こんにちはUMEです。
「FOUR BY FIVE」は1997年リリースのハイロウズのミニアルバムです。
アルバムタイトル「4×5」はフォー・バイ・ファイブと読みます。
4曲を5人で演るという意味ですね。
特別企画盤です。
THE HIGH-LOWS/FOUR BY FIVE (1997)
2ndアルバム「Tigermobile」と3rdアルバム「ロブスター」の間にリリースされました。
このミニアルバム収録曲はベスト等にも入っていないので本作を入手して聴くしかありません。
全4曲という微妙なボリュームの曲数で、シングルでもないしフルアルバムでもないけどすべての曲が新曲だったというのがポイント高いです。
少し残念なところは本作はちょっと音圧低めです。ハイロウズの他のアルバムと一緒に聴くと音が小さく感じます。ボリュームをしっかり上げさえすれば内容はひたすら音で楽しめるミニアルバムです。
マーシーボーカル曲はありません。
全4曲なので20分ちょいと手軽に聞けるのもポイント高いです。
「FOUR BY FIVE」のアナログ盤は7inchでした。CDはステレオですが、アナログ盤はなんとクロマニヨンズと同じモノラルです!でもやっぱり音圧低めです。ちなみに7inchですが33回転です。
M1「虫」
作詞・作曲/甲本ヒロト
化粧品メーカーの資生堂「アレフ」CMで使用されました。
ハイロウズロックなギターリフが強烈です。これがメイン曲といっても差し支えないほどにインパクトあるロックです。1曲目のイントロから「これこれ!」と期待感でいっぱいになります。一度聴いただけで脳裏に深く焼きつくギターリフはマーシーの感性でこそ輝きを放っています。
よく聞くと最後の最後にヒロトが笑っているのが聞こえます。
ギターソロがマーシーらしく、とんがってる。このとんがり力は唯一無二です。突き抜けた人のオーラを放ってます。
解釈は人それぞれですが、筆者は歌詞にものすごく共感してしまいます。
“呼ばれてないのに ジャジャジャジャーン 暴れて飛び出す ジャジャジャジャーン”
呼ばれてもいないのに自分から欲しいものに寄っていってしまう。オタクの虫がジャジャジャジャーンと飛び出してくるのをもう1人の冷静な自分が気付いています。「ジャジャジャジャーン」て強烈ですね。
“箱入り娘に とりついた おたくの娘に とりついた”
出品者が持っているその大事なレコードに取り憑いて、それを何としても手に入れようとウォッチしてます。
“ねえ いいじゃん いいじゃん”
これこそ筆者とまったく同じ気持ちです。「いいじゃんいいじゃん」心の中ではずっとそう唱えてます。そのレコードが欲しいんだよ(笑)
“一年中眠らない 全くたちの悪い虫 雪が降っても眠らない 全くたちの悪い虫 夜になったら動き出す 全くたちの悪いし 虫、虫、虫、虫 とってもたちの悪い虫”
誰にでもある煩悩とか欲望なんだろうな。夜になるとネットを徘徊してレコードなんかをポチポチしてしまう。自分の中にいる虫が一年中そんなことをしています。
M2「ハートブレイカー」
作詞・作曲/甲本ヒロト
「ハートブレイカー」とはキーボードの白井さんのことなんでしょうかね?ブルーハーツの「全日本 EAST WASTE TOUR’91 」というライブDVDでも白井さんを紹介する時にヒロトが「ハートブレイカー白井さん」と言っていたので、その印象が強いです。
ボーカルと同じか、それ以上な存在感のギターが特徴的です。感情的なギターが歪んだ音で歌ってる。ヒロトのブルースハープも入ってます。
聴くとどうしてもギターに耳と心を奪われてしまいます。
ギターソロでの超絶な間とか音色とかマーシーじゃなきゃこうならない。
サビでのヒロトとマーシーの掛け合いが胸熱です。ヒロトは真ん中でマーシーは向かって右側でギターを弾きながら歌っているのが音でしっかりと分かります。
※アナログはモノラルなので全部の音が真ん中です。
“俺のズボンにちょっと触ればわかる 俺のズボンにちょっと触ればわかる おかしな形じゃないか”
タイトルから想像したのとは全然違うんですけど、待ってました。ヒロトの下ネタソングです。それ以外の解釈ができないほどの分かりやすさです。
“なんにもいらない なんにも欲しくない 胸のまん中に穴をあけて夜が明ける ハートブレイカー”
なぜかロマンチックでカッコよくて魅力的です。
“俺のズボンにちょっと触ればわかる 俺のズボンにちょっと触ればわかる ひきずり出してくれないか”
3番で完全に下ネタソングだと確信します。男の欲望むき出しじゃないか。
M3「キャブレターブルース」
作詞・作曲/真島昌利
印象的なリフに心と体が反応して思わず踊り出してしまいます。
耳の奥に刺さるほどのキンキンな音のギターソロに興奮します。
外でイヤホンなんかつけてこの曲を聴きながら散歩してると、ついつい体がリズムにノッてしまう。でも人の目なんか気にしなくて大丈夫。だってこの曲にノッてる体と気持ちのほうが幸せだから。変人でいいよ。
内容は車なのかバイクなのか筆者には分からないけど、自分でメンテナンスをする様子です。バイク好きのマーシーなのでバイクなのかもしれませんね。
マーシーはソロアルバム【夏のぬけがら】でタイトルにオートバイという言葉を使った曲を2曲も入れていました。
“キャブレターいじくる キャブレターいじくる 大丈夫だろ うまくやれるだろう 汗まみれのまま キャブレターいじくる”
踊り出したくなる曲調には、自分のマシンを自分で整備するDIY精神な歌詞が乗っています。
“オイルでベトベト オイルでヌルヌル もう少しだな いい具合だな 汗まみれのまま キャブレターいじくる”
この2番とサビへ入った辺りで、なんかこれ違う意味があったりするんじゃないか?と思い始めます。
“イン・アウト・イン アウト・イン・アウト イン・アウト・イン アウト・イン・アウト”
これもしかして下ネタソングなのか?マーシーも?改めて歌詞全体を読むとそうとも解釈できてしまいます。実は今そう気付きました。筆者が変態なだけかもしれませんが(笑)どうなんでしょう。
M4「ブラブラブラ」
作詞・作曲/真島昌利
7分を超えるちょい長めの曲です。
個人的には気楽な気持ちになれる超重要な曲です。
あんまり忙しくせずに、たまには気楽に自由にブラブラしようというスイッチを入れてくれます。
この曲はドラムの音が左チャンネルにだけあって聞き慣れていない耳触りで新鮮に響きます。ジャズなんかではよくありますね。それがブルーハーツの「英雄にあこがれて」みたいなリズムで楽しい。(筆者は音楽的なことはわかりません)
アナログ盤はモノラルなので真ん中です。一撃必殺です。モノラルのミックスだとまた印象が変わりますね。
クロマニヨンズになってからの何かのインタビューでヒロトが「モノのものが好き」と語っていました。
“大人は自由に どこへでも行ける お金も使える 稼いだ分だけ 価値もわかってる”
自由とそのための責任が感じられる歌詞に納得します。自立している大人は意外と少ないものです。経済的、精神的に自立していればブラブラしていられますよね。働きもせずダラダラしてるだけとは違います。ブラブラです。
“チョー楽しいことを思いついたよ えらいぞ俺 いいぞ”
すごく共感します。しっかりと睡眠を取れていると、こういうことは起こります。ガッツリ寝て朝起きた時の脳が完全に切り替わっていて昨日という過去は完了している。そうすると炸裂した脳が想像力豊かで次々と楽しいこと、役に立ちそうなことを思いつく。
睡眠大事。休憩も大事です。自分が一番成果を出したいことは午前中にやるのが基本ですね。マーシーが午前中に曲を作っているのかは知りません。
“ブラブラしている 天気がいいから 他人から見れば ボーッとしてるだけ 本当にそうだ”
この歌詞好きです。他人から見ればそう見える人ほど自分らしく楽に生きていて、しかも割とお金も稼げている人です。
超絶ロックに下ネタソング、人目を気にせず踊り出すキンキンなロックにブラブラで自由なリズムと、たった4曲にロックの楽しさを詰め込んでくれました。
これを聴いていると心の潤いは枯渇しません。
自分の好きなことをするのに他人の目なんか気にしていられません。午前中からビールを飲んで酔っ払っていようと思ったら「4×5 」を聴けば実行している。一般的とちょっと違うと変人だと思われるけど、当たり前なんて一つもないです。他人が思っている当たり前はフィクションです。
そんな幸せを味あわせてくれるミニアルバムです。
全4曲20分をあえてイヤホンで聴いてみるのもオススメです。スピーカーでは近所迷惑なほどの爆音にしなければ聞こえない音が割と入ってます。
CDの方はどうやらAmazonなんかでも中古でかなり安く手に入るっぽいです。
2020年にハイロウズのアナログ盤が再発売されましたが、こちらの「4×5 」は復刻されませんでした。その企画で発売されたのは全オリジナルアルバム8枚と編集盤である「flip flop」シリーズ2枚の10作品です。シングル盤(7インチ、EP)は一切復刻されていません。
このアナログ盤はA面2曲がヒロト作、B面2曲がマーシー作と盤をひっくり返した時に世界が変わるのもおもしろいです。
アナログ盤のモノラル音源を聴いてみたい場合は中古レコード店とかヤフオクなんかで探すしかないですね。
未開封Tシャツコレクション
このTシャツがいつのツアーの物なのかまったく覚えていませんが、マーシーがライブで着ていたのは記憶にあります。オレンジに矢印というデザインが好きです。マーシーは似合ってました。
本作のアナログ盤はオススメではない⁈
帯付きの7インチってそんなにはないけど、結構好きです。
クロマニヨンズは最初から7インチレコードも帯付きで発表していたのには感激しました。
本作は4曲入りのミニアルバムとはいえ、EPアダプターを必要とするドーナツ盤であるのは扱いやすいので大満足です。「4×5」の7インチレコードは見た目はかなり好みなんだけど、やっぱり絶望的な音圧の低さが難点です。ボリューム上げて聴けばいいじゃんという問題ではないです。音源自体の音圧が高くなければ迫力に欠ける音になってしまいます。
7インチですが収録時間が長めのため33回転です。他の45回転のレコードと同じくらいの音量にするにはアンプかスピーカーのボリュームつまみを7目盛りくらい上げなければいけません(汗)
モノラルのレコードは迫力満点な場合が多いので期待しすぎたというのはありますね。
これが12インチの45回転だったらもっとカッコ良かっただろうとか考えてしまいます。
というわけで、「4×5」のアナログ盤はステレオ音源のCDとは異なるモノラル音源が聴けることだけがメリットだと思いました。それは大きなメリットなのかもしれませんが。
ヤフオクなんかにたまに出品されているのを見ますが、どうしてもコンプしたい人以外は、高値を出して無理して手に入れる必要はないというのが筆者の感想です。
ハイロウズの帯付き7インチレコードは下の3作品です。どれも2曲入りのシングルというより4曲入りのミニアルバム的な内容です。
3枚ともに45回転ではなく33回転です。したがいまして音圧はすべて絶望的です。出力高めのカートリッジ(針)で聴くのがいいです。
これはオススメです(EPアダプター)
ちなみにEPアダプターはナガオカのこちらがかなり使いやすいです。
普通にレコードプレーヤーに付属しているプラスチックのEPアダプターより安定します。こちらはアルミ削り出しなのでプラスチック製のものより重量があり、レコードを取り替える時に浮いてきません。EPアダプター自体の高さも約8mmと低めなのが操作の安定感に繋がっています。片手で余裕でレコードの取り替えが出来ることに感動しました。
あとは見た目の高級感は抜群です。
ただし見た目は音には一切関係ありません。これを使うと音が良くなるということもありません。音は変わりません。良くなるのはドーナツ盤の操作性です。
最近どうも聴く機会が減っていたドーナツ盤を聴くのが楽しくなるという最高のメリットもあります。
これを購入してからEPアダプターをターンテーブルにセットしたくてたまらないという謎の衝動に駆られてます。
つまりお気に入りです。
Amazonで1100円で買えてしまうので、手持ちのものに不満がある場合のみ試してみてください。
1stアルバム【THE HIGH-LOWS】
2ndアルバム【Tigermobile】
ハイロウズの一ファンとして。
ありがとうございました。
それではまた。