こんにちは。
『GO! ハイロウズ GO!』は1999年リリースのザ・ハイロウズのミニアルバムです。
実況録音、ライブ盤です。
名作『バームクーヘン』のライブ盤とも言える興奮度MAX!最高潮なミニアルバム。
しかも『バームクーヘン』のおいしいとこ取りです。
ハイロウズはライブバンド。
本作は彼らの真骨頂が聴けるという訳です。間違いなく本人たちが一番楽しんでいます。
パンクモード全開の絶頂期を実況録音したパワフルなライブ盤。
ライブならではの歌い回しや、ちょっとしたギターのアレンジなんかも聴きどころです。
極めて高いオーディエンスのテンションもバッチリ録音されていて、ハイロウズのライブの凄まじさを部屋で追体験できます。
つまり熱狂のライブ盤です。
THE HIGH-LOWS/GO! ハイロウズ GO!(1999)
『GO! ハイロウズ GO!』は1999年12月1日にリリースされた全6曲入りのミニライブアルバムです。
4作目『バームクーヘン』発表から半年後のリリースで、名作『バームクーヘン』のライブ盤と言えます。
ハイロウズの「ライブアルバム」としては唯一の作品。
タイトルの「GO! ハイロウズ GO!」とはライブでハイロウズを呼ぶ時の定番の掛け声です。アンコールの時もこれでした。
アルバムのボリュームが足りないと感じるところはありますが、全6曲19分で聴ける手軽さは割と重宝します。
一つハッキリと言えるのは、熱狂的です。
このライブアルバムの最大の特徴はとにかくハイテンションです。
ハイロウズもオーディエンスもライブ会場のすべてが高いテンションであったその瞬間の空気感が録音されています。
もう一つの胸熱ポイントは1曲だけ当時の新曲(パンダのこころ)が収録されていたこと。
『GO! ハイロウズ GO!』収録曲
1. 罪と罰
2. モンシロチョウ
3. ハスキー(欲望という名の戦車)
4. ガタガタゴー
5. パンダのこころ
6. バームクーヘン
全6曲、19分。
ライブ盤にありがちな音が悪いということはありません。名作『バームクーヘン』が一発録りのほとんどライブ録音なアルバムだったので大して変わりません。
スタジオ録音との大きな違いは、圧倒的な熱狂の音が新しく入ってます。
オーディエンスの歓声という意味ではなく、その瞬間のライブ会場の音です。
そのまんまが聴こえる、音のいいライブ盤。
アルバムとしてのセットリストは最高です。
狂ったテンションの19分間、自分の平常心を突破し続ける覚悟で聴くべき。
パンクモードのハイロウズがブチかまして、遂に一線を超える。
嬉しい新曲の「パンダのこころ」もポップで覚えやすいメロディに、つまらない世の中に一石を投じる歌詞がギンギンな魅力を放ちます。
これはライブの追体験です。
部屋で少し冷静な自分がアルバムを聴いていると、ハイロウズもオーディエンスも「こいつらすげえな!」と興奮の中で憧れます。
聴き始めたらもう拒否できません。
いつの間にか同じテンションになってる。
要するに本物のライブ盤です。
“ザ・ハイロウズ”の本当の姿が聴こえる。
1999年の『GO! ハイロウズ GO!』発売当時、CDとアナログ盤(限定生産)が同時リリースされました。
アナログ盤はハイロウズ初の10インチレコードです。
購入当時は10インチのレコードという存在を私は知らなかったため、若干戸惑ったのと今まで扱ったことのないサイズのレコード盤にワクワクしました。
スタートボタンを押した瞬間にどうかしてる熱気が支配するライブ会場へ到着。
ハイロウズが演奏を始める前から凄まじいロックンロールの狂熱が聴こえてます。
褒め言葉として、アホがたくさん来てるな!
熱狂的なロックンロールのライブが始まる。
実況録音盤!!
怒涛のツアー「バームクーヘン’99」の記録。
M1「罪と罰」
作詞・作曲/甲本ヒロト
「GO! ハイロウズ GO!(掛け声)」
チャッチャッチャッ(手拍子)!
異常なテンションでの、定番の出ばやしスタイルから本作は始まります。
ハイロウズのライブに行くといつもこれをやってました。この部分をしっかり収録してくれたのが、ライブ感が溢れていて早速惹き込まれるポイントになっています。
登場したマーシーが“ジャーーーン‼︎”とギターを一発鳴らした後、ヒロトがハーモニカを軽く吹きます。
それだけでロックの熱さを感じるのがハイロウズのすごいところです。
ヒロト「こんばんは、ザ・ハイロウズでーーす!」
テンション高めのヒロトのMCで堂々とロックのライブスタート。
マーシーの絶妙に歪んだギターが耳にも胸にもガツンと来るリフを弾く。
ロック以外の何者でもない。派手なバンダナを巻いて、高すぎず低すぎない位置にギターを下げてるその姿はいつも憧れの対象でした。
あの音だ!! 4thアルバム『バームクーヘン』で鳴っていた異常な音が今ここで本物になった。
演奏の音にテンションの高さが表れてる。
何だこれは⁈
凄まじいロックのライブが開催されてる。
カチッとしたアレンジをビシッとした演奏でブッ放すハイロウズ。
曖昧さが存在しない。
特にアレンジは変えていないけど、ライブの狂熱が入ったことで、新しい曲になったようなトキメキが存在してます。
「罪と罰」と“ザ・ハイロウズ”の本当の姿。
全員の出す音がくっきりハッキリ録音されてる高音質盤。何よりハイロウズの迫力までが確実に録音されてるのはすごいです。
歌のエネルギーに背中を押される感覚。
もうやらない大人でいてもしょうがない。
サビでは白井さんのコーラスがバッチリ聴こえてきます。白井さんテンションMAXです。
名曲「罪と罰」の勢い《特盛り》です!
“罰を受けてるヒマはないぜ”と宣言した今この瞬間を自分らしく生きるための歌詞が爆発的に光ります。
聴くと行動しようと決意できる歌のライブバージョンは、何か決断する時の起爆剤にもなります。
ラストに“I am guilty!!”と叫んでいるのがスタジオ録音版の10倍は印象的です。
M2「モンシロチョウ」
作詞・作曲/真島昌利
間髪入れずに2曲目スタート。
ヒロト「モンシロチョウ‼︎」
完全に興奮したヒロトのMCで演奏が始まります。
すかさずイントロのリフをマーシーがパンクの衝撃が走る音で豪快に弾き始める。
なんてカッコいいギターリフなんだと、新しく好きになる瞬間です。
めちゃくちゃ気持ちいい曲順だなと感激するし、ライブ会場と同じ興奮MAXになれます。
ヒロトが歌い出したらもう揉みくちゃな感じ。
この場で平常心を保ててた人なんかいない。
会場の全員が第三次世界大戦に突撃してる。その雰囲気がアルバムの音から出てます。
私はこのライブを観た訳ではないけど、カオスな状況なのは余裕で分かります。
ロックンロールの熱狂の中で、これまで超えられなかった自分の限界を何度も突破した人がたくさんいたに違いない。
ハイロウズ・パンクモードの音は激しい。
とんでもなく熱いライブの真っ最中とはいえ、この美しいメロディはみんなの心にぐっさり刺さっています。
メロディの滑らかさとアレンジの勢いが、ライブで更に際立ってる。
カッコいい歌だ。
邪魔なモラリズムとかブッ飛ばしてしまいたくなった。
こんなに強烈なレコードやCDあったんだ!
その瞬間のテンションの高さとか、人の感情が録れてるライブ盤なんて、反則級だ。
“詮索好きのババア 男のババアが増えた〜”の一節がライブバージョンではめちゃくちゃ刺激的です。スタジオ録音版とは違うヒロトの歌い回しとかライブならではで最高です。
その瞬間の空気が誰にでも伝わってきます。
ライブバージョンはスタジオ録音の音よりも、もっと直接的な生音で聴こえるのが特徴。
マイナー調の名曲のライブバージョン!なんかスゲー!と心の中の爆発は衝撃を伴います。
M3「ハスキー(欲望という名の戦車)」
作詞・作曲/甲本ヒロト
そのまま3曲目に突撃。
ヤバい感じなんかはとっくに通り越してる。
ヒロト「ハスキー!欲望という名の戦車ー!」
4thアルバム『バームクーヘン』から名曲のオンパレードです。
アルバム3曲目にしてやっとサビのコーラスでマーシーの歌声が聞こえてきます。
マーシーのコードストロークがとにかく上手い。キレイに流れるような、それでいてパンクロックなこの音は唯一無二の存在です。
ヒロトの声は力強いな。それでいて楽しい感じもあって、きっとこの人が一番楽しんでる。
ハイテンションのハイロウズ、爆音の演奏。
この場の勢いで会場が吹っ飛んでしまいそう。
みんなで歌うシンガロングスタイルのパンクアレンジ。
熱狂的なこの場にも置いてかれる人はいないロックの親しみやすさがちゃんとあります。
歌ってるね、飛び跳ねてるね、拳振り上げてるね。瞬間って最高だね!
後ろの方でサボってるとかも不可能な、ハイロウズの煽り運転。
ロック以外の事が気になってしまう人はいない絶頂の真っ最中。
突き抜ける豪快な音だな。
これはレコードかCDだけど、そのまんまの状態で勝手に音がデカいと感じる。
ロックの音圧が部屋を支配してきます。
オリジナルアルバム『バームクーヘン』の時はまだ知っていないメロディーの気持ちよさに気付いてしまうライブバージョン。
全部が「フル」です。フルパワー、フルスピード、フルテンション。
そこにいた全員の熱狂入りだから当然かもしれない。
“うたおうハスキーボイス”と、全員の興奮を更に煽るサビ。
こんなにテンション爆上がりなサビはなかなかありません。ハイロウズとオーディエンスのテンションの高さが余裕で実感できます。
ライブって圧倒的だ。
M4「ガタガタゴー」
作詞・作曲/真島昌利
前の曲で一度フェイドアウトして一瞬の間の後にこの曲が始まった途端に…
マーシー「アーーーーー‼︎アーーーーー‼︎」
マーシーがめちゃくちゃ叫んでる。連発してる。これが聴きたかった。
ロックの魅力全開。
テンションが大爆発したマーシーが歌う普通じゃない名曲です。
トリップ気味の白井さんのキーボードで演奏開始。絶対、飛んでる。
直後に弾き始めたマーシーのギターの音はテンション最高潮の時の弾き方です。
ヤバすぎる。ドーピングしてるかもしれない。
ギターを弾きながら、たくましく太々しい声でマーシーが歌います。
普通とかない謎のテンション。ハイテンションさえも超越してる。どうかしてる。
更なる煽り運転。
ヒロトが狂ったように吹くハーモニカがロックの煽り運転を助長してる。
この歌の演奏は奇跡を聴いている感じがする。
早い話がキチ◯イじみてる。素敵だ。
誰も止める必要がない。制限さえしなければヤツらはどこまでもブッ飛ばんでく。
ライブ盤の醍醐味というのか、スタジオ録音の『バームクーヘン』ではピー音で隠されていた例の歌詞(薬物の名称)もハッキリと聴き取れます。わずかにボカしが入ってますが、ちゃんと聴こえます。
どうかしてるロックイズムにゾクゾクします。
途中でマーシーの声がひっくり返ってしまっているのもライブ録音ならではで最高です。演奏すべてがそうですが、こういうノンフィクションな瞬間が聴けるのが重要です。
ともかく、こんなのアリか!ってことです。
これって本当に地球での出来事なのか⁉︎
異常なこのテンション、、、合法なのか⁈
薬物の名称の部分は歌詞カードにはやっぱり掲載はされていません。当たり前か(笑)
その部分の直後に“マッキー”と言ってしまってます。当時のリアルタイムネタです。
ラストにもマーシーの魂のシャウトがたっぷりで入っていて、ヤバいテンションのまま次は新曲に突入します。
M5「パンダのこころ」
作詞・作曲/真島昌利
新曲です。
アレンジはハイロウズに最も似合うパンクスタイル。
かなりキャッチーなメロディーで、一度聴いたら確実に記憶に残ります。
イントロなし。疾走感あり。
いきなり“パン パン パンダパンダ”とインパクトの強いフレーズが飛び出してノリノリな歌です。
そんなサビのパンチ力は、知らなくても一緒に歌えてしまう分かりやすさ。
こういうのをハイロウズに求めてる。
でもこの歌はノリだけじゃなくて歌詞の内容は意外と鋭いです。
ライブの生命力溢れる音が押し寄せます。
強力なエネルギーが塊になって飛んでくる。
今は危険な行為は禁止されたけど、当時は人間が飛んできた可能性もあります。
初めて聴く人も沢山いたはずの新曲とは言えすっかりカオス状態なのが見えてしまう。
思わず今より一歩前に出て熱狂したくなる。
ここでもマーシーの流れるコードストロークが心地よく響きます。この気持ちよさを他のギタリストに感じたことはないんです。
ピックスクラッチの炸裂音も尋常じゃない。
間奏のギターもインパクトありすぎ。
高音質で迫力の音!アンプそのまんまの音!
タイトルからは想像もつかないほどに生き方について重要なことを歌います。
またロックンロールが誰かの生き方を変えてしまうかも。
それを凄まじき熱量でヒロトが歌うと、説得力が100倍になる。ぶっちぎりの疾走感は200倍にもなる。
パンダのこころを誰もが納得するほどの激情スタイルで歌うとか、すげえパンクだ。
ヒロトが、いやパンダがいいこと言ってる。
パンクにはいつもバシッとした主張がある。それが際立つこの歌にはガツンとした魅力がある。特に前半の歌詞はマーシーの日記風なのも興味深い感じ。
この瞬間は、本人たちにも止められないロックのエネルギーがあります。
ハイロウズの5人が誰よりも熱狂的だ。
ロックの神様が嫉妬してる。
歌詞 : マーシーのプライベートを覗いたような感覚がありつつ、本当のバカなものを鮮やかに斬ります。
動物園でいろんな人間を見てきたパンダがいい事を教えてくれる衝撃。
テレビや雑誌なんかのバカげたものを見本にするよりも、自分の頭で考えた生き方が何より幸せだということです。
マーシーらしいシャレも挟みつつ、心に響く内容にはグッと来ます。
M6「バームクーヘン」
作詞・作曲/甲本ヒロト
アルバムの締めはやっぱりこの曲です。
人間に生まれた自分のことを好きになるきっかけの歌。これを聴いて自分の可能性とかを見出せない人はいません。
生まれ持った自分の形のまんま幸せを目指したくなる。
ライブバージョンだとマーシーのギターがビシッと冴えててよく聴こえます。一段と生々しい音になってる。
マーシーが弾くとロックの光になる。
全体的にスタジオ録音よりもハッキリとした鋭い音になってます。こっちのが好きだ。
曲の演奏自体は2分を切る潔さ。
ライブだからなのか、展開が早いように感じます。それだけこの空間が熱狂的だったという事なのかもしれません。
ライブならではの、いい感じの音の歪み具合が魅力的です。
スタジオ録音版と聴き心地が一番違うのはこの「バームクーヘン」だと感じました。
なぜなら、攻めた音になっているからです。
ロックの衝撃が真っ直ぐこっちに飛んできます。分かりやすく言うと“力強さ”です。
翼はなくても、それぞれに素晴らしいものを持った人間の形を肯定しているこの歌詞には勇気付けられます。
他人と比べてなんとなく自分を嫌いになりそうな時には必ず聴いてください。
自分がいいと思えます。
現実に変えていく力を持ってます。
ヒロト「どうもありがとう!また来るぞ、ザ・ハイロウズ!」
フェイドアウトしつつドラムの演奏が聴こえてきます。残念ながら収録はされていませんが、これは!「ミサイルマン」です。
ラストに「GO! ハイロウズ GO!」」とオーディエンスの掛け声が入っているのが嬉しい演出です。
これ、興奮冷めやらねえよ。
“普通”とか“平凡”とか“月並み”とか一瞬もなかった。
太々しいほどの熱狂にまみれたハイロウズのライブアルバムでした。
平常心など保っていられない熱狂を求める人にオススメです。
絶頂期のハイロウズを体験できる全6曲の実況録音で『バームクーヘン』のコンパクト盤とも言えそうなミニアルバム。
これを聴くといつも、大興奮した自分の感情に“命の再起動”を実感します。
是非、最大限の爆音で聴いてみてください。
飛ぶぞ!!!!!
ありがとうございました。
また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。