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★ロックンロールが鳴り響く!! ★ つまらない世界を照らす 馬鹿げた光

↑THE HIGH-LOWS↓

【THE HIGH-LOWS/angel beetle】振れまくるベクトル!! 規格外の魅力!! 7thアルバム

投稿日:2022年4月9日 更新日:

こんにちは。

『angel beetle』は2002年リリースのザ・ハイロウズの7thアルバムです。

ハイロウズ史上最大級の驚き :

ヒロトとマーシーのベクトルがまったく違う方を向いた、バラエティ豊かな7作目。

間違いなく力作。

度を超えて自由なことをやり始めた2002年最新型のハイロウズ。

これまでになかった感触のあるアルバム。

その理由は、歌の作者であるヒロトとマーシーが遂に自分にしか分からないくらいの個性と感性で音楽を表現したからです。

とうとう出してきた彼らの真髄。

だからこそ2人の圧倒的な世界観や感性が、史上最大級に別々の魅力として際立った作品になりました。

2人の魅力の根底が聴こえてきます。

悪く言う必要はまったくないけど敢えてそう言うならば、統一感のなさを感じます。

とはいえ、それこそが一時的な流行ではなく『angel beetle』の普遍性に繋がっています。

THE HIGH-LOWS/angel beetle(2002)


angel beetle(エンジェル・ビートル)は2002年11月27日にリリースされた7枚目のオリジナル・アルバムです。

前作『HOTEL TIKI-POTO』(2001/9/5)から1年2ヶ月後の発表。

デビューから年に1枚の新しいアルバムを完成させて、みんなの心を楽しませてきた5人。

本作のリリース後に大きく変わる出来事がありました。

『angel beetle』は、キーボードの白井幹夫さん脱退前の最後のアルバムです。

5人編成でのハイロウズ、ラスト作。

マーシーが自分にしかわからないものを全部出した。それをヒロトが豪快に歌った。

規格外のとんでもない魅力のあるアルバム。

『angel beetle』収録曲

1. Too Late To Die
2. ななの少し上に
3. スカイフィッシュ
4. アメリカ魂
5. 毛虫
6. 天の川
7. マミー
8. 俺たちに明日は無い
9. Born To Be Pooh
10. 映画
11. つき指
12. 曇天
13. ecstasy
14. 一人で大人 一人で子供

全14曲57分。

前作『HOTEL TIKI-POTO』と曲数は全14曲と同じですが、トータルタイムが11分も短くなりました。

それは演奏時間が長めの曲が減ったという事になります。

とはいえ、無意味な勢いだけでブッ飛ばさないのが『angel beetle』の特徴です。

豪快なホーン・セクションを大胆に取り入れているアレンジも本作の絶大なインパクト。

攻める痛快なロックンロール、南部ソウルサウンド、絶望感を希望に覆す歌詞、それらが時空を超えて今でも最新作と同じパワーを放っています。

ヒロトの歌の緩急が過去最大級でびっくり。

特記事項 : 衝撃を伴うマーシーの痛快なシャウト多め。歌としては2曲だけどシャウトの回数は過去最多。

テンポの速い曲だけで構成されていないので前作『HOTEL TIKI-POTO』同様、好き嫌いが分かれそうな要素であるのは確かです。

本作に勢いだけを求めた場合はハズレます。凄まじき勢いというよりも、芳醇という印象を受けるからです。

ハイロウズってこういう事もやるんだなという衝撃と、こういう事やってもいいんだなという納得感があります。

1stアルバムではやっていなかった事をやっています。そう考えると、1stの頃とは音楽性のバラエティの豊かさが結構違います。

ハイロウズの底力。むしろこのサウンド志向がハイロウズの基本形なのかもしれません。

どちらかと言うと、ギンギンのロックンロールばかりではちょっとうるさいかなと思った時にバッチリ合います。

歌詞の面ではいつも通り冴えていて、現在でも有効なエネルギーを放つ言葉たちが随所にあって素晴らしいです。

この歌だけと、かいつまんで聴くよりもアルバム1枚トータルで楽しむのが最高です。

楽しいとか楽しむとはこういう事かと実感するアルバム、つまり名盤です。

今までの アルバムの中で、ヒロトとマーシーの作る曲のトーンが一番ハッキリとわかれた作品

ヒロト : みんながそう言うのはきっとね、デモテープのせいだと思う。

僕もマーシーも別々に一人で作ったものだから、いつもだったらハイロウズっていうものでパッケージされるのに、僕とマーシーのベクトルの方向にみんながついて行く形になってるんだよ。

そうするとさ、 アルバムがもうむちゃむちゃバラエティーなことになっちゃったんだよね。

今回もマーシーが歌っていないのは、自分の世界観をヒロトが歌うならいいと考えているから

ヒロト : 『バームクーヘン』か『Relaxin’』かなんかの時に、マーシーが僕に言ったんだ。

「俺はもう全部出す」って言った。

で、「お前は歌うか?」って言うから

「うん、出せよ、歌うから」という話をしたの

だから「誰にもわからない、俺にしかわからないことを書く」

「けど歌うか?」って言うから

「いいよ、それで君はいいのか?」

「お前が歌うんなら、いいよ」って、そういう話をしたの。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

本作以降の後期シングルのカップリング数曲では、マーシーが自ら歌い、とんがったロックのボーカルを聴かせてくれました。

『angel beetle』にはリスナーの想像力を掻き立てる曲がたくさん入っている

ヒロト : 誰もわかんない。で、僕さえもわかんないけど、そのイメージは僕の中にしっかりあるから、もしかしたらそれをただ吐き出すことによって、そのイメージを共有できるかもしれないと思ったんだ。

言葉の意味は理解できなくても、その曲から受けるイメージで、「生きてやるぜ!」っていう気持ちになってくれればそれでいいや。

ヒロトがテンションを維持する栄養

ヒロト : やっぱたくさん食わないと。

食うって、だから食料だけじゃないよ。食料は限界があるよ、いくら食っても。お腹壊しちゃうもん。

でも、その、感動…

感動っていうのに限界はないじゃないですか、日々。

それに突き動かされるんですよ。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

これは、期待できる!

『angel beetle』には感動が何度もあります。

カッコ良すぎて涙が流れる瞬間もあります。

「生きてやるぜ!」って気持ちになります。

シングル曲は19thシングル「Too Late To Die」、20thシングル「一人で大人 一人で子供/俺たちに明日は無い」の3曲が収録されています。

2枚共にアルバムからのリカットではく、先行シングルとして発売されました。カップリング曲も含め、シングルに収録されたのはアルバムとは別ミックスの[Nancy Mix]です。

それぞれ耳触りが結構違います。

19thシングル「Too Late To Die」は2002年9月4日のリリースです。

カップリングには本作にも収録された「曇天」の別ミックスが入っていました。

シークレットトラックに「狼ウルフ」が収録。

20thシングル「一人で大人 一人で子供/俺たちに明日は無い」は2002年11月6日のリリースです。

両A面シングル。

シークレットトラックに「オクラホマデスカ?」が収録。

2枚共にCDは12cmマキシシングル。

7インチアナログ盤も同時発売されました。

「一人で大人 一人で子供/俺たちに明日は無い」のアナログ盤は、ハイロウズ最後の7インチシングルレコードです。

この後のシングルからは12インチのシングルレコードになっていきました。

2002年の『angel beetle』発売当時、CDとレコード(限定生産)の2形態でリリースされました。

初回盤のCDはデジパック仕様。

アナログ盤は12インチレコード2枚組で音質重視仕様です。

レコードを取り替える手間は増えましたが、最上級のアナログサウンドが実現しました。

限定生産だったレコードは2020年にリマスターも施されて再発売されました。

私は再発盤の方を持っていないので、リマスターの効果やオリジナル盤との音質の違いをお伝え出来ません。

記事中の写真はすべてオリジナル盤です。

赤いリボンで結んだ白い箱がザ・ハイロウズから届きました。

リボンを解いて箱を開けると、いちいち感情を揺さぶる魅力的な57分間の始まりです。

中に入っているのは、規格外にバラエティーなことになっている14個のロックンロール。

“驚愕‼︎ 史上最大級‼︎ ”

M1「Too Late To Die」

作詞・作曲/甲本ヒロト

ハイロウズの19thシングル。

猛烈なスタートダッシュにふさわしい、攻める痛快なロックンロール。

やはり1曲目は疾走感に満ちたロックンロールが好ましいと実感したアルバム一発目。

キャッチーなメロディが心に残るシングル曲。

バンドの一体感はまさに芳醇です。

“Too Young To Die”だったシド・ヴィシャスのインパクトを超えます。

Too Late To Die : 死ぬには遅すぎる

元気で明るいイントロでは、絶妙に歪んだロックのギターと華やかなキーボードがみんなの心を掴みます。

とっくに、というか生まれた時から走ってた疾走感が表立ってる。

速いテンポも快活なアレンジも駆け足です。

のんびり歩いていられずに、駆け出したくなる衝動。心はどんどん前に出ていく。

ちょっと巻き舌になるのが力強くて頼もしいヒロトの歌には一瞬で惹き込まれます。

「Too Late To Die」と歌うコーラスではマーシーの声が際立ち、ロックの凄みを感じます。

全員で歌うサビは最大限にパワフルで、生きることを表明した逞しい腕を振り上げる人が沢山います。

間奏から少しテンポを下げて、感情的な雰囲気へ突入。

一音ずつを丁寧に奏でるようなマーシーのギターソロはアップテンポの中のゆったりした整えポイント。

リラックスも大事だなと感じます。

私のぐったりした心を、マーシーがギターで最大級に癒してくれました。

そのままの感情とテンポで2回目のBメロへ。

その後にまたテンポアップするラストのサビでは「生きてやる!」という気持ちが湧き立って体の外側にまで決意が噴出します。

この歌、弱った体調にも好影響があります。

今より前に出るための起爆剤になりうる。

歌詞 : 死ぬことより生きること。ハッキリした音に乗る空想的な歌詞が映えます。

その言葉は、無秩序に死ぬことはないロックンロールのリアリティに聴こえます。

思いのほか早死にしていなくてもう死ぬには遅すぎるから、どうせなら楽しもうぜとか、生きてやるとか、そんなの見せてやるという歌なのだと私は解釈しています。

途中で世の中に対して申し訳なさそうな言葉が入るところに人情を感じます。

とはいえ、この人はきっとそのまま自分の道を突き進みます。

特に早死にとかする意味はありません。

楽しむことには特別な意味がありそうです。

特に今回のアルバムはハイロウズが史上最大級に楽しむきっかけを与えてくれます。

M2「ななの少し上に」

作詞・作曲/甲本ヒロト

気持ちいいロックンロールが続きます。

アコギと歌だけで始まって、そっと緩やかなエレキが入ってきて、バンド全体の音になるアレンジがとてつもなく胸を熱くするロックンロール。

歌詞はヒロトにしかわからないであろう世界観が最高です。

歌モノで、深く記憶に残ります。

一瞬も滞らずサラサラと流れていくメロディ。

空に手が届いてしまいそうなアップテンポ。

流れるメロディに一番ふさわしい美麗なロックアレンジ。

すこぶる効果的なホーン・セクション入り。

イントロなし。明瞭なヒロトのボーカルと美しく響くアコギが早速みんなの心を捉えます。

まだ緩やかな雰囲気で心はうっとりしてる。

ヒロトが心を込めて精一杯に歌う。

そっと入ってきた澄んだエレキの音は、マーシーの絶妙な力加減で空間に広がっていく。

その後はホーン入りの楽器のメロディを経て、一気に明るくアップテンポに突き抜ける至高の心地良さを体験します。

突然、360度まで視界が広がったみたいだ。

音はサラサラしつつも、キビキビした演奏に私のテンションはどんどん上がります。

歌ってる内容は実はあんまり意味はわからないけど、強烈なインパクトは胸の奥までデカい音で鳴り響きます。

意味とかググってる場合じゃない。

自分の心で感じるべきだ。

アコギとエレキのハイブリッドの聴き心地の良さにはびっくりです。

美しいメロディを弾くギターソロ。透き通る音色のわずかな残響にはうっとりします。

ラストのサビで盛大に感じるロックの音には、まだ終わらないでくれと思ってしまった。

後でもう一回聴こう。

最後にヒロトが笑っているのが小さな音で聞こえてきて、なんか楽しい気分に。

聴き終えるとスッキリ晴れ晴れした気持ち。

さっきよりちょっと上が見えた。

間違いなく、これはロックンロールだ。

歌詞 : 直接的な表現は一切なく、ヒロトがただ吐き出した、これこそイメージの共有。

はっきりとした意味はわからなくても、ロマンチックな雰囲気は漂います。

人それぞれが違う何かを感じそうな世界観。

“早朝にたつ まっすぐに かたく”と自信満々で歌う3番の歌詞は、男性ならきっとピンと来ます。私も思い当たります(笑)

その直後の歌詞は急にロマンチックな言葉です。“夜空を踏んで 月を蹴る”とか一般的な生活をしているだけじゃ使わないし出てこない言葉にはギャップ萌えが発生する。

ヒロトの大胆な歌詞は、言葉が流行にねじ曲がらずに個性的なロックの光を放っています。

M3「スカイフィッシュ」

作詞・作曲/真島昌利

異常です。

驚異的にバシッとしてる。

“ロックン・ロール以外はたいしたことじゃない”という頑固で鮮烈な主張。

揺るぎないロックンロールの光。

一番好きなことへの情熱がそそり立つ過激なファンク。

ファンクだけどロックンロールなアレンジが独特で魅力的です。

心地よくやさしいギターの音色が聴こえてきたなと穏やかな気持ちになっていると、いきなりファンキーな演奏が始まります。

マーシーの激しいシャウトが聴きどころで、曲中ずーっとやってます。

歌も演奏もキビキビです。

「スカイフィッシュ」を聴き始めてすぐに誰もが察することがあります。

それは“ 普通じゃない” ってこと。

Aメロは同じ歌詞の繰り返しなのに、ハイロウズのロックへの情熱が噴出しててすごくドラマチックに聴こえます。

なんだ⁈この鋭くて激しい人たちは⁉︎

これは正気の沙汰ではないな。

ドーピングしてるかもしれない程のとち狂ったテンション。

1秒ごとに強烈な音がこっちに向かってビシバシとブッ飛んできてる。

それぞれの楽器の音の主張がハッキリしすぎてて、しっかり意識を保っていないと思わずトリップしてしまいそう。

新しい自分へ覚醒する人はきっといる。

サビへ突入すると急にロックンロールになります。衝撃的です。頑固だし、鮮烈。

宇宙一の折れない主張。それは頑固すぎて、誰にも折るとか曲げるとかは不可能です。

日本語の曖昧さは皆無。

ワウを使ったファンキーなギターソロが最高潮に目の前の空間を鳴らします。しかも音は左右に振れる浮遊感があって楽しい。

マーシーが狂ったようにシャウトしながら長めにやってくれるし、とにかく音が充満する。

間奏後も勢いは一切衰えずラストまで異常なテンションのままでいく。

むしろ衝撃を突破する過激さは増していく。

聴くと、日々の悩みも妬みも憎しみもロックンロール以外は大したことじゃないと気付ける眩しすぎる光。

やたらと激しかった。

こんなのありか!!!

歌詞 : スカイフィッシュが飛んでる衝撃を超える最大級に揺るぎないもの。

頑固な態度で“ロックン・ロール以外は大した事じゃない”と歌うサビの歌詞。

この言葉に尽きます。マーシーにとってロックンロールの衝撃以外は大した事ではないという驚きの事実。スカイフィッシュの奇跡さえも超越する事柄。

何かを「好き」が突き抜けた人たちがやってる音楽はどんな学者よりも説得力が溢れてる。それはもうオタクというより変態です。だから好きなんです。私はそこが好きなんです。

歌詞は5行しかありません。

スカイフィッシュ

スカイフィッシュ(英: Sky Fish)とは、長い棒状の身体を持ち、空中を高速(280km/h以上)で移動する、とされている未確認動物(UMA)。 写真などによって存在が仮定されていた生き物である。

1995年くらいに世間を騒がせていました。めちゃくちゃテレビでやっていて、こいつは何なんだと誰もが興味津々です。当時の人気者でした。

M4「アメリカ魂」

作詞・作曲/真島昌利

とりあえず炸裂してます。

アルバムの中で圧倒的なインパクトを誇り、かなり好きな歌。覚えやすいメロディに馴染む9.11に対する皮肉な歌詞が最高です。

盛大におちょくってる。

破壊力抜群の言葉が多くて記憶に残りやすい。

豪快なホーンとバンドが一体になった演奏が凄まじいです。

世界チャンピオンがわがままの限りを尽くす無秩序でソウルなロックアレンジ。

イントロからホーン入りの激しく主張した音が高らかに鳴り響く。

世界チャンピオンとかが出てきそうな雰囲気。

歌が始まるとなんだかすげえ自己中で厚かましい奴が登場した。

なんだこいつは!絶対やべえ。

ヒロトがアメリカ人のドヤ顔をして歌っているすべての言葉が、強いインパクトを持ったまま心の奥まで響きます。

すごく絶妙なところにマーシーのコーラスも入って、歌詞の言葉を強調しています。

大胆にホーンが入っているから、いつもの5人のハイロウズとは違うゴージャスな耳触り。

だけど一番に大胆不敵なのは歌に出てきたアメリカ人だ。不快感を突破する下劣さが私にはカッコよく思えてきた。節度なんてなし。

こういう絶対に他の誰も歌わないことをビシッと歌うのがハイロウズのロックンロール。

ヒロトが言った曲から受けるイメージで「生きてやるぜ!」って気持ちになってしまった。

心の底がメラメラ燃える感じ。

このゴリ押し感は、自分の存在を一歩前に出してしまうくらいのパワーを放ってる。

マーシーの歪んだバッキングギターの音なんか、戦車が目の前の障害物をぶっ壊しながらまっすぐににしか進まない悪態をつくチャンピオンぷりを鳴らしてる。

ギターのアレンジは、ロックでよく聴く感じのパワフルで鋭いフレーズが満載です。

サビでの総攻撃はアップテンポの支配力が地球の裏側まで際立ちます。

白井さんのキーボードが特に攻撃力が高い。

この歌、影響を受けやすい私にはちょっと過激すぎた。

刺激が強い。そこが魅力的でいい。

ハイロウズならではのクスッとする笑いもあってカッコいい歌だ。

歌詞 : 芸術的な皮肉。ここまで来ると、清々しい程の自己中心的思想で気弱な私は憧れさえもする。

とはいえ、私は自己中ではなく“自分優先”でいきます。

とんでもない自己中心的だし、こう感じるのは不謹慎なのかもしれないけど、圧力のかかった日本人の私からするとなんかカッコいい。

マーシーの歌詞は鋭い。

豪快なロックの音に乗せて痛いところを突く歌詞が痛快ですが、やっぱり日本人的同調圧力よりは遥かに人間らしいとも感じました。

アメリカには同調圧力というダサい概念はありません。

本音では、この歌詞になんかスカッとしてる。

M5「毛虫」

作詞・作曲/甲本ヒロト

毛虫視点の歌とかこれまでになかった快挙。

ほんわかしてて柔らかくふわっとした心地いいアレンジ。

こんなにも柔らかい曲を聴いて急にイライラし出す人は多分いません。

誰も置いてきぼりにしない思いやりのある緩やかなテンポ。

バックでずっとマーシーのピックスクラッチが鳴っているのがこの曲のブッ飛んだ特徴。

「キュイーーン」というより「ギコギコ」です。

至極、細やかな神技。

楽しげな雰囲気を感じさせるイントロのアコギの音でいきなり癒されます。

跳ねるような白井さんのキーボードが、季節をこえて毛虫にまた会えそうな期待を予感させてます。

キレのいい音に私の機嫌も良くなってきます。

ヒロトが毛虫について独自の発想力で表現した歌詞を、毛虫に恋した歌心を静かに爆発させながら歌っていきます。

これは、素早くはない毛虫の動きと同じテンポだ。ゆったりしてて疲れないし癒される。

多分だけど、この歌には中毒性がある。

独特のふんわり感が心を揉みほぐして快楽にも感じてしまうからです。

歌と同じメロディを弾くギターソロには急に胸が熱くなります。

マーシーにやってほしかった事を、期待以上でやってくれたような感極まる瞬間。心を奪われた時の涙が流れるかもしれない。

この曲は決して乱れない。

至高の心地良さだけがあって、最大級のリラクゼーションになりうる。

苛立たしい日の癒し。

他人に感じた苛立たしさとかやさしく包んで、そのうち“無”にしてしまう癒し効果。

最後の最後までマーシーのギコギコが聴感を刺激し続けます。

絶妙な音で締めるのが極めて芸術的です。

歌詞 : ヒロトの毛虫への興味が炸裂した恋心に違いもの。だからすごくロマンチック。

空前絶後の毛虫視点と、愛情溢れる自分視点の鮮やかな切り替えが特徴的。

ヒロトって虫が大好きです。

虫好きならではの毛虫にちなんだ歌詞で、普通の視点とは違うのが魅力的な表現者です。

気を張らずに聴けるほんわかした言葉で綴られた歌詞は感動的でもあります。

季節さえもこえた毛虫への募る想いが溢れていて、その愛情が胸を直撃する。

わずかにある切なさにキュンとする物語。

M6「天の川」

作詞・作曲/真島昌利

柔らかい曲調が続き、和みます。

変にうるさくないアコースティックアレンジ。

穏やかさが最大の特徴です。

アレンジや演奏はすごく穏やかなのですが、歌詞はマーシーにしか分からないような特殊性が発揮されています。

ハッキリとした意味を理解出来ないのが強烈なインパクト。

とはいえ、マーシーの世界観はしっかり感じる凄みがあります。

こういうのを聴くと私の想像力が枯渇しません。それどころか潤います。

マーシーの空想がそのまま音楽になった曲。

常に隣に存在してる別の世界への入口。

イントロはゆったりしてて滑らかなアコギが歌の世界への案内役を務めます。

ヒロトとマーシーが余計な力を一切加えずに歌い出すと、奇妙な空想の世界に到着です。

一言目の歌詞からすでに始まってる限りなき空想の世界。

歌詞として連なる言葉が奇抜な異世界。

ここにしかない独特の雰囲気。

何かがおかしいけど美しいと感じるハイロウズの魔法。

初めて感じる不思議な感覚だけど確実に魅惑の音楽が成り立ってる。新しい魅力。

心の柔らかい部分にそっと触れてくるやさしいメロディ。ふんわりした良質の布団に包まれた時くらい安らぎます。

間奏もアコギで、心のわだかまりをほぐすくらい穏やかなのが好印象です。

アコギの後に入っているキラキラしつつも極上の柔らかさを演出したコーラスも印象的。

ん⁈最初から感じてた不思議な感覚、、、

この歌、天からの声みたいな音がする。

イントロと間奏で聴いたアコギのフレーズをもう一度アウトロでたしなんだら、曲の締めと同時に気持ちがスッと軽くなって「天の川」が我が心の名曲にランクインしました。

自分の心がふんわりしてる。ストレスなし。

歌詞 : 頭の中の空想を最大限に忠実にそのままの表情や格好で言葉にした神業。

マーシーの大好きなカレーライスも登場します。こういう歌詞を作る人って他にいません。唯一無二で無敵です。

サラリと最大級に比喩的です。

一見関係なさそうな言葉を繋げている感じ。

私の感受性では、それぞれの言葉の意味は未だに繋がらないけど、とてつもない美しさだけは最初から感じてました。

まさかその言葉が次に出てくるとは思わない衝撃を楽しめます。

M7「マミー」

作詞・作曲/真島昌利

極めて麗しいメロディは、聴けばすぐにマーシー作だと察します。

情熱的なスローテンポ。

少し長めで6分を超えるため、たくさん感動できます。

スローテンポの中に光を放つエレキが繊細に鳴る胸熱なアレンジ。

聴こえているすべての事柄のあまりの美しさに鳥肌が立つ、激シブなバラード。

ロックンロールを弾くピアニスト: 白井さんのキーボードも超重要です。

一音ずつに白井さんの丁寧な演奏力が際立つキーボードのイントロ。

そっと歌い始めるヒロト。正直なキーボードの音に寄り添う真摯なスタイル。

ゆっくり静かに始まるバラードは、いつもはガードしてる私の心の柔らかい部分、涙もろい部分にダイレクトにアピールしてます。

ギターのハウリングと共に2番からバンド全体の音が入ると、曲の音像が空間いっぱいに広がります。

とっくに歌に感情移入してたと実感します。

なんとなく溜まってきてる自分の涙を感じる。

聞いたこともないような言葉の並び方が、見事に「芸術的」という意味を超える美しさを持って光ってる。

特殊なアレンジに聴こえます。決して騒がしくなく静かなのに、大雑把に触るとヤケドしそうなほどの熱さが底の方にある。絶対ある。

間奏は鳥肌が立った後に激情した涙まで溢れてくるギターソロ。

マーシーのギターが奏でる綺麗なメロディと、弦をはじいた瞬間のアンプを通ったその音に心を奪われます。

曲が始まった直後から感じていた音の良さ。

やり方は知らないけど超高音質録音です。

高級で立派な機材というより、人力が爆誕させた高音質の方。

この歌はAメロとかBメロとかサビとか歌詞とかメロディという概念も取っ払った、大胆な美しさしか存在してません。

もし「マミー」から醜さしか感じない人は大変だけど病気です。

アウトロはマーシーが長めに楽しませてくれるエレキのメロディ。心の奥の感情的な部分が静かに燃えるエモーショナルなメロディ。

全体的に、この感じはグッとくる。

静かに熱い瞬間が連続してる。

そういう特別な魅力が「マミー」にあります。

歌詞 : 詩人のすべてを語らない美しさ。

マーシーの優れた詩人ぷりが全開しています。

比喩表現であるとか抽象的な表現とかすべてを語らない美しさは、マーシーの感性の特徴が突出していて私は大好きです。

唯一無二の独特な表現方法に大きな魅力あり。

自分が生きてる事だけはたしかで、あとはどうだろう?と気付いてる歌詞は最高に心へ響きます。生きてるという事実以外にはたしかなことなんてありません。

アーティスティックの極み。

キレイな歌詞を聴くと、誰もが芸術的もしくは優雅な気分になりそう。

M8「俺たちに明日は無い」

作詞・作曲/甲本ヒロト

「一人で大人 一人で子供」と両A面のハイロウズの20thシングル。

レコードだとここから盤を取り替えたC面に突入です。レコード2枚組の第3面。

古い映画のテーマ曲が盛大に鳴り響くゴージャスなロック。

ワクワク感が煙突をすべり降りる、速すぎないアップテンポ。

明るくて元気な曲調が、今日感じた不快なストレスをなかったことにします。

だんだん楽しくなってくる人が続出する。

音楽を聴いているのに、細やかな演出の古き良き映画を観ている感覚。吹き替え版です。

豪快なホーンも入ったスペシャルなアレンジは聴きごたえ抜群です。映画のシーンのような銃声も何度か入ってます。

イントロの前の導入部で聴こえてきたのは、強烈にワウるギターや鐘の音、そして銃声。

映画が始まる期待感に煽られる。

べっちゃんのベースが我こそはと最前線で主張しながら唸るイントロ。

楽しげなヒロトの歌心にはワクワクします。

ベースが度を超えてブイブイかましてる。

ジャーーンと弾けるギターはゴージャスです。

Bメロではこれまたゴージャスで上手すぎるコーラスが入ってきて贅沢の極み、豪華の頂点を感じる名場面。

サビでの決めゼリフは、ハイロウズの場合は本当にキマッてた。

間奏は軽やかな音色のエレキ。

マーシーが曖昧さのないピッキングで鳴らす流暢なメロディ。拳銃までブッ放されてる。

映画館でのみ感じる独特な残響音までそこに存在しています。

興奮した気持ちは、座席に座っていられないかもしれない。

2回目のサビからアウトロにはホーンまで入ってグラマラスな魅力を放ちます。

この歌、エンターテイメントが成立してる。

こんなに楽しそうな音を出せるバンドは滅多にいません。

すごいぜ!ハイロウズ!

歌詞 : 映画の世界観を軽快なリズムに乗せたストーリー仕立て。

音はゴージャスだけど、レコードで聴きたくなるモノクロの歌詞。

映画のテーマ曲が鳴り続ける言葉たち。

作者であるヒロトの感動の波紋が大きく広がっています。

最新の技術を駆使した映画より、古い映画を感じます。ヒロトやマーシーがよく語る古い映画や音楽にはいつもどれも興味が湧きます。

いいものを知ってる人たち。

彼らが観たり聴いたりして心に響いたものを、後追いで深掘りしていって数珠繋がりになっていく楽しさは人生を豊かにしてくれました。

ただ古いのではなく、古き良きもの。

モリコーネ

エンニオ・モリコーネ(Ennio M orricone)、(1928年11月10日-2020年7月6日)は、イタリアの作曲家である。映画音楽で特に知られる。

この曲と同タイトルの『俺たちに明日はない』という1968年の映画があります。銀行強盗を繰り返す“ボニーとクライド”の物語。マーシーもソロアルバム『RAW LIFE』でボニーとクライドにちなんだ曲「こんなもんじゃない」を発表していました。

M9「Born To Be Pooh」

作詞・作曲/甲本ヒロト

史上最強の“考えるふり”の人、登場。

ふんわりとした感触で、自分の未来の不安さえも消滅する程にほのぼのしてます。

キーボード主体のほんわかアレンジ。

スローに近いゆったりテンポ。

決して頑張ることを優先してはいない自己肯定ソングの決定版。

曲のタイトルとテーマは「無職の人」という印象です。生まれた時からプーという感じでしょうか。曲中では「プー」を連発してます。

歌の主人公に私はシンパシーを感じます。

曲のテンポはゆったりしていますが、時速がめちゃくちゃ速かったりする時間軸について歌う歌詞がかなり興味深いです。

最大の魅力は脱力感。

一瞬だけ頑張ろうかなとか思うけど、やっぱりいいやってなる感じ。

頑張るのが好きな人には申し訳ないけど、こういうの最大級に素敵です。

白井さん独自の個性と感性で曲の演奏を開始する軽いタッチのイントロ。

これには、すさんだ心など付け入る隙もなし。

日常でとげとげしくなった状態の心に上品さ、繊細さ、冷静さを取り戻させます。

ヒロトの歌もバンドの演奏も、いい意味でゆるゆるです。

白井さんの、否定せずただ見守ってるような親心溢れるキーボード以外は控えめで、なんだか気持ちが軽くなる。

私なんかあやされてる子供の気分。

歌の内容はドキッとするくらい時速が速くなるけど、決して追い立てられはしない思いやりの音が出ます。

なんだ⁉︎

オレを甘やかすための歌か⁈ これはいい。

サビでの子守唄が鳴っているようなやさしいコーラスには甘えたい気持ちが芽生えてきた。

すべてがソフトな聴き心地。

これを聴きながら無駄に気合いを入れる人はいません。

少し力を抜こうと考える人はいます。

なまけてるんじゃない、頑張らないんだ。

この歌、未来の天才を感じる。

今日はすげえ頑張るぜ!なんて思った日にはオススメしません。

私はそういう日がないので365日オススメされてます。

歌詞 : 時速で遊んでいる感覚にびっくりしました。言葉選びも言い回しもヒロトにしか出来ない唯一無二です。

つい聴き入ってしまう独自性。

次々と時速が変化する楽しさが特徴的です。

一言も聴き逃したくない魅力が溢れてる。

プーの考えている事が面白すぎる。共感するポイントもあって、もしかしたら自分の事なのかもしれないと思った。

あんまり頑張らなくて良さそうだ。

最後は“時速1時間”と急に現実へ戻った感じがたまらないです。しかしプーは考えるふりだというのが偉大な精神力です。

よし、今日も頑張らない。

でも生きてやるぜ!

M10「映画」

作詞・作曲/甲本ヒロト

美しい心の歌です。

映画がテーマの歌だけど、完全に恋心と一致するロマンチックな魅力。

キュンとするミディアムテンポ。

私の心に形を変えずに残ったままの名曲で、気付くとよく頭の中にこの曲のメロディや歌詞が浮かんでいます。

ヒロトが作った歌詞とメロディという別々の二つの事じゃなくて「歌」に感動します。

何よりヒロトのその歌心が、感情移入した時の涙まで流させるちょっとヤバい感じさえあります。

心にハートが貼り付くトキメキアレンジ。

ノリノリな勢いで聴くというより、歌の世界に浸るという感じ。

ホーンのアクセントは非常に効果的で、とてもいい味を出しています。心の柔らかい部分にもろに直撃するので気をつけてください。

心が弾むイントロでは元気なホーンが鳴り響き、無限大の笑顔で映画館に向かいます。

今ある感情をそのままに歌い出したヒロトはたったの二行の歌詞を歌っただけで、みんなの心のど真ん中へトキメキのインパクトを残します。

少し幼心が残っているような歌詞の言い回しにはやさしい気持ちになりました。

マーシーが弾くエレキのフレーズはほんわかしてます。歪んでいない透明度の高い音。

軽い足取りの音でもあります。

サビに入ると声を張り上げて歌うヒロトからはとてつもなく大きな恋心が溢れています。

グッと来る映画のシーンみたい。

今もし散歩してる場合はスキップしてしまうくらいの胸が高鳴るメロディ。

ホーンが反則級に合いすぎてる。

映画を観に行く時に、こんなにもワクワクしてる人はほとんど見た事がない。

すごく感情的な歌だ。

それに、何回でも自分のパートナーに恋しちゃいそうな映画だ。

早い話が“名曲”だ。

歌詞 : 好きな映画への愛情たっぷりの感動作で、“情”が溢れ出ています。

それほど人気はない自分の好きな映画に対する思いを丁寧に歌っている歌詞にとても共感が持てます。

恋心も含んでいてロマンチックです。

自分も経験している映画館に行く時のワクワクする気持ちが強く感じられて、ヒロトも私とそんなに変わらない同じ人間なんだなと思えたのがこの歌の大好きなところです。

急にパートナーのことを愛おしくなる場面もあります。

2番と3番のサビなんかもう完全に恋心と一致します。それは素敵な気持ちなので、私は一生この歌詞を忘れることはないです。

全国民が1回目からキュンとする。

M11「つき指」

作詞・作曲/真島昌利

第一印象は和風テイストのロックです。

男の色気が際立つマイナー調。

速すぎない絶妙なテンポ。

最近の流行り言葉で、写真を見て「エモい」と言っているのに近い感覚かもしれない。

流行りの感覚が私にはよく分かっていないから、その表現では間違っている可能性もありますが。

私にとって、歌詞やメロディやアレンジから受けたイメージでの、感情的な曲という意味で「エモい」であることは間違いありません。

野球好きのマーシーならではの、具体的でイメージしやすい「つき指」についての歌詞が強い印象を残します。

第二次時世界大戦のことにも触れています。

少し奥まったところから聴こえてくるエレキが、どことなく不穏な空気を漂わせる序章。

バンド全体の演奏が始まると、一気に感情を刺激するエモいイントロが鳴り響きます。

刺激されるのは私の心の奥に潜んでる“情”の部分。

ヒロトが歌い出すと、どうやら壁に軟球をぶつけて遊んでいるようだ。

ところで、何?このダンディズム⁉︎

2番ではロックと相性の良すぎるマーシーのコーラスが入ってきて、人を惹きつける風情まで爆誕してる。

聴こえてる演奏の音、アレンジにもロックの色気を感じます。

手前には筋の通った音で鳴る艶やかなエレキのフレーズ。

バッキングは男気溢れるアコギと、凄まじい轟音でゴーゴーと唸るエレキ。

これには「つき指」した時の痛みを痛感する。

サビでは転調して空が明るく冴え渡ります。

不穏な空気を一発で覆すハイロウズの神技。

この歌を聴いた時に心が大きく動くのは、滅多に出会えない美しさを感じてるからです。

テンポが下がるアウトロは、安らぎ感の漂うハーモニカのメロディ。

物語の粋なエンドロールが流れてるみたい。

序章とは逆の安心感に包まれます。

つき指した痛みを癒す音が出てます。

歌詞 : マーシーによる説得力の最高峰。

「驚愕!! 史上最大級!!」です。

歌詞が大胆に表現しているつき指をした時の事実、当たり前だけど気付いていなかったことにびっくりします。

つき指すると「してない時より痛い」って至極当然です。この言い回し最高だし、遂に全員を納得させる説得力です。

サビの「昭和18年」という歌詞が異常に心に引っかかるインパクトを残します。

痛そうなつき指の歌でありながら、美しさを伴っているのも驚愕です。

M12「曇天」

作詞・作曲/真島昌利

一番の魅力は決定的な激しさ。

歪んだギターが印象的な勢いのあるロック。

ハイロウズが最も得意なアップテンポのパンクスタイル。

ギンギンバリバリのゴリゴリな音。

そのため、心臓の弱い方は注意が必要です。

自分ではほとんど使わない言葉だけど、タイトルが「曇り空」ではなく「曇天」なのが強烈なインパクトがあって私は大好きです。

言葉の音としてもちょっとカッコいい。

待ってました!とみんなの本音が飛び出す、歪んだギターが炸裂する短めのイントロ。

この勢い、この音、期待しちゃう。

歌い出しでは、そんなにみかん食べるのかという私にとっての衝撃あり。

全体の音が激しすぎて、聴こえてる歌そのものがもう歪んじゃってる。

ショックを受ける程にノイジーだな。

地球にヒビを入れてしまいそうな爆裂音。

アップテンポの凄まじい勢いもあってブッ飛んで過激だ。だから覚悟も必要だ。飛ぶぞ!

歌の内容は閉塞的な家の中の事だけど、過激なアレンジは躍動感に満ちてます。

ビシバシとしたこの曲の間奏は期待をはるかに超える衝撃っぷりです。

マーシーが何かを突破した絶対どうかしてるテンションで、チョーキングしまくりなギターソロに平常心などブッ飛びます。

チョーキングの凄みだけでは終わらない。

ギターソロ直後にはマーシーの凄まじいシャウト入りで、聴いた途端に一気に自分のテンションが燃え上がるハイライトになってる。

この歌、激しすぎてスピーカーやイヤホンが壊れているのかと勘違いしてしまうほど。

大丈夫。ハイロウズの狂熱が異常なだけ。

ロックに殺られた時のその感じ。

歌詞 : 冬の日のマーシーの日常を知れる興味深さ。

名称を言わない「あれ」とか「それ」とかの会話が、激しいロックでこんなにもパワーワードになるのかと驚いた傑作。

漢字での表現が冴えているのが特徴的です。

外に出ない家の中の歌詞。

歌の舞台は昔から日本によくある日常なんだけど、言っていることや考えていることが深くておもしろいです。

芸術的な人と、そうでない人の思考の違いを感じます。

どうやら、こたつで眠っていたサビ。

曇天の午後、こたつがちょっと熱すぎて目が醒めてきた時にマーシーの頭の中で完成してた歌詞なのかもしれない。

M13「ecstasy」

作詞・作曲/甲本ヒロト

度を超えた激しさの後の急な恍惚には9割ぐらいの人がギャップ萌えします。

エクスタシーが最高潮に達して我を忘れてしまう心があるかもしれません。

神秘的な心境です。

そういう状態になりたい時のベストソング。

ほとんど快楽のミディアムテンポ。

イントロの一音目から、いきなり恍惚とした表情の音を感じます。

前の曲のゴリゴリ感から急変するキレイで軽やかな音が聴こえてきて、聴感も感情も自分の全部が惹き込まれる感覚。

確実に特別な光を放ってるし、これにはまたトリップしそうです。

そのイントロで鳴り響くマーシーのピックスクラッチの音はやっぱり最高です。この人、マジで感情的すぎる。それに芸術的です。

ヒロトが作曲した胸に響くメロディは感動的です。アルバムの後半にはこういう歌がとても似合います。

煌びやかなサビ始まり。

Aメロにはこれまで背負ってきたワビサビに共感してくれて認めてくれるようなグッと来る、“人のあたたかみ”があります。

滑らかなアコギと澄んだエレキのハーモニーがヤバいくらい心地よいアレンジ。

ロマンチックな言葉で綴られた歌詞。

ヒロトならではの、多くの人の心を鷲掴みにしてしまう世界観。

人が感じるエクスタシーの元型を歌ってるようなサビには、すべてのしがらみを解き放ってくれるパワーがあります。

なんかオレ、全部が軽くなったみたい。

もしかしたら光ってもいるかもしれない。

人から見たら気持ち悪がられそうな表情をしちゃってるのは、なんとなく顔の筋肉の感じで自覚してます。

ここまで来るともう制御できません。

音楽が快感すぎて意識が遠くへ飛びそう。

人間にこんなにすごい歌が作れるのか⁈人間にこんなにすごい演奏が実現できるのか⁉︎

ハイロウズはどうかしてる。普通じゃない。神様より尊敬しちゃう。人の心を動かす名人。

きっとどっかの神様が嫉妬してる。

一つハッキリと断言したいのは、不親切な神様なんかより、いつも快楽に導いてくれるハイロウズのが好きだ。そんなの当たり前だ。

音楽でここまで「ecstasy」を表現できたのは、ハイロウズが初めてです。

終盤では力の込もったアレンジになって今日を生きるための気力が充満します。

さらにそこへ生命力を司るファンファーレのようなエレキのメロディが加わって、私のことを極自然な形の人間そのものにした。

この歌、絶対“官能的な音”が出てる。

歌詞 : ロマンチックな言葉の繋がりが非常に快感で、極度の放心状態を楽しめます。

美しすぎる比喩表現の極み。

今日のための今日だと歌う、幸せへの入口まで用意されてる。

“All I Want Is ecstasy”

サビの歌詞の意味は「私が欲しいのはエクスタシーだけです」となりますから、快感だけが欲しいという最も人間らしい言葉です。

この言葉をひたすら繰り返すサビには煩悩よりも強いエクスタシーを感じます。

歌詞に不快さは皆無です。

M14「一人で大人 一人で子供」

作詞・作曲/真島昌利

ハイロウズの20thシングル。

ロックが揺るぎない光をブッ放つアルバムラスト曲。

タフなミディアムテンポ。

ライブではこの曲でマーシーが腕をぶん回してギターを弾くのが胸アツです。

前の曲「ecstasy」でのヒロトに続いてマーシーもやる。今日を生きるということ。

生きる勇気と覚悟がこの歌にはあります。

歌詞は短めで2番までしかありません。歌詞の一言一句すべてが心に刺さります。

空間全体に響くドラムの連打で演奏開始。

思わず元気が出てしまいそうなキラッキラのキーボード。

決して奥まらず最前線でジャーンと豪快に鳴るギター。

軽やかな心でアルバムのラストダンスのステップを踏んでいるベース。

もう神曲であることが確定してる。

直球を受け止めやすい胸のど真ん中に投げてくるヒロトのボーカル。

曲がってないし、嘘ついてない。

日々の悩み飽きるくらいのヘヴィーな気持ちにすっかり怖気付いてた心の背中を押してくる。

マーシーのギターはズバ抜けて強烈な音で録音されてる。

ミュートした弦の力強い音、すべての弦を鋭く弾き切った和音の響き、ロックンロールのたくましさが存在してる。

間奏はフルートが奏でる安らぎのメロディ。

安らいだ雰囲気のまま、キーボードと歌のみになる真摯な態度の3番へ。

自分のこれまでの努力さえも認められたような、胸を撫で下ろす気分。

静かにベースが入ってくる。

ミュートしたギターが力強く入ってくる。

爆発寸前の心の奪われ方を初めて感じたし、カッコ良すぎて胸にヒビが入った。

ラストのサビではまた揺るぎない光を放つロックンロールスタイルですべての人に希望を渡すハイロウズ。

絶対にあきらめない屈強なギターのメロディが、曲の締めと同時にアルバムを締めます。

「一人で大人 一人で子供」を聴きながら、何かをあきらめようと決意する人は一人もいない。いる訳ない。そんな奴いてたまるか。

救えない心などない。

白井さん在籍中の5人編成でのハイロウズ、最後の名演奏で名曲。

この歌、誰かの絶望を希望に変える神曲。

歌詞 : 全開で救われます。

すでに20年以上前の歌の歌詞ですが、今から年十年後、何百年後だろうと常に有効な力を放つ言葉です。

2番の歌詞なんかは私の心には鋭く刺さりました。リリースから何年後かの精神的に病んでいた時期のある日のふとした瞬間、頭の中というか心の中でその歌詞が爆音で再生されました。

ああ!これだ!と、生きるとはこれなんだと理解してしまった。

私たちは大人でありながら子供なんだ。完全な大人なんていないし、子供のままでもいられない。いつも今日を生きるだけ。

目の前のことが楽しいか楽しくないか、それだけしかないです。

人間が生まれた時のデフォルトはこれだったはず。それを忘れて病んでしまった。今この瞬間を、今日のために生きればいいんだな。

なんだ、面白そうじゃん。

前例なんてなくて当たり前。いつだって今この瞬間しか生きれません。まず自分が楽しいかどうかということが大事でした。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

ロックがまた頑強な精神力と頼もしい腕で、誰かのどん底の心を力一杯に引っ張り上げた。

みんなが「あきらめるのは簡単すぎてつまらない」と納得したところでアルバムはおしまいです。

“ロックンロール以外は大した事じゃない”と心が再認識した、ハイロウズの7枚目のアルバムでした。

いろんな方向に心が動いてすごい楽しかった。

アルバム1枚トータルで聴き終えた後は生きる勇気に満ち溢れています。

のんびり聴き始めたつもりがメラメラと燃える「覚悟」のような炎が自分の中に存在しているのを感じます。

白い箱に赤いリボンをイメージさせるジャケットデザインは、ハイロウズからの最高なロックンロールのプレゼント。

再生ボタンを押せばいつでもロックの魂からの心の込もった贈り物を受け取れます。

贈り主はもちろんハイロウズ。

つまり名盤です。


本作の後にリリースされた編集盤『flip flop 2』を挟んでからの、次作はハイロウズのラストアルバム『Do‼︎The★MUSTANG』です。

ありがとうございました。

また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。

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<収録曲>
1.あいのロックンロール
2.大山椒魚
3.ゆでたまご
4.ハイウェイ61
5.よつであみ
6.恋のOKサイン
7.メロディー
8.くだらねえ
9.ダーウィン(恋こそがすべて)
10.SEX AND VIOLENCE
11.不器用
12.男の愛は火薬だぜ ~『東京火薬野郎』主題歌~

今回も興味深いタイトルばかりで、既にテンションが上がってきました。
ツアーも楽しみです!

ニュー・シングル「あいのロックンロール」12/13発売決定!!

1.あいのロックンロール
2.SEX AND DRUGS AND ROCK’N’ROLL

CDと7inchアナログ盤が出ます。

ロックンロール尽くしなシングルで超楽しみです!
タイトルだけでワクワクさせるクロマニヨンズ!

40代、人より物が好きです。

唯一の問題は冗談のセンスが全然ないということ。

繊細なものが好きです。

細やかで、誠実で、ピカピカに光ってて、そこら辺には落っこちてないもの。

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Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。

レコードに次いでカセットテープの人気が上がってきてるみたいです。

私はカセットがとても好きです。もちろん私の中でも一度終わったメディアですが、個性的なものはもう一度好きになったという感じです。最近はカセットばかり聴きます。

小さくて手に馴染むサイズ感はかわいいと思います。A面とB面があるわずらわしさが、音楽を聴く楽しさに変身してます。

それで、ブルーハーツのシングルのカセットが欲しいとずっと思っていました。全シングルがカセットで存在している訳でもありません。たまに出品されていても割と高値が付いて買えません。

でも欲しかったし、貧乏なオレには買えないのはとっても悔しいので自分で作りました。

ジャケットも出来る限りオリジナルに忠実になるように自作しました。

生のテープが安く手に入ったので制作に踏み切りました。

自作カセットテープ↓

ハイロウズのカセットテープも作成しました。

ジャケットはレコードの帯の煽り文句をモチーフにしています。

見にくいだろ?イライラするだろ?(笑)

クロマニヨンズもあります。

クロマニヨンズのシングルカセットも自作しました。

素敵な音が出てます。

満足してます、納得してます、感激してます。だからもう高値で売られているものを買う気はありません。

ボロくても手作りには光があります。