こんにちは。
ザ・ハイロウズは1995〜2005年に猛烈なロックンロールをブチかまし続けたバンドです。
2005年11月11日に“活動休止”を発表。
という訳で、ハイロウズは解散したのではなく現在でも活動休止中。
11年の活動期間で8枚のオリジナルアルバムと、1枚のミニアルバム、1枚のライブミニアルバム、2つの企画盤を世に放出。
活動休止発表後にベストアルバムをリリース。
どの作品も“名盤”と誇れる傑作ばかり。
ロックの爆発的な衝撃!
より多くの人に熱狂して頂きたいという思いで、『ザ・ハイロウズ:全アルバムレビュー』を手作りしました。
ハイロウズの始まりは、1995年ブルーハーツ解散後に、ギターの真島昌利さんが「シンプルでストレートなロックンロールバンド」をやりたいと、暇そうな人を集めたのがバンド誕生の経緯だっということです。
暇そうだった人たちの情熱が大爆発します。
この人たち、次から次に新しい“名盤”をブッ放してく。
THE HIGH-LOWS (暇そうだった人たち)
・甲本ヒロト:ボーカル
・真島昌利:ギター
・調先人:ベース
・大島賢治:ドラム
・白井幹夫:キーボード
ブルーハーツの大ファンだった当時の私は、ヒロトとマーシーがまた一緒にバンドやるんだ!すげえ!と大興奮。
とは言え、まったく別のバンドです。
個人的にその当時まったく存在を知らなかったベースのべっちゃんとドラムのおーちゃんは、一瞬でいかすロックの人に見えました。
白井さんはブルーハーツのサポートメンバーだった時から、そのズバ抜けた個性に惹かれてました。
この5人の「ロック」以外をイメージさせない佇まいが心を鋭く刺激。
鳴らす音は私のハートへ豪快にヒビを入れた。
ハイロウズのロックンロールはグッと来る。
キーボードの白井さんは、2002年発表の7thアルバム『angel beetle』のツアー後に体力的な理由で脱退します。
白井さん脱退後リリースの8thラストオリジナルアルバム『Do‼︎The★MUSTANG』のみ、4人編成のハイロウズでの録音。
THE HIGH-LOWS:全アルバムレビュー
ハイロウズのオリジナルアルバムは1995年から2004年の間に1年に1枚くらいのペースで発表されました。
オリジナルアルバム以外のミニアルバム、ライブ盤、企画盤、ベスト盤も存分に楽しめるので必聴です。
どの作品も人の心を動かします。
徐々にそれまでなかった音楽性を取り入れて新しい事にもチャレンジしていきますが、基本的には最初から最後まで不変なのが魅力。
ハイロウズにはパンクサウンドがやっぱりよく似合う。
最大の特徴は、ハイロウズのロックは品のないトレンドではなく“普遍的”であること。
聴き継がれるロックンロール。
重要:美しさがあります。
ザ・ハイロウズ:アルバムディスコグラフィー
1stアルバム 『THE HIGH-LOWS』 (1995)
2ndアルバム 『Tigermobile』 (1996)
ミニアルバム 『4×5』 (1997)
3rdアルバム 『ロブスター』 (1998)
4thアルバム 『バームクーヘン』 (1999)
ライブアルバム 『GO! ハイロウズ GO!』 (1999)
5thアルバム 『Relaxin’ WITH THE HIGH-LOWS』 (2000)
企画盤 『flip flop』 (2000)
6thアルバム 『HOTEL TIKI-POTO』 (2001)
7thアルバム 『angel beetle』 (2002)
企画盤 『flip flop 2』 (2003)
8thアルバム 『Do‼︎The★MUSTANG』 (2004)
ベストアルバム 『FLASH-BEST-』 (2006)
※ザ・ハイロウズのアルバムはサブスクには無いので、CDかレコードを入手する必要があります。
(8thアルバム『Do‼︎The★MUSTANG』及び、23rdシングル「荒野はるかに」以降のシングル作品はiTunes Storeなどでのダウンロード配信あり)
ラストのベストアルバム『FLASH-BEST-』以外の作品は、CDとレコードが同時発売されて私はいつも両方を買うというスタイル。
今でこそレコードは当たり前になりましたが、90年代からレコードを発売していたのはバンドのアナログへのこだわりを感じます。
限定生産だったアナログ盤は2020年にリマスターも施されて再発売されました。
ただしミニアルバム『4×5』、ベストアルバム『FLASH-BEST-』は除きます。
断言しますが、CDでもレコードでも唯一無二で熱狂のロックンロールです。
どれも人力で演奏したロックンロール。
心へ響きます。
だからいつでも熱狂的に聴くのがいい感じ。
聴くと激情するので覚悟してください。
※記事中の写真はすべてオリジナル盤です
発表順に全アルバムのレビューをしていきますので、よろしくお願いします。
曲ごとのレビューは各記事をご覧くださいませ。必ず楽しんで頂けますので、是非そちらも併せてよろしくお願い致します。
THE HIGH-LOWS (1995)
期待の新人“ザ・ハイロウズ”登場!1stアルバム
ハイロウズ未聴の方にオススメの聴く順番としては、やはりリリース順です。
まずはこの1stアルバムの衝撃を体験すべし。
デビューして一発目からいきなりサヨナラを突き付けられる並外れ。
期待以上の初期衝動。
『THE HIGH-LOWS』収録曲
1. グッドバイ
2. ママミルク
3. ミサイルマン
4. BGM
5. ジュー・ジュー
6. ツイスト
7. スーパーソニックジェットボーイ
8. なまけ大臣
9. ヤ・バンバ
10. ビッグ・マシン
11. バナナボートに銀の月
12. 日曜日よりの使者
全12曲47分。
収録シングル曲「ミサイルマン」「グッドバイ」「スーパーソニックジェットボーイ」「日曜日よりの使者」
なんと4曲もシングルがリリースされた1stアルバム。名曲が多いということ。
ロックの初期衝動を最大限の力で、出し惜しみせず全部ブッ込んだという印象。
1枚目からいきなりの“名盤”と言えます。
・全曲にただならぬインパクトあり
・やり過ぎなくらいのやる気がある
何か張り切ったコンセプトを掲げていないという点で“1stアルバムらしさ”があります。
例えば、暇そうだった人たちがカッコ良さそうな事をとにかく全開でやってみたらこうなったという感じでしょうか。
大事なのは一発目のインパクトです。
もちろん大成功。
トレンドに乗っからず、自分を優先する歌詞の内容が多いのは非常に魅力的。
すべて覚えやすいメロディであるのが特徴。
アップテンポの曲多めで、聴くとついうっかり気持ちがブンブン勢いづく。これをきっかけに健康になってしまう可能性だってある。
デビューしたてのハイロウズの遊び心満載。
1曲目の「グッドバイ」なんかギターソロで急に音がデカくなる大仕掛けまで用意されてる。
トータルタイム47分のアルバムに、いわゆる「人並み」な瞬間は一切存在しない。
ロックンロールがその逆、または裏を行くから、音楽から1秒たりとも意識が外れない。
ロックの衝撃と魅力たっぷり。
音には高い攻撃力も備わってます。
だから他人の価値観なんてどうでもいいぜ!と奮起できる傑作。
どの曲も自己肯定的な音が爆音で鳴る。
“自分最強”の特効薬になりうる。
人生における迷いや、日々の苦悩なんかハイロウズが遠慮なしにことごとく駆逐していく。
昔からいつだって頑張りすぎる日本人には、8曲目の「なまけ大臣」は重要曲。休むことも大切なのだと思い出す。
11曲目「バナナボートに銀の月」はマーシーボーカルで、あのしゃがれ声が際立つ凄まじき破壊力。
名曲「日曜日よりの使者」で締める壮大感を伴う感動のラストも聴きどころになってます。
アルバムという概念をしっかり感じる。
個人的には、1995年当時このアルバムが人生で初めて買ったアナログ盤でした。ここからレコードコレクターの始まりへ。
レコードの事を「アナログ盤」と呼ぶのもこれで知ったし、色々な影響を受けた1枚目の名盤。
毎回“アナログ盤”の方にだけ「煽り文句」が帯に書いてあるのが楽しみでした。CDの帯には未掲載。
レコード帯の煽り文句
“ザ・ハイロウズ登場!!”
スカッとしたい時にオススメ。
Tigermobile (1996)
トラ柄の豪快な色気ムンムン!2ndアルバム
色気のあるトラ柄をまとった攻めのロックンロール第二弾。
ザ・ハイロウズ、やります。
過激ににブッ飛ばす。
前作より1年後、ハードさとヘヴィーさが追加されてより強靭になった、ゴリゴリのロックアルバム。
誰かの日和った心へ直撃します。
ジャケットのデザインは鋭く攻めた「トラジャケ」仕様。
『Tigermobile』収録曲
1. 俺軍、暁の出撃
2. 相談天国
3. オレメカ
4. アレアレ
5. レッツゴーハワイ
6. ロッキンチェアー
7. Happy Go Lucky
8. ヌゲヌゲ
9. 変身リベンジャー スーパーファイトバック
10. ブンブン
11. シェーン
12. 月光陽光
全12曲48分。
収録シングル「相談天国」「ロッキンチェアー」「Happy Go Lucky」「月光陽光」
またしても4曲もシングルになりやがった。
全曲名曲の勢いです。
誰かが言ってる捨て曲なんて本当はない。
1曲も聴き逃せない、飛ばせない。
すぐに覚えて一緒に歌いたくなる親しみやいメロディが揃ってる。
・ゴリゴリッとした耳触りが最強無敵
・古き良きロックへのオマージュは素敵
本作のCDは初回限定盤が当時とっても話題になった“トラ皮仕様ジャケット”という大盤振る舞い。
これがいわゆる「トラジャケ」です。
もちろん本物のトラ皮じゃないけど、CD1枚ずつ微妙にトラ柄が違うという悩ましさ。
私はお店で一番しっくり来たヤツを購入。
CDの歌詞カードやレコードのインナージャケットには、鼻血が出る色気ムンムンのサプライズまで用意されてる。
サービス良すぎ。
アルバムから出る音については、期待を超えて更には度を超える。並大抵でない破壊力。
攻撃力倍増のロックサウンド堂々の爆誕。
ハイロウズが勝ち誇ってる。
「カッコいいな〜」と多分ディープ・パープルが嫉妬してる。
パンクの帝王、セックス・ピストルズも注目するアナーキーっぷり。
イメージは、戦車が地球を揺らしながら勇ましく突撃していく時の感じ。
魅力的な12曲のハイロウズ爆弾が48分間ずっとブッ放される。
1stアルバムより全体的に引き締まった印象を受けます。
ハードロックへのアプローチが見事です。でもハイロウズがやると明らかに過激なパンクになってるのが特徴。
最大の魅力は、ハイロウズの暴走力。
止められるヤツはいない。
一気にバンドの可能性が飛躍した。
それぞれの歌詞は生き方に影響を与えます。
歌詞のストーリーは自分とかけ離れた遠い世界の話じゃなくて、自分と何も変わらない生活者の言葉です。
だから私だけでなく誰でも共感できそう。
アルバムバージョンになった「相談天国」は暴走するゴージャスなロックに進化。
前作に引き続き入ってるいかにもな下ネタソングは更に強烈になっててビビった。
8曲目の「ヌゲヌゲ」はイントロ開始1秒で、すべての人がそうだと悟るほどに音がエロい。特にワウを効かせたマーシーのギターはそれ以外をイメージさせない。
ラストの「月光陽光」は美しいメロディが表立った歌モノで、特別な魅力を放ちます。
2枚目のアルバムはハイロウズの暴走に感化された大興奮の連続です。1秒も休めません。
揺るぎない自信に満ちたロックを楽しめる。
レコード帯の煽り文句
“暴走‼︎ 誰かヤツらをとめてくれ‼︎”
豪快な気分で攻め込む日にオススメ。
4×5 (1997)
ザ・ハイロウズ、4曲の名演!ミニアルバム
アルバムタイトルは“フォーバイファイブ”と読みます。
激ロック、下ネタロック、ブルースロック、浮遊するロックを4曲入りのミニアルバムで楽しめる強刺激。
ミニアルバムだからと侮るなかれ。
すべての収録曲がハイロウズの名演奏だからでございます。
『4×5』収録曲
1. 虫
2. ハートブレイカー
3. キャブレターブルース
4. ブラブラブラ
全4曲21分。
1997年はフルアルバムのリリースはなく、こちらのミニアルバムがさりげなく登場。
1stアルバム、2ndアルバムとはまたちょっと違った手応えを持っていて、ハイロウズってこういう事もやるんだと新しい武器が増えたように感じました。
収録された4曲それぞれが異なったタイプのロック。
だからミニアルバム1枚でいろんな楽しさが用意されてる特別企画盤。
前半2曲がヒロト作、後半2曲がマーシー作。
レコードだとA面がヒロトサイド、B面はマーシーサイドと盤をひっくり返す楽しさ倍増。
ボーカルは4曲ともにヒロト。
・1枚21分なので隙間時間に〈熱狂〉できる
・“STEREO”と“MONO”の別世界あり
実は『4×5』にはCDは「STEREO」、レコードは「MONO」という2つの世界が存在する。
両方を買った私は得した気分。
レコードが流行になった今でこそモノラル音源も注目されていますが、アナログオワコンだった1997年当時「MONO」で発表するのは珍しかったと思います。
ちなみにアナログ盤は帯付きの7インチです。
注意:『4×5』はCDもレコードも他のアルバムより随分と音圧が低いのがちょっと残念。
ボリュームは極端に上げてください。
その場合、ハイロウズが部屋に来ます。
『4×5』は爆音が合います。
鋭い激ロックだから。
アルバムの音は尖ったロックサウンドという印象。
4つの特徴的なロックの個性が炸裂中。
1曲目の「虫」は強烈に飛び出すインパクトのあるロックで一発で好きになりました。
人並みでないヒロトの感性が口説いてくる。そのロックの厚かましさに、こっちは「いいよ」とついうっかり答えてしまう。
4曲目のマーシー作「ブラブラブラ」はロックサウンドが空中を浮遊する。
7分以上の長編で、自由で気楽な感じが特徴。
当然ではあるけど、これがCDとレコードの「STEREO」と「MONO」の別世界では音像がかなり違って聴こえるのがおもしろく、遊びとしても成立する。
特別な遊びまで提供されたミニアルバム。
CDとレコード、両方を聴くと倍で楽しいかもしれない。
くれぐれもボリュームは上げ気味で。
レコード帯の煽り文句
“日本のファンだけに贈るザ・ハイロウズの特別企画盤。
4×5とは・・・4曲を5人でプレイ・・・という意味だ。”
短時間で強烈な刺激を受けたい時にオススメ。
ロブスター (1998)
聴覚と心への超強刺激!3rdアルバム
まず全員が感じることは、アルバム自体の音が異常にキンキンです。
どうかしてる。
一音目から耳を刺激しまくってくる。
とうとう心までもが極度に興奮する始末。
ブッ飛んだロックンロールでしか成立しない魅惑のキンキンサウンド襲撃!
『ロブスター』収録曲
1. コインランドリー
2. E=MC2
3. 不死身のエレキマン
4. ブカブカブーツ
5. ピストン
6. 有名
7. そうか、そうだ
8. 風の王
9. ゲロ
10. 千年メダル
11. 真夜中レーザーガン
12. 夏の地図
全12曲46分。
収録シングル「千年メダル」「真夜中レーザーガン」
急に100%無敵になったザ・ハイロウズが攻める人気作。
なぜなら痛快な名作だからです。
聴くとジッとしていられなくなるし、中〜長期的にその効果を発揮する行動力という後押しをされる。
やはりロックが“我”を押し通す3枚目のアルバム。
・これまでよりパンキッシュな音へ
・軽快な勢いが増して気分上々な聴き心地
マスタリングの影響で高音が耳に突き刺さるロックアルバム。全曲その音で突撃する。
この音にロックを感じない人はいません。
アレンジはよりパンキッシュなものが増えた印象。その上でストリングスやスティールパンなどを取り入れた曲もあり、新しい魅力も備わっています。
1回で覚えてしまえるメロディばかり。
ハイロウズロックの親しみやすさは抜群。
歌詞から受ける影響も多大なもの。
そこら辺の哲学より役に立つし、自分を思いっきり肯定するきっかけにもなる。
シングル曲「千年メダル」の歌詞では揺るがない恋心がストレートに表現されてて、すべての恋する人の心へ直撃します。
3曲目「不死身のエレキマン」はシングル曲でないにも関わらず、名曲です。
頑固なロック。大人のフリを許さない、第一希望のみを認める歌。タイトル通りギンギンのエレキが炸裂する。
ヒロトがフライングVのエレキギターを抱えて腕をブンブン振り回す。
マーシーのギターリフは猛烈なインパクトがあり記憶に焼き付く凄まじさ。
やらない大人を置いてけぼりにする破壊力と、自分の中の第一希望以外の選択肢が排除される説得力があります。
マーシー作の7曲目「そうか、そうだ」はゴリゴリしたアレンジで歌に立派な主張がある。
歌詞とメロディとストロングな演奏からも感じるのは、一切何も聞き入れない激しい主張。
俺の方が正しいのだと他のすべての事を破壊していくハイロウズ。
そこには鋭い光があります。
ゴリ押しなアレンジが頼もしい。
なんだかロックイズムしすぎ。
とは言え、やりすぎなハイロウズが一番興奮するのは明白。
もちろんですが、ドギツイ歌だけでなく美しく優しいメロディも揃ってます。
それにしてもこの極端にキンキンな音は攻めすぎです。
まさにハイロウズの襲撃そのもの。
レコード帯の煽り文句
無敵!! 炎の鋼鉄鋏団(ロブスター)、襲撃!!
耳と心をキンキンなロックに襲撃されたくなったドMな気分にオススメ。
バームクーヘン (1999)
完全に規格外の自前録音盤!4thアルバム
一発録りのやべえヤツ。
この録音はズバ抜けて異常です。
絶対どうかしてる。
ハイロウズ初のセルフプロデュース作。
録音、写真撮影など作品にちなむすべてを自分たちの手でやり遂げたDIYアルバム。
だからアルバムの音には手作り感がある。
世の中に『ザ・ハイロウズ/バームクーヘン』1枚しか存在しない独自サウンドの魅力。
ザ・ハイロウズ、パンクモード突入!
『バームクーヘン』収録曲
1. 罪と罰
2. チェンジングマン
3. 二匹のマシンガン
4. モンシロチョウ
5. ハスキー(欲望という名の戦車)
6. ダセー
7. 見送り
8. 死人
9. 彼女はパンク
10. ガンスリンガー
11. 21世紀のフランケンシュタイン
12. ガタガタゴー
13. 笑ってあげる
14. バームクーヘン
全14曲45分。
収録シングル「罪と罰」「ハスキー(欲望という名の戦車)」
1〜3枚目のアルバムより2曲も増えた全14曲入り。しかしトータルタイム45分と決してだらだらやらない事を証明してる。
ハイロウズの人気ナンバー1アルバム。
全曲良し、アレンジ最高、音は丸裸。
この時期のヒロトはそれまで長めのウルフカットだったヘアスタイルを、パンクを意識した短髪のスパイキーヘアへ。
皮パンにウォレットチェーンとか、ルックスまでパンクモード全開。
やたらとヤル気になってる。
・圧倒的パンクサウンド
・他に存在しない生々しすぎる音:猛烈
この録音はロックの奇跡。
常に求めていた荒々しいパンキッシュなサウンドが、遂にハイロウズの自信満々な態度にて提供される。
よく聴くとノイズ混じり。それがスタジオで録った瞬間のリアリティ。
スタジオの空気がそのまま収録されてる。
こんなにも素晴らしく馬鹿げた音は他では聴けない。
もう一つアルバムの特徴として「切なさ」があります。
胸をえぐるほどのマーシーのセンチメンタリズムがとうとう本領を発揮した。
特に7曲目の「見送り」には顕著に出てます。
実は更にアルバムの特徴があって、強いインパクトを持つギターリフから始まる曲多数ということ。
マーシーの魅力全開です。
心へ響くロックを求めていた人には必ずブッ刺さる名盤。
独創的な特徴が多いのが“名盤”たる根拠。
12曲目「ガタガタゴー」は久しぶりのマーシーボーカル。
どうかしてる。イカれてる。
マーシーのトチ狂ったテンション。
歌詞に薬物の名称が入る箇所があり、その部分は「ピーッ」と伏せられちゃってる規格外。
弾むピアノ入りのキチ◯イロックという印象。
続く13曲目「笑ってあげる」はハイロウズファンの間で人気曲。
マーシー作で、マイナー調のメロディに嘘を暴く誠実な言葉たちが際立つ凄み。
狂った世を吹き飛ばす会心の一撃。
ヒロトがパワフルに歌うのは、神様よりも深く、優しい言葉たち。とんでもない説得力がある。とてつもない魅力もある。
ラストでは全員での「あっはっはっはっはー」と笑い飛ばすコーラスが圧巻で爽快です。
気分スッキリ。
しっかり確かな手応えにグッと来る。
という訳で、そこら辺でなんか流行ってる整った普通の音に飽きたら『バームクーヘン』しかありません。
これはもっとロックな意味でだらしない。
この音にはそういう最大限の「褒め言葉」しかしっくり来ない。
ほんのわずかだけ大袈裟に言えば、究極的。
レコード帯の煽り文句
暴食!! 特製バームクーヘンは禁断の味!!
人並みを目指さない誠実な人にオススメ。
GO! ハイロウズ GO! (1999)
突き抜けるハイテンション!ライブアルバム
ハイロウズ初の「実況録音盤」が登場。
4thアルバム『バームクーヘン』のいいとこ取りしたライブバージョンとしても聴ける。
しかも爆音でブッ放すテンションは絶頂期のため尋常じゃない。
新曲まで入ってるじゃねえか!
6曲入りのミニアルバム。
『GO! ハイロウズ GO!』収録曲
1. 罪と罰
2. モンシロチョウ
3. ハスキー(欲望という名の戦車)
4. ガタガタゴー
5. パンダのこころ
6. バームクーヘン
全6曲19分。
熱狂のライブバージョンが6曲入って19分ということで、またしてもほんの隙間時間にとんでもなく激情できる名作。
こちらのライブアルバムのアナログ盤は少し小さい10インチです。
個人的に初めて買った10インチレコード。
ハイロウズが、私にとって未経験の楽しみまで用意してくれた。
・海賊盤とは明らかに違う高音質
・どの瞬間も頭がブッ飛ぶ熱狂あるのみ
なんと言ってもハイテンションが魅力。
「怒涛の」という言葉が合う。
地球上で開催されたとは思えないほどの異常な盛り上がり。熱狂と熱狂のぶつかり合い。
これは褒め言葉ですが、会場にはたくさんのアホが来てる。
宇宙で一番ロックを楽しめる感情的な人たちです。
「パンダのこころ」という当時の新曲は期待をはるかに超えるパンクチューン。
歌の内容は、動物園のパンダが誰も教えてくれない事をズバッと語る衝撃。
これを聴けばもうどうでもいい一般的な価値観に惑わされることが一切なくなる。
世のトレンドを真に受けちゃうのってダサいなと気付ける反骨精神あり。
クスッとした笑いがあるのもポイント。
他5曲は聴き馴染んだ『バームクーヘン』収録曲の豪快なライブバージョンで大興奮。
マーシーボーカルの「ガタガタゴー」入り。
ライブはもっと狂気に満ちてる。問題の例の部分には薄いボカシが入る。
しかし当時のリアルタイムネタであったシンガーソングライターのニックネームを思いっきり発してしまってる。
このアルバムからはそこにいた全員の狂気じみた興奮が聴き取れる。
スタジオ録音の『バームクーヘン』も一発録りだったため、基本的には変わらないけど、そこへ凄まじい熱狂が加わった新たな魅力。
名盤『バームクーヘン』の本当の姿とも言える実況録音。
どうしても落ち着いた気分で過ごしたい時には絶対にかけるべきではない炸裂盤。
音良し!
臨場感のある高音質録音です。
ライブでハイロウズを呼ぶ時の定番であった「GO! ハイロウズ GO!」というオーディエンスの掛け声も感情的な音で収録されてる。
いかす演出で楽しめるのが特徴のライブ盤。
レコード帯の煽り文句
実況録音盤!!
怒涛のツアー「バームクーヘン’99」の記録。
苛立った日のストレス解消、またはテンション上げたい瞬間にオススメ。
Relaxin’ WITH THE HIGH-LOWS (2000)
感情もろに直撃、極上の質感!5th アルバム
ザ・ハイロウズ、無理してません。
魅力を一言で表すなら“感動的”です。
ロックに感動したり励まされた時の涙が一粒落っこちるかもしれない。
またまたしなやかに広がった音楽性が印象に残る心の名盤。
『Relaxin’ WITH THE HIGH-LOWS』収録曲
1. 青春
2. NO.1
3. 岡本君
4. パンチョリーナ
5. 夕凪
6. 不死身の花
7. ボート
8. ミーのカー
9. 完璧な一日
10. ジャングルジム
11. ヤダ
12. タンポポ
13. 魔羅’77
14. バカ(男の怒りをぶちまけろ)
全14曲53分。
収録シングル「青春」「不死身の花」
前作『バームクーヘン』の尖ったパンクモードのまま行くのかと思いきや、人の心に寄り添う感動的な作品になりました。
モータウン・ビートやフォーキーなロック、感情が込み上げるバラードありと心揺さぶる14曲入り。
・表面的でない深さが刺さる
・ロックに感動する貴重な体験
アップテンポだけで押し通さない落ち着いた曲が増えたというのが全体的な印象。
そのため心の深い部分が刺激される。
ここで見事に突き出したのは、ロックに存在する深みやロマンティシズム。
叙情性なんかも感じられます。
同時にロックの爽快な勢いも共存する独自性。
リリースから24年経った今でもよく心の中に浮かんでくる興味深い歌詞が多いです。
『Relaxin’ WITH THE HIGH-LOWS』のアナログ盤は10インチレコード2枚組。
フルアルバムがこのスタイルでリリースされるとは!そのためレコードの場合は、他のアルバムとは違う特別感があります。
2020年に再発された際もこのスタイルは引き継がれました。
どちらかと言うと勢いよりゆったりした気分で聴きたい作品ですから、盤を取り替える作業が発生するのはグッと来ちゃいます。
パンクスタイルの名曲「青春」からスタートする高揚感がたまらない。
2曲目のヒロト作「No.1」はモータウンビートに乗った楽しげなアレンジ。
歌の内容は、遂に自分の存在を認めることが実現するハイロウズから激励ソング。
私のオススメは7曲目の「ボート」です。
なぜなら歌詞もメロディもアレンジも非常にロマンチックだから。
ゆったりテンポの曲で、例えば美しい絵本を読んでいる時の優しい感じ。
ヒロトの歌からは真心が感じられる。
毎年8月の終わり頃になると心のレコードプレーヤーが勝手に選曲して流れ始めます。
所々に好ましい笑いもありつつ、質の高い音楽を堪能している気分に浸れるアルバム。
レコード帯の煽り文句
嗚呼!! 感動の名盤!!
細やかで深い感受性の人へ特にオススメ。
flip flop (2000)
前期のカップリング曲など完全網羅!企画盤
ハイロウズの親心により発売されたCD2枚組の企画盤になります。
その第1弾。
『flip flop』シリーズの存在により、今からすべてのシングルやトリビュート盤を集める必要がありません。
オリジナルアルバムには入っていない曲が一挙にひとつの作品で楽しめる完璧な企画。
すべてのシングルを所有している私も目一杯で楽しめる。
特に「DISC 2」は視聴頻度がとても高い。
『flip flop』収録曲
【DISC-1】
1. ママミルク[MONO Version]
2. グッドバイ[LIVE Version]
3. バナナボートに銀の月[LIVE Version]
4. スーパーソニックジェットボーイ[SINGLE Version]
5. 日曜日よりの使者[SINGLE Version]
6. ベートーベンをぶっとばせ[LIVE featuring 三宅伸治・Vo.G]
7. 胸がドキドキ
8. そばにいるから
9. THE GOLDEN AGE OF ROCK’N’ROL〜ロックンロール黄金時代〜
10. 情熱の嵐
【DISC-2】
1. 相談天国[SINGLE Version]
2. デトロイト・モーター・ブギ
3. 夏の朝にキャッチボールを
4. 俺の邪魔はするな
5. 開かないドア
6. ジョーカーマン
7. アウトドア派
8. 風の王[Citron Soda Mix]
9. 即死
10. 愛はいらない
11. ザ・ハイロウズのテーマ
12. アジア(愛のテーマ)
13. ブラックハワイ(愛のテーマ)
全23曲97分。
レコードの場合は3枚組の重量級。
12インチレコード2枚+10インチレコード1枚で非常にボリューミーな物体です。
オリジナルアルバム未収録曲の集合盤。
シングルのカップリング曲、シークレットトラック、トリビュート盤への参加曲、シングルバージョン。
オリジナルアルバムをコンプしただけでは聴けない割とレアな音源で構成されています。
一つ未発表バージョンも収録。
・シングル盤を引っ張り出さずに済んで「楽」
・カップリングに潜んでいた名曲のアピール
当時の新曲としてシングルに収録されたカップリング曲をまとめて聴ける「DISC 2」が特に良い。
なぜなら名曲多数だから。
それを連続してまとめて聴けるのが魅力。
ライブでの掛け声の定番になった“GO! ハイロウズ GO!”というフレーズ。
その元ネタである「ザ・ハイロウズのテーマ」もしっかり収録。元々は1stシングル「ミサイルマン」のシークレット・トラックでした。
そういうレアな曲まで惜しみなく網羅されているのが『flip flop』の特徴。
2000年『flip flop』リリース当時のインタビューで、ヒロトが「今からシングルを全部集めるのは大変でしょ」という親心だと語っていました。
ハイロウズの思いやりが詰まった好企画。
これはベストアルバムではなく、レコードで例えると“B面”だった曲たちを集めた素晴らしい企画アルバム。
しかし内容はベストアルバムに引けを取らない強いインパクト。
好内容、名曲揃い。
リリース当時はB面でしたが、今日からA面にひっくり返ります。
レコードのB面や、CDのカップリングでどちらかと言うとひっそりしていた曲たちの猛アピール。
ハイロウズ、カップリングにも手抜きなし。
それらの曲がひとつの作品にまとまると、心を大きく動かす新しい輝きを放ちます。
曲順は基本的に単なるリリース順です。
それが新しくとんでもない魅力になってます。
恩恵あり:シングル盤ごとにあった音圧の差も改善されて、ビシッと揃ってる。
ハイロウズの名曲を聴き逃したくない人に猛烈にオススメ。
HOTEL TIKI-POTO (2001)
21世紀一発目の“五ツ星盤“!6thアルバム
ハイロウズのオリジナルアルバムでは収録時間が最長の68分。
いつもより少し長めに楽しませてくれる。
今回は全14曲、68分と「特盛」での提供。
サービス良し!
21世紀に突入したハイロウズ。
その一発目ということで張り切ったのか、アレンジの幅が豪快に増えてます。
という訳でいろんな「楽しさ」が全員に振る舞われるワンランク上の特盛です。
『HOTEL TIKI-POTO』収録曲
1. 21世紀音頭
2. 十四才
3. 迷路
4. ニューヨーク
5. シッパイマン
6. 恋のダイナマイトダンス
7. 海雲台ブルー
8. よろこびの歌
9. カレーうどん
10. コスモス
11. フルコート
12. 天国野郎ナンバーワン
13. アダムスキー
14. クリーミー
全14曲68分。
収録シングル「十四才/フルコート」「ニューヨーク」
本作『HOTEL TIKI-POTO』以降のアナログ盤は2枚組仕様になりました。
持つとズッシリとした音質重視の極み。
ハイロウズのアルバムの中では特にあれこれ試みたサウンド指向が特徴。
その結果、“ロック一辺倒ではない音作り”が最大の魅力になった五ツ星盤。
・バラエティーに富んでいて飽きない
・展開が読めない期待感大
次はどんな曲が飛び出すのかと、かなりのトキメキを感じるアルバムになってます。
ワクワク、ゾクゾクするという意味。
音頭やダンスの収録ありと、“心が躍る”ナンバー1 アルバムで決定版。
五ツ星ホテル{ HOTEL TIKI-POTO }にチェックインして、14個の楽しいイベントを体験する長編作。
ハイロウズがやるとは思わなかった音頭ビートからのスタート。
やって来た21世紀を歓迎してる。
アコースティックなファンク、魅力的なラテン・テイスト、ダンサブルなディスコ・ビート、体が宙に浮くレゲエのリズム、もちろんギンギンのロックンロール。
ザ・ハイロウズ、こんなにおもしろい技まで持ってるのかという衝撃がありました。
1回目より何度か聴いた後、急にとてつもない親しみが湧くのがアルバムのポイント。
6曲目「恋のダイナマイトダンス」はヒロト作のダンサブルなロック。
ディスコ・ビート。ダンスのメロディ。
“Shall We Dance?”とダンスに誘う歌詞は、大好きなパートナーと躍りたい時のベストチョイス。
間奏には緊張感のある過激な演出あり。セクシーボイスが聴けたりもする。
私のオススメは7曲目「海雲台ブルー」
マーシー作の歌で、極端にエモすぎるギターがギンギンです。
行ったことのない街“海雲台”の様子が鮮明に伝わってくる爆裂のロック。
感情を刺激するするマイナー調のメロディと、クスッとした笑いまである歌詞が私のハートにヒビを入れる。
最初の笑いは次の瞬間に激情に変わるエモーショナル。必聴。
何かにうんざりした気持ちをポジティブに改善する効果のあるハイロウズ6作目。
ネガティブが付け入る隙のない68分。
レコード帯の煽り文句
“五ツ星!! ★★★★★!!”
軽快なダンスから激しいヘッドバンキングまで、動かしたくなった体と心へオススメ。
angel beetle (2002)
ベクトルの違いに仰天!7thアルバム
ヒロトとマーシー、2人のベクトルの方向の違いが大胆に現れた7枚目の力作。
バンドもリスナーも初体験の驚き。
別の方を向いた2人にみんながついて行くという、ハイロウズ初の制作スタイル。
その結果、ヒロト曰く“むちゃむちゃバラエティーなことになっちゃった”アルバム。
これがキーボードの白井さん在籍時、最後のオリジナルアルバムになりました。
『angel beetle』収録曲
1. Too Late To Die
2. ななの少し上に
3. スカイフィッシュ
4. アメリカ魂
5. 毛虫
6. 天の川
7. マミー
8. 俺たちに明日は無い
9. Born To Be Pooh
10. 映画
11. つき指
12. 曇天
13. ecstasy
14. 一人で大人 一人で子供
全14曲57分。
収録シングル「Too Late To Die」「一人で大人 一人で子供/俺たちに明日は無い」
赤いリボンの付いたジャケットが、ハイロウズからのプレゼントみたいですこぶる好印象。
デザインはシンプルですが、心が込もってる。
贈り主のハイロウズが、私をアルバムの主人公にしてくれる。
内容は、史上最大級の自由なことをやり始めたハイロウズ。
前作でも楽しませてくれたアレンジの多彩さが更なる進化を遂げて、またしても新たな魅力を放ちます。
統一感の無さが、いい意味での特徴。
・想像力を掻き立てる曲が多い
・ゴージャスなホーンセクションも入る
今回もやはり1曲ずつに大きなインパクトがあります。
数曲で豪快なホーン・セクションを大胆に取り入れているアレンジもありインパクト絶大。
攻める痛快なロックンロール、南部ソウルサウンド、絶望感を希望に覆す歌詞、それらが時空を超えて、今でも私には最新作と同じパワーを放っています。
世の中の評価としては、歌の作者であるヒロトとマーシーにしか分からない世界と言われることが多いです。
その逆にマーシーが遂に全員を納得させる快挙も成し遂げます。むしろ、注目すべきはそっちです。
11曲目「つき指」がそれ。
アレンジは和風テイストなロック。
“つき指をすれば痛い してない時より痛い”この歌詞に納得しない人は1人もいません。
私のオススメは2曲目のヒロト作「ななの少し上に」、4曲目のマーシー作「アメリカ魂」。
2曲ともにホーンセクション入りのロックンロール。
特に「アメリカ魂」は世界チャンピオンがわがままの限りを尽くす、無秩序でソウルなロックアレンジで痛快。
これぞハイロウズにしかやれないロック。
ヒロトとマーシー、2人のベクトルの方向の違いがアルバムとしての楽しさを大爆発させた力作。
5人編成でのラストアルバム。
ライブ後、メンバーに抱きつき、やり切った人にしか出来ない大きな笑顔の白井さんが印象的だった。
ロックのピアニスト白井さん、有終の美。
レコード帯の煽り文句
“驚愕‼︎ 史上最大級‼︎ ”
自分の想像力の可能性を高めたい繊細な感性の持ち主にオススメ。
flip flop 2 (2003)
ハイロウズ音源コンプ目前!企画盤:第2弾
片っ端からハイロウズ聴きたいけど、今からシングル集めるの面倒くせえよという場合に打って付け。
一気に揃う魔法のような企画盤その2。
実はとんでもねえ胸熱な聴き方も出来るのが第2弾の最大の特徴。
それこそが全シングル所有者にとっても超大型の魅力。
オリジナルアルバムの先にある極みです。
『flip flop 2』収録曲
【DISC-1】
1. 魔羅 ’69
2. 不死身の花 69 mix
3. タンポポ hang on version
4. ユーのカー
5. 青春 lunch time version
6. 十四才 [SINGLE EDIT]
7. フルコート
8. よろこびの歌 [Nancy Mix]
9. 天国野郎ナンバーワン [Live Version]
10. いかすぜOK [Radio Edit]
11. いかすぜOK
12. 迷路 [Nancy Mix]
13. ルイジアンナ
【DISC-2】
1. Too Late To Die [Nancy Mix]
2. 曇天 [Nancy Mix]
3. 一人で大人 一人で子供 [Nancy Mix]
4. 俺たちに明日は無い [Nancy Mix]
5. ななの少し上に [RADIO EDIT/MONO MIX]
6. ecstasy [RADIO EDIT/MONO MIX]
7. 毛虫 [RADIO EDIT/MONO MIX]
8. マミー [RADIO EDIT/MONO MIX]
9. 映画 [RADIO EDIT/MONO MIX]
10. 夏なんだな
11. プール帰り
12. ジェリーロール
13. セクシーナンシーモーニングララバイ
14. 狼ウルフ
15. オクラホマデスカ?
全28曲128分。
超長編のため忙しい毎日では、さすがに全部聴く時間を確保するのは至難の業かも。
レコードの場合は第1弾を超える4枚組の超重量級の厚かましさ。
度が過ぎる。物体としては重すぎる。
12インチレコード3枚+10インチレコード1枚というお買得仕様。当時の定価3600円。
いつもサービス良すぎ。
内容も只者じゃない名企画盤。
・後期のアルバム未収録曲網羅
・『angel beatle』の別ミックス盤にもなる
またまた出ちゃった第2弾は、5thアルバム『Relaxin’ WITH THE HIGH-LOWS』から7thアルバム『angel beatle』までの時期の音源で構成されています。
オリジナルアルバム未収録のシングル、シングルバージョン、カップリング曲、別ミックス、トリビュート盤への参加曲、シークレットトラックが完全に網羅されてる。
どんだけ手厚い親心なのよ。
先述した超大型の魅力とは、、、
「DISC 2」の前半、1〜9曲目までがなんと、7thアルバム『angel beetle』の別バージョンとして聴けるようになってます。
それまで未発表にしていた『angel beatle -別ミックス盤-』みたいな感じなのです。
そのつもりで聴くと楽しさ倍増。
5〜9の[MONO MIX]はこの作品でしか聴けないレアな音源。
モノラルの音の塊が突っ込んでくる。
どんだけ興味深さまで提供してくれてんのよ。
第2弾のちょっとした難点は、シングルのカップリング曲で当時の完全な新曲として収録されたものは少なめなこと。
後期のハイロウズはシングルのカップリングに既存曲の別バージョン、別ミックスを入れることが多かった。
楽しめるのは事実ですが。
「いかすぜOK」「夏なんだな」は両曲ともに夏ソングのシングル曲ですが、オリジナルアルバムには未収録。
そんな「いかすぜOK」の長すぎないバージョンである [Radio Edit]が収録されたのが神。
当時シングルで出たものは後半に長いDUBパートありで11分以上もあったのよ。
それが4分45秒でキマるのは有り難かった。
そういう本音もついうっかり飛び出した。
ただし勘違いしてはいけないのは、11分を超えるオリジナルバージョンは、例の後半のレゲエ部分なんか“ガンギマリ”だ。
ハマれば高い中毒性にヤラレるから注意。
リリースから20年以上経った今でも、夏になるとハイロウズファンが「いかすぜOK 」と「夏なんだな」のフレーズを多くの人が歌い出す始末。
という訳でハイロウズの人気曲。
歌い継がれているという事実。
私は頻繁にはかけないけど、たまに無性に聴きたくなる企画盤『flip flop 2』でした。
最後に断言しますが、心が動くいい歌いっぱい入ってます。
ハイロウズ音源コンプには必須。
徹底的にハイロウズを聴きたい未来のハイロウズマニアの方にオススメ。
Do‼︎The★MUSTANG (2004)
やたらと太くてデカい馬並!8thアルバム
アルバムタイトルの読み方は「ドゥー・ザ・マスタング」!
今のところハイロウズのラストアルバム。
以前にもあった刺激の強すぎるキンキンなマスタリングの再来でド派手。
4人編成になったハイロウズの猛突進。
並大抵でない。
疾走感溢れるロックンロールが馬並みの極太サウンドでブッ攻めるラスト作。
『Do‼︎The★MUSTANG』収録曲
1. ゴーン
2. 砂鉄
3. ノロノロ
4. 荒野はるかに
5. アネモネ男爵
6. 夜の背
7. ブラジル
8. 暴力アラウンド・ザ・クロック
9. ズートロ
10. スパイダー・ポップ
11. ザリガニ
12. ヘッドホン
13. たつむき親分
14. プラプラ
全14曲57分。
収録シングル「荒野はるかに/ズートロ」「砂鉄」「スパイダー・ポップ」
脱退した白井さんの後任者を入れることなく4人での活動を選択したハイロウズ。
キーボードなし。
マーシーのギターが猛烈にアピールしまくるギターロックアルバムと言える。
そのためハイロウズのアルバムの中で唯一無二の聴き心地。
・ド派手:攻めすぎなキンキンサウンド
・疾走感を超越する爆走感
人並みを置き去りにする爆走感と、太くてデカくてタフネスなサウンドは馬並です。
いわゆる“普通”を求めるべきではない。
そんなつまらない事をハイロウズはやらない。
強烈な一音目で気付くこと。
あの音だ!3rdアルバム『ロブスター』で聴いた必要以上にキンキンなロックサウンド。
それを超える強刺激。
豪快なロックでこそ成り立つ魅力。
『Do‼︎The★MUSTANG』に限ってはキーボードなしのギターロックな音作りが特徴。
それまでよりマーシーのギターが一歩前へ。
とは言え、数曲では効果的にキーボードの音が入ります。メンバーが弾いたようです。
新生ハイロウズは、よりストレートなロックンロールバンドの爆音だと感じます。
その一方でDUBを施したレゲエ、サイケなアレンジの曲も収録されていて挑発的。
音圧がかなり高い作品。
もう何度目かわからないけど、やはり全曲が圧倒的です。
だから私のオススメは、“アルバム”として聴くことになります。
「この歌は別にいいや、スキップしよう」ってことにはなりません。
それでも特に好きで印象に残った歌は、5曲目のマーシー作「アネモネ男爵」、13曲目のヒロト作「たつまき親分」です。
どちらの歌も美しい言葉の表現で核心を突く歌詞が興味深いから。それに独創的なメロディには親近感が湧きました。
アルバム作品の中で一番刺激が強いのはこの『Do‼︎The★MUSTANG』かもしれない。
視聴1回目の強烈なインパクトは100回目になっても変わらない。
何度でも1秒で蘇る初期衝動。
ロックにノックアウトされたい変人は是非聴いてください。
ハイロウズが最後にやれることをド派手にやったラストアルバム。
この後はラストシングル「サンダーロード」を世にブッ放ち、活動休止へ。
レコード帯の煽り文句
“疾走‼︎ 馬並の極太ロック・サウンドでノックアウト‼︎ ”
人並み以上の愉快痛快な気分でブッ飛ばしたい日にオススメ。
FLASH -BEST- (2006)
ロックンロールの足跡!ベストアルバム
ハイロウズ初で唯一のベスト盤。
全期間からのシングルベストになります。
大ファンの私にとって選曲の不満はなし。代表的なシングル曲を一気に楽しめる名作。
ここまでシングル曲が並ぶとやたらと濃厚。
『FLASH -BEST-』収録曲
1. ミサイルマン
2. スーパーソニックジェットボーイ
3. 胸がドキドキ
4. 相談天国
5. ロッキンチェアー
6. 月光陽光
7. 千年メダル
8. ローリング・ジェット・サンダー
9. 罪と罰
10. ハスキー(欲望という名の戦車)
11. 青春
12. 十四才
13. いかすぜOK
14. Too Late To Die
15. 夏なんだな
16. 日曜日よりの使者
17. 荒野はるかに
18. サンダーロード
全18曲72分。
アナログ盤は未発売。
シングルベストですが、ハイロウズがリリースしたすべてのシングル曲が収録されている訳ではないのがいいです。
どちらかと言うと歌の世界の深さというより、ハイロウズにしかブチかませなかったインパクトを重視した選曲といった印象。
持て余すだけの2枚組や3枚組でないのが重要。それだとすぐに気が重くなる。
私の視聴頻度は高く、聴き続けるベスト。
・初収録の別ミックスあり
・時系列でハイロウズの足跡を辿れる
曲順は単なるリリース順なのが魅力になる。
ごちゃ混ぜにしなかったというのは特徴にもなるし、ハイロウズの歴史を辿りやすい。
何も難しくない、単純明快です。
「ミサイルマン」「胸がドキドキ」は初収録の別ミックスで、ファンもドキドキで楽しめる。
特に「胸がドキドキ」はシングル盤のオリジナルバージョンではラストがフェードアウトしましたが、今回収録されたものはきっちり演奏し切ります。
随分と印象が変わり、とてもスッキリ。
アルバム未収録であった11thシングル「ローリング・ジェット・サンダー」が入っているのも嬉しいところ。
ライブバージョンしか存在していないアップテンポのロックンロール。
アルバムの真ん中辺りに入っていると、その威力に新しく驚いた。
ラストのロックンロール「サンダーロード」は記念碑みたいな印象を受ける。
「ミサイルマン」〜「サンダーロード」、ロックバンド“ハイロウズ”の歴史。
毎日変わるトレンドなんかが隣に並べるものではない。
揺るぎない普遍性を感じる。
オリジナルアルバムではないものの、ハイロウズのパワフルなシングル曲が集まった傑作になってます。
これからハイロウズを聴いてみようという出発点としてもオススメ出来る。
アルバム13作品のレビューをしてみたら、どれも個性が炸裂していると再認識しました。
それと同時にザ・ハイロウズのでっかい自信が聴こえてきます。
どうでもいい「一般的」や、誰にでも出来る「普通」からはみ出した事柄にこそインパクトはある。
そういう事に魅力を感じる人はハイロウズのロックンロールに呼ばれています。
今日はどのアルバムを聴くか選ぶ瞬間は楽しさ宇宙一。
いつもドキドキするしワクワクする。
ハイロウズには突きせぬ遊び心があるから。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
私が手作りしたカセットテープも見てくださると嬉しいです。
ハイロウズの全アルバム作品を手間をかけてジャケットも作りました。
ありがとうございました。
また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。