こんにちは。
『HIGH KICKS』は1991年リリースのブルーハーツの5thアルバムです。
あんまり人気がないような気がしますが、実は気張らずに聴けて飽きないアルバムです。
1stアルバム『THE BLUE HEARTS』でやったような絶対的な主義主張のあるシンプルで速いパンクロックとは結構違います。
初期のブルーハーツを否定する気はまったくなく大好きです。
シンプルでストレートなパンクロックにありがちな、アルバム1枚全曲が同じ曲に聴こえるという、ある種の退屈さがこのアルバムにはないです。
強引な勢いでブッ飛ばす訳ではなく、ブルーハーツがいい具合に力が抜けているのを心が聴き取り、感じます。
『HIGH KICKS』はロックを聴かない人にも届くポップなロックンロールが炸裂します。
力は抜いて、手は抜かない。
そこが『HIGH KICKS』の魅力です。
THE BLUE HEARTS/HIGH KICKS(1991)
HIGH KICKS(ハイ・キックス)は前作『BUST WASTE HIP』(1990.9.10)リリースから1年3ヶ月後(1991.12.21)に発表された5枚目のアルバムです。
ジャケットデザインがなんか強烈です。何で出来てるのかわからないオブジェらしきものが“意味深”すぎます。ジャケット見ればわかるけど、それデカすぎるでしょ(笑)
ジャケットからロックンロールの素敵で清々しいバカバカしさを感じます。
・ブルーハーツ自身の力の抜け具合が絶妙
・過度に偏らない独特のバランス
・遅れてきた心の名盤
・根っからのパンク好きには多分合わない
そこら辺でよく言われているようにこのアルバムではブルーハーツが迷っているという印象は確かに受けました。だからこそ好ましいバラエティの豊かさが際立っています。
初期ブルーハーツのパンクスタイルというより前作『BUST WEST HIP』のアルバム色の延長にあるとも感じました。
勢いやノリだけで生きるとか、内容のないものに「いいね」するとか苦手な私にはすごく好ましい聴き心地です。
『HIGH KICKS』について、当時の本人たちのコメントがあります。
ヒロト「今までと違う方に、すごく力の抜けたリラックスした自分を置いてみようとした。」
ヒロトのこの言葉には納得です。まさにこの発言通りのリラックス感が特徴的なアルバムです。
マーシー「反逆的なメッセージをモロに出すより、ポップ形式にして今までロックを聴いたことのない人に届く方が、有効なんじゃないか。」
マーシーの言葉もこのアルバムがどんなものかがすごく明確に表現されていて、腑に落ちました。
私はこれらの発言を後から知りましたが、彼らの言葉からこのアルバムの一番楽しい聴き方が伝わってきます。
自分の聴き方は正解でした。
『HIGH KICKS』でブルーハーツが目指したポップのカラフルさが、彼らにしかない個性的なロックのスタイルで楽しめます。
疾走感が欠けているという表現は適切ではなく、いい具合に力が抜けているという方が合っています。
つまりリラックスして聴けるアルバムです。
『HIGH KICKS』収録曲
1.皆殺しのメロディ
2. M・O・N・K・E・Y
3.心の救急車
4.あの娘にタッチ
5.ホームラン
6.泣かないで恋人よ
7. THE ROLLING MAN
8.東京ゾンビ(ロシアンルーレット)
9. HAPPY BIRTHDAY
10.闘う男
11.ネオンサイン
12. TOO MUCH PAIN
13.さすらいのニコチン野郎
全13曲、52分。
キーボードに後のハイロウズメンバーの白井幹夫さんが参加している5人での演奏です。
歌詞カードにはブルーハーツと一緒に白井さんの顔写真もバッチリ載っています。ほとんどブルーハーツのメンバーです。
他のゲストミュージシャンによる楽器はアコーディオン、トランペット、トロンボーン、サックスが入っています。
多彩な音楽性を引き立てています。
ブルーハーツの全アルバムを聴いてから改めて『HIGH KICKS』を聴いてみても割とポップに寄っている異色作な感じはあります。
個々が自由奔放なラストアルバム『PAN』ほどあっちこっちに偏ってはいません。
それほど人気はないのかもしれないけど、ブルーハーツに求めているものはアルバムの至る所に存在してるし、私には決して迷盤なんかじゃなく名盤です。
リリースから30年以上経った今もやっぱり聴きたくなります。あの曲だけ聴きたいとかじゃなくて、アルバムとして1曲目から全曲を聴きたくなります。
とは言え、私はブルーハーツを集めていた時にこの名盤を結構時間が経ってから買いました。それほど評価されてなかったのをなんとなく感じていたから後回しにしてました。
しかし世間の評価は自分にとっての大不正解でした。
最初はやっぱりそんなに好きにはなれなくて、勢いの足りなさに「ん???」と感じたところはありましたが、最初から心に引っ掛かる魅力的な何かがあって、心の奥ではすごく気になって、、、
なんか毎日聴きたくなって、だんだん好きになってきて、気付いたらよく聴くアルバムになってたという流れです。
こういう後から気付いた魅力、遅れてやって来た名盤とか好きです。あんまりないから。
この場合は、パンクが一瞬で心を奪っていく逆立つテンションではなく、ポップやロックの親しみやすさが後からドッシリ心の中に鎮座してるという感じです。
ノリノリな勢いで聴くというより、自分の人生の経験を重ね合わせ、噛み締めて聴くという方が合っています。
5thアルバム『HIGH KICKS』にはいつも通り印象深くいい曲が多いです。
じっくり聴いてみるとポップなメロディも、心に届く歌詞も、力みすぎない演奏もロックとして最高です。
『HIGH KICKS』は誰かの心を動かします。
誰にでも手に入れられる物、誰にでも出来る事なんかは欲しくないです。
目に見えただけのもの、耳に聞こえただけのものではありません。
目や耳で感じただけのものは心には聴こえません。
そうじゃなくて、少しでも心が動くもの、心が感じるものが『HIGH KICKS』の中にたくさんあります。
あまりにも“若すぎない”新しい良さがあることにも気付きました。
個人的な感想として、もし何か足りないものがあるとしたら『HIGH KICKS』にはマーシーボーカル曲が入ってないのがちょっとだけ残念です。
本人たちが出演した当時のCMもあります。
シングル曲は8thシングル「あの娘にタッチ」と9thシングル「TOO MUCH PAIN」が収録されています。
8枚目のシングル「あの娘にタッチ」はアルバムに先行して1991年11月28日にリリースされました。カップリングはマーシー作のパンクアレンジが光る「わーわー(ライブ・ヴァージョン)」が収録されました。存在しているのはこのライブ・ヴァージョンのみでスタジオレコーディングの音源はありません。本作『HIGH KICKS』には未収録。
私は持っていないし知りませんでしたが、ポスターの告知によると当時「あの娘にタッチ」はカセットテープもリリースされたようです。見たことはありません。相当レアです。
9枚目のシングル「TOO MUCH PAIN」はアルバムからのリカットシングルで、アルバム発表後の1992年3月10日にリリースされました。カップリングは本作にも収録済みの「泣かないで恋人よ」が収録されました。
92年当時8cmシングルCDがリリースされました。カセットテープが発売されたのかは分かりませんし、見たこともありません。
私はカセットテープが好きです。
両方ともカセットテープが欲しいけど、多分すげえ高くて買えないし悔しいので、丁寧に真心を込めて自作しました。
ボロくても手作りには光があります。
1991年、アルバム『HIGH KICKS』発売当時はCDとカセットテープで販売されました。
オリジナル(CD、カセット)発売から26年後の2017年に限定生産ですが、とうとう念願のアナログ盤がリリースされました。リマスターも施されています。
音質重視のレコード2枚組。
レコードは大きくてズッシリしていて物体としてもロックのカッコ良さがあります。
定価(¥5093+税)が高いのがちょっと気になったけど、買ってよかったです。
関係ないけど、クロマニヨンズのレコードはカッコいいのにいつも定価が安いです。
むろん、ブルーハーツはカッコいいです。
最後まで楽しんでってくれよーーー!
M1「皆殺しのメロディ」
作詞・作曲/甲本ヒロト
悪いけど、これはすごいよ!
暴走する狂気。
「ジャーーーン‼︎」とブルーハーツの轟音が鳴り響いた直後にヒロトの「バカーーー‼︎」と叫ぶ声で痛快にアルバム突撃開始です。
これ以上ない豪快なアルバムの幕開け。
強烈な1曲目。
ブルーハーツに求める勢いがある。インパクト絶大なギターリフがある。ロックの太々しさと激しさもある。揺るがない態度がある。
そこにオレの心の熱狂がある。
普段は隠してる心の奥の狂気に触ってくる。
当然ですが、こういう曲も入っています。ブルーハーツらしいノリノリでぶっちぎりに盛り上がる曲です。心の中のなんかヤバいやつを呼んできてしまいそうな過激さがひたすら撃ちまくられます。
アップテンポは心を前に大きく動かす。
イントロから圧倒的。ベースとギターの猛烈なリフで畳み掛ける。逃げ出す隙なんてどこにも用意されていない。
早速オレたちをKOしようとしてる。
たった2分ちょっとのギター、ベース、ドラム、ボーカルの猛攻撃。
この歌には、リラックスしているという言葉は合わないかもしれない。
それよりも、猛々しい。
そう感じつつも、1stアルバムの傍若無人なエネルギーというより、絶妙に力の抜けた余裕が存在するという感触です。
とてもシンプルに聴こえるけど、前作である4th『BUST WASTE HIP』で私の心を撃ち抜いていった演奏の華麗さを感じます。
無駄なエネルギーがかかっていないのに絶大な存在感を示すド派手なスタイル。
どこか嘲笑っているような、ロックでピストルなヒロトの態度が「皆殺しのメロディ」を支配している雰囲気そのものです。
“バカ”を連発するこの歌はなんだかスカッとする。
迷いも、曖昧さも、やらない心も、この歌の前では許されない。
サビで入るマーシーのコーラスは歌の狂気を最大限に引き出してしまった。
そのサビで歌と同じメロディを弾くマーシーのギターの華麗さに心がガッツリ動きます。
それ以上に衝撃的に胸を撃ち抜かれる瞬間があります。
マーシーの美しいピックスクラッチのジェット音がやってほしい所に完璧なタイミングで、すごくいい音で入ってるから普段のシャコタンよりも低いオレのテンションが爆上がりせずにはいられない。
間奏は河ちゃんのベースのメロディ。重く太くビシッとした音に呼応して、遂に切り裂きジャックがここに到着してしまった。
曲のリズムを司る梶くんのドラムの存在感は大柄な本人の体よりも、果てしなく大きい。マシンガンのような連射ドラムが胸を蜂の巣にしていく攻撃力を誇ってる。
危険なくらいに、ロックンロールの過激な音が鳴りまくってる。
この歌、、、
平常心のメーターを振り切ってしまう瞬間がある。
「皆殺しのメロディ」を聴いて狼になった昔の少年が一体何人いるんだろう⁈
個人的には映画『ジョーカー』の世界がこの曲の内容に近いと感じました。
歌詞 : 「バカ」の連発は清々しい気分です。嫌いな人の前で大声で歌いたくなります。それが出来ない私の代わりにヒロトが大声でくり返し歌ってくれました。
私は自分に言われてるとは思っていません。だからバカなのかもしれません。
人類すべてをバカだというロックイズムにシビレます。不親切な神様よりも爆発的な説得力があります。
歌詞はかなり過激な内容で「ジョーカー」的な雰囲気が出ています。
人類の悪しき習慣を一度リセットしようという解釈で聴いてます。
すごく共感してしまう。胸の奥の方が熱くなってしまう。そんな気持ち、、、ある。
「ジョーカー」が出てきた時にしか、何かが変わらない気がします。
狂気を感じるこの歌は、映画『ジョーカー』でジョーカーが誕生したあの瞬間のテーマソングとしてかかってもいいです。
本作の次にリリースされたシングル「夢」のカップリングに“皆殺しのメロディ”と“東京ゾンビ”のライブバージョンが収録されていて、2曲ともにはっきりしたロックの音で録音されているのが好印象です。
ライブの勢いもあり、これらの曲の本当の姿が見れるという感じなので聴き逃す訳にはいきません。
M2「M・O・N・K・E・Y」
作詞・作曲/甲本ヒロト
一言で言えば、ロックンロール。
もしも万が一、つまらない評論家が説明するとしても、やっぱりロックンロール。
何が言いたいのかというと、要するにこれはロックンロール。
バイクがエンジンを噴かし希望に向かって走り去った音を聴いてから演奏スタートです。
いかす演出。
タイトルの「MONKEY」はホンダのバイクのことです。原付です。バイク好きのヒロトらしいテーマの歌。
ポップの軽やかさがあるから「いい力の抜け方だな」とリラックスして聴けるタイプの曲だと勘違いしていたら、すげえテンション上がるトラップが仕掛けられた超重要な1曲。
難しいことなんか考えずに、どこでも行けそうな軽快なアレンジに、心ごと自分のテンションを預けるのが良さげです。
ジェリー・リー・ルイスのようなロックンロールのピアノが曲に煌びやかさを爆誕させています。こんなにキラキラした生命力溢れるピアノを聴いた事がない。白井さんてロックンロールだ。
マーシーの超絶なギターカッティング!この個性炸裂な神技にはテンションが頭のはるか上まで突き抜ける。今そこで鳴ってる生のロックンロールのギターの音。
この人こそ一番似合うチョーキングもしまくりだ。チキショー!平常心なんか保っていられるか。これ聴いて、心も動かずに体も踊らない人にはなれそうもない。
ブンブン飛ばす冴えたベース。このリズムに乗れば行けないところなんてない。少し迷った心に河ちゃんからも「乗れよ」とちょっとだけ強引な感じで誘われてる。よし、乗ろう。
加速度を急上昇させるドラム。梶くんの的確かつパワフルなリズムに、引き返すバイクなんか1台もいない。楽しそうだ。
力みすぎていないヒロトの歌は、マーシーの言った「ポップ形式にしてロックを聴いた事のないに届ける」という発言を実現した瞬間です。決して大きくはないバイクが、胸を張って100%の自信だけを持って走っていくための歌いっぷり。
我らがヒロトからのお誘いソングにも聴こえる。
片道切符なバイクは止まらない。
“M・O・N・K・E・Y”と歌う歌詞はマーシーのコーラス入りで強靭さを誇っていて、瞬間的に熱狂します。
河ちゃんの“Uh〜Uh〜”とファルセットのコーラスもいつも通り華やかで、忙しない心に癒しを与えてくれます。
間奏ではギターソロの隣に元気な手拍子入り。それがすごく上手くて嫌な事が一つずつパンパン弾けてく。
ギターソロはロックンロールそのものです。マーシーの感性で弾くロックのギター。この音はここにしかない。すげえ。ギンギンだ。
ただの歌なのに、ブルーハーツはいろいろとオレの心を動かす。
この曲からはすべてが上手く行ったという印象を受けます。
イントロで走り出したバイクは、今も行きたいところに向かって走ってる。
ロックンロールはやわじゃない。
興奮しっぱなしだったけど、この歌に気軽さは確かにある。不思議な感じです。絶妙。
歌詞 : ブルーハーツを聴いていると大人になっても大事なものは思い出せます。
ブルーハーツの激励の言葉と激情のメロディの数々を忘れたことはありません。
M3「心の救急車」
作詞・作曲/河口純之助
河ちゃん作の誰かを救うミディアムテンポ。
壊れたものを直してくれるプロフェッショナル。
勢いで攻める曲ではないですが、アルバムから外せない名曲の雰囲気です。
この曲も力んでいないので、いつもリラックス状態で聴けます。リラックス状態というのは、歌の重要なところが心の中の柔らかい部分に入ってきやすいです。
ふんわりした心で歌詞を聴くと、優しい気持ちになれて安心まで出来ます。
やっぱり、力みすぎていないしナヨナヨしすぎていない絶妙なアレンジ。
イントロで鳴るビシッとしたギターの音は、誰かの心の救助を優先するために、サイレンを鳴りしながら走って駆けつける救急車のようです。イントロの演奏には、心が救われる予感しかありません。
私の心の救助も願います。
ブルーハーツの「心の救急車」はどこにいようと必ず来てくれます。社会では透明人間の私のことも絶対に見つけ出してくれます。
そんな愛情100%の救急車。
作者の河ちゃんが歌うのかと思いきや、歌い出したのはヒロト。リードボーカルはヒロトです。
でも明らかに独創的な河ちゃんのメロディ。
ポップなアレンジで明るく軽やかです。雲の上まで見に行けそうなふわっとした聴き心地でもあります。
効果的なファルセットの柔らかいコーラスが冴えてます。
ベースの音が聴きやすく前に出ていて、河ちゃんの存在感が抜群です。ベースのリズムだけではなく、弾きまくってる印象です。
イヤホンの場合はしっかり耳の奥まで突っ込んで聴いてください。
曲自体をポップの親しみやすさで包み込む白井さんのキーボードは曲の要です。
叩きまくる場面も見せるドラムの音に元気な気持ちが戻って来ます。打撃の連発をしながら梶くんのモヒカンが揺れてる。
どちらかと言うと控えめなギターは、間奏とアウトロでは、キンキンな音で心に伝わりやすいメロディのソロを長めに聴かせてくれます。
マーシーの存在感も抜群です。いえ、全員の存在感が地球を代表しています。
心優しき救世主のようなヒロトの歌声。
救急車はもうこっちに向かっていると実感します。
救世主のような、ヒーローのような、多分オレにはない“人としての思いやり”を感じます。そんな風に自己肯定感を下げてしまったオレの心も、この歌が救ってくれるのかもしれません。
ポップのしなやかさと、ロックンロールの強靭さが、擦り剥いたオレの心に絆創膏を貼っていってくれました。そのうち治ります。
すべての音がとてもキラキラしてる。救われた心は生きるのやめようとかもう思わない。音楽を聴く「治療」ってあると思う。自分の生命力が光り出す。
オレを見捨てることもない。
世界を救おうとしてる。
絶対に裏切らない心の救急ソング。
ヒロトともマーシーとも違う、河ちゃんならではの言葉の選び方とニュアンス、そして心が感じる美しいメロディが光っています。
この歌を聴いてすっかり心に元気を取り戻すことこそが、心の救急車を呼ぶということ。
歌詞 : 「かならずくる」と言い切る、この裏切らない強さに惹かれます。
私が感じたのは、歌詞中の“ボク”とはきっとこの曲自体のことで、“ボク”は歌という形のきみの心の救急車だよって言ってるんだということ。誰かにとっての「心の救急車」になれるのは名誉なことです。
予約もカードもいらないという無条件の心の繋がりこそが信頼だなぁと感じて、胸の奥に響くものがあります。
もしも辛い時には「心の救急車」を呼べばいい。いつでもかならず走って来てくれます。
この歌こそがブルーハーツが現地に向かわせた心の救急車。
魂を蘇生させる救急車です。
M4「あの娘にタッチ」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ブルーハーツの8枚目のシングル。
ウキウキするポップソングの決定版。
ヒロト「え〜、次の歌は、去年シングルで出たやつで、、、“アソコが”、、違う違う」
ヒロト「どうか皆さん、振り付けはご一緒に!あの娘にタッチ!」
歴代のブルーハーツのシングルの中でも群を抜いて異色な1枚という印象です。『HIGH KICKS』』の魅力が一番顕著に出たシングル曲だと感じました。
あまりにもポップ寄りなアレンジに最初は戸惑いがありました。
ガツガツしてない、フリフリしてる。
え⁈これがブルーハーツなの?と衝撃的な違和感がありました。
しかしライブ映像の「あの娘にタッチ」を観るとその違和感は払拭されます。ブルーハーツのロックンロール以外の何者でもありませんでした。
一つ確かなのは絶妙な脱力感があること。
恋の衝撃が時計の針を止めてしまうカラフルアレンジ。
イントロなしで、ヒロトが歌い出す「タンタカラッタッター」というメロディは相当に印象に残りますが、歌詞カードには書いてません。
心がきらめくカラフルなピアノと、心が踊り出す最強ポップなギターで気持ちはとっくにウキウキです。
急に盛り上がった私のウキウキな気持ちを引率するベースとドラムにも軽やかさがあり、弾み出す心を感じます。
発言通り、力の抜けたリラックスした自分を置いてるヒロト。恋をした時のような特別感がこの歌から溢れてる。
大きすぎる恋心のスケール感に心がいい感じのショックを受けます。
聴いていると自分にもある恋心がドキドキし始めてる。爆発する恋心とリンクしてすべての言葉が大袈裟だから、もうじっとしていられません。
何よりも謎めいてるのは恋だ。それ以外の謎は全部解けてる。恋はそのうち出来る訳ないことだって叶えてしまう。
恋のポップスと言われても嫌悪感は抱かない。リラックスしたブルーハーツがそれさえもぶっちぎりの音でやってみせたんだから。
それにしてもマーシーのギターは上手すぎます。こういうの弾いても圧倒的な個性が立つんだ!柔らかでありながら、ポップスの中に立つエッジ。
この歌はどこを取っても、誰かのことを好きな気持ちが騒がしいほどに、ちょっと照れるほどに素直に歌われています。
ただし、標準的なものなんてここには一つもないです。
恋心の威力に共感する魅力的な歌だ。
“タンタカラッタッター”と恋の呪文を使えって、恋人と“どこにでもあるもの”という境界線を越えたくなった。
「あの娘にタッチ」は恋の呪文だ。
そこら辺に落っこちてる愛しか信じない「恋拒否勢」にはきっと刺さらないし、呪文も効かない。オレはとってもウキウキしたし、お金を出しても買えない素敵な気分だ。
もしかしたら最初から恋の呪文がかけられていたのかもしれない。
歌詞 : ヒロトにとってのプロポーズは世界中の時計の針を止めてしまうほどの衝撃なんだなと驚きました。
でもそれ当然かもしれない。
これだけのスケール感をポップに軽やかな感じで歌うからヒロトの感性ってすごいです。
こんなにも標準的ではないものって世の中には全然ないです。ヒロトの独創的な感性も世界に一つしかないです。もちろん自分の感性だって一つ。恋人だってやっぱり一つ。
それはすでに一つしか存在しない特別なものを手に入れてしまってます。
動画は貼れませんが、この曲はなんといってもPVが面白いです。
メンバー全員が、多分必死で覚えたであろう振り付けを楽しそうに踊ってます。どこか照れくさそうな表情にも見えるけど、ちゃんと出来ちゃってるところがブルーハーツらしくて素敵です。
それをロックな革ジャン着てる人とか、派手なバンダナ巻いてる人とか、逆立つリーゼントな人とか、強そうなモヒカンの人とかがやってるからこそ度を超えて楽しいんです。
ブルーハーツはこういうことも出来るんだなとほっこりしました。絶対マーシーが一番楽しんでやってます。そんな笑顔でした。
M5「ホームラン」
作詞・作曲/真島昌利
なんと、5曲目にきて遂にマーシー作の登場です。なんかすごく待ってました。
大丈夫、ここから3曲はマーシー作が続きます。
マーシー「ノストラダムスや死後の世界を気にするより、今を生きる事の方が大切。」
この人の言葉はいつも説得力があります。
「今を生きる事の方が大切」というマーシーの考え方は、自分も年を重ねてからの方が共感しやすいと最近わかりました。
今この瞬間に幸せになれない人が、未来で急に幸せになれる訳がないです。
本作初登場のマーシー作は、アコースティックなアレンジが心地よい風を吹かせます。
野球好きのマーシーならではの歌で、これはマーシーのメロディだ!とすぐに分かる絶妙に脱力した雰囲気です。アレンジは複雑ではなく、美しいメロディが際立ちます。
ついに聴こえてきたマーシー作のイントロは、キンキンでバシッとしたエレキと、心が空中に浮くほど軽やかでポジティブな印象のアコギの音です。
アコースティックが映えるアレンジですが、ゆったりテンポではなく速すぎない流れるような気持ちいいテンポです。扇風機のリズム風以上の風は吹きます。
とても爽やかです。
白井さんのピアノなんか、今この瞬間を爽快な気温に変えてしまうほどの存在感。
どの楽器の音も粒立っています。
ブルーハーツの音楽への情熱ってとてつもなくすごい。どんな音楽をやってもセンスなんか唯一無二。その魂は一丸。
愚痴も悪口も皮肉も嫌らしさもどこにもなく、爽やかさだけがそこにあって、すごくいい音を聴いていると実感できます。
アコギとエレキの一番いい感じのハイブリッドを実現しています。やっぱりマーシーのギターは上手すぎる。アコギもエレキも他の人では出せないキラキラした人力の音です。
感情的な音。今の気持ちを弾いてる。
ヒロトの歌は、力まず手は抜かずポップソングの金字塔みたいないい雰囲気まで出ちゃってる。ヒロトの歌声だけど、歌う言葉がどう聴いても全部マーシーの感性です。そんなのいつもの事だけど、この歌で急にそれって面白いなと思いました。
歌を聴いただけで外に出て陽射しや風を感じたくなる気持ちが、この歌の影響力。
野球の歌ですが、野球のルールさえ知らない私でも理解できる専門的すぎない歌詞がやっぱりロックンロールの楽しさ。
野球の専門的ではなく、誰かの心に届ける比喩的です。
私にとっては野球の歌というより、今この瞬間に幸せになるための歌。自分の未来も愛すための大切なメロディ。
ポジティブな気持ちになる爽快ソング。
これ聴いたらもう素振りだけのバッターではいられない。オレもカッ飛ばすんだ!
爽やかさの後で、そんな熱い気持ちになるのが「ホームラン」の特徴です。
歌詞 : 中盤に1回しかやらないメロディに乗る歌詞は、心に訴える何かを感じる美しさです。
野球の試合に白熱しながらマーシーが感じている、まばゆい季節の心地よさが伝わってきました。毎回このメロディに乗って、いい具合の風量の風が吹いてきます。
マーシーはよく人とは違うものが見えていると、いろんな歌詞から感じます。
河川敷の野球少年たちに未来の名選手を見ている、こういう視点の歌詞は未来を愛せて希望が湧きます。ちなみにONとは野球好きのマーシーが憧れたのであろう王さんと長嶋さんのことです。
未来を愛し、健康的になった心が今日はきっとホームランを打つ。
マーシー「隣のグラウンドでガキが野球をしていて、この中に21世紀のONがいるんだなって考える方が健康的。楽しいことだ。」
M6「泣かないで恋人よ」
作詞・作曲/真島昌利
ヒロト「全国的にバイオレンスなブルーハーツがお送りする“泣かないで恋人よ”」
9枚目のシングル「TOO MUCH PAIN」のカップリング曲。
あきらめきれない事を叶えるスローテンポ。
“どうにかなるようになる”という最高の歌詞が心に残るマーシーが作った、希望だけを信じるためのラブソング。
歌っているのはすべて嘘のない誠実さです。
初めて聴いた時からの歌詞の一言一句が心に突き刺さっていて、いつでも心の不具合を良好にするバラード。
退屈で具合の悪いバラードではなく、しっとり感がいい具合の名バラード。
バラードですが演奏開始直後から聴こえる音は暗めではなく、希望の光をまとった一筋の音です。
そこにブルーハーツの優しさが滲み出ているのは明白。
そのため、バラードだから聞き流しとくかという選択肢は、感情から一切消去されます。
とは言え、自分の捉え方次第なのも明白。
必殺的な勢いではない落ち着いた雰囲気で、好意的にスタートします。
イントロの澄んだエレキのメロディは繊細な感性で弾く力強さ。
力強さとは大雑把さではないです。この曲に雑なものは存在していません。
一番最初にヒロトが歌い出すのは、この世でもっとも勇気の出る激励の言葉。この歌には励まされない瞬間がない。そういうのブルーハーツにしか出来ない。
疾走する勢いではありませんが、オレ大丈夫だ、やってもいいんだ、やろう!という気持ちにさせる強大なパワーがあります。
右側で鳴っているアコギはジメッとしていない海外のフォークっぽくて好きになります。
2番から入るアコーディオンの優雅な音は、恋人を励まそうとしてる素晴らしい気持ちを歌います。
どの瞬間も真実が心の中に入ってきます。
バラードにはやっぱりピアノが似合います。白井さんが奏でる柔らかで煌びやかな美音。白井さん大活躍で、ピアノのニュアンスとか出ている音が美しいって思う。
間奏ではマーシーの歪んでいなく透明度の高いギターソロが、恋人の涙に寄り添っているようでジーンと来ます。それは押し付けがましくなく、ただ隣にいてお互いを信頼しているような特別なものを感じます。
この歌には、破裂してしまいそうなほど強い大切なものへの想いがあります。
「泣かないで恋人よ」を聴いて分かったことは、何もあきらめる必要がないということ。
歌詞 : 歌い出だしの歌詞がすでに超名言でビビります。「泣かないで恋人よ」はラブソングとは言え、生きているすべてのことに当てはまります。
これを聴いて絶望する人はいません。何かをあきらめる必要もありません。
恋人は泣かせるものではありません。一緒に笑いながら、悩みながら、どうにかなるようになる方が楽しいです。それは最高です。
「どうにかなるようになる」と、ある意味、開き直って生きるというのは心を病んでしまわないためにも重要な考え方です。
それも恋人と一緒に見つけた生き方です。
この歌はきっと誰かの“あきらめきれぬ事”を叶えます。
どうでもいいけど、私はこの歌を聴いて、全然直らないテープレコーダーの修理を成功させました。それはとてもいい事でした。
後の1996年に発売された『LIVE ALL SOLD OUT』というライブ盤の中に「泣かないで恋人よ」の悩ましいライブバージョンが収録されています。
私はブルーハーツのライブを体験していません。
その演奏の中にハーモニカが入っています。ブルーハーツでハーモニカを吹くのはいつもヒロトです。ところが、このライブバージョンは誰か他の人がハーモニカを吹いてることに気付きました。
なぜなら、ヒロトが歌ってるのと同時にハーモニカの音が入っているからです。
これどういうこと?と当時はめちゃくちゃ疑問に思ってました。きっとゲストを呼んでその人が吹いたんだろうと、自分なりの浅はかな仮定をしてました。
それから随分と時間が経ったある日、衝撃の事実を知りました。YouTubeでブルーハーツの動画を色々と観てたらこの曲のシーンがバッチリと映った映像がありました。そして意表を突かれたその事実にめちゃくちゃ驚きです。
その謎の人物はマーシーでした。
アコギを弾きながら首から下げてハーモニカを固定するやつ(名前は知りません)を使ってマーシーがハーモニカ吹いていました。
フォークシンガー風の出で立ちです。
これは本当に感動でした。マーシーだったなんてすごく嬉しいです。まさかの事実は予想もしなかったです。
M7「THE ROLLING MAN」
作詞・作曲/真島昌利
ヒロト「みんなで転がってください!THE ROLLING MAN!」
さあ!転がれー!転がり続ければそのうちどっかが光るロックンロール。
マーシーらしく転がりながら誰かの心を動かす歌詞と、まばゆいロックンロールのフレーズたっぷりの転がりっぷり。
別のなにかではない完全な自分としての本当のローリング。
皮肉のような、世の中すべて誰かのでっち上げだと言い放つ痛快ソング。誰にも踊らされない強刺激なストロング。
もう決定版でいいと思う。
マーシーが歌ってもよかったんじゃないかなと感じる世界観。あのしゃがれた声に絶対似合います。
始まった瞬間からロックンロール。そいつがはじめっから転がってる。
渋滞が発生していない、自分だけが初めて行く道をどこまでも転がっていく様を見せつけられる衝撃。ロックのロール。
イントロから筋の通ったサックスが入っていたりして、既にただならぬ雰囲気です。古き良きロックンロールのエンターテイメント性を一瞬にして感じられます。
全員で転がるための軽快なテンポ。
ロックのギターがグイグイ前に出てくる猛烈アレンジ。
ロックンロールだけど、この人たちって根底がパンクだなと感じました。
左右で鳴りまくる2本のギターが一回たりとも止まらず、滞らず、転がり続けるド迫力。
トランペットにサックスにトロンボーンも入っていて楽しいので、部屋で一人でも盛り上がること必至です。
ヒロトがリラックスした雰囲気で歌います。世の中のどうでもいいことは信じない、あくまでも自分の意志で転がっていく男の生き様。
絶対に折れない。カッコいいぜ!誰もが憧れると思う。人並みなんか置き去りにしてこれを目指すべきだと思った。
無意味に他人と自分の距離を測る相対的じゃなく、自分とそれ以外という比べもしない絶対的。
間奏の前のヒロトのシャウトはすげえ熱い。
ロックにそそり立つ長めのギターソロが際立ちながら、オレが転がるために心のいらない角を取り去っていった。
後半に1回しかやらない胸熱なメロディに心をガッツリ掴まれる瞬間があります。急に転調するそのスリリングさはブルーハーツじゃなきゃ気持ち悪い感じになってしまう。
ラスト付近ではマーシーの強烈なロックのシャウトがキマッてます。
誰かのでっち上げで踊らされるのはごめんだけど、このロックで踊りたいと思ったその瞬間は、感情が理屈を超えます。
その日暮らしという意味ではなくて、今日には今日の風が吹くというのがこの歌の印象です。当然だけど明日のことはわからない。
今日は今日、明日は明日。
今を転がる、今日を生きる人。
今日も安定の不安定。それがいいと思った。
歌詞カードの「THE ROLLING MAN」のページには表紙で登場した“アレ”のオブジェがもっとリアルになっていて、しかも“転がっている”ので笑えます。
それこそはROLLING MANです。
歌詞 : 心を鷲掴みにされるメロディに乗る美しい歌詞。
起きてほしいという偶然と、確固たる欲望と決意。マーシーのこういうキレイな比喩表現には憧れと尊敬の気持ちがあって、心の奥の方まで聴こえてきます。
最後の歌詞は「月の時計」とか“詩人”マーシーにしかできない表現がしなやかです。
自分の意志でどこまでも転がっていくというスタンスがブルーハーツらしい。
M8「東京ゾンビ(ロシアンルート)」
作詞・作曲/甲本ヒロト
さあどうだ賭けないかと誘われる、違法ではないギャンブルソング。
そいつはこの世で一番大胆な賭け。
1曲目の「皆殺しのメロディ」と双璧を成す、ポップなアルバムの中のパンクな勢いと危ういロックンロール。
パンクでよく聴く感じのギターフレーズで攻めます。苛烈なパンクビート。
ブッ飛ぶ疾走感と極まる過激さ。
曲が始まったと意識したと同時にゾンビはそこにいる。
イントロなし。いきなりのゾンビ出現で逃げ出す隙もなく、ロシアンルーレットを回すしかない。
妙な重さがなく、割と軽めで70’sのパンクの音を彷彿とさせます。
マーシーがギターを弾く時にポジションを移動する「キュッキュッ!」という音がよく聴き取れるのが、装飾なしのロックンロールを感じる場面です。
心にハッキリとした衝撃を与えるアップテンポでシンプルでストレート。
ブルーハーツのロックンロールへの狂熱に、パンクの情熱を伴った忖度なしの勢い。
死にたいと言ってしまう人が多い世の中で、賭けをしてでもぶっちぎりの自分として生きてやろうという凄まじき生命のエネルギー。
全部が偶然の世界でどう生きるのか⁈
また試されているのか?と、この歌を作った時にヒロトはそんなことを思ったのかもしれないと私は感じました。
ロシアンルーレットというと神頼みな部分がほとんどだけど、ヒロトの歌はそんな確率を超越するほど自分の意思で、自分の選択で決められる強さがあります。
ハズレたらもちろんゾンビだ。
ブルーハーツは賭け事さえ運次第にしない。
有り得なかったことをやり始めて、やり切って、成し遂げる。そんなパワフルな音が「東京ゾンビ」から聴こえてきます。
マーシーが弾くパンクの反骨精神をまとった歪んだギターが、オレの高まったテンションを更に煽る。ついに平常心を逸脱する。
ギターソロはワウを使って“ウウィンウウィン”鳴っていて脳がトリップ状態になりそうな快楽さえ感じます。
ヒロトの「東京ゾンビ」という単語の語尾の歌い方がなんかすごい独特で、絶対「ゾンビ」とは歌ってない感じがしました。
それが強烈なインパクトでした。
サビでわずかに聴こえるアコギの音は、不幸に甘んじていたい汚れた世界を洗い流してく何本もの光です。
ゾンビとは、人並みの中で同じ顔をした人たちの事なのかもしれない。
賭けるのか賭けないのか、それは自分の頭で考えるべきです。
歌詞 : 「ロシアンルーレット= 偶然」です。
世の中すべてのことはその偶然だと言い切る明瞭さ。曖昧さがどこにもありません。
この歌には勢いがあります。しかし勢いだけではないところに魅力があります。
ハズレたら死ぬという凄まじい緊迫感があるから怖いけど、ゾンビにならずに人生賭けてみないかと歌っている実は深い歌詞でした。
M9「HAPPY BIRTHDAY」
作詞/河口純之助 甲本ヒロト・作曲/河口純之助
このアルバムの河ちゃん作曲の2曲目です。
河ちゃんとヒロトの2人で作詞しているのが興味深い1曲です。
私が生きることを完全に肯定してくれる唯一無二のバースデイソング。
自分のことをカッコイイと認めざるを得ない駆け抜けるロックンロール。
この曲の超重要な部分に金色の輝きを与える河ちゃんのコーラスは最大限です。
河ちゃんの曲はブルーハーツの中にそんなにたくさんないけど、どれも聴きやすいし分かりやすいし、誰もが好きになりそうな曲ばっかりなのでいつも注目しています。
ロックンロールの疾走感と、ポップソングの親しみやすいメロディを併せ持つ見事なハイブリッド。絶妙なセンス。
イントロなし。イントロより何よりも先に伝えたい事、世界で一番のお祝いの気持ちとその言葉。いかすアレンジ。
こんなにもオレの誕生日を祝ってくれたのに、言葉では伝え切れない事があるという謙虚さというのか、人としての向上心みたいなものを感じます。
歌詞を聴いていると、言葉より行動を信じてるということなのかもしれません。
この歌はガッツリと心を掴まれる。訴えかけるものがある。生きることへの誠実さにとことんシビれる。
小学校の国語の授業でやった「走れメロス」や「坂本龍馬」ってキーワードが出てきて、私でも知っていたので分かりやすくて嬉しくなりました。
ヒロトの歌声には儚さがまったくなくて、力強いです。去年から1年を生きたとてつもない努力への賞賛と、また新しく生きる1年を希望で満たすためのエネルギーが溢れてる。
この歌が言いたいことを誰にでも伝わりやすい“歌心”で表現し切ってる。
白井さんのキーボードも疾走感全開で気持ちいい演奏です。生きることを駆け抜けるために、なくてはならない音。
間奏が猛烈にロックンロールです。マーシーの最強のピックスクラッチが炸裂してからの胸熱なギターソロは音が左右に振れて、この曲に合った楽しげなメロディです。
それ以上に豪快な感じです。スカッとする。これで喜ばしく1つ歳を取れる。
この人がチョーキング多用しながら弾くと、いつもギンギンのロックンロールになるのがすごい。他の人には感じない美しさもある。
ヒロトもマーシーも河ちゃんも梶くんも白井さんも突っ走ってる。
きわめて速く走り、駆け抜けるこの歌に熱狂しながら、ブルーハーツもオレもさなぎから蝶になって飛んでいける。
カッコ良すぎて流れた涙に、自分の生きる勇気を見た。
生きること、駆け抜けること、勇気は出るってこと。ラインを越えた熱は、何歳の誕生日だろうと心の底から奮い立つ勇気が出ると確信しました。
生きることはカッコイイということ。
『HIGH KICKS』の全力疾走ポイント。
歌詞 : 知識ばかりが増えて経験が伴っていないと、薄っぺらい人間のただの言葉になってしまうということが分かっているからこそ完成した曲です。
経験からしか分からないことはたくさんあります。
すべての人を肯定してくれます。
その後で「誕生日おめでとう」と祝ってくれます。勇気をくれるバースデイソングはこれで決まりです。
この曲をレコーディングした日はドラムの梶くんの誕生日(9/26)だったということです。
“誕生日おめでとう”
M10「闘う男」
作詞・作曲/真島昌利
メラメラと闘志が湧いてくるファイティングソング。
闘うための胸熱メロディ。
出来ないんじゃない、やるんだ!
この曲から出ているすべての音が私にはドンピシャでした。
堅実なギターリフでファイト開始!!
まず耳に衝撃を与えます。そして記憶に残ります。挙げ句の果てには熱く心に届きます。
オレはこれで闘えます。
イントロでヒロトが「ダァーーー!!!!」と叫ぶその魂が燃えていて、一瞬で私のテンションも上がります。
聴いている時のこの気持ちの高揚感は誰でも感じると思います。
華やかな2本のエレキの間に力強いアコギ。こういうのシビれるエモーショナル。それからとても情熱的。
ハッキリと何なのか分からないけど、闘えそうな気持ちがみなぎってきます。今、オレ多分強い。少なくとも負けはしない。
闘志むき出しのままでヒロトが歌うのは、闘う私たちへの激励の応援歌。
サビではマーシーのコーラスも加わって勝率が倍増する。
日和った心が遂に奮い立つ。
やるのか⁈やるに決まってるだろ!
弱音は吐き捨てつつ、虚勢を張れ!
ロックンロールもそうやって闘っているのかもしれない。
「闘う男」の好影響で、最後まであきらめやしない心はたくさんあるけど、闘う気さえない不幸に甘んじる心はあんまりないです。
間奏のマーシーのソロはギターが歌を歌っているかのようで最高です。
何を弾いているのかわからないようなテクニック自慢の長ったるくて、やってる本人しか楽しくないギターソロは好きじゃない。
マーシーのように情熱的なメロディを弾いて心を熱くさせてくれるソロに憧れます。
ヒロトも言っていましたが、マーシーはいつもいいソロを弾いてくれます。
ギターソロもやっぱりエモーショナル。すごく感情的。感情がなければすべてはないのと同じです。
この曲でもまた、ソロを弾き終わった直後のピックスクラッチが絶妙すぎてキュン死寸前です。極みです。
マーシーが放つジェット音は、ヒロトの歌が入る直前に、早すぎず 遅すぎず 長すぎず 短すぎず、弦にピックを擦り付ける神技に鳥肌が立ちます。
しかも、しかも2発ブッ飛んできます。
後半の3番では音数が減り歌とアコギがフィーチャーされるアレンジです。ドラマチックな展開にオレの心は大きく動く。アコギが情熱の汗を輝かせてる。ヒロトの歌心が必殺技を繰り出した。
すごく好きな歌です。
日々、闘ってない人なんか1人もいなくて、そんな一人一人にエールを送る激励の音が「闘う男」から溢れ出しています。
最後の最後まで「ファイト!」といつまでも途切れる事なく、ブルーハーツから魂の激励が送られます。
だからつい小さな何かを成し遂げてしまう。
結局、なにが言いたいのかと言うと、なんかすげえ熱いです。熱い気持ちがあるだけ。
歌詞 : これはブルーハーツ自身の心意気だと感じます。歌詞は格闘技をイメージさせますが、別に格闘技に限ったことではないので自分に置き換えて聴いてみると闘う魂を震わせてくれます。
「男達よ」と、闘っているすべての人に向けているのが嬉しくなります。最後はマーシーが美しく韻を踏んでいるけどシャレなのか⁈
ブルーハーツは、あきらめる歌はやらない。
それは一番似合わないし、それとは真逆のカッコいいことだけやってる。
誰かの心を動かします。
M11「ネオンサイン」
作詞・作曲/甲本ヒロト
世界でヒロトにしか作れない、人の温かみを感じる名曲。柔らかくあたたかく優しい。
自信を無くした心が向かうべきところを示してくれる道しるべソング。
「闘う男」からの「ネオンサイン」の流れが最高です。キマリすぎてる『HIGH KICKS』の名場面です。
この2曲が私の『HIGH KICKS』のハイライトです。
「ネオンサイン」は、いきなり心を掴まれるというより、だんだんハマってくタイプの曲でした。
包むように柔らかいです。ブルーハーツの真心があたたかいです。何よりも優しいです。
この歌には特別な包容感があって、傷付いてる誠実で優しい心がゆっくりと癒されます。
イントロなし。いきなりネオンサインが目印になり、どこかで間違ってしまった道を行くべき方向に正してくれます。
その音は、疲れた心を柔らかい布団のような温もりで包みます。誰だって心の底では求めている他者からの癒しの要素が存分に感じられます。
ミドルテンポで心にスッと入ります。これを受け入れられない人は相当な機械的思考の持ち主だ。心で受け止めた方が今すぐ幸せになれます。
Aメロには軽やかさもあって、心のガードが少しずつ緩んでいきます。
ヒロトの歌が優しくて心に触ります。
アコギとエレキが華やかに、いい感じに3本立てしています。そこへ更なる花を添えるキーボードは、向かうべき道を照らす光。
すべての音が機械的でない人の温もりの音。人力のロックンロールのみが持ってるあたたかさ。
この歌には人間の感情が溢れてる。
こういう歌は本当に「歌」だと思った。
良いところにマーシーのコーラスが重なってグッと来る瞬間があります。
そうだ、この歌はグッと来るんだ。
ブルーハーツの真心にそう感じてるんだと思いました。
この人たちは何も押し付けず、真心だけで歌っています。ヒロトの言葉の端々にもそう感じます。一見それは弱さに見えるけど、根底からは“しなやかな強さ”が聴こえます。
だから業務用ではない本当の自分が励まされる。機嫌の悪かった心が素直になっていく。
間奏のギターソロは2本のエレキ別々のメロディを奏で、鮮やかに発光する何色ものネオン官のようです。
柔軟さが特徴的な曲ですが、その上で歯切れの良さまであります。これまた絶妙です。
リラックスしつつ「ネオンサイン」を聴いていると、絵本を読み聞かせてもらっているような理想的な甘えの気持ちになりました。
この歌詞の内容の絵本があるなら読みたいくらいに物語があってしみじみします。絵本に似合う曲だなって思いました。そんなブルーハーツは誰よりも優しいと確信します。
演奏にも内容にも自然と向いた意識が両立してしまうとても魅力的な1曲です。
歌詞 : とてもやさしい。こういうことは子供の時に教えてほしかったです。
この曲に救われるまで知らなかったです。親も教師も教えてくれなかったことをブルーハーツは教えてくれました。日本人はこんなにも大事なことをなぜ教えなかったんだ。
ブルーハーツを義務教育にした方が健全な世界になるんじゃないのか⁈ なるよ。
「ネオンサイン」はロックの哲学なのかもしれません。世の中の義務感の中で怖気付いた心が癒されるので是非とも聴いてみてください。
寄り道しながら心穏やかに生きたいです。
私は寄り道したまま、永遠に会社に着きたくないです。会社とか嫌いだ。会社はブルーハーツ聴かないからね。
M12「TOO MUCH PAIN」
作詞・作曲/真島昌利
ブルーハーツの9枚目のシングル。
非常に繊細で感傷的なバラード。
間違っても雑に扱うべきではない曲です。それではすぐに壊れます。
一切の大雑把さはなし。
例えるなら、SNSなんかで見る「カッコいいー」の未定義な一言にレコードの写真ドーン!だけのような、買ってくれば誰にでも出来て、騒がしいだけでつまんなくて、内容のない雑さがもてはやされる世界とは逆の、繊細な世界。
無意味な勢いが重宝されない美しい世界。
デビュー前から歌われていた楽曲で、自主制作シングルCD「ブルーハーツのテーマ」に収録される予定だったが、実現せず。
このタイミングでアルバムに収録したのは、
マーシー「深い意味はない。“忘れていた”、に近い感覚。」
しっとりしててとても繊細なイントロ。ヒロトのハーモニカが切なく細やかに響きます。
胸がキュッと締めつけられる。
静けさの中に美しい音があります。
灰色でそこに佇むピアノ、涙をこらえるか細いエレキ、本音を語り出すであろうアコギ。
1番終わりからそっと入るのは情緒あるベースと、根底に確実にある鼓動を刻むドラム。
感傷的な雰囲気に感情移入すればするほど、不快とはまったく違う痛みや息苦しさに心が支配されていきます。
何か痛い。そして苦しい。
でもそう感じるのは自分もブルーハーツも弱い訳じゃなくて、誠実だからです。
危険なほどのリアリティが魅力です。
この歌は繊細ですが、非常に感情的でもあります。
彼等は、曲に感情移入した心のままで涙を流しながら演奏しているのかもしれない。
とは言え、淡々と歌い演奏するブルーハーツ。その切実な態度にはいつもどこか痛みのようなものを感じます。
しかしブルーハーツはセンチメンタルだけでは終わりません。ラストに力強さも全力で奏で、希望をそっと差し出してくれます。
アウトロには、ブルーハーツが伝えたかったことが大胆に表現されているような気がしました。
要するに、まだ生きてるってこと。
歌が終わった後に長めのインスト部分が始まります。そこにはもう切なさや悲しみを乗り越えた生きる強さしか存在していません。
今この瞬間の希望だけが輝いています。
シビれるアレンジです。
感傷的で泣けるバラードの名曲ですが、実は私はしばらくどうにも好きにはなれなかった曲です。それは勢いがないからです。
私の人生そのものが浅はかでした。
昔はバラードが苦手でしたし、この曲が何を言いたいのかがよく分からなかったです。
随分と時間の経ったある時、マーシーの書いたこの歌詞を聴いて、その世界が自分の中に入ってきた瞬間に遂に涙が流れました。
きっと自分の人生の中でいろいろと経験して分かった気持ちとかがたくさんあって、歌に感情移入したのだと悟りました。
その時やっと自分の曲になったような気がしました。
切ないし、哀愁が漂っているし、感傷的で泣ける歌だったのです。
聴こえたのは非常に繊細な曲でした。
メンバー全員の演奏も繊細です。私のようにアルバムの中のただの1曲だと大雑把に聴き流してしまうと良さが伝わりにくいかもしれません。
「一番こわれやすい物は シャボン玉なんかじゃありません」とひとつ前の曲でヒロトが歌っていました。
その通りです。
歌詞 : 悲しみを乗り越えた勇気が胸に響く瞬間です。繊細な心で前に出ようとしてる姿が美しく、たくましいと感じます。
「何かがはじけ飛び散った」というひと言に大きな希望を見つけました。人生で何かが起きた時にはいつも、心のレコードプレーヤーがこの言葉を再生します。
はじけた瞬間の音と、同時に飛び散った眩しい光が私の心の中で勇気に変わります。
目の前の問題なんか、はじけて飛び散れ!
M13「さすらいのニコチン野郎」
作詞・作曲/真島昌利
ラストはなかなかヘヴィーなアレンジ。
ゴリゴリです。
特徴的な重苦しさが存在しています。
人によってはそれが聴きにくさになる場合もあるかもしれません。
アルバムの中で一番の難解だと感じました。
同じリフを繰り返すタイプのヘヴィーな曲です。軽やかなキャッチーさというよりも、それしかやらない単調でヘヴィーなグルーブが圧倒的に激突してくる感じ。
オレの平常心が圧倒されながら聴いているとそのうちに「オラオラ‼︎」という威勢まで感じる底なしのパワー。みなぎるパワー。
迫り来るブルーハーツの絶大な存在感。
いかすハウリングのフェイドインから頑固なギターリフでスタート。
すぐに全員の演奏が入って、これまでのどの曲とも違うただならぬ雰囲気を感じ取った心が騒ぎ始めます。
歌っているのは直接的な言葉ではなく、詩的でこれはちょっと難解だぞと感じました。
でもロックの意味なんていりません。
言葉の意味は掴みにくいかもしれないけど、この曲の唯一無二の特徴は、私を陶酔させるグルーブがハッキリとあること。
カラフルな作風の『HIGH KICKS』にしか合わなかったかもしれない独特で毒々しいアレンジ。
強烈よりも猛烈な感じ。気分の異変。
何度か聴いて、一度効いてしまうと抜け出せない危険性を含みます。
独特なアレンジとは言え、余計な装飾をしている訳ではなくブルーハーツらしい一筋です。人力だけでこの危険な中毒性のあるグルーブを出すのは神業だと思いました。
徐々に制御可能な自分が薄れていく。
長めのギターソロもロックの激薬を打ってキマッたマーシーがとことん魅了する異質な音世界。ギターソロの終わり頃に一度だけあるギターとベースの掛け合いが猛毒です。
ハッキリ言って、この歌はあっち側に行く。
隠さず言うと、キマる。
歌詞が終わったあとに楽器が弾きまくり状態になります。テンポも上がって魂の密度も高い。極めて高まった感情。ブルーハーツの激情。そんなテンションが平常心を奪っていきます。
この演奏とブルーハーツへ愛情と尊敬を込めていう言葉として「キチ◯イ」が合います。
精神の激薬注意。トランス。一種の快楽。
その後にイントロのリフがまた戻ってきてゆっくりとフェイドアウトしていきます。
一瞬だったけど凄まじい異世界を見た。
「ニコチン」には強い依存性があります。
「ブルーハーツ」には極めて高い中毒性があります。
歌詞 : 今日も他人のルールや常識の中で生きているうちに一日が終わってしまっても、それは誰のせいにも出来ません。
それでも希望はいつもあるから自分の人生を生きようってことだと解釈したら、前向きな気持ちになれました。
それと同時に思ったのは、
誰かが作ったルールの中で勝ち抜く力にこそ本当は意味があるのかもしれません。
私には分かりません。
マーシーの歌詞は“希望”とか“チャンス”とかポジティブな言葉がよく出てくるので勝手に勇気が出ます。
世の中にはこんなことはあります。どうでもいい他人の言葉をすべてを真に受けることはいいことではないと痛感しました。
自分の頭で考えることが重要でした。
あれは本物なのか、それはニセモノなのか、いい具合に力の抜けた思考での、直感的な自分の答えが出たところでアルバムはおしまいです。
今回はイントロなしで、いきなり直撃してくる曲が多かったです。ビートルズの偉大さに近い、ブルーハーツの凄みを感じました。
勢いに心が熱くなったり、よそ風に心地よくなったり、センチメンタルに浸ってみたり、ブルーハーツと自分のいろんな感情が楽しめました。
アルバムを聴きながら過度に緊張したりすることはなく、やはり全編通してリラックスして聴けたという実感と、爽やかな後味を残すブルーハーツの5枚目のアルバムでした。
実は『HIGH KICKS』には飽きない要素が存分に入っていました。いわゆる捨て曲なんかはありません。今でもたまに取り出して聴いてます。そして1人で熱唱してます。
残念ながらマーシーボーカルの曲は入っていませんが、私はコーラスを歌っているその声にも意識を向けています。確実に聴こえる。あの感情的なしゃがれ声が聴こえてくる。
このアルバムでブルーハーツがやったように変化しようという気持ちは大事だと思いました。人生は変化の連続です。
この先どれだけ自分が変化しても成長しても『HIGH KICKS』を聴かなくなることはないです。
ずっと大事に持ってます。
どのアルバムでもブルーハーツがやらない訳がありません。
何年経っても、聴けば初期衝動が蘇ります。
ブルーハーツはこの後6thアルバム『STICK OUT』で原点回帰したかのような揺るぎない存在感と猛烈な勢いをブッ込んできます。
『HIGH KICKS』が気に入った場合は、前作4thアルバム『BUST WASTE HIP』も近いアルバム作りになっているのでオススメです。
1991年『HIGH KICKS』リリース時のツアーのセットリストはこんな感じだったようです。
「HIGH KICK TOUR」
1991/12/25(水)浦和市文化センター
1.イメージ
2.人にやさしく
3.NO NO NO
4.英雄にあこがれて
5.青空
6.ダンス・ナンバー
7.ラインを越えて
8.終わらない歌
9.レストラン
10. M・O・N・K・E・Y
11.首つり台から
12.キスしてほしい(トゥー・トゥー・トゥー)
13.闘う男
14.情熱の薔薇
15.さすらいのニコチン野郎
16.リンダリンダ
17. HAPPY BIRTHDAY
18.あの娘にタッチ
19.泣かないで恋人よ
20.皆殺しのメロディ
21.東京ゾンビ(ロシアンルーレット)
アンコール:
22. TOO MUCH PAIN
23.TRAIN-TRAIN
24. THE ROLLING MAN
全24曲中『HIGH KICKS』収録曲は10曲やってます。どちらかと言うとライブ後半にそれらの曲が演奏されているのが興味深いです。
私はブルーハーツを自分の目で見る事が出来ませんでしたが、これは盛り上がり必至の楽しそうなセットリストです。
ありがとうございました。
また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。