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【THE HIGH-LOWS/GO! ハイロウズ GO! 絶頂期を実況録音な名盤レビュー】

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こんにちはUMEです。

「GO! ハイロウズ GO!」は1999年リリースのハイロウズのミニアルバムです。実況録音盤。ライブ盤です。

名作【バームクーヘン】のライブ盤とも言える興奮MAX最高潮なミニアルバムです。

しかも「バームクーヘン」のおいしいとこ取りです。

ブルーハーツ時代にはなかったですがハイロウズは「ミニアルバム」を2枚リリースしています。この実況録音盤と4曲入りの【4×5】です。

ミニアルバムのカテゴリーになってはいるけど、これはライブアルバムですね。

ハイロウズはライブバンドです。本作は彼らの真骨頂が聴けるというわけです。間違いなく本人たちが一番楽しんでいます。

彼らにしか出来ないウソのないライブ盤です。

ライブならではの歌い回し、ちょっとしたギターのアレンジなんかも聴きどころです。こういうのってバンドとお客さんのテンションに比例してるだろうから、こいつはテンションMAXだ。

つまり熱狂のライブ盤です。

THE HIGH-LOWS/GO! ハイロウズ GO!(1999)

「GO! ハイロウズ GO!」とはライブでハイロウズを呼ぶ時の定番の掛け声ですね。アンコールの時もこれでした。

ファンにとってはボリュームが足りないと感じるところではありますが、全6曲20分で聴ける手軽さは割と重宝します。

このライブアルバムの最大の特徴はとにかくハイテンションです。ハイロウズもファンもライブ会場のすべてが高いテンションであったその瞬間の空気感が味わえます。

もう一つの胸熱ポイントは1曲だけ当時の新曲(パンダのこころ)が収録されていたことです。

ライブ盤にありがちな音が悪いということはありません。「バームクーヘン」が一発録りのほとんどライブ録音なアルバムだったので大して変わりません(笑)

1999年当時アナログ盤も同時リリースされました。

このアナログ盤がハイロウズ初の10インチで、購入当時は10インチのアナログという存在を筆者は知らなかったため若干戸惑ったのと今まで扱ったことのないサイズのレコードにワクワクしました。

10インチのレコードは棚に並べた時の違和感と扱い慣れないサイズ感です。

ハイロウズには10インチのレコードがもう一作存在します。次作である5thアルバム「Relaxin’ WITH THE HIGH-LOWS」がそれです。

M1「罪と罰」

作詞・作曲/甲本ヒロト

「GO! ハイロウズ GO!(掛け声)」

「チャッチャッチャッ(手拍子)」

定番の出ばやしスタイルから本作は始まります。ハイロウズのライブに行くといつもこれをやってました。この部分をしっかり収録してくれたのがライブ感に溢れていて惹き込まれるポイントになっています。

登場したマーシーが“ジャーーーン‼︎”とギターを一発鳴らしたあとヒロトがハーモニカを軽く吹きます。それだけでロックの熱さを感じるのがハイロウズのすごいとこ。

「こんばんは、ザ・ハイロウズでーーす!」

テンション高めのヒロトのMCでライブスタートです。マーシーの歪んだギターが耳にも胸にもガツンと来るリフを弾く。ロック以外の何者でもない。バンダナを巻いて高すぎず低すぎない位置にギターを下げてるその姿はいつも憧れの対象だった。サビではキーボードの白井さんのコーラスがバッチリ聞こえてきます。

“誰かに疑われる前に あらいざらいブチまけてやる 罪ならば全部認めるが 罰を受けてるヒマはないぜ”

「罰を受けてるヒマはないぜ」という今この瞬間を自分らしく生きるための歌詞が輝いています。瞬間が人生なんですよね。

聴くと行動しようと決意できる曲のライブバージョンは何か決断する時の起爆剤にもなります。

ラストに「I am guilty」と歌っているのが印象的です。

※guilty

有罪の。犯罪的な。

「オレは有罪だ」と叫んでいますね。

【罪と罰 ライブ動画】

バームクーヘンのTシャツを着たヒロトとマーシーに注目です。

M2「モンシロチョウ」

作詞・作曲/真島昌利

間髪入れずに2曲目スタートです。

「モンシロチョウ‼︎」

興奮ぎみのヒロトのMCで演奏が始まります。

めちゃくちゃ気持ちいい曲順だなとライブ会場の雰囲気のまま興奮MAXになれます。

なんてカッコいいリフなんだと惚れ直す瞬間です。

4thアルバム「バームクーヘン」に収録された名曲のライブバージョンだ!なんかスゲー!と感じます。

“詮索好きのババ男のババアが増えた オレはひどい咳だぜ コデインをお願いします”

ライブバージョンではこの部分がめちゃくちゃ刺さります。スタジオ録音版とは違うヒロトの歌い回しとか最高です。

当日の空気感が伝わってくるライブバージョンはスタジオ録音の音よりも、もっと直接的な生音として耳に届きます。そこが素晴らしいです。

【モンシロチョウ ライブ動画】

野外のステージです!

M3「ハスキー(欲望という名の戦車)」

作詞・作曲/甲本ヒロト

「ハスキー!欲望という名の戦車ー!」

4thアルバム「バームクーヘン」からの名曲のオンパレードです。アルバム3曲目にしてやっとサビのコーラスでマーシーの歌声が聞こえてきます。

マーシーのコードストロークがとにかく上手い。キレイに流れるような、それでいてパンクロックなこの音は唯一の存在です。

ヒロトの声は力強いな。サビの時に隣で歌ってるしゃがれ声に惹かれちゃうな。

“うたおうハスキーボイス”

こんなにテンション爆上がりなサビはなかなかありません。ハイロウズとお客さんのテンションの高さが余裕で感じ取れます。

【ハスキー ライブ動画】

暑い夏がもっと熱くなってるのが分かります。この動画どちらかといえば熱くなったお客さんの映像ですね。

M4「ガタガタゴー」

作詞・作曲/真島昌利

前の曲で一度フェイドアウトして一瞬の間のあとこの曲が始まった途端に…

「アーーーーー‼︎アーーーーー‼︎」

マーシーがめちゃくちゃ叫んでる。連発してる。これが聞きたかった。ロックの魅力。

ロックの精神が大爆発したマーシーの名曲です。

ライブ盤の醍醐味というのか、スタジオ録音の「バームクーヘン」ではピー音で隠されていた例の歌詞(薬物の名称)もハッキリと聞き取れます。すごく微妙にボカしが入ってます。が、ちゃんと聞こえます。ロックイズムにゾクゾクします。

途中で声がひっくり返ってしまっているのもライブ録音ならではで楽しいです。演奏すべてがそうですが、こういうノンフィクションな瞬間が聞けるのが重要なところです。

「ガタガタゴー」のライブバージョンが収録されたのがなんとも嬉しいです。マーシーファン(笑)

“落ち着かないなら・・・でも吸えよ くたびれたんなら・・・でもやれよ 結局のところ退屈なんだろう”

歌詞カードにはやっぱり掲載はされていません。

この後すぐに『マッキー』と言ってしまってますねw当時のリアルタイムネタです。

ラストにもマーシーの魂のシャウトが入っててヤバめのテンションのまま新曲に突入します。

【ガタガタゴー ライブ動画】

楽しそう!楽しいとはこういうことです。マーシーの異常なテンションに色気を感じます。ちなみに「ピー」は入っていません。

M5「パンダのこころ」

作詞・作曲/真島昌利

新曲です。音楽スタイル、アレンジ的にはハイロウズが最も似合うパンクです。その上でかなりキャッチーです。一度聞いたら確実に記憶に残ります。

マーシーの流れるコードストロークが心地よく響きます。この気持ちよさを他のギタリストに感じたことはないんだな。ピックスクラッチの炸裂音も尋常じゃない。

タイトルからは想像もつかないほどに生き方について重要な哲学を学べてしまう。

“パン パン パンダパンダ パンダのこころ”

カウントの直後にイントロなしでいきなりこれです。初めて聴いた時は、盛り上がってるけど何の曲なんだ?と思いました。

“歌作りを一休み 上野まで散歩をしたよ 動物園はガラガラで パンダとオレは差し向かい”

マーシーのプライベートを覗いたような感覚です。パンダと差し向かいって表現が詩人です。

“バカテレビやバカ雑誌に生き方を教わる キミは何だ オレはパンダ 上野で待ってるぜ”

“バカタレントやバカライターに生き方を教わる キミは何だ オレはパンダ 上野で待ってるぜ”

バカなものを斬り捨てるこの歌詞に感銘を受けました。そんなもの見本にするよりも自分らしい生き方が何より幸せです。この曲を誇らしげに演奏するハイロウズはバカロッカーではないと筆者の直感は言っています。

“オレはパンダ白黒だ パトロールカーみたいだね オレはパンダ帰りたい 故郷に帰りチャイナ”

パトカーをパトロールカーというのが新鮮に感じました。考えたこともなかったけどパトカーの正式名称は「パトロールカー」なんだな。しれッとシャレが入っているのがマーシーらしいです。

めちゃくちゃパンダのこころになってる歌はこれ以外にないですね。

筆者は多分パンダに会ったことがありません。

M6「バームクーヘン」

作詞・作曲/甲本ヒロト

締めはやっぱりこの曲です。

人間に生まれた自分のことを好きになるきっかけの曲です。これを聴いて自分の可能性とか見出せない人はいません。それでも何もしないんなら“有罪”です。

ライブバージョンだとマーシーのギターが冴えててよく聞こえます。一段と生々しい音になったライブバージョンです。

“プラモデルのジオラマで 兵隊にパンを渡す 翼を持って生まれるよりも 僕はこの両手が好き”

人間の形を肯定しているこの歌詞には勇気付けられます。

「どうもありがとう!また来るぞ、ザ・ハイロウズ」

曲が終わった後にドラムの演奏が聞こえてきます。これは‼︎「ミサイルマン」ですね。残念ながら収録はされていません。

ラストに「GO! ハイロウズ GO!」」とお客さんの掛け声が入っているのが嬉しい演出です。

これ興奮冷めやらねえよ。

【バームクーヘン ライブ動画】

メンバーの露出度高めだな(笑)

本作は絶頂期のハイロウズを体験できる全6曲の実況録音で「バームクーヘン」のコンパクト盤とも言えそうなミニアルバムです。

CDはAmazonなんかの中古は数百円で買えます!

※本作『GO! ハイロウズ GO!』のアナログ盤は再発売されていません。他のオリジナルアルバム8作、企画盤「flip flop」シリーズ2作は2020年にアナログ盤の再発売がされています。

4thアルバム【バームクーヘン】

3rdアルバム【ロブスター】

ミニアルバム【4×5】

2ndアルバム【Tigermobile】

1stアルバム【THE HIGH-LOWS】

ハイロウズの一ファンとして。

ありがとうございました。

それではまた。

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『2023』

昨年はとてもたくさんの方々に読んで頂き深く感謝申し上げます。
いつもありがとうございます。

個人的には、穏やかな心を脅かす苦悩と戦いながら、世間の謎のルールをなぎ倒しながら進んできました。ホームランは打てなかったけど、楽しいと感じた瞬間はたくさんあったので「I am OK」です。

どうせ1年前より成長してます。

2023年もまたマイペースで焦らず慌てず頑張らずいきますのでよろしくお願いします。

また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。

健康に心穏やかに、ロッケンロー‼︎

M☆MUSIC / UME

【クロマニヨンズNEWS】

【クロマニヨンズNEWS】

2022年12月14日に26枚目のシングル「イノチノマーチ」が発売されます。7inchアナログ盤とCDも出ます。

《stereo》

1. イノチノマーチ 2. さぼりたい

これは楽しみが出来ました‼︎
「さぼりたい」とかこの人たちらしいですね。レコード買おう!と言いつつ多分CDも気付いたら家にあるパターンだな。いつものことだ。許してくれ。

ニューアルバム「MOUNTAIN BANANA」の発売も決定しました。

2023/1/18発売決定!

今回はレコードとCDが出ます。前作の「SIX KICKS ROCK&ROLL」はCDのみの発売だったので楽しみです。

《mono》

<収録曲>
1.ランラン
2.暴走ジェリーロック
3.ズボン
4.カマキリ階段部長
5.でんでんむし
6.一反木綿
7.イノチノマーチ
8.ドラゴン
9.もうすぐだぞ! 野犬!
10.キングコブラ
11.さぼりたい
12.心配停止ブギウギ

曲名だけでクロマニヨンズとすぐわかるこの感じは…ワクワクですね。

40代、人より物が好きです。

私は普段ものすごくテンションが低く、多分シャコタンよりも低いです。
そのためすぐに人を不安にさせてしまいます。

よく怒らせてしまいます。

そんな私ですが、熱狂することもあります。

クロマニヨンズを聴くと、急にテンションが天国よりも高いところまで爆上がりしてしまいます。

申し訳ないけど、これでいいのだ。

“かえられないぜ オレなとこ”なのだ。

非常に都合の悪い男 : 本音に忠実なだけ

好きなもの:レコード・オーディオ・本
嫌いなもの:老害

好きなマンガ : モンモンモン(つの丸)

好きな言葉 : コンプリート
嫌いな言葉 : みんな我慢してるんだから…

最も疑わしい言葉 : 当たり前

頑張らない、努力しない、成長しない。
ね、ダメでしょ?
実はこれこそが最強の成長であって幸せな人生の始め方です。

自由よりも価値のあるものなんてない。

小学生の時にブルーハーツの「青空」に心を鷲掴みにされてから30年以上の音楽好きです。その頃に生まれて初めて買った音楽は「真島昌利/アンダルシアに憧れて」の8cmシングルCDでした。今考えるとそれが多大な影響力を持った『繊細な感性の音楽』との出会いでした。今でも大事にしています。繊細な感性というのは自分の中の邪魔者なんかではなく他にはない活かすべき強みだという真実をそれらの音楽が教えてくれます。

レコードなんか物体としての特別感が最高で、余裕で死なない理由になります。

レコードとかカセットとか、やたらと重くてデカいレコードプレーヤーとかリバースしないカセットデッキとか、A面が終わったらそこまで行ってひっくり返さなきゃいけない唯一無二な輝きを放つノスタルジーに浸っていたい。

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