こんにちはUMEです。
「flip flop」は2000年リリースのハイロウズの企画アルバムです。
のちに『flip flop 2』もリリースされています。
※“flip flop”とは
「HIGH」と「LOW」の2つの安定状態を持つ電子回路という意味のIT用語でもある。
THE HIGH-LOWS/flip flop(2000)
※Amazonは11%OFFです。
いわゆるベストアルバムとはちょっと違いますので、これを買えばハイロウズの主要曲が網羅できると勘違いして買わないでください。
これはオリジナルアルバム未収録曲を集めた企画アルバムです。
シングルのカップリング曲、シークレットトラック、トリビュート盤への参加曲、シングルバージョンというオリジナルアルバムをコンプしただけでは聴けない割とレアな音源で構成されています。
それらの曲に名曲が多いので聴くべき作品であることは間違いないです。元々のハイロウズファンではなくても楽しめるし、ハイロウズにハマるきっかけには余裕でなり得ます。
メンバーがいつもと違う楽器まで演奏しているのにも注目です。マーシーがサックスを吹いている曲があったりします。
本作はベストアルバムではないですが、シングルに収録されてオリジナルアルバムには入らなかった曲のほとんどが網羅できます。
1stシングル『ミサイルマン』〜13thシングル『ハスキー(欲望という名の戦車)』までの期間(1995〜1999年)の音源です。
※オリジナルアルバム未収録の11thシングル『ローリング・ジェット・サンダー』のみ収録されていません。
オリジナルアルバム未収録曲ほぼ網羅盤という感じですね。
ハイロウズの主要なシングル曲のみを求めている人には、これではありません。
このような企画盤を出すバンドはあんまりいないから、すごい思いやりだなあなんて感じます。
2枚組であることから聴く頻度はそんなに高くはないです。2枚続けて聴くのは気が重い。
アルバムの構成が単なるリリース順なのでかいつまんで聴けばいいんですけどね。
全23曲97分です。
歌詞カードには各曲の解説と当時の写真なんかが掲載されていて面白い。
DISC 1
ごく初期の音源でライブバージョン多めな感じです。後半の「胸がドキドキ」からは聴きどころです。
M1. ママミルク[MONO Version]
作詞・作曲/真島昌利
1stシングル「ミサイルマン」に収録
マスタリング時にモノラルに変換された音源で、ただ単にモノラルミックスになっているだけです。モノラルなので左右の音の広がりではなく真ん中にドンと音が存在します。
決して音場が狭くてつまらないということではなく、パワフルな音です。「ママミルク」を古いレコードの雰囲気で聴きたい人にはオススメです。
モノラルはクロマニヨンズと同じですね。
M2. グッドバイ[LIVE Version]
作詞・作曲/真島昌利
1stシングル「ミサイルマン」に収録
1995年7月23日大阪万博公園もみじ川芝生広場にてFMの番組オン・エアー用に収録されたという音源です。現場でのミックスをそのまま使用と、その瞬間のままの記録です。
「ハイロウズで初めての、皆さんにふさわしいこの1曲…グッドバイ!」
デビュー直後にして“グッドバイ”と印象的なヒロトのMCからスタートします。
スタジオ録音の1stアルバム収録バージョンではギターソロが急に爆音になる演出がありました。このライブバージョンでもそれに近い形で演奏されているのが好印象です。
M3. バナナボートに銀の月[LIVE Version]
作詞・作曲/真島昌利
2ndシングル「グッドバイ」に収録
95年秋頃の録音。収録会場、エンジニアなどの詳細は不明な、幻の音源だということです。
「マーシーが歌います!」
一度聞いたら記憶に残るヒロトのMCからスタートです。
1stアルバム収録のマーシーボーカル曲のライブバージョンです。マーシーが歌うハイロウズ初期の名曲です。ハイロウズのライブバージョンは決して音が悪くないです。
歌詞を変えちゃってることもなく、張り上げた声がよく出ていて臨場感たっぷりです。マーシーの魂のシャウトもあります。ライブなので当然、これをギター弾きながらの一発録りでやってるからいつ聴いても燃えるんだな。
“たくさん欲しいわけじゃない チョッピリ欲しいだけなんだ”
この謙虚さが妙に胸に刺さります。この歌詞を歌っている時のマーシーのアクションが目に浮かびます。
M4. スーパーソニックジェットボーイ[SINGLE Version]
作詞・作曲/真島昌利
3rdシングルとして1996年1月25日にリリース
1stアルバム『THE HIGH-LOWS』に収録のものとは別テイクですが、そのアルバムバージョンにそっくりです。聴き比べてみるとアルバムバージョンの方が音がキンキンしています。その点ではこちらのシングルバージョンのが聴きやすいです。
こちらの方がスタジオの空気感も出ています。生音っぽさがあり、音がハッキリ鮮明な印象です。
アレンジに大した違いはないのですが、新たに録音し直してくれたのがポイント高いです。
聴けば悩みなんかぶっ飛ばしたくなります。
M5. 日曜日よりの使者[SINGLE Version]
作詞・作曲/甲本ヒロト
3rdシングル「スーパーソニックジェットボーイ」と同じセッションで録音されました。
これは明らかにアルバムバージョンとは違います。
「ましまろ」の真城めぐみさんのコーラスが大胆にフューチャーされていたりアルバムバージョンよりにぎやかな雰囲気です。その歌声が日本人らしからぬキラッキラの輝きを放っていて元気になれます。
「日曜日よりの使者」が過酷な1週間を生き抜いて次の日曜日に帰ってきたという感じです。
聴けば憂鬱な月曜日さえも楽観的な日曜日になります。
しかし残念なのはマーシーのあの柔らかいギターソロが排除されてしまったこと。
ここまでの曲のオリジナルバージョンは1stアルバム【THE HIGH-LOWS】に収録
M6. ベートーベンをぶっとばせ[LIVE Version featuring 三宅伸治・Vo,G]
作詞・作曲/Chuck Berry 日本語詩/三宅伸治
3rdシングル「スーパーソニックジェットボーイ」に収録
たまたまハイロウズのライブ会場に遊びに来ていた三宅伸治がアンコールでセッション参加した音源です。
ボーカルは三宅伸治さんなのでハイロウズは演奏のみです。筆者にはそんなに楽しくないです(笑)個人的にはスキップ確実な曲。ゴメンよ、ハイロウズ。
M7. 胸がドキドキ
作詞・作曲/甲本ヒロト 真島昌利
4thシングル「胸がドキドキ」
テレビアニメ「名探偵コナン」オープニングテーマ
ブルーハーツの「メリーゴーランド」以来のヒロト、マーシーの2人による共作です。ツアー中に宿泊していたホテルの部屋で書き下ろしたということです。
アニメの主題歌ということもあってか一般受けしそうなほどポップな曲で名曲です。
テクニック重視のバンドには絶対できない情熱のメロディを弾くマーシーのギターソロに大注目です。
“百年ぶりの世紀末 泣けといわれて僕は笑った ひさかたぶりの世紀末 広い世界へとび出してゆく”
この曲のリリースが1996年で20世紀の終わり頃でした。
“子どものころにわかりかけてたことが 大人になってわからないまま”
誰もがこの歌詞の通りではないでしょうか。それはきっとずっとわからないままのがいいことです。わかってしまったら子どものままでぶつかっていけなくなってしまう。
“答えでもない本当でもない 信じてるのは胸のドキドキ 胸のドキドキだけ”
これから起こることは先に答えなんてないから自分の胸がドキドキする方に行ってみるしかないですね。いつまで経っても胸がドキドキしているって大事です。
M8. そばにいるから
作詞・作曲/甲本ヒロト 真島昌利
4thシングル「胸がドキドキ」に収録
当時、ビートルズの「フリー・アズ・ア・バード」がリリースされました。滞在していたホテルでそればかり聴いていたら似ちゃったとヒロトが語っていました。
リコーダーや鈴の音が入っているなんて本当にロマンチックです。
強い男のまっすぐな恋心が胸に刺さるラブソング。
“心配はいらないよ 僕がそばにいるから 君のためにいつでも 闘う僕だから”
出だしのまっすぐで強い歌詞に惹きつけられます。これをクサいって跳ね除けるやつはまっすぐじゃない。きっと認知が歪んでいる。
“してはいけないと 禁じられてばっかりだけど”
同調圧力と一般論という規制がかかる世間で2人で恋をするというのは強い意志とエネルギーが必要なことです。
“愛することを許されたとき 僕らは立った 歩きだした”
1人じゃなくて2人ですね。だからもっと強いんだな。2番ではさらにロマンチックで感動させてくれます。この珠玉のラブソングがヒロトとマーシーの共作だというのが興味深いところです。
M9. THE GOLDEN AGE OF ROCK’N’ROLL〜ロックンロール黄金時代〜
作詞・作曲/Ian Hunter 日本語詩/甲本ヒロト
モット・ザ・フープルのトリビュートアルバム「MOTH POET HOTEL」に収録
M9,10はトリビュート盤に参加したカバー曲です。どちらの曲も強烈にハイロウズらしさが溢れ出ちゃってるので楽しめます。
「最近どう?」
「レコード買ってるよ」
「レコードっつうとやっぱ何かね?」
「やっぱロックンロールしかないね」
「なんつっても…」
「ロックンロール黄金時代!」
ピアノのイントロをバックにメンバーのこの会話が入ってます。筆者はこれだけでも興奮気味です。
この後は「バンバンバンババババババーン!」と一気にハジけます。
ヒロトによる日本語詩にシビれちゃう。特に女性口調の3番がめちゃくちゃ好きです。
“歌うわよ 踊るわよ けっこうやるわよ 寄ってらして 見てらして ガッカリさせちゃヤーヨ”
これをヒロトが歌うとなんか知らないけど似合ってます。
M10. 情熱の嵐
作詞/たかたかし 作曲/鈴木邦彦
「西城秀樹 ROCK トリビュート KIDS WANNA ROCK!」に収録
ハイロウズのミニアルバム『4×5 』のレコーディングセッション時の録音です。
このカバー曲、ハイロウズにバッチリとハマってます。ひと言で言うとカッコいい‼︎マーシーのギターリフなんか強烈です。こういう曲はコピーするのは結構難しいです。
レコーディング時のメンバー同士の会話がちょこっと収録されているのが興味深いです。「ヒデキにOK?」とか言ってるのが面白い。
間奏後のマーシーのシャウトが激ヤバです。
「アーーーーー‼︎‼︎‼︎」
存在感ありすぎて好きにならずにいられない。
トリビュート盤2枚を持っていましたが、この2曲が「flip flop」に収録されたので筆者はトリビュート盤の方は売ってしまいました…ハイロウズにしか興味なかったというのが本音です。
DISC 2
DISC2に収録されたシングルのカップリング曲は神曲ばかりで超オススメです。
M1. 相談天国[SINGLE Version]
作詞・作曲/真島昌利
5thシングル「相談天国」
2ndアルバム【Tigermobile】収録のアルバムバージョンはギターをもっと重ねていてゴージャスなアレンジになっていましたが、シングルバージョンはシンプルです。
ハイロウズのギタリストはマーシー1人なので、こっちのがライブバージョンに近いですね。
このシングルのカップリングはM2「デトロイト・モーター・ブギ」なのでロックンロールなシングルです。
シングルのジャケットも楽しく、ジャケットをコピーして切り取って色を塗って組み立てたら「ハイロウズカー」の出来上がりという優れもの。
レコードの話とかしていて楽しめます。
M2. デトロイト・モーター・ブギ
作詞・作曲/甲本ヒロト
5thシングル「相談天国」に収録
アメリカのハードロックバンド「KISS」の曲『Detroit Rock City』のオマージュですね。
歌詞は「カーカー」言ってるだけなので気を抜いて聴けます。演奏はハイロウズロックでバッチリです。
ギターはエレキだけでなくアコギの音も聞こえているから心地よい感触になっています。
気持ちいいロックです。
M3. 夏の朝にキャッチボールを
作詞・作曲/真島昌利
6thシングル「ロッキンチェアー」に収録
川村かおりに提供した楽曲のセルフカバーで、名曲です。
当時このCDを買ってすげーいい曲じゃんなんて気に入っていたのでハイロウズが演ってくれたのには大感激しました。
シングル版の方には曲が終わってしばらくすると聞こえてくるオルガンとベースの音が入っています。マスターテープの消し忘れがそのまま入ってしまった音を、マーシーのアイデアで意図的につけられたものです。本作のリマスタリングではその音は削除されました。
ポジティブな歌詞に聴きやすいポップなメロディとアレンジでかなりのエネルギーをもらえます。
“できることならば 何だってできる なれるものならば 何にでもなれる 説明ならできないけど ある日急にわかることがある”
1番の歌詞からすでに釘付けになります。「ある日急にわかること」って本当にあるし、考えに考えて悩みに悩んだことよりも重要で確実です。努力せずにひらめけ未来。
“幸せになるのには別に誰の許可もいらない”
何度となく救われる歌詞です。思ったようにやりたいように勝手にやればいいんだな。筆者も親ですが親の人たち、あなたの許可なんか本当はいりません。勘違いはそろそろやめよう。
“なんだかんだ 気分次第 自由になら一秒でなれる”
これを噛み締めて生きます。自由になら一秒でなれる!それを忘れてしまっていたり気付いてもいなかったりすると不幸の始まりです。
M4. 俺のじゃまはするな
作詞・作曲/真島昌利
7thシングル「Happy Go Lucky」に収録
カバー曲「情熱の嵐」同様にミニアルバム【4×5】のレコーディングセッション時の録音です。
アレンジ的に始めは好きになれませんでしたが、歌詞の内容が理解できてからは大好きな曲になりました。
マーシーがよく歌詞にも使う超重要な主張です。完全に同感です。
感情爆発しちゃってるマーシーのコーラスが激しいです。間奏では右側でマーシーがずっと「じゃまするな」とうったえています。
“泣いてもいいし 笑ってもいい 怒ってもいい 何でもいいが 俺のじゃまはするな”
これに尽きます。とにかく邪魔するなってことです。ハッキリとした主張がある曲でいつ聴いてもスッキリします。一般論信者のドリームキラーなんかがよく邪魔をします。
“間違いもある 過ちもある 失敗もある それがどうした 俺のじゃまはするな”
「それがどうした」に完全にやられました。他人の人生ではなく自分の人生を生きているのがしっかり伝わります。こういう生き方を自分にも取り入れようとポジティブになれる音楽がハイロウズには多いです。
オレの邪魔はするな。
M5. 開かないドア
作詞・作曲/甲本ヒロト
8thシングル「月光陽光」に収録
なんとこの曲はコルネットをヒロトが吹き、サックスをマーシーが吹いている胸熱ソングです。軽快なアレンジで聴きやすさも抜群な、個人的にはバリバリの名曲です。
“等間隔に並べられた 線路の枕木のように 今日の続きなら 明日はつまらねえ 開かないドアをたたき続けるのか”
今を生きる、今日を生きるという感動的な歌詞です。今日の続きが明日ではなく毎日が今日ですね。1回寝れば新しい日になってます。同じ日の繰り返しだと嘆いてる時は寝れば治ります。
“踏切の見える丘で やりかけの仕事 ほうり投げて 読みかけの本を途中やめにして 開かないドアにはさよならを言おう”
開かないドアをたたき続けるより他のドアを開けて新しい人生に突き進もうと思えました。
天国のドアをノックしても開かないですよね。
M6. ジョーカーマン
作詞・作曲/甲本ヒロト
9thシングル「千年メダル」に収録
3rdアルバム『ロブスター』のレコーディングがすべて終了したあと、先行シングル及びリカットシングルのカップリング曲のための録音が行われたということです。
楽しげなアレンジが一発目から受け入れやすい雰囲気です。
“ジョーカーマン ジョーカーマン どこかで聞いたような名前 ジョーカーマン ジョーカーマン ハズレじゃなければ大当たり”
カードゲームなんかはジョーカーにしか変えられない流れがあります。大当たりの方を引いたらこっちのものです。
“ある時は 無敵のカード 奇跡的な逆転勝利”
世の中もジョーカーが出てきた時にしか流れは変わりません。次のジョーカーは誰だろう。
M7. アウトドア派
作詞・作曲/真島昌利
10thシングル「真夜中レーザーガン/アウトドア派」
このシングルは実は両A面なんですね。「ジョーカーマン」と同じセッションで録音されました。
ハイロウズでは初のヒロト、マーシーかけ合いの歌です。筆者にとっての超名曲です。それはなぜか?サビのボーカルがマーシーだからです。初めて聴いた時はサビに来て急にボーカルが変わったからびっくりしたのと同時に感激しました。
少し寂しげなアコースティック調のアレンジが胸にジーンと来て心に残る印象派。
天気の悪い日に出掛けてしまった後悔と、それをいいことだと思える楽しい感情ですかね。家でゲームしたりレコード聴いたりしたかったのに出掛けたことをアウトドア派と言っている感じです。
“雨が降りそうな日に 僕らはクツを脱ぎ捨てた 雨が降りそうな日に 僕らは手をつないだまま まったくのアホウみたいに まったくのアホウみたいに”
こういうことありますね。今の気分を優先するとか今しかできないからやるという気持ちはわかります。
“どうして部屋にいなかったんだ やりかけのままのTVゲーム どうして部屋にいなかったんだ 聴きたいレコードがたくさんあるんだ”
これぞマーシーが歌うサビ。この気持ちもよくわかります。聴きたいレコードと言っているのが共感できます。CDじゃなくてレコード。パチパチいう味のある音を部屋で聴きたかったのかもしれません。
M8. 風の王[Citron Soda Mix]
作詞・作曲/真島昌利
オリジナルバージョンは3rdアルバム【ロブスター】に収録
こちらはシングルのカップリングとかではないです。1998年夏にラジオ局のオンエアー用に業界内に配布されたプロモーションCDに収録された音源ということです。
3rdアルバム「ロブスター」はキンキンなマスタリングでしたが、こちらは全然そんなことないです。耳に優しいバージョンで筆者はこっちのが好きです。
M9. 即死
作詞・作曲/真島昌利
12thシングル「罪と罰」に収録
録音も自前なDIYの4thアルバム『バームクーヘン』のレコーディングの際に録音されました。ハイロウズの自前のスタジオ“アトミック・ブギー・スタジオ”での録音です。このスタジオの旧称は“チンチンランド”です。
マーシー作によるギンギンバリバリの名曲です。歌詞の一言一句すべてが刺さります。これを聴かずに苦しんで死ぬのはゴメンです。
気持ちいいテンポで展開も早いのでパンク好きも納得の1曲です。
生きて死んでいく人間の本音のみを歌ってる神曲。興奮必至のフィクション即死。
くだらない宗教とは対極の誠実さがここにあります。宗教はフィクションだけど「即死」はノンフィクションです。宗教なんかに救えない心を救う。
“ああしなさいとか こうしなさいとか もううんざりだよ ああしなきゃとか こあしなきゃとか 何がもううんざりだよ 何が正しいか知らない 何が楽しいか知ってる”
これは完全に日頃の心情だし、正しさとか求めたところで幸せにはなれません。楽しさを満喫したい。フィクションはうんざりだ。
“ありもしないフツーだとか ありないマトモだとか まぼろしのイメージのなか まったくダセーよ”
胸に突き刺さります。この曲で生き方を変えられます。フツーとかないし当たり前なんて一つもないです。そんなもの「まったくダセーよ」と気付いた方がHAPPYです。老害化した脳みその人たちから喝を入れられそうだが、喝を入れたいのはこっちだ。
“入院したくない 病気で死にたくない ベッドで死にたくない 即死でたのむぜ 痛いのはゴメンだ 苦しむのはヤダ 一瞬でいくぜ 即死でたのむぜ”
人間の本音はこれだし、死んだらそれで終わりです。その後なんてない。ありもしないもの高値で売り付けないでくれ。宗教の人とかに喝を入れられそうだが、喝を入れたいのはこっちだ。
世の中のフィクションを信じ込んで生きるなんて、まったくダセーよ
M10. 愛はいらない
作詞・作曲/甲本ヒロト
13thシングル「ハスキー(欲望という名の戦車)」に収録
こちらも【バームクーヘン】のレコーディングセッション時の録音です。
恋と愛を混同していないラブソングで興味深いバラードです。
1人で気楽でよかったのに恋しちゃったなというめちゃくちゃ共感できる曲です。でも恋しちゃったらやっぱりその力はすごいんだよねっていう印象を受けます。
愛っていうとよくわからないし、胡散臭いから恋のままいたいよってことなんじゃないかな。
この曲を作ったヒロト本人に聞いても「意味なんてない」って言いそうだけど、すごい深いなあと筆者は勝手に大感激しました。本人が意味なんてないって言ってるものに都合のいい意味を付けとくのが音楽の楽しいところでもあります。
本当はずっと恋がいいのに、よくわからない愛とか求めるから上手くいかなくなっちゃうんじゃないのかな。恋愛の達人に聞いてもそんなものわからないよ。だから真面目にやれ。
“抱きしめてくれ 抱きしめてくれ もっとやさしくしたい ただ君を守りたい”
こういう気持ちですよね。これ以上のわけのわからないものを望んではいけない。
“恋の伝説に愛はいらない”
これは名言です。
M11. ザ・ハイロウズのテーマ
作詞・作曲/ザ・ハイロウズ
1stシングル「ミサイルマン」のシークレットトラック
メンバーそれぞれの自己紹介から始まって「We Are HIGH-LOWS」と歌う楽しいテーマ曲です。
ライブ会場でも流れていた記憶があります。
定番のライブでの掛け声であった【Go! ハイロウズ Go!】とはこの曲から来てるんですね。
【ブルーハーツ】にもテーマソングはありましたが「ブルーハーツのテーマ」とはまるで違う雰囲気です。
“We are THE HIGH-LOWS 火に弱い”
という最後の歌詞には親心まで出ちゃってます。最後にだけ弱さを出しとくのがほっこりしました。
M12. アジア(愛のテーマ)
作詞・作曲/ザ・ハイロウズ
12thシングル「罪と罰」のシークレットトラック
歌詞はありません。
「はっ!ちっちっ!」という声がこの曲のリズムです。
おふざけソングで、伝言ゲームみたいなことです。歌ではないですね。
始まった途端にこれはふざけてるなというのが分かります(笑)この曲が目当てで「flip flop」を買う人は多分いません。
M13. ブラックハワイ(愛のテーマ)
作詞・作曲/ザ・ハイロウズ
13thシングル「ハスキー(欲望という名の戦車)」のシークレットトラック
歌詞はありません。
わけのわからないハワイアンソングです。
「アロハアロハアロハ」と歌うハワイアンミュージックが始まったなと思ったら、やっぱりわけのわからない歌ではない何かが入ってます。
シークレットトラックはすべておふざけソングです。そしてよくわかりませんが、ハイロウズの楽しさはバッチリ伝わります。
どうしてもこの曲が聴きたいという人はあんまりいません。
ちなみにアナログ盤の10インチの方にはトリビュート2曲とシークレットトラック3曲が収録されています。
「flip flop」のアナログ盤が再発売されました
2020年に「flip flop」「flip flop 2」も含めたハイロウズのオリジナルアルバムのアナログ盤が限定で再発売されました。
まだ買えます。
Amazonなら18%OFFです!
※記事中の画像は2001年発売のオリジナル盤です。
前作は5thアルバム「Relaxin’ WITH THE HIGH-LOWS」です。
ハイロウズの一ファンとして。
ありがとうございました。
それではまた。