイジャー達のドタバタコメディでこれも面白かったです。ビデオといえば『シベリア超特急』も1から4まで一気に観ました。衝撃です。これは一気に観るという所がポイントです。間違えて『バルカン超特急』を借りないように注意して下さい。(いや、それはそれで面白い映画なんですがね。)
こんなカンジでマーシーのプライベートの話が読めるのが嬉しかったです。時代の流れで終わっていく媒体のワゴンセールに興味を抱く感性にも共感しました。
次のVol.027の前に届いたのがこのお知らせでした。
Vol.027
2005.12発行
☆頗る!
☆谷ヤン日記
☆FLASH〜BEST〜リリース情報
最終号のVol.027は「活動休止」宣言の後に発行されました。いつもの座談会なし、写真多めの最終号です。
これまでずっとインタビュアーをされていた甘美ちくろさんの文章が刺さります。谷ヤンの言葉もリアリティです。
ハイロウズのメンバーも「頗る!」のコーナーで感謝の気持ちなんかを書いています。でも本人たちからしたら大したことじゃないのかもしれません。また新しい楽しいことを見つけたんですね。
【フェアウェル ザ・ハイロウズ‼︎ ピリオド[ . ]じゃなく まる[。]】
活動休止が、[一旦解散]なのか[無期限休止]なのか、現時点ではメンバーを含めてだれもわかりません。
でもね、未来なんてわからないから面白いんだし。
正解はないから、解答集も攻略本もナシでよろしくです。
大切なのは、句読点と、次の章への改行。
そしてハイロウズの句点はピリオド[ . ]じゃなく、まる[。]と読みましょう。
ではみなさん、ごきげんよう。おげんきで。本当にありがとう。まる。
甘美ちくろ
[メンバーへ業務連絡]PV集はぜったい出すよーに。
[甲本ヒロトのスコブル!]
エンドロール
いままで読んでくれてありがとう。またどこかで。そんときまで洗濯物でもかけといてください。もちはつけません。あしからず。
甲本ヒロト
[真島昌利のスコブル!]
ところでオレは散歩が好きで、ほぼ毎日散歩に出かけてるのは知ってるよね?(←なれなれしいな。)散歩名人としてどんどん歩いてるんだぜ。最近では散歩マスターと呼ばれているオレだ。(サンボマスターに似ているね。)暑かろうが寒かろうがモノともせずに歩いているのさ。なるべく知らない道を選んでな。
[調 先人のスコブル!]
冬ですね。1年も終わりですね。バンドも休みになりました。ファンジェットもですね。とりあえず一区切りです。10年は早かったなぁ。
皆さんへ10年分のありがとうです!
それじゃーね☆
調 先人
[大島賢治のスコブル!]
みんなへ
突然の活動休止にびっくりしてると思いますが、僕もびっくりしています。いまだにびっくり。
いままで、応援してくれて本当にありがとう。心から感謝しています。
いつかまた、どこかで、会えるのを楽しみにしています。
それじゃまた。
大島賢治
[谷ヤン日記]
ハイロウズは文句なしに最高にカッコいいバンドです。
こんなバンドは他にないです。最高峰です。なのになぜ活動を止めるのか?
活動休止の理由があるとすれば、ロックンロールのせいです。
ロックンロールとは、はた迷惑なものです。けたたましい音を立てて、転がっていくのです。
この人たちは築き上げたものをぶっこわしたいんです。
ずっとそうやってきた人たちなんです。台無しにしたい人たちなんです。
安全な道と危険な道があったら危険な道を選ぶ人たちなんです。
そうやってまた次に行くのです。だからこのバンドを潰すのです。
すなわち、これはお休みではないのです。破壊です。
またハイロウズが活動する時が来たら、それは再開ではなくて、一からのスタートになるのです。
その時期が、近いのか遠いのかもわかりません。しかし、さびしい事ではありません。
ハイロウズは不滅だからです。ハイロウズは今日も明日もあちらこちらに感動や興奮や喜びや熱狂や喪失感や怒りを撒き散らしながら進んでいくのです。
そんなハイロウズが僕は大好きでした。ホントに楽しかった。そしてこれからも楽しみ。
いったいどんな事が起こるのか。
GO! ハイロウズ GO! ロックンロール OH.YEAH!
じゃーねー!
谷口博一
甘美さん、谷口さんのハイロウズ愛はふつうにただの1人のファンですね。それぞれの解釈があってとても感動しました。ヒロトも言っていたけど、悲しいのと感動するのは違います。
以上が『FAN-JET』全27冊でした。
これまで読んですごく感じることは、ヒロトもマーシーもCD聴いたりレコード聴いたり、テレビ観たり映画観たり、ゲームしたり、本読んだり散歩したり、すげーオタクだったりと自分とあんまり変わらないなということです。
だけどあの忙しい人たちがどうやってそれらを楽しむ時間を作り出しているんだろう?という疑問も湧いてきます。筆者は1日にそんなにたくさんのことが出来ません。時間の使い方が下手なんだろうか。そんなことはまぁいいか、人間同士たいして変わらないよ。
それにしても季刊誌『FAN-JET』は興味深いディスクガイドとしても楽しめて最高です。
季刊誌「FAN-JET」を制作してくれたすべての人へ、こんなに興味深く楽しいものを作ってくれてありがとうございます。今でもたまに読んで笑ってます。多分また読みます。なんかだんだん紙が黄ばんできた気がします。
一ファン・ジェッターとして。
ありがとうございました。
それではまた。