M☆MUSIC

つまらない世界に“心のロックンロール”をブチかます無謀な企画 ★ロックンロールが鳴り響く!! ★

ザ・クロマニヨンズ

【ザ・クロマニヨンズ/SIX KICKS ROCK&ROLL】遂に最高傑作!15thアルバム

投稿日:2023年6月30日 更新日:

こんにちは。

『SIX KICKS ROCK&ROLL』は2022年リリースのザ・クロマニヨンズの15枚目のアルバムです。

本作はアルバムですが、LPレコードは発売されませんでした。アルバムとして、ディスク1枚にて通して聴けるのはCDのみ。

レコードの場合は事情が違います。7インチシングルレコード6枚を手動で取り替えながら聴くことになります。

それはセルフ『SIX KICKS ROCK&ROLL』という手応え。

これがやたらと楽しい15thアルバム。

心の名盤:全曲レビューです。

皆様どうぞ最後までよろしくお願い致します。

本作でとんでもない企画を考えたクロマニヨンズ。こんなのありか!と仰天しました。

五臓六腑にしみわたる怒涛のロック6連続‼︎

『6 ROCK大作戦』

シングル6ヶ月連続リリースです。

すげえ!ビビった!毎月楽しみだった!すべてが炸裂してた‼︎どの曲にも感動した。

今までで一番楽しかったし、一番おもしろいと感じたアルバムです。最高傑作じゃん!と私は興奮しました。

The Cro-Magnons/SIX KICKS ROCK&ROLL(2022)


SIX KICKS ROCK&ROLL(シックス・キックス・ロックンロール)は14作目のアルバム『MUD SHAKES』から1年1ヶ月後に発売された15作目のアルバムです。

2022年1月19日発売。

タイトルに初めて“ROCK&ROLL”が付いてクロマニヨンズの本質を見たような感慨深さがありました。

12通りのロックの魔法。

一曲一曲が、ロックンロールの歴史みたいですごいと感じるアルバム。

「6ヶ月連続シングル全曲収録!」

ん?シングルの内容そのまんまってこと⁈

そうです。『SIX KICKS ROCK&ROLL』は6ヶ月連続シングルのA面B面の2曲ずつ=12曲を収録した作品。

だからアルバムが発売された時点でほとんどの曲を熟知していたということ。第6弾の「ごくつぶし」のみアルバムと同日リリース。

全曲がシングルとして発売された曲の寄せ集めなんてすげえなと、今まで感じたことのない熱い気持ちになりました。

 

本当は全部シングルでいいと思う。クロマニヨンズのアルバムはコンセプトも何もないシングルの寄せ集めだからねーー甲本ヒロト

 

たまらない。グッと来る。この人の言葉はいつも胸が熱くなる。

アルバムの内容はいつも通りカッコいいロックンロールです。鳴り響くロックンロールは1mmも後退していません。

これにはときめきます。

LPが出なかったアルバムはクロマニヨンズ史上初めて。

アルバムとしてリリースされたのはCDのみで、LP盤は未発売。

その代わり7インチシングルのアナログ盤が6枚リリースされて、シングルがすべてが揃ったところでアナログのアルバムが完成するという胸熱な仕組み。

『SIX KICKS ROCK&ROLL』収録曲

1. ドライブ GO!
2. 光の魔人
3. 千円ボウズ
4. 大空がある
5. もぐらとボンゴ
6. ここにある
7. 爆音サイレンサー
8. イエー! ロックンロール‼︎
9. 冬のくわがた
10. ナイフの時代
11. ごくつぶし
12. 縄文BABY

全編モノラル、全12曲41分(ボーナスディスク全2曲11分)合計で全14曲52分です。

いつも通りヒロト、マーシー6曲ずつ作ってお馴染みの迫力満点なモノラル録音。

 

アルバム用に作った曲もないしシングル用に作った曲もないんです。ただ日々できる曲を並列でポンと並べて1枚のアルバムにするだけーー甲本ヒロト

 

ーー6ヶ月連続でシングルをリリースするアイディアについて

ヒロト「僕らはできた曲をレコーディングして発表するだけなんで、そこはいつもと変わりないんです。ただ例年だったらライブ三昧の日々だけど今年はポッカリ空いた時期ができたから、じゃあ発表の仕方を工夫してみようかということになって。」

2022年はコロナの影響が出ていて、いつも通りのライブ三昧という訳に行かなかったのかもしれません。でもそれがこのとんでもない企画のきっかけにもなったんだなと思いました。

ーーコロナ禍で頭にきたことは?

ヒロト「あるあるいっぱい。でも、「よしこれを歌にしよう」なんてことは思わない。もしかしたら滲み出ることはあるかもしれないけど。」

結果としては最高傑作のアルバムになりました。個人的にはクロマニヨンズのアルバムの中で一番多い回数で聴いてます。

ーーアルバム1枚出すのとシングル6枚出すのはどう違うのか?シングルらしさは意識したのか?

ヒロト「そういうのはないよ。だって曲を作るときに「これはシングル用」とか思って作るわけじゃないもん。全部できてから「ラジオでかけてもらう曲どれにする?」みたいな感じで決めるだけ。どれでもいいんだ。それに“シングルっぽい曲”ってのも考えたらちょっとおかしな話でさ。そんな基準はないんです。もしもシングルっぽいっていう言葉が、さらっと聴けてなんとなくとっつきやすいもの、という意味で使われているなら、なんかつまらないです。」

これだ!もちろん詳しい事は知らないけど、他のアーティストはきっとシングルっぽい曲を意識してる気がする。だからつまらないのか。そういうことか。スッキリした。

クロマニヨンズってつまらないことはやらないです。すげえ楽しい。カッコいいと感じてるのそういうところなのかもしれない。

アルバムの曲順決めで最近定着してきたやり方は、曲を作った本人たちではなく、まずコビーとカツジに案を出してもらって、最初にいいなと思った並びをいくつか固定した状態でiTunesでシャッフルする。みんながOKって言ったらそれで決まるということです。

ちなみにマーシーは誰の案でもだいたいOKって言うらしい。

本作の12インチレコードはリリースされなかったけど、7インチシングルレコード6枚全部を収納できるボックスが、第1弾シングル「ドライブ GO!」のアナログ盤に付属。

“7インチ アナログ盤6枚収納 特製ボックス付”と「ドライブ GO!」のレコードの帯に最高の煽り文句が書いてありました。

アナログ盤『SIX KICKS ROCK&ROLL』

1. ドライブ GO! / 千円ボウズ
2. 光の魔人 / ここにある
3. 大空がある / 爆音サイレンサー
4. もぐらとボンゴ / 冬のくわがた
5. 縄文BABY /ナイフの時代
6. ごくつぶし /イエー!ロックンロール‼︎

7インチレコード6枚に各2曲ずつ収録。シングルCDも同内容。


ずっとクロマニヨンズのジャケットを手掛けている菅谷晋一さんによる個性的でロックンロールな、それぞれの作品のジャケットデザインも熱いです。

全部揃った時に手に持って取っ替え引っ替えしてると楽しい気分。もちろんアート性を余裕で感じるけど、同時にロックンロールも感じるのが凄味。

やっぱりレコードやCDのジャケットのデザインは重要だと感じます。こんなにも全部集めたいと思わせるジャケットはあんまりありません。

7インチレコードのレーベル面は統一されたデザインですが、CDのレーベル面はそれぞれに異なるデザインになっています。

レコードでもCDでもどっちも胸が熱い。どっちも圧倒的なロックンロールの音がする。どっちも物体としての特別感が最高だ。

どっちも耳を通り過ぎて心へ響く迫力のモノラルサウンド。

他にはないクロマニヨンズの音。

 

僕らみたいなただジャジャンドガーンみたいな音だったら、モノラルの方がパワーが伝わる気はしますねーー甲本ヒロト

 

いつ聴いても新鮮なロックンロールです。

ロックンロールが広がっていく。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

こんなにワクワクするアルバムは初めてだ。

他とは違う特別感が際立ってる。

レコードなら12曲、CDならボーナスディスクも含む14曲のクロマニヨンズスタイル。

退屈してる暇はなし。

ただひたすらに真っ直ぐにぶっ飛ばしていくSIX KICKS ROCK&ROLL!

オーライ!ロッケンロー!!

M1「ドライブ GO!」

作詞・作曲/真島昌利

6ヶ月連続シングル第1弾

アルバム1曲目はガムシャラに突っ走る時のテーマソング。

唯一無二のロックンロールスタイル。

勇ましいロックンロールの煽り運転が発生するアップテンポ。

猛々しいアレンジが尚更にテンションを煽り、もう迷ってなどいられない。

1回で覚えられるロックのメロディ。

誰かに遠慮なんかしてる場合じゃない歌詞。

再生した瞬間に耳を直撃するマーシーのギンギンなギターリフが炸裂。それだけでもう走り出したくなる衝動が発生。

かなり短めのイントロ。

ヒロトの豪快なボーカルが“突っ走れ!突っ走れ!”と連発し始めたらもう誰にも止められないハイテンション。

メロディはシャキッとしていて芯がある。

私の気持ちを煽り立てる一撃。

これぞクロマニヨンズに求めてる騒々しくて積極的な雰囲気。

アレンジ、音、演奏に豪快さを感じるけどクロマニヨンズ独自の繊細さもあり。

2番は“ぶっ飛ばせ”と煽り立てながら一気に突き抜けて、意味もなく気力を噴出したくなる高揚感が出現。

クロマニヨンズサウンドに感化される。

本当に背中を押されているような感覚があり、歩いていたつもりがついうっかりしてると駆け足になってる。

新しい道を突き進むサビ。

古い地図を投げ捨てて、道なき我が道を行く耳触りがたまらなく頼もしい。

ヒロトの「GO!GO!GO!」の激情っぷりには、私に必ず何かを決意させる威力がある。

間奏はマーシーが煽るギターソロ。

気分が上がるロックンロールのギターのメロディ、マーシーならではの歪み具合。

追い討ちをかけるような激しくスピーディーなギターソロは、私ののろまな作業ペースに最高速を記録させた。

曲の後半でのコーラスのテンションが高すぎる。コーラスというより騒がしい煽り音だ。めちゃくちゃ楽しそうだ。私も楽しい。

アウトロはヒロトの激アツなハーモニカと、マーシーの煌びやかなギターが煽りまくり。

この歌、グダグダしていた私の気持ちをすっかりキビキビしたものに覆した。

熱いロックンロールがあったから。

 

歌詞:新しい道を行かず、まだ古い事に拘り続けられる人はいない、突っ走りの極意。

長い内容ではないけど、背中を押されるロックンロールの誠意と思いやりがある。

繰り返される2番の“ぶっ飛ばせ”には自分の気持ちの加速度がグングン上がってく。古いことには拘らず、放っておけばいいことには関与せず、自分の明日へ突っ走れます。

私には自信を持たせてくれる歌詞。

「古い地図にはない 新しい道だ」まだ誰も生きていない自分独自の道をぶっ飛ばそうと心が奮起している。

M2「光の魔人」

作詞・作曲/甲本ヒロト

6ヶ月連続シングル第2弾

2曲目も怒涛の勢いが続く。

「これが恋か」と歌う切ないメロディに、胸がキュンキュンしたりするロックンロール。

突き進む勢い重視のアップテンポ。

耳が眩しいキラキラしてる光アレンジ。

キャッチーなメロディ自体が恋心のトキメキや、その抑えきれない感情になってる。

眠れなくなるほどの強い恋心が、一番手前で爆発する歌詞。

高揚感をさらにブチ上げるようなキラキラしたイントロから、楽しむ気持ち最大限。

テンションを上げるアップテンポでノリノリ。

最初のカツジのドラムの連打だけで胸が熱くなり、私なんかロックンロールと一体化したような気分。

明朗快活なヒロトのボーカル。

ヒロトの声がデカく、クロマニヨンズの音もデカい。「SIX KICKS ROCK&ROLL」は音圧が異常に高い。

だから余計に人の心へ響くのだと思う。

サビの煌びやかさは恋心が爆発。

マーシーたちが歌う神技のコーラスが曲の輝きを10倍にしてる。

演奏は全体的にキンキンした音が耳へ直撃。そのシャープな音がロックの魅力を放って、曲の存在感を100倍にしてるし、、、

私には炸裂してる。この音はキラキラしたポジティブな心を誕生させてしまう。きらびやかなアレンジは私の精神的な不具合を察して元気付けようとしてる。

絶対オレにアピールしてる。

その後の「ランランラン」のメロディは恋心のトキメキそのもの。

ポジティブなパワー、絶え間ない信念。

私は夜空を飛んでしまえそうな心の解放感。

聴こえてる音のすべてがキラッキラした光のエネルギーみたいだ。

嬉しい、楽しい、最高な気分。

随分と経ってから何となく気付いたけど「光の魔人」というタイトルにこのキラッキラな光のアレンジとか胸熱すぎる。

イントロからアウトロまでずっと恋とロックンロールの光を放ってる。

パートナーに抱く自分の燃える恋心を思い出したい時にもオススメします。

 

歌詞:抑えきれない恋をしていると宣言するから、恋心へ響く光。

サビでは、恋をしているすべての人が自分の経験と一致しすぎて胸が熱くなるはず。

恋をした瞬間は私だって同じように叫びたいほどの燃えるような気持ちが、眠れない毎日を過ごさせた。自分のすべてを支配してしまうくらい強い光を感じた。

それは恋だ。今も変わらずにある恋心。

M3「千円ボウズ」

作詞・作曲/甲本ヒロト

6ヶ月連続シングル第1弾c/w

3曲目までもが過激な勢いで攻め立てる。

誰が聴いてもラモーンズ風のパンクロックだ、でもロックンロールだ。

止められない勢いの豪快なアップテンポ。

余計な装飾なしのシンプルなアレンジ。

どの瞬間も1回で覚えて一緒に歌える天才的にキャッチーなメロディ。

不親切な顔した常識を突き破る歌詞。

途中でラモーンズの有名なフレーズも飛び出して、途端にテンションが上がる。

多くの人が知っているメロディ『Blitzkrieg Bop』に乗って「千!千!千円!」と叫ぶ勇姿は相当なインパクト。ラモーンズを知っている場合はやっぱり100倍のインパクト。

マーシーのギターがキンキンな音で炸裂する2秒の短いイントロ。

耳を直撃して早速気持ちを煽られる。

いきなり明るく力強い大きな声で「アー!!」と歌い出すヒロト。

コーラス入りのサビ始まり。

誰でも覚えやすいメロディで1回目から一緒に歌えるはず。むしろ歌ってしまう魅力。

パワフルで楽しげなAメロ。

ヒロトが堂々と「どうでもいいぜ」と歌うのが、私の心のわだかまりをビリビリに破ろうとしてくる。

気分が前向きになる遊び心のあるメロディであるのが特徴。

演奏には無意味な常識を突破するパワーがある。クロマニヨンズの強力なエネルギーでしか感じることが出来ない音がある。

力の限り!を見せつけるクロマニヨンズ。

終盤にやる間奏ではラモーンズを思いっきり感じた後、マーシーのギターが凝り固まった世の中のポジションをグルングルンに回してシャッフルしたっぽい。

おかげで私はなんかスッキリした。

センスが良すぎる歌。一般常識的な思考では理解し難い世界がたまらなく最高。私はロックンロールにこういう楽しさを求めてる。

シリアスではないどこかにあるおバカっぽさが私の不自由な心をぶっ飛ばす。

それにしても、、、千円欲しくなった。

 

歌詞:普通の会話や思想、洗脳された常識などまったく通用しないヤツの絶妙な主張。

「千円くれ」とねだる千円ボウズの出現で、いつもの退屈な日常が覆る。

“子犬 子猫 子豚 子狸”と3番で登場する動物のチョイスが独特で、心を撃ち抜かれました。

特に最後の“子狸”なんかはメロディに乗った時の心地よさが最高の語呂で快感。

M4「大空がある」

作詞・作曲/真島昌利

6ヶ月連続シングル第3弾

クロマニヨンズの豪快な音と、ヒロトのハッキリとした発音で「大丈夫だ」と連発する激励のロックンロール。

私の不安な心に優しく寄り添ってくれる歌。絶対に見捨てない思いやりがここにある。

この歌を聴いて大空を見上げなかった人はこれまで一人もいないらしい。

わずかな希望が大空まで届くアップテンポ。

タメを効かせた部分と、突っ走るサビの抑揚が聴覚を刺激するソリッドなアレンジ。

吐き捨てない丁寧なメロディ。

希望は決して捨てない揺るぎない歌詞。

破壊力があり非常にソリッドなイントロは、スピーカーから出る音が猛烈に飛び出してる。

直後には「大丈夫だ 大丈夫だ」の連発。

しつこいくらい歌うから、不安でいっぱいだった私の心は、なんだか急に勇気付けられてしまった。

根拠のないロックンロールの力を信じてる。

作者であるマーシーが私へ面と向かって励ましてくれたと感じるから。

マーシーが作詞したすべての言葉が心へ響く。

サビではアレンジが突っ走り、飛び跳ねたくなるほどの勢いがつく。Aメロとの抑揚の付け方がたまらない。

ハイセンスなクロマニヨンズにうっとり。

間奏でのグッときてジーンとする衝撃。

ギターソロなどではなくヒロトの心の込もった語り。私の心に直接語ってくる。

この安心感、ヒロトにしか表現できない。

大空に励まされて今日も生きてればいいと安心してしまえる大きな歌。とにかく大きい。

とても重厚で、弾丸を連射するかのような力強いイントロから急にタメを効かせたアレンジになる驚き。インパクトがある。予想通りには行かない衝撃もある。

今回もまた音がいい。音が大きい。その上で演奏がパワフルだ。誰かを励まそうとしてる思いやりがその音から熱く伝わってくる。

「大丈夫だ」と連発するこの歌に全然大丈夫にならない心なんてきっとない。これを聴いて絶望するやつはいない。心配いらない。

アウトロではイントロの衝撃をもう一度。

心が不安になってしまった日のベストソング。

 

歌詞:ロックンロールが放つでっかい安心感。

こんなにも「大丈夫だ」を連発されたら大丈夫じゃない心なんて存在しなくなる。

こういう歌詞があるなんてすごく嬉しい。

“すべてはうまくいく 心配いらない”なんて、なんという思いやりの言葉なんだ。本当?信じちゃうよ!絶対に私を励ましてくれてる。

マーシーの感性で「心配いらない」って言われると安心できるし、ものすごく好きな言葉。

不安な時こそ効果抜群の歌詞。

M5「もぐらとボンゴ」

作詞・作曲/甲本ヒロト

6ヶ月連続シングル第4弾

5曲目、ほっこりする。

始まってすぐに誰でも物語性を感じます。

「ボンゴ ボンゴ ボンゴ ボンゴ」と繰り返すコーラスがとても印象的。

もぐらと一緒にバスに乗ってみたりする、ちょっとシュールな物語で和むのが特徴。

勢い重視ではなく、私が歩くテンポと完全に一致する。

激しくはないあたたかみのあるアレンジは、より一層、物語へ意識が集中していく。

子供でも歌いやすい可愛げのあるメロディ。

アニメや絵本に似合う愛嬌たっぷりの歌詞。

弾むギターが楽しげなイントロ、遊び心たっぷりのコーラス入り。

旅の出発を共にするようなAメロが始まる。

ヒロトの場合は特別な事ではないけど、童心に返ったような健やかな歌心。

マーシーの抑え気味にしたギター、ミュートをかけた音が印象的。

もぐらと一緒に自分の道を切り拓く旅をしているような気分です。

突っ走らないミディアムテンポは、私でも乗り遅れることはない親切設計を感じる。

これが私の歩くテンポ。

それと同時に、スムーズに流れる心地よさがすべての瞬間に存在している。

間奏はヒロトの柔らかいハーモニカソロ。

ライブで聴いたことがあるハーモニカの生々しい音がそのまんま鳴ってる。

後半のマーチングドラムと、男の色気が出た“アァ”と歌うコーラスが聴こえてくる辺りで、人と違っても自分らしい方がいいやと自己肯定感が上がってくる好影響あり。

みんなで合わせる規則的で心の不自由な行進ではなく、どこへ向かうのかは完全に自分の自由である楽しい心の中の行進を感じます。

この音に突き動かされる心はある。

歩きながら聴くときっと合う。歩く面倒くささをステップの歩幅に変える楽しいリズム。

アウトロもヒロトのハーモニカのメロディ。

長い物語がハッピーエンドへ辿り着く瞬間のような嬉しい雰囲気。

 

歌詞:ヒロト独自のストーリー性が特徴、まっすぐな子供心があり溢れる愛嬌が魅力。

アニメ映画の世界なんかを感じて和む内容。

MVにはアニメのもぐらが出てきてこの歌の雰囲気にとても合っていました。

とは言え、歌詞には深みもあるのが印象的。

目の前には道が無かったから、もぐらが自分の道を切り拓いていく真っ直ぐさには感動。果てしないけど私もそういうのを目指そうと素直に決心した影響力。

もぐらは無限に掘りました。道が無くても好きな何かを深掘りしていくのは、人生の好転に繋がりそう。

M6「ここにある」

作詞・作曲/真島昌利

6ヶ月連続シングル第2弾c/w

自分を貫き通すハッキリとした主張が胸を打つストロングソング。

折り曲げ不可能!芯の強いアップテンポ。

ロックンロールと同時に、ギラギラの眩しいグラムロックを感じるサウンド。

真っ直ぐに突き進む豪快なメロディには、多くの人が背中を押される。

短くも、生き方を変える威力を持つ歌詞。

強い。強力だ。激しい。強烈で猛烈だ。魂を揺さぶる。だから今から新たな気持ちで生きるきっかけになり得るロックンロール。

いきなり強力な生命力をぶっ放つイントロ。

ジャキジャキしてる。「もぐらとボンゴ」で少しだけ落ち着いたかもしれない気持ちは一瞬にしてハイテンションへぶち上がる。

人間の底力を叩き付けるヒロトの歌心。

この豪快な歌いっぷりには、モリモリとやる気や勇気が湧いてきた感覚。

演奏の音はキンキンしてる。ロックンロールが「ここにある」と、ただ一つの主張をしている音が何よりも際立っているからだろう。

私はその音に熱狂してる。

誇らしいロックンロールの音が聴こえる。

ついにやらずにはいられなくなるBメロへ。

聴きながら義務感のあるやる気というより、やらずにはいられない一番強い気持ちが芽生える心地良さ。

本当に自分が好きなものをわかっている人にしか作れないし、演奏できない歌だと感じる。

「ここにある」と何度も繰り返し、自分の存在自体を超実感するサビ。

1回で覚えて歌えるメロディと歌詞。

どれだけ時間が経とうがここにあって、勝手に頭の中で再生されていることが多い事実。

ロックの奴隷になった嬉しさが聴こえてくる。ロックに感極まった喜びの音がここにある。

アルバム収録曲で一番短い歌詞。初めて歌詞カードを見た時にびっくりしました。他の曲の半分くらいしかない。それでこれだけ強力なエネルギーを持ってるのが感慨深い。

自分の在り方に迷ってしまった時にオススメのロックンロール。

 

歌詞:ただ一つ好きなことが今ここにあると、強靭に主張する私への猛烈アピール。

かなり短いのが特徴。

とは言え、随分と力強いのが魅力。

私はこれで、今この場所でやりたい事をやらずに、不幸に甘んじているのは卑怯者の言い訳だと気付きました。自分が幸せになる事をやらずにはいられない。

“ここにある”と100%の事実を繰り返すだけのサビは、言葉が特にショッキング。

ここにあることに気付かない振りをしているのもやっぱり良くない。すでにここにある。最初からここにある。

M7「爆音サイレンサー」

作詞・作曲/甲本ヒロト

6ヶ月連続シングル第3弾c/w

なんてことだ。クロマニヨンズは全力で全打席ホームランを打とうとしてる。

結論としては打つ。

爆音が鳴る瞬間を体験するアップテンポ。

マイナー調がどことなくしみじみとしていて、ちょっと切ないアレンジ。

表面でなく心の奥がグッときてるメロディ。

ヒロトの歌詞だけど、マーシーの歌詞のような繊細さが心の深部へ沁みます。

味わいがあって心に爆音で鳴り響くロックンロール。

重めで何やら怪しげな雰囲気のイントロ。

ヘヴィーなアレンジの曲なのかと思ったらそうではなく、ヒロトが歌い始めた途端、マイナー調で流れるような勢いのアップテンポ。

マイナー調のメロディはいい意味での心への引っ掛かりがたっぷり。BGMには向かない。

ヒロトの歌のテンションに呼応するマーシーたちのコーラスが印象的。

そのハイセンスっぷりに私は感動する。

爆音で突っ込んで来るから素直に惹き込まれる独特の世界。

曖昧さこそが伝家の宝刀な日本語は嫌いだけど、この歌の歌詞のような聴き入ってしまう比喩表現は美しい。

ヒロトにしか歌いこなせない独自性が特徴。

直接的ではない抽象的な歌詞はよく分からないうちに、すげえ熱いこと歌ってそうだと気付き始める。

何度も聴いたけど本当の意味なんか分かっていません。意味なんてないのかもしれないし、それがロックンロールだと思います。

一段と激しいサビへ突っ込んでいく。

思いっきり加速度が上がったような興奮気味の聴き心地。

サビも心へと直接的に響くメロディで何度もキュッとする。むしろ一音ずつがグッとくる瞬間の連続。

間奏ではマーシーのとんがったギターソロにシビレます。この人も何も変わっていない。すごい。キンキンなままだ。そんな想いと曲の雰囲気に涙が出そうになった。

ソロは短いとは言え、ブチかましてる。

ラストの大サビでは特大の爆音が攻めてくる。サビ以上の加速度。これぞ爆音。

だからボリュームは最初から上げ気味で!

今回はどの曲も演奏がパワフルな感じがする。

いつもそうだけど、今回は特にそう感じる。マスタリングの影響とかもあるのかもしれないけど、すごく好ましいロックンロールの音。いい具合の圧力。まさしく45回転の音圧。

要するにモノラルが合ってる!

 

歌詞:空想的。それに静寂で爆音。

直接的な表現ではないから意味は分からなくても“美しい”と心が反応するのが魅力。

想像力を掻き立てるのが特徴。

爆音で夢を見る話なんか聞いたことがない。

「爆音」というワードにはやっぱりクロマニヨンズのライブが思い浮かぶ。今夜は爆音でその夢を見たい。だから途中で起こさないでくれ。私は熱狂中なんだ。

M8「イエー!ロックンロール!!」

作詞・作曲/真島昌利

6ヶ月連続シングル第6弾c/w

8曲目、突き抜けて明るい。

うんざりする日を明るく乗り切るためのロックンロール。

思わずクロマニヨンズと一緒に“イエー!”と叫びたくなるアップテンポ。

マーシーが大胆に弾きまくる!古き良きロックンロールアレンジ。

メキメキと希望が湧く弾んだメロディ。

悩み苦しみ抜いたどん詰まりから、一瞬で私の心を方向転換させる歌詞。

すべてを凌駕した胸熱ロックンロール。

心がロックンロールに支配される。

イントロなしのサビ始まり。全力で突撃開始するクロマニヨンズが頼もしい。

いきなり分厚い音圧が飛び出してきた。

求めていたロックンロール。痛快。パワフルなロックンロールの一撃。しかも必殺。

前しか向かないようなロックイズムでヒロトがAメロを歌い出した。ひたすらに明るい。

感化されて大抵の場合はやる気が出るはず。

演奏ではマーシーが派手に盛り上げる名場面。ギターはいろんなフレーズが飛び出してきて圧倒的なロックンロールを感じる。

うんざりしてる事をぶっ飛ばすBメロ。

心へ響くマイナー調のメロディ。短いとは言え、一際インパクトがあって印象に残った。

すべてを圧倒するのがサビ。

この世にある全部のネガティブを覆すような勢いとパワーで「ロックンロール」なんて叫ぶから、前向きか上向きにしかなれない。

間奏の傑作っぷり。存在感抜群なギターソロが特別なロックンロールだ。

特盛のサービス精神でマーシーが弾きまくる。

私はマーシーのチョーキングの音に、どこかちょっとヤケクソ気味のテンションを感じた。

こういう普通じゃない情熱が聴きたかった。

曲の後半もとてつもないエネルギーを放つクロマニヨンズがグイグイ背中を押してくる。

派手だ。ロックンロールって派手だ。その派手さに生きる気力が湧いてくる。陰湿なロックンロールなんて聴きたくない。

覚えたつもりはないけど、気付いたら頭の中で再生されていた希望の曲。

これぞロックンロールという感じですごく楽しい。いろんなアレンジの楽しさを強烈に感じるアルバム。

 

歌詞:うんざりした時の切り替えポイント。

へこんだ日のヘナチョコっぷりさえも救ってくれる魅力。またふくらめばいいし、不真面目なヴォリウムをあげて行こうと決心できる。

つまり、どん詰まりの解消。

大声でロックンロールと叫びながら、マーシーの鋭い思考で、スパッと切り替える前向き加減が最大の特徴。

怒りや失望や無気力などのネガティブが入ってくる隙が一切ない。

消極性には必ず好影響を与えます。

M9「冬のくわがた」

作詞・作曲/真島昌利

6ヶ月連続シングル第4弾c/w

歌を聴いてしみじみした自分の気持ちが忘れられないインパクトになる9曲目。

冬にあったかさを感じるスローテンポ。

いつも1曲は聴きたいレゲエ調。

心が和む緩やかなメロディ。

冬の物語が聴こえる繊細で美しい歌詞。

ゆったりテンポのじんわりくる歌が始まったと直感するイントロ。

マーシーの歪んでいないクリーントーンのギターが特徴的で、レゲエの聴き心地を実感。

コビーの太く響くベースの音が凄まじい。

すぐにヒロトがホッカイロのようなあたたかさで歌い出した。いい布団のような頼もしい重みまである。

つまり最前線に漂うのは安心感。

深い哀愁がある。寂し気な情景もある。2番から入ったマーシーのレゲエのリズムギターの音が胸に刺さる。こういうの好きだ。

聴かせるゆったりテンポ。ヒロトの歌が際立つ。マーシーの歌詞が心に残る。

歌詞も演奏もアレンジもテンポもクロマニヨンズのテンションもすべてが絶妙。

間奏は心の込もったギターソロ。

ギターが何かストーリーを語っているようなメロディ。その雰囲気には、急速に空間を暖めるファンヒーターの幸せな熱を感じる。

マーシーがここにいるようなリアリティのあるいい音してる。

冬の歌だし寂し気な情景もあるけど、何よりもクロマニヨンズのあたたかさを感じます。それがこの歌を心に残す要因だろう。寒い冬に聴くと少し寒さも和らいでほっこり。

リピートでずっと聴いていたい心地よさ。この曲自体が人間の心にすごく合うのかもしれない。私にはバッチリ合う。

ゆったりしたレゲエ調でマーシーのギターには結構な隙間があるけどそれがいい感じだし、感情豊かなギタープレイが聴けます。

ラストに入る鈴の音は、アウトロの印象を美しくするのに効果的で記憶に残る。

この歌は夕方5時の帰り道によく合う。

ボーナスディスクではこれが形を変えて、更にじんわりさせることに注目です。

 

歌詞:詩的な冬の物語。

最高の比喩表現がしみじみするほど感動的。

漂う哀愁と寂し気な情景が目の前に現れて心がジーンとする。マーシーが描く唯一無二の言葉の美しさは心にグッとくる。

冬の歌にある夏の記憶の表現が印象的。冬に夏の喜びを思い出してる感情にほっこりとするし、余計に冬の侘しさがつのってきます。

美しいと感じる切なさ、侘しさ、哀愁が特徴だけど、決して暗くない悲しくもならない。

繊細でただ美しいと感じる。

M10「ナイフの時代」

作詞・作曲/甲本ヒロト

6ヶ月連続シングル第5弾c/w

音が出た瞬間のパワフルでパンクな音圧にはセックス・ピストルズを感じる。

割と「アナーキー・イン・ザ・UK」だ。

とは言え「アナーキー・イン・ザ・UK」ほど嘲笑ってはいない。

騒々しい、いかす、シビレるテンポ。

大胆にピストルズを彷彿とさせるアレンジ。

風の時代を感じさせるような流れるメロディで滞りなし。

古き悪しきものに嫌悪感を抱く人ほど興味をそそられる独特の歌詞。

存在感がありすぎる。バシッとしてる。だけど滑らかで歌作りとアレンジの上手さが光ってる。クロマニヨンズに求めているもの。

いきなり「アナーキー・イン・ザ・UK」を超える衝撃を伴うイントロ。

その熱さには、UKパンクを聴いている時のような反骨精神がしゃしゃり出てきます。

不屈の精神でヒロトが歌う。

アンチテーゼを掲げた演奏を真っ向からブチまけるマーシー、コビー、カツジ。

今の時代にブレないパンクの一本柱が立っていて、不快でノイジーだったパンクの光を放ってる。

コーラス入りでシンガロングなメロディ。

ライブ会場は全員で歌いながらとんでもない熱気で包まれる。

ただし一聴しただけでは何の歌かわからない。だからこそ聴き込んで自分なりの解釈を見つけたいと思った。

パンクらしく勇ましいコーラス入りのBメロ。

分厚い音圧、耳の奥までにぎやかになる。

つまり、落ちんでいた気持ちが一気に上昇するきっかけなのだ。

切れ味の鋭いサビ。

同調圧力の時代が終わって、それを切り裂くナイフの時代がやって来たという耳あたり。

要するに自分という軸がそびえ立つ。

確かにセックス・ピストルズを彷彿とさせるけど、何より感動するのは全部クロマニヨンズの音だということ。

歌もすべての演奏も絶対に折れない自分の音がしてる。人にはそれぞれその人の音があるように思う。クロマニヨンズはいい音だ。

私も自分の音で生きよう。

 

歌詞:何百年か続いて、凝り固まった石頭の時代を切り裂くナイフという印象。

「電気料金 タダ」とか言ってる歌詞にはやっぱり興味を惹かれます。

歌詞は短めだけど私には深いイメージ。

自分で決める新しい時代を、大いに歓迎している瞬間の喜びのよう。

よく、今は「風の時代」とも言われている。目に見えないものに対する価値観が高まる時代ってことです。今から200年続くらしい。個人的には大嫌いな組織から抜け出して自由に生きれる時代だと考えています。

M11「ごくつぶし」

作詞・作曲/甲本ヒロト

6ヶ月連続シングル第6弾

私のような役には立たない存在を圧倒的に肯定し、気持ちをぶち上げてくれる歌。

どこかに微かな暗さがあるけど、ビシッとしてる。本当の魂の怠け者にはこの歌はきっと似合わない。

魂を激しく揺さぶるアップテンポ。

心のわだかまりを開くマイナー調のエモーショナルアレンジ。

人間特有のリアリティが際立つメロディ。

もう戻れないと悟った心を鷲掴み。私の心がもう戻らないと覚悟を決める強烈な歌詞。

心に響く重みのあるイントロが、ただ事じゃない曲だということを告げてる。

これは覚悟が必要だ。

圧倒的な精神で歌い出してすぐに感じたのは、ヒロトの世界、激しい勇ましい歌心。

一つ一つの言葉が強い。そのエネルギーが私の心に入ってきちゃってなんか大変だ。心の中で確実に何か変わった。

これまで一度も思ったことがないことを素直に思えてしまう。

心からの本音を言い放つ衝撃を伴う歌詞。

“ああ 生まれてよかった”

こんなに強いロックンロールを叩きつけられたら、、、

私も「生まれてよかった」と心から思った。

全力でやるマーシー、コビー、カツジの演奏も勇猛なスピリッツとサウンド。

前に出ろ!と背中をグイグイ押してくる。

サビはメロディもアレンジも疾走感が増して、私の心に長年つっかえていた苦しみが解き放たれたような感覚。

マーシーたちの凛々しいコーラスが心を解放するのに一役買ってる。

間奏は聴きどころ。

ヒロトのハーモニカと、マーシーのギターの掛け合い。これには激情しない理由がない。吹きまくって弾きまくってて涙が出る音。

カッコ良すぎて涙が出ることはある。

アウトロにも感動が!生々しい音が心へ直撃する、勇敢なハーモニカの猛襲あり。

勇ましさナンバーワンソング。

 

歌詞:空前絶後の詩的であり、ありのままの自分を生きてる喜びが爆発した魅力。

“ああ 生まれてよかった”と1番から心に刺さった衝撃。皮肉のような、ひねくれ者のような、でも本当は一番真っ直ぐな人のようなと、すごく深い思考をしたのです。

「生まれてよかった」という初めて聴いた言葉には、自分として生きたい衝動に駆られた。

死にたいと言ってしまう人はいるけど、こんなにも誇らしげに“生まれてよかった”と言う人は滅多にいない。

M12「縄文BABY」

作詞・作曲/真島昌利

6ヶ月連続シングル第5弾

アルバムラストはとてもロマンチック。

だけど骨太でワイルドなロックンロール。

それにアルバムをドラマチックに終わらせる感慨深いフェイドアウト。

歌詞とメロディってことじゃなくて、歌そのものに真っ直ぐさとか誠実さとかあたたかさとかがあってジーンと来るラスト曲。

ときめいたミディアムテンポ。

人の長い歴史を感じさせる実直なアレンジ。

恋心溢れるロマンチックなメロディ。

マーシーの感性!語感の冴え渡った歌詞。

ギターが高らかに鳴り響くイントロの音には雄大さあり。

まさにラスト曲の感触。

クロマニヨンズが感動的に締める。

いや、むしろ新しい生き方を始めさせる。

ヒロトの歌に真っ直ぐな気持ちが溢れていて、目に涙が溜まってきてる気がする。熱い。

歌が私の心のど真ん中へ直撃してくる。

落ち着いたミディアムテンポは誠実な心。

ロックンロールの歴史を辿るかのような、今日までの人生を踏み締めるかのような心へ響く壮大なテンポ。

演奏は根底がガッチリしたもの。

だから聴きながら意識がロックンロールから逸れることはまったくなし。

マーシーのギターのフレーズを合図にわずかに派手になるサビ。

決してやりすぎていない絶妙なサウンド。

一言で表せば、力強い。誰も心が折れたままいる訳にはいかない。ロックンロールにネガティブを覆される瞬間ということ。

間奏は歌と同じメロディを弾くギターソロ。

下品に歪んでいない。とことん優しい。マーシーの繊細な感性が、私の胸の奥の弱い部分を包み込んだら涙が一粒落っこちそう。

後半部分の「シャララッシャ」のコーラス入りメロディには悩みなんてぶっ飛びます。

特にその音、強力な耳触りに心が動く。

アルバムを締めくくるラスト曲の壮観な存在感を放つたたずまいがすごい。

この歌はドッシリしてる。揺るぎないもの。

ロックンロール。

カッコいい(号泣)

 

歌詞:非常にロマンチックで”ときめき”にちなんだ内容が私には好ましい。

これでマーシーの歌詞って最高に語感がいいと感じる。人間の五感以外のところで感じる語感てあると思う。

胸にスーッと入ってきて、記憶の中にかなりの存在感を残していく言葉たち。

直接的でつまらない表現ではない、ロックの歌詞としての言葉が心地よく沁みる。私たちに想像の余白を残してくれた歌詞は、聴いた人の数だけ受け取り方があっていいと示してくれています。

私は壮大なロックンロールを感じる。

正解はひとつじゃないし、そんなものないかもしれない。

でもクロマニヨンズのそういうところが好きなんです。

人間にしか出せない音、人間にしか発することが出来ないメッセージを自分の感性そのまんまで受け取り、ドッシリとした存在になれたところで本編ディスクはおしまいです。

『SIX KICKS ROCK&ROLL』良かった。今回もシビレた。すげえ楽しかった。最高傑作だと思った。

私の場合は毎回、このまますぐボーナスディスクに突入します。

 

本当に僕らは成り行きばっかりで。音作りとかも、そんな感じです。修行を重ねた超絶芸とか、目指してないし。パッと聴いた時に、こんなの中学生でもできるじゃんって言われてるかもーー甲本ヒロト

 

クロマニヨンズはいつも前進してる。その音とその心意気に、日常で疲れた心はすっかり元気になりました。

BONUS DISC

『SIX KICKS ROCK&ROLL』収録曲から2曲の別バージョンが収録されています。

オリジナルバージョンとはかなり雰囲気が変わっているアレンジですごく楽しめる。

この2曲の別バージョンが入っているレコードは今のところありません。CDのボーナスディスクでしか聴けません。

BONUS DISC 収録曲

1. 冬のくわがた(小さいメガネ)
2. 光の魔人(夜空のビンギ)

全編モノラル、全2曲11分。

本作のDISC1を聴き終わった時、「これってそれまでに出たシングル6枚を自分でプレイリスト作れば“SIX KICKS ROCK&ROLL”と同じものが聴けるじゃん⁈」と禁断の気持ちを一瞬だけ抱いてしまったけど、さすがクロマニヨンズ!それだけでは終わらせない。

アンコールに応えてくれたような、整理体操に誘われたような嬉しい気分になるボーナスディスク。

2曲とも落ち着いたアコースティックなアレンジで心地よく楽しい別バージョン。

心に沁みるボーナスディスクです。

M1「冬のくわがた(小さいメガネ)」

作詞・作曲/真島昌利

オリジナルバージョンには寂れた情景を感じた。それがいい感じだった。(小さいメガネ)には心がほっこりするあたたかさを感じる。

アルバム随一のほっこり系サウンド。

美味しそうでお腹が減ってくるカレーの匂いが漂うゆったりテンポ。

寒い冬の歌だけど、心がほんわかあったまるホットアレンジ。

ハーモニカとアコギの柔らかいイントロ。

オリジナルはレゲエ調だったけど、心にスッと入ってくるアコースティックアレンジ。とは言え、後半には効果的にエレキの音も入っていてよりロマンチック。

とても柔らかい。

クロマニヨンズにこそ似合う。すごい好きだ。なんでこんなに好きなのか?よく分からないけど、サラサラしてて柔らかくて心に聴こえてくるからじゃないかな。

心地よく流れてて滞らない。

聴いてる私の気持ちも滞らない。

間奏ではエレキによるマーシーのギターソロが聴けます。それがまたサラサラしてる。

アルバム全部がそうだけど、すべてが人間の演奏による音。

その為、なんか違うとかつまらなかったとか、う〜んという違和感が一切ない。

私が心地よく感じる音はクロマニヨンズにしか出せない。

マーシーのとても繊細な歌詞がより一層美しく響きます。私の苦手な大雑把さが微塵も感じない。優しい。

心がほっこり、あたたかくなりました。

M2「光の魔人(夜空のビンギ)」

作詞・作曲/甲本ヒロト

オリジナルバージョンに比べると、思いっきり下げたテンポに豪快さを感じます。

今度は太鼓や鈴の音とアコギとベース。

たまに入る砂の音を鳴らす楽器がアレンジの柔らかさを一層印象付けてる。

ヒロトが歌い出すとすごく近く感じるのが魅力的。マイクが違うのか録音の仕方が違うのかは分からないけど、クロマニヨンズがすぐそこにいて耳元で演奏してるみたいだ。

クロマニヨンズが同じ部屋にいると錯覚してしまう。

歌ってアレンジでこんなに印象が変わるのかという衝撃と、まったく新しくなった「光の魔人」への期待感でワクワクです。

オリジナルはノリノリなアップテンポだったけど、柔らかさが心を奪っていくスローテンポ。

テンポを落としたから必然的に長くなったのか、クロマニヨンズには珍しく5分半もある長編。

決して嫌ではない。長すぎるとも感じない。

こんなに実在感のある音はいつまでも聴いていたい。

4人が心を込めて演奏してるのが伝わってくる素晴らしい別バージョンだと感じました。

「生の音」という感じのクロマニヨンズを間近で聴きたい時にも合うバージョン。

ボーナスディスクはゆったりしていて、本編で熱くなりすぎたテンションをゆっくり静かに落ち着かせてくれる効能があります。

ここまで聴いて『SIX KICKS ROCK&ROLL』を堪能したという満足感が溢れ出します。

レコードの場合はボーナスディスクの2曲は未収録だけど『SIX KICKS ROCK&ROLL』を全身と魂に浴びたという高揚感に激情します。

CDは便利です。レコードは心を揺さぶります。優劣の問題じゃなくて、自分に合う方を選ぶのがいいと思います。

私は欲張りなので両方という選択。


なんでこんなに楽しいと感じるのか?正解は分からないけど、一曲一曲が個性を発揮していてロックンロールの歴史みたいだと感じるのは確か。

再生ボタンを押した瞬間からとても楽しい気分になったクロマニヨンズの15枚目のアルバムでした。

『SIX KICKS ROCK&ROLL』本当に楽しい。

私にはすごく聴き馴染んだという印象のあるアルバム。本当に何度も聴いた。

最後までありがとうございました。

また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。

-ザ・クロマニヨンズ
-,

執筆者:


  1. あおい より:

    僕もこのアルバムがすごい好きです。リリース時にはもうほとんどの曲を知ってたはずなのに、アルバムはまるで1回目のような新鮮さを放ってましたね。特に冬のくわがた〜縄文BABYの流れがお気に入りです。
    クロマニヨンズはいつも通り作品を作ってるんでしょうけど、久々にトータルで40分を超えてたり、アップテンポの曲が多かったりして彼らの本気を勝手に感じました
    次でいよいよ最新アルバムに追いつきますね!次回のレビューも楽しみに待ってます

    • UME より:

      こんにちは。
      『SIX KICKS ROCK&ROLL』は今でもやっぱりよく聴きたくなります。
      そういう魅力がありますね!

      結構な時間はかかりましたが、いつも頂いたコメントが励みになり、あと1作のところまで来れました!やります!

      また読んで頂けるととても嬉しいです。
      ありがとうございます。

comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

【ザ・クロマニヨンズ/GUMBO INFERNO】6年振りに帰ってきたステレオ盤!8thアルバム

こんにちは。 『GUMBO INFERNO』は2014年リリースのザ・クロマニヨンズの8thアルバムです。 2009年からはモノラル音源で作品を発表し続けていたクロマニヨンズ。 6年振り、急に帰ってき …

【ザ・クロマニヨンズ/CAVE PARTY】STEREOとかMONOとか最高!2ndアルバム

こんにちは。 『CAVE PARTY』は2007年リリースのザ・クロマニヨンズのセカンドアルバムです。 このアルバムには「ステレオ」と「モノラル」の2つの世界が存在します。 ロックンロールの楽しみ方、 …

【ザ・クロマニヨンズ/ツアー PUNCH 2019-2020】ライブ盤!熱狂的で行こう!!

こんにちは。 『ツアー PUNCH 2019-2020』は2020年リリースのクロマニヨンズのライブアルバムです。 瞬間ごとが一撃必殺の「実況録音盤」第2弾で、炸裂を突破してしまう爆裂! 一番の特徴は …

【ザ・クロマニヨンズ/20 FLAKES〜Coupling Collection〜】魅力的!裏側のカリスマ性!

こんにちは。 『20 FLAKES〜Coupling Collection〜』は2014年リリースのザ・クロマニヨンズ初のカップリング・コレクションです。 1stシングル「タリホー」から12thシング …

【ザ・クロマニヨンズ/PUNCH】やらかした日の絶望を覆すパンチ一撃!13thアルバム

こんにちは。 『PUNCH』は2019年リリースのザ・クロマニヨンズの13枚目のアルバムです。 過去最高にぶっちぎりの音圧!!アルバムの一音目から猛烈なインパクト。 それはつまり音がデカい。 パンチが …

更新

【記事一新:大逆転の新装版!】

また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。

皆さんどうぞよろしくお願い致します。

2025/12/12 更新


2025/11/8 更新

M☆MUSIC

皆様いつもありがとうございます。

「2025年」も心を込めます。

直向きに、今ある最大限の心を込めていきますので、お付き合い頂けるとものすごく嬉しいです。

力は抜いて手は抜きません。

今日、心を込めるスペシャリストになります。

私たちにいつまでも幸せがありますように。

健康に心穏やかに。

皆さんどうぞよろしくお願い致します。

小春凪 楓來(こはるなぎ かえら)

マイノリティでオタクの40代、人より物が好きです。

私は外向型優先社会に一人でも立ち向かうレアな超内向型。

唯一の問題は冗談のセンスが全然ないということ。

繊細なものが好き。細やかで、誠実で、ピカピカに光ってて、そこら辺には落っこちてないもの。

マーシーやヒロトの突き抜けたロックンロール!永遠のウルトラミラクル!

ダイナミズムと同時に存在感する繊細さと誠実さに心が動きます。

【カセットは自分でどうにでも作れるアナログサウンドです】

レコードに次いでカセットテープの人気が上がってきてるみたいです。

私はカセットがとても好きです。もちろん私の中でも一度終わったメディアですが、個性的なものはもう一度好きになったという感じです。最近はカセットばかり聴きます。

小さくて手に馴染むサイズ感はかわいいと思います。A面とB面があるわずらわしさが、音楽を聴く楽しさに変身してます。

それで、ブルーハーツのシングルのカセットが欲しいとずっと思っていました。全シングルがカセットで存在している訳でもありません。たまに出品されていても割と高値が付いて買えません。

でも欲しかったし、貧乏な私には買えないのはとっても悔しいので自分で作りました。

ジャケットも出来る限りオリジナルに忠実になるように自作しました。

生のテープが安く手に入ったので制作に踏み切りました。

自作カセットテープ↓

ハイロウズのカセットテープも作成しました。

ジャケットはレコードの帯の煽り文句をモチーフにしています。

見にくいだろ?イライラするだろ?(笑)

クロマニヨンズもあります。

クロマニヨンズのシングルカセットも自作しました。

素敵な音が出てます。

満足してます、納得してます、感激してます。だからもう高値で売られているものを買う気はありません。

ボロくても手作りには光があります。

【こんなのも作ってみました!】

こういうものが欲しかったけど、どこにも売ってなかったので自分で作りました。

Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。