こんにちはUMEです。
「Tigermobile」は1996年リリースのハイロウズの2ndアルバムです。

「トラジャケ」とはCDの初回生産分のみのトラ皮仕様ジャケットのことです。(当たり前だけど本物のトラではありません)
THE HIGH-LOWS/Tigermobile(1996)
Amazonは15%OFFです。
1stアルバム「THE HIGH-LOWS」から1年後のリリースです。
2ndアルバム「Tigermobile」はシングル「ロッキンチェアー」と同時発売されました。1stアルバムに引き続き、もちろん96年当時アナログ盤も発売されています。シングルの方も今作収録の「ロッキンチェアー」からアナログ盤同時発売もされました。
“暴走‼︎誰かヤツらをとめてくれ‼︎”
キャッチコピーがイカしてます。レコードの帯のキャッチコピーって目につきやすいし惹かれます。
帯裏にはストーンズやフーの名盤が紹介されています。
CDの方のトラジャケの質感はこんな具合ですね。大事に扱ってきましたが、製造からすでに26年が経過しているので劣化はしているのかもしれません。買う時にワクワクさせてくれるこういう遊び心とサービス精神て嬉しいです。所有欲を満たしてくれます。CDの帯はステッカーになっています。
2ndアルバム「Tigermobile」の前に4thシングル『胸がドキドキ』(オリジナルアルバム未収録)、5thシングル『相談天国』(シングルバージョン)がリリースされました。この2枚のシングルはアナログ盤の発売はなく8cmのシングルCDのみでした。
一聴してまず誰が聴いてもロックの魅力全開なアレンジのアルバム作りにヤラレます。
聴きやすい曲順なんかすごく考え尽くされてるなと感じます。どれか1曲でも入れ替わってしまったら気持ち悪いんですよ。
1stアルバム同様に歌詞に意味がないとか意味不明とか言われてしまいがちですが、すごく深いです。歌詞に出てくる言葉たちは自分と関係のない遠い世界の話じゃなくて、自分と何も変わらない生活者です。ちゃんと生活をしてる人間なんだとハイロウズは教えてくれます。それが共感ポイントですね。筆者の歌詞に対する態度はそれです。
2ndアルバムも至るところに是非取り入れたい哲学が詰め込まれています。ヒロトやマーシーの繊細な感性と哲学を持っていなければ作れません。
このアルバムの特徴として、古い考え方ではなく数少ない古き良きものへのオマージュも感じるのが魅力的です。
ひとつだけ残念なのは「Tigermobile」にはマーシーボーカル曲は入っていません。
M1「俺軍、暁の出撃」
作詞・作曲/真島昌利
1stアルバムの「グッドバイ」同様マーシー作の曲からのスタートです。一発目の音は攻めてくる感じのビシッとした音で早速の期待感にメロメロです。
印象的なリフでゴリゴリのロックです。メリハリのある演奏がこちらの気分を高揚させてくれます。アルバムの1曲目ってすごく大事なんですよ。そのアルバムへの期待感とか全体的な印象が決まってしまう。この1曲目は大成功だと認めざるを得ません。
“おーい おっさんおっさん そんなに目クジラ立てて おーい おっさんおっさん 血走った目で”
アルバム一発目の歌詞でおっさんを呼ぶとはびっくりでした。なんかイライラしててダメそうなおっさんですね。
“一服しようよ 短気は損気 カッコイイ音で 高速充電”
そんなおっさんに休暇しようと声をかける思いやりと高速で充電する時の「カッコイイ音」って歌詞が一発で頭に叩き込まれました。このおっさんみたいにイライラせず心にゆとりを持ちたいものです。それにはしっかり休むことが重要です。
マーシーのツンツンしたギターソロ直後の盛り上がりポイントが熱いです。
“NA NA NA NA・・・NA NA NA NA・・・”
ここでバッチリとヒロトの後に続いたマーシーの歌声が聴こえてくるところにマーシーファンは歓喜してしまいます。
“俺は俺軍の大将 俺は俺軍の兵隊 俺は一人でも軍隊 最強無敵だ 家来も子分も ボスも上官も 俺は俺軍だ 笑いが出ちゃうよ”
これって完全に一番楽に生きるための哲学ですね。自分の中に司令官も兵隊もいて、他人の意見や価値観に振り回されることなく自分らしさで生きていると、それだけで笑いが出ます。幸せはそこにあります。だって自分は自分でいいんだから。実際に聴くと“最強無敵だ”の歌詞が胸に焼き付きます。
“未だ誰一人 見たこともない 景色を見に行く まったく愉快だ”
ラストの歌詞です。こういう事ですね。みんなと同じじゃなくていいんです。みんなと同じでなければ不安になってしまうのなら考え方を変えると最後の「まったく愉快だ」の意味がわかります。
そんな強い意味を感じたアルバム1曲目の歌詞です。
M2「相談天国」
作詞・作曲/真島昌利
ハイロウズの5thシングル。
マーシー曰くこの曲は発表する気はなかったということです。それがシングルにまでなったということがロックを楽しんでいるなと感じます。歌詞では昭和生まれには懐かしいフレーズが飛び出してきたり遊び心と楽しさのある曲です。
こちらに収録の「相談天国」はアルバムバージョンになっています。シングルバージョンよりもギターを重ねているのでゴージャスになりました。
この曲のリフと構成が昔のイギリスのハードロックバンド『Deep Purple』の楽曲「Burn」と「ハイウェイ・スター」のオマージュだと言われています。
そんなことはどうでもいいです。ハイロウズとして聴きましょう。
しかしまぁ、オマージュの件もあるように1曲目の「俺軍」同様ハードロックな感触です。ハードロックといってもハイロウズがやると彼等独自の音になってます。ハードロックバンドがやったところで、この雰囲気は出ません。
やっぱり決してハードロックではないです。ハイロウズです。それが聴きどころです。
軽くはない勢いがあります。息つくヒマがありません。
“手当たり次第 GO GO GO 反省しない GO GO GO まるで大笑い”
マーシーの歌詞のこういう自分を自分が認めてる感じがすごく好きです。生きにくい人はよくいるけど、マーシーはその真逆なんですね。どうでもいいと聞き流してしまいそうなことが、楽に生きるためには実は重要だったりします。
“相談しよう そうしよう 相談しよう そうしよう 相談しよう そうしよう 相談しよう そうしよう”
サビのこの歌詞を歌ってカッコいいのはハイロウズだけです。子供の頃に遊んだ「はないちもんめ」ですね。若い世代の人は知ってるんだろうか?
昔なにかの音楽雑誌(ギターの雑誌だっかな?)で読みました。マーシーはピックを親指と中指で持っています。人差し指は添えるだけ。それで早速マネしてみたら全然弾けませんでした。
このハイロウズカーを本当に作った人はいるんだろうか。ジャケットにまで懐かしさのある遊び心が溢れてます。
「Tigermobile」リリースから4年後の演奏ですが初めて聴いた時と同じ興奮が出来ます。マーシーがギターを弾きながら足を蹴り上げるアクションなんかロックのカッコよさがビンビンです。カメラは遠いですが、彼等の熱さは間近に感じられます。
M3「オレメカ」
作詞・作曲/甲本ヒロト
キャノンのデジカメ「EOS KISS」のCMで使われてました。
2曲ゴリゴリのロックが続いた後に、いい具合に力の抜けた感のある曲がここで来ます。2曲目まではマーシー作なので、ここでヒロトの世界が「Tigermobile」で初登場します。しかもあからさまにヒロトだと分かります。
映画『男はつらいよ』の寅さんぽい雰囲気がこの曲からダダ漏れしてます。江戸っ子とか、そんなキーワードが似合います。「タイガーモービル」ってタイトルは寅さんのフルネームである「車寅次郎」と掛けてんのかな。
そうだとしたらアルバム名の「タイガーモービル」ってタイトルの曲はないけど、この曲がその位置的なものかもしれないですね。
“オレ メカに弱えーから オレ メカに弱えーから オレ メカに弱えーから なあ メカに弱えーから”
出だしから寅さん感じてしまう。“なあ”の歌い方とかめちゃくちゃほっこりします。メカって日常ではあんまりというかほぼ使わない言葉なのでインパクトが強かったです。
“キス キス キス キス キス キス キス 頭の先からキスの雨 キス キス キス キス キス キス キス 足の裏まで”
強烈です。“頭の先からキスの雨”ってヒロトよくこの表現できましたね。感動します。
“キス キス キス キス キス キス キス 不完全な人間だけど キス キス キス キス キス キス キス 完全なオレだ”
とても人間らしいですね。ヒロトのこういう歌詞が大好きです。自分軸を持って生きてるこの姿勢にリスペクトです。完全な人間なんて1人もいません。不完全な自分を認められる強さはブルーハーツの「リンダ リンダ」の
“決して負けない強い力を僕は一つだけ持つ”
と同じパワーをくれました。
“本当の恋は 本当の恋は いつでもどこでも燃え上がり 本当の恋は 本当の恋は すべての歯車を狂わせる”
すごく共感します。その恋心が本当であればあるほどに自分の気力体力に思考までも全振りしてしまうものですね。自分でなくなってしまいそうな感じ。それが人間らしさなんだし。
間奏の後の歌い方がなんかしみじみしてる。演奏もしみじみしてる。昭和の価値観はオワコンだけど、いい意味での昭和の和みっぽい感じが出てます。
“キス キス キス キス キス キス キス 抱きしめてくれ 一晩中 キス キス キス キス キス キス キス 君が好きなんだ”
恋心が溢れてる。直撃ストレートなのがヒロトっぽいです。それと同時に年中恋をしている寅さんぽくもあります。
M4「アレアレ」
作詞・作曲/甲本ヒロト
タイトル見ただけではどんな内容の曲なんだろうと気になります。購入直後は、ヒロトだしなぁアレってやっぱりアレかなぁなんて思いました。
下ネタソングなのかと思いきや直接的な表現はされていません。それどころかタイトルからは想像もつかない重要なことが歌われています。歌詞の“アレ”とは下ネタのアレなのかもしれないけど…
ブルーハーツ時代からマーシーボーカル曲でよくありそうなギターフレーズ満載です。それをヒロトが歌ってるもんだから妙に新鮮さを感じてしまう。
“俺はテレビも信じない 新聞も読まない ただ前進させるぜ アレを”
この歌詞での声を張り上げたマーシーのコーラスにドキドキします。この歌詞は時代の流れを感じて好きです。テレビを見ない人は増えたと感じます。あれはネガティブのかたまりですから見ない方がいいと思っています。今でも見てるのは老害だけなんじゃないでしょうか?そんなわけで内容もひたすら老害向けに作られていると聞きます。
僕はテレビを捨てて自分の生き方を前進させました。
“前進させるぜ アレを アレを アレを アレを アレを”
老害のように凝り固まった石頭に後退してしまうよりも自分なりのアレを前進させた方が楽しく生きていけるってことです。
M5「レッツゴーハワイ」
作詞・作曲/真島昌利
寒くて風邪ひきそうな朝のテーマソング。
ひたすら陽気な曲調が寒い冬を楽観的な季節にしてくれます。健康のためにも体は冷やさずあったかくして心はレッツゴーハワイ。
寒い冬の歌でありながら暑いハワイを感じるという特徴的な曲です。作者であるマーシーがハワイに行った時の印象がよかったんだなと感じます。夏が好きなマーシーの冬嫌いな生活感が出ている良曲です。軽やかなバンドサウンドが心地よくノリノリな曲です。冬に聴くとハマりやすいです。
ハイロウズの演奏ではないですが、曲が終わった後のハワイアンサウンド(“タ・フ・ワ・フ・ワイ” by 山口軍一&ルアナ・ハワイアンズ)に惹かれます。
“体に悪いこと 何にもしてないよ 普通にしてるのに 風邪ひくことがある 吹きつける木枯らしに 肌はもうカサカサだ”
日本の冬は本当にこんな感じです。マーシーが望んでいるのはこれじゃないということですね。この歌詞を見て自分と大して変わらないところが嬉しい。
サビに行く前の“Let’s Go”はハジけます。
“ハワイよいとこ 一度はおいで ヤシの葉陰でフラダンス ハワイよいとこ 一度はおいで ヤシの葉陰でフラダンス”
このサビで急に暑くなります。そのあとの間奏を挟んで3番がグッときます。
“ジャンパー脱ぎすてて セーター脱ぎすてて こたつは蹴飛ばして ストーブ 投げすてて Tシャツに短パンだ グラサンでオープンカー”
耐えられない寒さがこたつを蹴飛ばしたりストーブは投げすてたりするほどのことなんですね。その行動が胸に刺さりました。痛快です。
※この曲についての情報で、マーシーはハワイに行ったことがないのにこの曲を作ったという記事を読みました。それは誤情報です。マーシーはばっちりハワイに行ってます。なぜならブルーハーツの名曲「ラブレター」のPVはハワイで撮影されました。PVを観ればアロハシャツに短パンにサンダルでハワイを楽しんでいる姿が映っています。
M6「ロッキンチェアー」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ハイロウズの6thシングル。
このシングルからアナログ盤が同時発売されるようになりました。どうせなら1stシングル「ミサイルマン」からアナログ盤を発売して欲しかったというのがファンの本音です。
強烈なギターリフに速攻で胸を鷲掴みにされます。「Tigermobile」にはこのようにロックのおいしいところが詰め込まれてます。聴きどころのひとつです。なんかよくわからんけどカッコいいと思えることがハイロウズにはたくさんあります。
ギターソロなんか鳥肌ものの熱さです。マーシーのこの感性は唯一無二の存在感です。
のんびりと昼間からビールが飲みたくなるって意味でのテロ曲。
“メシを食うのもメンドーだ 息をすんのもメンドーだ 地獄のような毎日で ヘトヘトなんだバタンキュー ロッキンチェアーでゆられたい”
この気持ちわかりすぎます。会社に行く毎日って、こうなってしまいますね。拘束されてる時間も長すぎますし、8時間て長時間労働です。ご飯を食べる時に噛むのがメンドーだし手で口に食べ物を運ぶこともメンドーだと感じてしまう。もっと時間をくれ!となってしまう。
これではいかん。
“ビールとロッキンチェアーで ゆらゆらロッキンチェアーで”
歌詞のような至上の喜びを感じる休憩は必要です。忙しい毎日を頑張る人たち、この曲に影響されてみてください。ビールとロッキンチェアーなんて最高です。あんまり高い目標なんか設定しないで身の丈にあった生き方をする方がHAPPYです。
これが他の動画より音圧が高いっぽいです。
M7「Happy Go Lucky」
作詞・作曲/真島昌利
ハイロウズの7thシングル。
アルバムからのリカットなのでシングルもアルバムも同一音源です。ただしシングルの方にはアルバム未収録のマーシー作による「俺のじゃまはするな」という魅力的な曲が入ってました。
アナログ盤だとここからが盤をひっくり返してB面に突入です。
※happy go luckyとは
のんきな、楽天的な、行き当たりばったりの、運任せの
タイトルがこの曲のテーマを物語っています。
“神聖な場所には何もない ただ放っておかれてるサマがいい 仰々しい飾りつけもない”
マーシーにしか出来ない「ただ放っておかれてるサマがいい」という表現に感動します。そこには仰々しい飾りつけもなくて気楽な感じが出ています。
“悪口と愚痴がこぼれ落ちる 不燃ゴミだ 回収してくれ 俺はニヤリと不敵な笑みだ”
日々の中で意識していないとつい出てしまう悪口や愚痴は不燃ゴミだと言い放つ誠実さ。回収してくれということは、他責思考にある考え方を変えて笑っていようってことですね。
“君の目には銀河が輝きあふれてる 君が救われないんなら 世界中救われないよ”
悟りの境地な気がします。人間同士は大して変わらないから君が救われないなら誰も救われないって正しいです。考えすぎずに楽天的に生きようと思わせてくれます。ここのメロディが抜群で当時これをバンド仲間と聴きながら、お互いにここのメロディ弾きたいという興奮気味な意見で合致したのを覚えています。
目の前で観た感覚が蘇ります。
M8「ヌゲヌゲ」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ここで急に音の雰囲気がガラッと変わります。イントロが鳴った瞬間からどっからどう聴いてもエロい。なんかエロい。ただならぬ雰囲気が漏れちゃってる。
ワウを効かせたマーシーのギターが曲の雰囲気を決定してます。カッティングもなんかエロい。一発でこちらにそう印象付けるのが尊敬しちゃう。
ライブでは期待通りヒロトが脱ぎ始めるパフォーマンスを披露してくれました。
“やってるもーん やってるもーん”
出たしこれだもん。すぐに下ネタソングだと気づかない人はいないんじゃないかという強烈な曲です。
“出たとこ見せろ くぼみも見せろ 白いの見せろ 黒いの見せろ 鼻の穴出せ 耳の穴出せ ケツの穴出せ いいから全部出せ ヌゲ ヌゲ ヌゲ ヌゲ・・・ヌゲ!”
ヒロトはハイロウズになってからこんな感じの下ネタソングを割とやり始めました。アルバムのどこかに入っているとウキウキします。ロックだしどんどんやってほしいです。
それにしてもこの分かりやすさは尋常じゃない。
アナログ盤だとレコードを入れる袋がこのデザインになっています。CDよりだいぶ大きいので存在感すごいです。
M9「変身リベンジャー スーパーファイトバック」
作詞・作曲/真島昌利
ブルース・リーになって戦う時の起爆剤。
この過激さがたまらなく心の中学2年生を奮い立たせます。ハイロウズに“やっちまえ”と言われてる。
すでにやらない大人ではいられない。
「燃えよドラゴン」のテーマ曲がサンプリングされているイントロがシビれます。その音がまた胸熱なんです。
心の底から勇気が湧いてくるのでオススメです。何かに打ちのめされてしまったらこれを聴けば3倍のパワーで復活できます。
心の奥まで届くメッセージ性を受け取ってみてください。
“答えはないし どうでもいいし やられたんなら 3倍返し”
“加害者になる やるときはやる 手錠持ってこい 3倍返し”
やられたんならやり返さないと!言い返さないと!そうしない限り相手は勝手に自分の方が立場が上だと勘違いしたままです。もっと嫌われるようにすれば相手の方から離れていくので大丈夫です。
そんな自分に変身できます。
“どこへでも行けるぜ俺は すべてなかったことにしろ 10億年ほど 10億年ほど 10億年ほど 10億年ほど”
この桁違いのスケール感に心を揺さぶられます。なかったことにしろと言っているのは10年ではなく10億年です。
ギターソロはないんですけど間奏でメンバーたちがケンカしてるのが笑えます。
“ボスザルからだ それが大事だ 徹底的だ 3倍返し”
これ重要なことですね。ボスザルからだと言ってくれた歌詞に救われます。
“ファイトバック やっちまえ”
反撃ですね!やっちまえです。暴力を使う必要はまったくないけど、こんな感じに勇気を持って生きましょう。
音楽の聴き方なんて人それぞれだからいいんだけど、この曲を意味が皆無とか言ってるヤツ見ると浅いなぁって呆れます。本当に聴いたの?って感じてしまう。
M10「ブンブン」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ここからのラスト3曲は感動がつきまとって自分の中に熱いものを感じます。
これはロンドンパンクの音だぜ!と感じられます。マーシーのギターなんか完全にセックス・ピストルズの音です。これは胸熱です。フェードアウトする曲はよくあるけど「ブンブン」はフェードインしてきます。最初は音が小さくて聞こえなくてだんだん音が大きくなってはっきり認識できた時には「この音あれじゃん‼︎」とピストルズを連想しています。
この曲はアルバムに収録する曲が足りなかったからヒロトが慌てて作ったということです。それでこんなにも名曲とは恐れ入ります。
曲の視点は「蚊」です。そんな蚊の視点で感動できるなんて説得力ありすぎな曲です。あくまでも蚊目線なんだけど果てしない思いやりと優しさを感じます。
“ちゃんと メシ 食ったか ちゃんと よく 寝たか 最近 味がおちてるぜ
ガッカリさせんなよ 心配かけんなよ 最近 味がおちてるぜ”
うっとうしいだけの蚊にここまで診断と心配をされている。こんなロック聴いたことない。でも相当な説得力あるなと興奮し始めます。
“あー人間は 歯車じゃないんだろ あー大変だ 君のかわりは どこにも居ないんだろ”
人間よりも生き方を理解している蚊。どれだけ「君」のことが好きなんだ。この蚊は深みのあるキャラです。
この後のギターソロが、よくこの音を録音できなたなと感心するほどめちゃくちゃピストルズです。
“どうか忘れないで オレは忘れないぜ 達者でな またくるぜ”
もうここまで来るとただならぬ絆で結ばれた関係ですね。これほどの愛情持った蚊ならまた来てくれと思ってしまう。
メンバーのコーラスの雰囲気までピストルズ感じてしまう。
聴き終わった時には健康に生きて誰かの役に立ちたいとまで思わせる神曲。
M11「シェーン」
作詞・作曲/甲本ヒロト
タイトルの由来はもちろん1953年公開の西部劇映画「シェーン」からです。劇中の超有名なセリフ『シェーン カムバック』がしっかり引用されているのが見事にいい味出しています。
イントロのアレンジだけでガンマンの曲だと分かります。
“僕の小さなひきがねに だんだん力をこめたのは 後戻りなんか許さない 荒くれもんの人差し指 シェーンよりも早く シェーンよりもキメる シェーン 僕から逃げろ”
個人的にはこの歌詞「僕の小さなひきがねに だんだん力をこめたのは 後戻りなんか許さない 荒くれもんの人差し指」がお風呂入ってる時なんかによく頭の中に流れてきます。ずっと一般的な価値観とか考え方が正しいんだと自分の思いは押し殺して生きてきたけど、なんかそれ違うなって気づきました。それからだんだんひきがねに力がこめられてきて自分の人生を生きることを誓いました。
“0コンマ3 まさに一瞬で 息の根止めちまうかも やっちまう やっちまう やっちまう やっちまう”
M9「変身リベンジャー〜」のラストに“やっちまえ”と言い放った後にここでは“やっちまう”と宣言してるのが胸に響きます。
M12「月光陽光」
作詞・作曲/真島昌利
ハイロウズの8thシングル。
このシングルがリリースされる前に「4×5」というミニアルバムが先にリリースされています。8thシングル「月光陽光」はアルバムからのリカットなのでここに収録の音源と同一です。
アルバムラストにして名曲です。
発売日であった1996年12月6日に初めて「Tigermobile」を聴いた時は一番好きな曲でした。
「月光陽光」のギターソロこそ超絶燃えます。マーシーの感情が感性がこちらの心に突き刺さる。ジワジワと胸の中が熱くなってきます。こういうのを求めています。
“胸の奥でベルが鳴る 発車のベルが鳴り響く よく晴れた夏の朝は 一かけらの感傷だ ためこんだ知識がクサれば 知ったかぶりより直感だ 今だけが生きてる時間 なのになぜ待っているのだ”
オレたちは今だけが生きてる時間だから待ってる暇なんかないし、知識ばかりためこんでないで直感でいくぞ!と自分の中で決意した発車のベル。あと何年生きる予定でいるの?という人任せな考えの人たちに警笛を鳴らしていますね。
“安っぽい夢が輝けば もう何もかも捨てていくよ しがらみ足を取る生活は”
ここのメロディは秀逸で美しい歌詞と共に胸にジーンと焼きつきます。
“月光陽光 俺を照らすよ 月光陽光 なんて力強く”
力強く!人間は弱いけど力強い意識で生きようと立ち上がれるこの歌詞のパワーに感謝します。
“遠くからは大きく見える 近づけばそれほどじゃない からっぽに見えるけれど きれいに澄んだ水がある”
大金持ちだって近づいたら自分と変わらない普通の人です。人間同士、大して変わらないよ。
ラストはフェイドアウトしますがマーシーの“月光 陽光”と歌うコーラスだけは最後の最後アルバムが終わるまでずっと聴こえています。
その声は力強くて、終わらなくて、僕の耳にはフェイドアウトしていきません。むしろ存在を強めていきます。
アルバム終了直前のあんなに小さい音に感動するなんて、すごいぜハイロウズ!
ちなみに関係ないけど、家から見える富士山も遠くからはキレイに見えるけど近づけばそれほどじゃないです。
どっかのレビューで捨て曲が多いなんてバカなことを言ってましたが、とんでもないです。そんな曲は1曲もありません。
決して言葉を無視してなんかいない全12曲。聴けば聴くほどに歌詞の深さに気付いてきます。「Tigermobile」を好きになった時、自分の中に新しい生き方まで取り込まれている凄いやつです。
つまり名盤です。
本作には収録されていませんが同じ96年にリリースされた4thシングル「胸がドキドキ」のシングルCDはこんな感じでした。アニメ「名探偵コナン」のオープニングテーマになってました。
未開封Tシャツコレクション
1997年のTigermobile Tourに行きました。
ライブグッズのTシャツです。正直どのツアーのグッズだったのか忘れてしまいました。
ハイロウズのロゴが入ったトラ柄のTシャツです。
このオイル缶の中身はTシャツです。未開封です。中身がどんなデザインだったのかもう忘れてしまいました。ライブに一緒に行った友達は、その場で缶を開けて電車の中でこのTシャツに着替えてました(笑)
もしかしたら↑のトラ柄Tシャツがこれの中身だったかな⁈2つ買って1つ開けたとかそんなことあるかな。全然覚えてません(笑)
これもライブグッズだったと思います。
※CDとかの特典の可能性もあります。
2020年に「Tigermobile」のアナログ盤が限定生産で再発されました。
Amazonなら9%OFFでまだ買えます。
再発盤は180g重量盤です!
※写真は1996年のオリジナル盤です。
前作である1stアルバム⬇︎
【THE HIGH-LOWS/THE HIGH-LOWS ザ・ハイロウズ登場な名盤全曲レビュー】
一ファンとして。
ありがとうございました。
それではまた。