こんにちは。
『MOUNTAIN BANANA』は2023年リリースのザ・クロマニヨンズの16thアルバムです。
人力のロックンロールにこだわり続けるクロマニヨンズ。
16作目も見事に人力の傑作。
1曲ずつに特大のインパクトがあり、生身で突き進む人力ロックの名盤。
心の名盤:全曲レビューです。
皆様どうぞ最後までよろしくお願い致します。

クロマニヨンズは当たり前のように最初からそうですが、人間にしか出せない音だけで突撃する人力ロック。
その音はやっぱり人間の心をガッツリ掴みます。人間にしか出せない音は、人間にしか感じられない感動を伴っている。
コンピューターの完璧っぷりと味気なさがまったく介入していない。
4人の生身の人間が放つ人力ロック。
The Cro-Magnons/MOUNTAIN BANANA(2023)
MOUNTAIN BANANA(マウンテン バナナ)は前作15th『SIX KICKS ROCK&ROLL』から1年後に発表された16枚目のアルバムです。
2023年1月18日発売。
発売の数ヶ月前からとても楽しみにしていたアルバム。クロマニヨンズ公式からアルバムの追加情報が発表されるたびに興奮が増しました。
今回はどんなアルバムになったんだろう?
かなりのインパクトを与える黄色いバナナのジャケットにすごくロックを感じる。ジャケットがいいやつは内容もいいに決まってる。
結論としては人力ロックの名盤です。
突っ走ったり、自分の心を悟してみたり、ファンファーレが鳴り響いたり、すごく抑揚の効いた楽しいアルバムだと感じます。
購入後すぐに連続して聴きました。1日に何度も聴きたいと思った。いつもよりその気持ちが強く溢れました。
人間にしか出せない音の虜になったからです。何度聴いても私の心の中では「大変だ!これは名盤だ‼︎」と感動します。聴けば聴くほど良くなっていく名盤です。
ぼくらは人間じゃなきゃできない音の集合体なんです。それが大事なんじゃないかな
ーー甲本ヒロト
ーークロマニヨンズを聴くたびに嬉しい楽しいという気持ちになれます。
ヒロト「それは多分録音の仕方もあって。いつもぼくらはせーのでどーんとやるでしょ? そのおかげでもあると思うんだ。それはものすごく人間にしかできないことなんですよ。人間じゃなくてもできる録音ってあるんだよ、今、世の中には。人間じゃなくても出せる音っていうのが、例えば、1曲のなかにどこかに入ってきたりもするんだ。でもクロマニヨンズの当ったり前の話なんだけど、ぼくらは人間じゃなきゃできない音の集合体なんですよ。それが大事なんじゃないかなと思う。」
ーー今は人間じゃない音の方が主流に近い部分もあるかもしれません。
ヒロト「それはわかんないけどね。主流かどうかはわかんないけど、そういう音を耳にしたときに「あれ?」と思うときがある。それで楽しければいいんだけど、楽しめなかった自分がいたりして。そうしたらなんかもうやっぱり人力。人力ロック。でも当たり前のことなんだよ。今、自分が言ってることがおかしいなと思うくらい当たり前なんだけど、人力ロックです。」
その人力ロックに毎回感動しています。私は人間が出した音の集合体でしか音楽で涙が流れる瞬間はありません。人間だからこそ、人間が出した音とそうでない音を余裕で聴き分けてしまえます。
私が求めているのは“人の音”です。
人力ロックに涙が流れる瞬間はとても胸が熱いです。自分の胸が熱くなった感覚だけで、今後の人生も負けずに生きていける気がします。

『MOUNTAIN BANANA』収録曲
1. ランラン
2. 暴走ジェリーロック
3. ズボン
4. カマキリ階段部長
5. でんでんむし
6. 一反木綿
7. イノチノマーチ
8. ドラゴン
9. もうすぐだぞ!野犬!
10. キングコブラ
11. さぼりたい
12. 心配停止ブギウギ
全編モノラル、全12曲38分。
本作ではこれまでと違う初めての事象が発生。
それはヒロトとマーシーの作詞作曲の割合。これまでは6曲ずつまたは7曲ずつの半々が定番でした。ところが今回は、ヒロト作7曲、マーシー作5曲と前例のないスタイル。
とは言え、これまでと比べて違和感があるかと聞かれたとしてもそれは感じません。ヒロト色が多少強く出ていることはあるかもしれませんが、間違いなくクロマニヨンズの音で、最高のロックンロール。
詳細は分かりませんが、全部話すのは大変だといういろんな事情があったそうです。
ヒロト「気づいたかもしれないけど、今回、ぼくの曲が7曲でマーシーは5曲しか入ってないんだよな。それもいろいろあったんだよ。全部、説明するのは大変だ。」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
シングル曲は26枚目のシングル「イノチノマーチ」が収録されています。
2022年12月14日リリース。
CDと7インチアナログ盤が同時発売されました。
初回限定盤CDは紙ジャケット仕様。
アナログ盤は完全生産限定盤で既に完売。
カップリングはマーシー作の間をいかしたレゲエ調「さぼりたい」が収録されました。本作『MOUNTAIN BANANA』にも収録。
このシングルでの驚きはMONOが得意なクロマニヨンズがSTEREO音源で発表したこと。
ここにも初めてが起こりました。
これまでシングルのカップリング曲はアルバムには収録されませんでした。そのため、シングルも買わないとクロマニヨンズのすべてのロックンロールが聴けないという、私のようなファンにとっては一大事に陥るスタイルでずっと来ていたのです。
しかしアルバム収録曲が発表された時「さぼりたい」も入ってるじゃんと驚きました。シングルのカップリングも収録されるのは初めてだなとほんの少しの困惑。
そして、シングルを買う意味がない⁈とか一瞬だけ禁断の気持ちを抱いてしまったけど、そこは我らがクロマニヨンズ。
ヒロト「じゃあシングルのカップリングはどうする?って言ったときに「さぼりたい」をステレオミックスにしたらよくなりそうだっていうことになって、シングルは「イノチノマーチ」も「さぼりたい」もステレオミックスです。右のスピーカーと左のスピーカーから違う音が流れます。ヘッドホンとイヤホンの右と左とでは違う音が流れるのがステレオです(笑)。」
アルバムジャケットが公開された時、誇らしげな「mono」の表記を見てすべてを理解しました。嬉しくなりました。
そうです。今回は新たな試み、シングルはSTEREO MIXでアルバムはMONO MIXです。
ヒロト「アルバムは全部モノラルです。普通、逆だよね。アルバムはステレオミックスで、シングルはラジオでかけるときのためにAM放送に乗っかりやすいようにモノラルミックスを作るんだよね。今回、逆です。だけど今はラジオもだいたいステレオ放送になってるしね。」
シングルがステレオで、アルバムがモノラルという仕様はすごく胸熱でした。シングルで出た「イノチノマーチ/さぼりたい」はステレオとモノラルでは全然違って聴こえます。
この2曲がモノラルになるとどういう感じで聴こえるんだろうとアルバム発売前にとてもワクワクしました。このロックンロールの仕掛けにファンの人たちは結構盛り上がったんじゃないでしょうか。
あんまり気にしないのかな?
人のことは分かりません。

本作『MOUNTAIN BANANA』は走り出すハイテンションの曲から、一度気持ちを落ち着かせるように肩の力を抜いて聴ける曲まで抑揚の効いたバンドサウンドで、いつも新鮮な気持ちで楽しめるアルバム。
クロマニヨンズこそ一番ふさわしい“珠玉のロックンロール”の集合体という印象。
ロックンロールを貫きながらも柔軟性のあるアレンジと音が、唯一無二のクロマニヨンズスタイルだと感じます。
途中で肩の力も抜けるし、感動の涙も流れるし、高いテンションでどこまでも走っていけそうだし、これを聴いて落ち込む人は滅多にいないと思われます。
このロックンロールの楽しさに急に機嫌が悪くなる人もあんまりいないと思います。
激情し熱狂する人はいるかもしれません。
人力ロックの熱いエネルギーに生きる勇気を持ってしまえる。
その音、その言葉を放ったクロマニヨンズに素直に同調して、その境涯を映すキレイな鏡のように自分の感情を見た時に、私は熱狂している。
他人の歪んだ鏡なんて気持ち悪いし、見たくもありません。そんなのどうでもいい。
自分の感性のみが熱狂しているのを感じます。

少し気になった点。
前の2作である14枚目『MUD SHAKES』、15枚目『SIX KICKS ROCK&ROLL』は音がとても大きくロックンロールの音圧にもシビレました。ところが今回は微々たる差かもしれないけど、前の2作よりも音が小さくなりました。
ただし、ロックンロールからはそんな小さいこと気にすんなよと言われました。だったらボリューム上げればいいだろ!というだけの話かもしれません、あははは(笑)。

2023年、15thアルバム『MOUNTAIN BANANA』発売当時、CDとアナログ盤が同時リリースされました。
CDの初回限定盤は紙ジャケット仕様。
限定生産だったアナログ盤は既に完売。
アナログ盤はいつも通り豪華な「60年代E式フリップバック」仕様。クロマニヨンズ得意のmonoで180g重量盤のレコードです。
クロマニヨンズのレコードは200g超重量盤だった時期もありました。しかし今は200g盤を生産するラインがないということで、180gが一番重いレコードです。ヒロトとマーシーの2人もレコードは重い方が安定していていいと言っていました。私も同感。
レコードでもCDでも熱い感情になれるし、人並みの中で消極的になってしまった気持ちをグンと持ち上げるための「これは名盤だ!」と歓喜するアルバムです。
すごいものを手に入れた。
このアルバム、絶対オレにアピールしてる。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「MOUNTAIN BANANA」のもう一つの特徴であり魅力は“生命力”が溢れていること。
人や動物の生きてるエネルギーが爆発。
それが不自由な心をぶっ飛ばす。
ライブの瞬間に目の前で炸裂してるあの凄まじいパワー炸裂盤。
最初からボリュームは上げ気味で!
つまり最大限で楽しめます。
オーライ!ロッケンロー!!
M1「ランラン」
作詞・作曲/真島昌利
名盤『MOUNTAIN BANANA』が始まる。
再生ボタンを押したと同時にブッ飛ばしてる感じがたまらない。開始1秒で100%音に同調した気持ちがテンションを急速に上げる。
幕開けという言葉こそがふさわしい勢いにて突っ走るアップテンポ。
1曲目で輝く勇猛なパンキッシュアレンジ。
折れない曲がらない頼もしいメロディ。
心へ響くすこぶる誠実な歌詞。
イントロなし。いきなりサビからの突撃にクロマニヨンズらしさを感じてドキドキする。
要するに強烈な1曲目。
ライブでは会場全部が速攻の全開だった。
ギターのジャキジャキ感が、魅力的なロックンロールの音を感じさせる。ベースもブイブイ鳴って太く頑固なロックンロールが聴こえてきた。強烈に打ちまくるドラムのリズムは心が躍るロックンロールの楽しさ。
ハッキリとした発音とガッツリとした存在感で、ど真ん中に立って歌うボーカルに心のすべてを奪われる瞬間があります。
“ランラン走る”と歌うAメロの疾走感。
アルバムスタートと同時に、というよりとっくに走り出してるのが最高の幕開け。しかもランランとかウルトラジェットということはすげえ楽しいってこと。
自分のテンションがグングン上がるのを実感。
誠実さとわずかな哀愁の漂うBメロ。
歌の内容が極めてまっすぐだからものすごく印象的。誰もが夜明け前の公園で何かを決意するという感じの、深みのある聴き心地。
感慨深い哀愁は、マイナー調のメロディに感じるのかもしれない。
私は初めて聴いた時に心を動かされた。
サビやAメロで爆進しつつも、Bメロで胸を打つという奇跡の構成。
ふたたび最高調のテンションでやるサビ。
パワフルなヒロトのボーカル。特に意味のある歌詞はないのに「ランラン」という言葉だけで長く奥行きのある物語を感じる。
異常な程の疾走感や、決して振り向かない力強さが私の心の不調を突き破る。
つまり、今すぐ前へと突っ走りたくなる。
サビで効果的に入る手拍子が、突っ走る時の軽快さを加速させます。
すべての音にクロマニヨンズにしか出来ないロックンロールの世界を感じる。
むろん“名盤”は1曲目から素晴らしい。
歌詞:夜明け前、ぶっ飛ぶ直前の衝動。
一言一句にインパクトがあって記憶に残る猛烈なパワーを放っています。
“ウルトラジェット”がパワーワードで、ただの一言なのに激しいエネルギーを持ってる。
繰り返される「夜明け前の公園で」というフレーズと、その後に続く歌詞が何度聴いても胸にジーンと来る。自分の中の誠実さに突き刺さった。
ひらがなの歌詞で表現された世界の見え方、その状態が誠実で、心の奥まで入ってきます。自分もそうであろうと思いました。

M2「暴走ジェリーロック」
作詞・作曲/甲本ヒロト
続く2曲目も凄まじき勢いで暴走。
突破する!暴走力、最大級!!
突っ走るパンク。さっきまで夜明け前の公園で世界を見てたのに、いきなりロンドンにぶっ飛ばされる異国感が特徴。
テンションの暴走を激化させるアップテンポ。
ロンドンスタイルの発火アレンジ。
平常心突破のキレるメロディ。
自分の中で眠っていた、制御不能のパワーを呼び覚ます歌詞。
2曲続けてすごい勢いで圧倒するクロマニヨンズ。私はラストの曲に辿り着く前に音楽に熱狂する気力と体力が尽きるかもしれない。
結論としては何度も蘇るから大丈夫。
イントロの前にヒロトが気合いの入った大声で「暴走ジェリーー!!」と叫ぶ衝撃。
いきなり全開するのがクロマニヨンズ流。
我慢できず、ここにある衝動をブチまけるロックンロールという手応え。
もう止められない勢いのあるイントロ。
私は思わず体が1歩か2歩前に出た感覚があった。ロックの音に背中を押されたよう。
常識外れの暴走力でヒロトが歌い出す。
Aメロでは吐き捨てるような歌い方が、心の底の反骨精神を煽ってくる。
軽快なリズムに乗りながらどこまでも突っ走るメロディ。
マーシーのギターはパンキッシュな歪み具合が絶妙。この音も気持ちを引き込まらせず、暴走させる。
心のわだかまりはすっかり消え失せ、胸を熱くさせるサビのメロディに暴走力が上がって心がエモーショナルになってくる。
こういう気持ち好きだ。クロマニヨンズはいつもこの熱い気持ちにならせてくれるんだ。
間奏はなし。そんなものなしで最初から最後まで暴走を超えた勢いでぶっ飛ばす。
この歌も手拍子が印象的。クロマニヨンズは手拍子が絶品。しかもこんなに効果的な使い方は他にない天下一品。
コーラスは“ロック”を連発。何回歌うんだ。ロックすぎる。「暴走」と「ロック」というワードがロックンロールと相性が良くて強烈です。すっかり並外れた気分。
私のテンションはもうすぐ天国を突破する。
歌詞:抑える必要のない魅力的な暴走の瞬間。
言葉が激しく煽る!“天国を 突破する”なんて暴走しすぎで、私の平常心なんか軽くぶっ飛ばされてしまう。走ってる。違う、もっと破天荒なものだ。暴走してる。
なんてウズウズする歌詞なんだ。
Bメロの歌詞ではさらに嵐まで来てる。既に抑えきれない暴走したい気持ちがうずうずしてる。いつもの遠慮しがちな平常心なんかいらない。
自分が最強になった感じまでする。
全力で走りたい。いや、世の中の謎のルールを突破しながら暴走したい。

ヒロト「ぼくとマーシーがやってることだから、どこかでいろんなことがリンクするんだろうと思う。あと、これも偶然なんだけど、「ランラン」と「暴走ジェリーロック」がちょうどなんかどっちも走ってて面白いなあと思った。いきなり1曲目と2曲目で2人とも走ってる(笑)。それはなんか面白いなあと思った。」
それはすごく面白いと私も思いました。暴走するほどの勢いで攻めてるの好きだし、アルバムの流れとしても最高です。これつまんねえよって停止ボタン押す人なんていないと思う。
M3「ズボン」
作詞・作曲/甲本ヒロト
タイトルのインパクトにまずシビレます。
心地よい爽快感と、突進する重厚感が特徴の、明るい音をしたロックンロール。
ロックの大津波が迫り来るアップテンポ。
比類なき大衝撃波アレンジ。
歌の内容の意味不明な感覚を際立たせる奇抜なメロディ。
「なんてこった!」と驚愕する歌詞。
歌詞にあんまり意味はないのかもしれないけど、シュールな感じに捉えて聴いてたらだんだんと面白くなってくる。
当たり前にズボンを履くシチュエーションのバリエーションに、歌を作った人の楽しいセンスを感じました。
イントロのギター、ベース、ドラムの連打に人並みを目指さないロックンロールへの期待が高まる。
急に音圧が上がったような感覚あり。
恐れを知らず、大胆に不敵な歌心でヒロトが異世界へ誘い始める。
衝撃的に「ボンボンボン ズー」と歌い出す訳の分からなさが世界を変えるほどのインパクト。アルバム発売の翌日には、日本で一番口ずさまれたフレーズかもしれません。
ぶっちぎってる。
強烈です!!
Aメロは色んな人や生き物がズボンを履く愉快な場面と、明るいメロディが楽しめる。
演奏には疾走感がありストレスが吹っ飛ぶ。
ヒロトと、長いものに巻かれる人たちとの違いなんかに気付いてしまった。ヒロトはいつでも自分で選んだズボンを履いてる。
この曲には1回しかやらないメロディもある。
Cメロというのか、強烈なインパクトの歌に突然あるなんだかグッとくるメロディ。
特に日本人の心に刺さると思う。
ギターソロなどはやらず、間奏なしの駆け抜けスタイル。
「ボンボンボン ズー」のサビが演奏される度に、とんでもない衝撃波に襲われる。
1回で覚える名フレーズ。
ひたすらに楽しくてどこか笑える要素もあって、なのに急に胸熱なメロディが入ってきたり、でもその直後にはやっぱり強烈な「ボンボンボン ズー」だったから、オレ今クロマニヨンズ聴いてるんだなと実感したのが何か嬉しかった。
ロックンロールの中に笑いがあると、一瞬で自由な気持ちになれる。
歌に深い意味はなくても、テンポの良さと音の心地良さと雰囲気の明るさがあって、3曲目に聴くと尚更いい感じの曲です。
歌詞:ヒロトにしか分からない独特の世界観。
“ボンボンボン ズー”とか意味なんてないし、訳の分からなさが猛烈で衝撃を伴うインパクト。ズボンて歌ってる訳でもないし、誰にも説明なんか出来ません。
意味は分からないけどロックンロールにしかない制御不能の衝動を感じる。
ロックンロールのとんでもないエネルギーに至近距離で触ってしまった気分。

M4「カマキリ階段部長」
作詞・作曲/真島昌利
4曲目に来てゆったりした曲の登場。
だからこそヒロトの歌、マーシーの歌詞がはっきりと聴こえてきて心へ響きます。
誠実な心へのみ刺さるミディアムテンポ。
音の隙間が持ち味になったアレンジ。
私の心の不自由を取っ払ってくれるひたむきなメロディはエモーショナル。
ブサイクな欲望や悪意のない純粋な歌詞。
あまりにもジャカジャカとはしていないアレンジの、音で埋め尽くしていない余白に「カマキリ階段部長」の見てきたものを私に想像させる余地があります。
穏やかなイントロが始まる。
音が鳴った瞬間に「お、心地いい」と感じた。その音だけで既に快適な隙間を感じるから。
ヒロトがリラックスして歌い出すと「カマキリ階段部長」ってなんだよとほっこり。しかしすぐに「どんな物語なんだ」という興味深さに変わり、聴き入ってしまう。
クスッとした直後のAメロからは奥深そうで、何やら大事な意味を見出せそうな内容へ。
胸の奥の方へグッとくるメロディ。
隙間を活かしつつもハッキリとした音で鳴るマーシーたちの演奏。緩やかながらも一切引っ込んでいないのが特徴。
深い歌の内容と一緒に聴覚と記憶に残る。
更に目頭まで熱くなるのが、自由や不自由について歌うBメロ。
胸の最深部へ直撃するエモーショナルなメロディとアレンジ。
ここで何も感じない人は、まったく魅力のないただの「セクハラ部長」だと思います。
哀愁漂うメロディのサビ。
まず感じたのは、私の心の大事な部分に突き刺さった胸を打つ感覚。
人の感受性を刺激するロックンロール。
タイトルからおふざけソングなのかとも思いきや、かなり深いことを急に歌ってくるので聴き流すなんて出来ない特別編。
そこに強い影響力を感じるけど、あくまで緩やかなテンポと埋め尽くしていない音の隙間に、肩の力を抜いて落ち着いた気持ちになれる心地よさが魅力。
とは言え、クロマニヨンズだから分母は熱いんだけど。
歌詞:自由や身軽になる過程、カマキリ階段部長ならではの物語。
タイトルとは裏腹に、すごく深いことを歌っていて心にジワッと沁みてくる感覚が魅力。
見てきたものは人それぞれ違うのに誰にでも出来る話しかしない人と違い、カマキリ階段部長は独自の経験の話をするのが特徴。
カマキリ階段部長の話は非常に興味深い。
情景をすぐにイメージ出来る思いやりのある、マーシーの美しい歌詞が心に残る。
一言一句が味わい深く魅了されます。

M5「でんでんむし」
作詞・作曲/甲本ヒロト
「虫」続き。マーシーもヒロトも2人して虫の歌を作ったのが、クロマニヨンズにしかないリンクっぷり。
激しいアップテンポが戻ってくる。
目の前の空間を切り裂く鋭利なアレンジ。
心に特大の引っかかりを与えてくるのが魅力になった、マイナーキーのメロディ。
すべての言葉がパワフルなのが特徴の歌詞。
イントロのギター、ベース、ドラムの疾走感に気分はどんどん高揚する。ブイブイしてる。ズッシリとしてる。期待感が高まっていく。
マイナー調に心を奪われる。
自分の信念を曲げる気なしの、頑固な態度で歌い出すヒロト。
一般常識では理解し難い歌詞がなんかすごい強いパワーを持っている。意味の分からなさにロックンロールを間近に感じてしまう。
それが明るくはない音で、マイナー調の熱く激しい演奏で繰り出されてるのが、心に刺さりまくり。
クロマニヨンズの手拍子もすごいけど、コーラスも堂々とした存在感で天下無敵。
ハイセンス、ハイテンション。
この曲のコーラスも鮮烈で、歌の世界観をより濃くしている印象を受けます。
間奏にはギターソロ&ハーモニカソロあり。
猛烈に熱いマーシーのギターソロがブッ放たれ、同じテンションでのヒロトのハーモニカソロを引き出す展開には心を掴まれっぱなし。
ギターとハーモニカが心の大切な部分へ突き刺さるメロディ。
人間にしか感じる事の出来ない衝動的な凄み。
ロックンロールに圧倒され、目の前の現実が薄れていってしまう。
曲の後半はコビーのベースとカツジのドラムが中心となったアレンジで耳あたりが変わって、思わず注目してしまう衝撃っぷり。
ハイライトが何度もあるロックンロール。
違和感のあるコンピューターの音が介入していない人力だけのロックンロールは、心の中の何かを動かしてしまう奇跡があると思う。
クロマニヨンズの魂の凄まじさを感じる1曲。
歌詞:虫好きのヒロトにしか表現できない世界で、関心をそそられるもの。
でんでんむしの生態についてなのかな?ヒロトぐらいの虫好きなら分かるのかも。意味が分からないのに凄まじきパワーは誰にでも感じられる。何かを感じさえすればOKだと思った。
本当の意味とか分からなくても、私はただならぬ凄まじさを感じた。
なぜなら、一言ずつに驚愕のインパクトがあるから。
絵面を想像すると強烈なことになる。

M6「一反木綿」
作詞・作曲/甲本ヒロト
虫ではないけど、生き物続き。架空の妖怪だけど。そいつがすごい存在感を放ってる。
とても優しい音をした緩やかなテンポ。
柔らかいアコースティック調。
和むのどかな雰囲気のメロディ。
解放感、自分で選んだ自由を乗せた歌詞。
私は待ってた。こういうの待ってた。一度で胸の奥まで入ってくるほど印象に残る。
感動的なアコギのイントロ。
それだけで私は涙を流すだろうと悟ってしまった。これは絶対オレを感動させにきてる。
一反木綿がユラユラ飛んでるのが、見えはしないけど感じる。
力強くも穏やかな歌心でヒロトが歌う。
次第にマーシーたちのコーラスも入ってきて、一段と心の癒しサウンドへ。
なんだこの特別な聴き心地は⁈というほどの癒し効果にびっくり。
何より感じてるのは縛られていない自由。
この解放感こそは、自分の大切なパートナーと共有すると最高調な気分になる。
心を萎縮させるものは一切なし。ルール無用のアコースティックアレンジ。とは言え、更に胸を打つエレキサウンドも聴けます。
間奏はマーシーのエレキによるギターソロがメロディアスで胸が熱くなる。
マーシーこういうの上手いんだよな。あんまり人には見せたくないから普段はガードしてる心のすごい柔らかい部分、弱い部分に余裕で触ってくる感情炸裂サウンド。
その後の展開がこの歌のハイライトだと感じるほどに胸にジーンと来ます。
なんか、上手すぎる。
人力ロックって滑らかで優しくて柔らかくてあったかいけど、一番底にあるものが危ういほどに熱い。
コーラスが最高で、CDを聴きながらマーシーたちと一緒にコーラスを歌わない人なんてあんまりいない。
「から傘 から傘」とか「ぬりかべ ぬりかべ」と掛け合いで入るコーラスは私の心のすべてをその瞬間に奪っていった。
ヒロトが一反木綿に届くように大声で呼ぶところで涙が込み上げてきました。いつもそこで心が100%でクロマニヨンズに同調する。
人間にしか出来ない音に感動。
その感動には心がビクッとした。自分の事なのになんだかその気持ちは衝撃的だった。
歌詞:歴史に残るユーモア溢れる物語。
心を打つメロディと共に歌詞に哀愁がある。
哀愁と共にそこに大きな自由があるのが魅力。
何かのルールにガチガチに縛られてしまった時、必ず解放してくれる。
そのまま映画になりそうな一反木綿のストーリーが、自分でも戸惑うほどにジーンとする気持ちをくれました。
M7「イノチノマーチ」
作詞・作曲/甲本ヒロト
クロマニヨンズの26枚目のシングル。
アルバムに収録されたのは、シングルとは異なるモノラルミックス。

クロマニヨンズの曲として発表しない可能性があったらしい。シングルにするつもりもなかったらしい。
好感度の高い明るい曲調。スピード感がある、躍動感もある、覚えやすいメロディもある、そしてファンファーレが鳴り響く前向きな歌。
みんなの気持ちを鼓舞するロックンロール。
さかなクンが描いたジャケットも躍動感に溢れていてすごく好きです。クロマニヨンズのメンバーが魚になってる。生命力も感じる。
レコードだと「イノチノマーチ 」がB面の1曲目というのが胸熱ポイント。
イントロ、B面の始まりを告げるマーシーのギターが一発、「ジャーーーーーン!!!」
私が不幸な日常を飛び出していくための合図に聴こえる。
納得できない現状を突破するアップテンポで、ヒロトが明朗快活に歌う。
1フレーズおきにマーシーたちのコーラスが入るゴージャス仕様で、聴覚と元気のない心へは超刺激。
マイナー調が印象的なBメロ。
美しいアコギの音も聴こえてきて象徴的。
ライブではクロマニヨンズとオーディエンスが、掛け合いの大合唱を起こすに違いない。
サビ直前の衝撃!モノラル仕様の爆裂音!
私の注目はマーシーのピックスクラッチでした。シングルのステレオミックスでは左右にブッ飛んでいったあの音がモノラルだとどう聴こえるのか楽しみで仕方なかった。
結論としては左右にブッ飛ぶのではなく真ん中から突撃してくる。左右のステレオ感はなくなったけど、真正面から直撃してくるパワーが増した。
世界一熱いピックスクラッチが聴こえます。
あのピックスクラッチが炸裂する瞬間に、私はすごく力が入る。
衝撃の直後、実際に地球へとファンファーレが鳴り響くサビ。
耳触りは非常に煌びやか。
元気になる、勇気も出る、生命力が湧いてくる、もう不貞腐れてはいられなくなる。
それまでずっと不機嫌で後向きだった心が、まっすぐ前だけを向いた実感が心地よい。
歌詞カードに載っていない2番で繰り返す“ニャカニャカブン”をヒロトは一体どうやって思い付いたんだと嫉妬してしまうほどの強烈なインパクト。
「イノチノマーチ」のシングル発売の翌日には日本で一番口ずさまれたフレーズ。
初めて聴いた時はギターのシンプルさに驚き。ジャカジャカドカーンの印象だったクロマニヨンズが割と隙間のある演奏をやったことに新しさを感じました。
シンプルな演奏で全員の胸に聴こえるファンファーレを鳴らした「イノチノマーチ」ってすごい。間違いなく名曲。
ファンファーレが聴こえたら地図の外に飛び出したくなった。もちろん飛び出した。
つまり、人の心を動かすパワーがある。
これって名曲だよねってことが一番分かりやすい感想です。
歌詞:自分として生きるためのファンファーレが鳴り響く命の源。終わりでなく始まり。
“聞こえたか 聞こえるよ”の部分、数回聴いた後にファンファーレが鳴り響いて感じたことがありました。
これはライブでみんなで歌ったら美しい。
歌詞に意識を向けるといつもファンファーレが鳴り響いて、生きる気力が湧いてきます。
なぜならそれは適当に鳴ってるファンファーレじゃないから。太古の昔からずっと続いている“生命力”全開のファンファーレです。
生きるのやめようと落ち込んだ時は最大限に効果的。そのネガティブから飛び出せる。

M8「ドラゴン」
作詞・作曲/真島昌利
私にはリラクゼーションソングの決定版で、和み・安らぎ・リフレッシュ効果絶大。
誰にでも親しみやすい日常を歌うスタイル。
ここで一気に肩の力を抜いて日常のストレスが消えていく、癒しの8曲目。
極上の快感が得られるミディアムテンポ。
癒されつつも熱きレゲエビート。
一緒に口ずさみたくなるポップなメロディ。
力を抜くことの大切さが身に染みる歌詞。
クロマニヨンズにしか実現できない、自然体な歌そのものが心地よい。
イントロなし、ヒロトがアカペラで「パッパパララ」と歌い出すともう花火が上がります。
特に一音目の「パ」の音には実在感がありすぎて、ヒロトが私の家に来たのかと錯覚して、ビクッとなった。
非常にキャッチーだし、このメロディがサビになるのかな。
ギターが生々しすぎる。レゲエアレンジだけど、ロックンロールの音。
ヒロトの歌は強すぎず、細すぎない絶妙。
今日のストレスなんかどっかへ行って、だんだん余計な力が抜けてくる効果を実感。
ヒロトが親しみの湧きやすいボーカリゼーションで、歌を披露すると同時に、マーシーが熱いレゲエビートをギターで奏でる。
テンポとしてはスカに近いかもしれない。
一気に視界が広がると表せばいいのか、聴いてると元気が出る雰囲気。歌詞の影響もあるけど、一日の終わりに聴きたい曲。
諦めるという退屈な思考がスッと頭の中から消え去るBメロ。
誰もが力を抜くリラクゼーションポイント。
いかに自分が今日一日を力んで過ごしていたかが分かると思う。脱力して癒されよう。
「ドラゴン」を聴きながら何かをあきらめようと思う人はいないと思います。一度、力を抜いて何か別のやり方を考えたり、違う方向から見てみたり、そんなことをし始める人は多いんじゃないでしょうか。
よっぽどの懐古主義とかじゃなければこの歌からの好影響があります。
ふたたびサビの「パッパパララ」が鳴り響いて、エネルギッシュな花火のパワーが全員へ注入されます。
前向きになるポジティブなサウンド。
ラストは主張しすぎていない少し控えめな音のギターソロが滑らか。「パッパパララ」のコーラスと共にゆっくり静かにフェイドアウトしていくのがいい感じ。そのまま眠りにつきたい柔らかさ。
珍しく5分近くある曲。
子供心も溢れていてなんかほっこり。
レゲエビートに乗って不要な力が抜けていく。
無意味な緊張感を緩める心の癒し効果抜群で、特別な歌。
歌詞:日常の大切なワクワク感、花火遊びの好奇心と、一日の終わりには力を抜くというもっと大切なこと。
心のストレッチになるのが特徴。
“あきらめるんじゃないんだ 力を抜くんだ”というサビの歌詞には、力みすぎていた責任感が緩和されて、いい具合に力の抜けた思考に切り替わります。
自分が笑顔になるような別の方向性で行こうと、日常に心地よい光が差し込んだ。
“パッパパララ パッパパララ”と繰り返し歌われるこの擬音の歌詞が、世間の義務感を突破し、組織に対するいつもの猜疑心をどうでもいいものにしてしまう好影響がある。
リラックス効果とポジティブ成分が魅力。

ヒロトがみんな勘違いしてると言ってました。「ドラゴン」とは生き物、つまり竜のことではなく花火のことです。だから歌詞はドラゴンに火をつけるんですね。
私も竜だと思っていました。サビの歌詞の印象が強すぎて頭が回らなかったようです。
M9「もうすぐだぞ!野犬!」
作詞・作曲/甲本ヒロト
心に刺さりすぎて何回もリピートしました。
だから私の『MOUNTAIN BANANA』の中で、断トツに再生数が多い1曲です。
感慨深くリズミカルなアップテンポ。
マーシーのギターで鋭く始まるエモーショナルなアレンジ。
人の思いやりが溢れたマイナー調のメロディ。
ギリギリの危うさを含んでいるような、心へ突き刺さる歌詞。
雰囲気だけで心が反応する影響力あり。
ギターのイントロが鳴った瞬間に鋭利な印象を受けた。つまり、ぶっちぎりに感情的。
ネガティブな気持ちを切り裂く鋭さ。
ヒロトは真っ向から挑む歌心。
歌の内容からは、寂しげな情景が心に少しの痛みを感じさせる。すなわちもろに感傷的。
それがサビを歌い始めた途端に、明日も生きるための強い希望に変わる瞬間がキラキラの輝きを放ってる。
そこに絶望感は一切ないと証言します。
サビの演奏の中でも特に“ジャカジャーン!”と掻き鳴らすマーシーのエレキが、一際まぶしい光を発してる。
驚異的に音が光るのを体験した。
視聴2回目には「もうすぐだぞ!野犬!」のすべてに、あたたかい思いやりが充満していると分かります。
この音は人間にしか出来ない。
カッティングギターが核になって猛突進していくロックンロールに心が奮い立つ。
耳と心に残るマーシーの鋭いギターが特徴。
4人が紡ぎ出す思いやりの強さが魅力。
ギターソロなしで直行する激情型。
哀愁のあるメロディ。離れたところから野犬を心配する思いやりに涙が流れます。初めて聴いた時は何とも言えない後味を残しました。切なさも含んでいたからです。
でもすぐに気付いたことがある。この歌には生きる気力と勇気が湧いてくる。
アルバムリリース時は体調不良だった私は、どうしても野犬と自分が重なってしまって、その絶望の中で遠くにすごく強い触れるべき光を見た。
しかもサビは私の心へ向けた歌詞とメロディ、励ましの演奏とその音。
根底から私を励まそうとしてる。
絶対オレにアピールしてる。
人力ロックが与えてくれた未来を感じる。
私は負けない。
弱いからじゃなくて、誰よりも強すぎる故にボロボロになった野犬の一番底にまだある揺るぎない生命力を感じさせる音が鳴ってる。
歌詞:ヒロトから野犬への激励。
強く生きる感動的な映画を観ているような感慨深さが魅力。
特徴は、映像が勝手に歌と一緒に再生されて、切なさを含む寂しげな情景が心に少しの痛みまで与えてくること。
逞しく生きて色々と乗り越える野犬に生命力の強さを感じた。だから何かに負けないその心を抱きしめたくなってしまう。
“もうすぐだぞ 野犬”と語りかけるサビは、私の心の一番弱い部分へ思いやりをくれる。
私にとってはただの歌じゃない。現実の自分であり、どうしても重なる。歌詞に励まされて涙が出る。悲しいからじゃない。この歌が私の存在を見つけてくれたのが嬉しいから。
応援してくれるけど、私には何も求められてはいない。この歌詞のそこに救われる。

M10「キングコブラ」
作詞・作曲/甲本ヒロト
エモさのあるパンキッシュな一撃。
タイトルの「キングコブラ」から想像も出来ないほどサビは、ポップなメロディと甘美な歌詞にとろけるのが魅力。
ライブ会場を揺らす強靭なアップテンポ。
ロックンロールの歪みの効いた、反骨精神が表立つ激烈アレンジ。
誰にでも覚えやすいロックンロール一直線なメロディ。
ヒロトの感性を思いっきり堪能できる歌詞。
たった2分半の猛烈エネルギー。
イントロはマーシーの凄まじきストロークからの、超絶カッティングに変化するギターのスリリングさが特徴。それは衝撃を伴う。
すぐに心を掴まれるロックンロールの音。
私がクロマニヨンズにいつも求めている雰囲気が見事に出ている。
しゃかきりに歌い出したヒロト。
誰にも止められないエネルギッシュな歌心。
すぐにライブでの豪快な盛り上がりっぷりがイメージされる。実際のライブでは無我夢中のクロマニヨンズと、我武者羅なオーディエンの熱狂がぶつかり合ってた。
わずかにテンポダウンする短いBメロ。
ここでわずかにテンポやテンションを抑制することによって、サビが100倍の勢いで、しかも瞬発的に突っ込んでくる。
クロマニヨンズに、準備はいいか?と聞かれてる気がする。
合図のビブラスラップが鳴り響く。
準備OKなら頑固な勢いでぶっ飛ぶサビへ。
実は歌の内容はなんだかよく分からないのに、心を鷲掴みにされる衝撃を超えるどうしようもない衝動が発生。
コーラス多めでゴージャスな耳触り。
ライブ会場では、どの人もロックンロールの猛毒にやられてとろけていた。
私も奇跡を体験できて良かった。
パンキッシュに爆走する勢いがある、心の深いところに届くメロディがある、とろけるような可愛らしさもある。
一般常識の思考なんか一度外してしまって聴いた方が熱く炸裂する曲なんだ。少し怖さのあるキングコブラって言葉がロックンロールの野蛮性にすごく合ってます。
でもそいつが甘くとろけてしまうのがロックンロールの親しみやすさ。
訳の分からなさが際立つインパクト。
サビの歌詞とか意味が分からないけど、なぜか心にスルッと入ってくる。つまりこの歌詞じゃなきゃ刺さらないしダメなんだ。
歌詞:極端に短い歌詞、その繰り返し。
しかしやっぱりぶっちぎり。
一般常識なんて通用しない。「恋のキングコブラ」って何だ⁈でもロックンロールに恋してしまうインパクトがあるのは断言できる。
“良薬 苦し 猛毒 蜜の味”とは強烈です。
ロックンロールには毒がある。その猛毒は心に栄養を与えてくれる蜜の味がする。

M11「さぼりたい」
作詞・作曲/真島昌利
26枚目のシングル「イノチノマーチ」のカップリング。
シングルにはステレオミックスで収録されたけど、本作にはモノラルミックスでの収録。
聴くとさぼりたくなるので注意が必要です。
タブっぽさも感じられるレゲエアレンジ。
初体験の衝撃を伴うスローテンポ。
今日のさぼりたい気持ちをそのまんま歌う、どこか気だるいメロディが快感。
破壊力!またしても衝撃波に襲われる歌詞。
これまでのクロマニヨンズに対する私の勝手な印象からは異色作。ライブではどう聴こえるのか楽しみになりました。
結果は、より豪放で大胆な曲に化けていた。
この曲の歌詞は「さぼりたい、ふけたい、今日は」の3つのワードとコーラスでの「そうだね」しか出て来ない。それで成り立っている。
極端に言葉が少ないのにすごく深く感じたこの曲に衝撃を受けたし、心を掴まれたし、心に響きました。
マーシーが作ったこの歌をヒロトは「すごくいい、真骨頂ですね」と言っていた。マーシーが弾き語りで歌った時、それ以上なんの言葉も出てこなかったから「よし!」と思ったということです。
私も「よし!」と感激。こんなのありか!とすぐに心の名曲に。そしてさぼりたくなった。
そんな気持ちにさせる音が体験できる。
地球上にこれ程さぼりたい気持ちを表現できた歌は他にありません。
なんだか仰々しいイントロ。
もちろん私には、今から何が始まるんだ!という特大の期待を抱かせる。
やる気満々の真逆を表現したヒロトの歌心。
今日この後仕事に行きたくない私には、絶妙すぎる怠け心。
マーシーたちの隙間を活かした演奏。これもさぼりたい気持ちに拍車をかける。
こんなに隙間だらけの音は人間にしか出来ない。もし人力でなかった場合は味気ないだけになると思う。「さぼりたい」のその隙間にロックンロールの圧倒的な存在感が聴こえた。
2番からわずかに音が増えて、また印象が変わるのがポイント。
この曲、実はドラマチックな演出が特徴。
音が軽快になって本気でさぼろうとするサビに、気持ちが感化されて私もさぼりたくなる。むしろ、この呑気な感じの音は既にさぼってる最中だと思われます。
軽い気持ちになれるアコギの音が入っていて、そいつが私のさぼりたさに加担してくる。
決めた、、、そっとさぼろう。無言で。
間奏はハーモニカ&ギターソロ。
これがまたさぼりたい気持ちのメロディと、演奏の表現力が世界一。
感傷的であり、決して仕事などのやる気を出させるものではない。さぼりたい自分を肯定し、貫かせようとする神技。
間奏後は更に耳への刺激が激変する仕掛け。
3番で入ってくる“さぼりたい ふけたい”の歌詞に共感するように答える“そうだね”のコーラスは一発で記憶に残ったインパクト。
これも絶対オレにアピールしてる。
歌詞:衝撃的に短い!短いというより言葉数が極めて少ない潔さが魅力。
4つの言葉しか出て来ない。でも歌詞カードには親切に全文が書かれているのは好感が持てる。普通の歌詞の文字量と変わりません。だけど同じ言葉だけなので笑っちゃう。さすがだなという感激の笑顔です。
こんなにさぼりたいを主張する人はあんまり見たことがない。とっても素敵だ。
日本人は頑張りすぎてて全然さぼらない。そんなに頑張らなくてもたまにはさぼってもいいような気がする。私はついていけない。

M12「心配停止ブギウギ」
作詞・作曲/真島昌利
タイトルの独特すぎるインパクトにリリース前からかなり期待しちゃった。
結論としてはその期待をはるかに超える。
クロマニヨンズにはありそうでなかったロカビリーアレンジで、興奮必至のラスト曲。
心配を停止させる目的を持った速すぎず遅くもない絶妙なテンポ。
マイナーキーのメロディが心配事に直接響き、心はスッと前向きに。
個性的な歌詞が無意味な心配を吹き飛ばす。
「心配」という言葉にはネガティブなイメージを抱きますが、それとは真逆のポジティブな志向を歌っています。刺さります。
要するに、心配いらない。
素早いカツジのカウント、マーシーとコビーの跳ねるギター&ベースのイントロが鳴った瞬間に、なんか新しいってウキウキした。
私の知っているクロマニヨンズと異なる感触だったから。
何度か聴いて曲の輪郭以上のイメージが自分の中で作られないと、掴みにくかったリズム。今までになかったタイプ。割と細部まで覚えたら、その心地よさに日常の心配事なんて無意味に思えた。
クロマニヨンズの新しい楽しさを実感。
感情一直線で歌うヒロトの歌の表現力には、惹き込まれる。
ヒロトのはっきりとした発声が特に心へ響く。
どことなく不穏な空気も流れる心配してるAメロと、その心配を強制的に止めようとする有言実行のBメロ。
その後すべての心配を、ブギウギで停止した明るく突き抜ける楽しいサビ。
これはすっかり健康的で活力全開だ。
私はこれで、なんだ心配なんて不健康で不親切なくせに無意味だったのかと悟った。
間奏は聴きどころ。
ドラムソロから導き出されるギターソロ。
ギターソロにはこれまでなかったロカビリー要素が爆発していて心が騒ぎます。マーシーの新たな魅力が爆発してる。
胸熱な特徴は、最高に流暢であること。
これにはさすがに心の真ん中へハートマークが付いてしまった。
「心配停止」なんて強烈すぎて、人生の重要なキーワードになった。今までだって心配してた事なんてほとんど起こっていない。心配なんて時間の無駄だ。それよりロックンロール聴いていた方がいい影響がある。
ロックンロールは、特にザ・クロマニヨンズが面白い。
歌詞:心配を消滅させる奥深さと、心身へのウキウキ感が特徴。
不快ではないほんの少し感じる不穏なメロディに乗せて、今の心配しちゃってる気持ちが歌われるので、人ごとではなくなってくる。
私も歌詞のように思ってることはよくある。
誰にでもあるそんな気持ちを、誰にでも分かりやすく表現するマーシーの独自性。
サビの歌詞は完全に心配を停止する魅力。
もうタイコ叩いちゃってるし。誰にでも楽しいと感じさせる言葉がすごくポジティブだ!
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
『MOUNTAIN BANANA』を買ってすぐMacのiTunesでCDを取り込んだらタイトルの情報が危険すぎる間違いをしてくれてました。
心肺停止→危うさ全開にネガティブ ×
心配停止→楽しさ全開にポジティブ ○
ネットの情報はすべてが正しい訳ではない。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
心配ばかりじゃ自分という存在が消滅してしまう。未来もなければ今もなくなってしまう。いい具合の力の抜き方がどっかにあるのだと、ポジティブな思考になれました。
『MOUNTAIN BANANA』ってタイトルとバナナのジャケットにもロックンロールを感じたし、すべての音を人力だけで作り上げたロックンロールのアルバム。
これは名盤だ!と確信したところでアルバムはおしまいです。

本作『MOUNTAIN BANANA』は生き物、架空のものも含め動物や虫がたくさん登場しました。そんなところからも生命力を感じます。自分が生きる力になります。
そしてユーモアがあった。毒もあった。スリリングさもあった。聴き込むほどに新しい発見があるクロマニヨンズの16枚目のアルバムでした。
それらは尽きることのないクロマニヨンズの魅力。
16枚目のアルバムになってもまだ新しい要素を取り入れてみたり、これまでになかったことをやってみたり。すべて自分たちの頭で考えて、自分たちの手で作ったクロマニヨンズにずっとドキドキしています。
4人の人間が放った人力ロック。
私はこのロックンロールにだまされてる。
心に誠実さのかけらもないやつはロックンロールにはだまされない。
憧れのロックンロールの人が言いました。
ロックンロールはだますんだよ(笑)
ぼく、一生だまして欲しいよーー甲本ヒロト
私もずっとだまされていたい。
そのまんま生きていたい。
最後までありがとうございました。
また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。









