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★ロックンロールが鳴り響く!! ★ つまらない世界を照らす 馬鹿げた光

↑THE HIGH-LOWS↓

【THE HIGH-LOWS/HOTEL TIKI-POTO】いつもよりちょっと長めが楽しい“五ツ星盤”!!

投稿日:2022年4月2日 更新日:

こんにちは。

『HOTEL TIKI-POTO』は2001年リリースのザ・ハイロウズの6thアルバムです。

ハイロウズ史上最長、いつもよりちょっと長めの名盤。

みんなをいつでも中学生の気持ちにしてくれる“ロック”のレコードに出会った瞬間の衝撃「十四才」が収録された、リアルよりリアリティな6枚目。

アルバム全体の雰囲気としては、激しさと緩やかさの間にある絶妙なポイントを狙い撃つ「五ツ星」の作品。

随所に感じる心地よいまろやかさが特徴です。

ハイロウズの自己評価は過去最高。

レコードの帯の煽り文句は一言、

「五ツ星!!★★★★★!!」

魅力的です。最上級!!

聴く前から名盤を感じます。

1回目より10回目に、ロックのリアリティが心に残る魅力。

THE HIGH-LOWS/HOTEL TIKI-POTO(2001)


HOTEL TIKI-POTO(ホテル・チキ・ポト)は2001年9月5日にリリースされた6枚目のオリジナルアルバムです。

前作『Relaxin’ WITH THE HIGH-LOWS』(2000/6/9)から1年3ヶ月の発表。その間には企画アルバム『flip flop』(2000/12/6)もリリースされました。

20世紀を生き延びて、21世紀に突入したハイロウズが発表した一発目のアルバム。

全14曲で、アルバム収録時間はハイロウズで最長の68分です。

ハイロウズで1時間を超えるオリジナルアルバムは本作のみ。

曲数はいつも通りの14曲です。ということは長めの曲が多いということになります。

6分超え、7分超えの曲が計4曲あります。

『HOTEL TIKI-POTO』収録曲

1. 21世紀音頭
2. 十四才
3. 迷路
4. ニューヨーク
5. シッパイマン
6. 恋のダイナマイトダンス
7. 海雲台ブルー
8. よろこびの歌
9. カレーうどん
10. コスモス
11. フルコート
12. 天国野郎ナンバーワン
13. アダムスキー
14. クリーミー

全14曲68分。

ハイロウズのアルバムの中では特にあれこれ試みたサウンド指向です。

楽しいハイロウズにはやっぱり似合った音頭ビート、他とは一線を画すアコースティックなファンク、魅力的なラテン・テイスト、ダンサブルなディスコ・ビートに、もちろんギンギンのロックンロール。

“ロック一辺倒ではない音作り”が第一印象。

初めはあまりにもバラエティーに富んだ音楽性に戸惑いがあったのが本音です。

とはいえ、いつも通り覚えやすいメロディが冴えています。

何度か聴くと急にとてつもない親しみやすさが『HOTEL TIKI-POTO』にはあるということに気付きました。

すぐには好きになれなかったけど、20年以上が経った今ではしょっちゅう頭の中で流れている一番の代表は、マーシー作の「カレーうどん」です。

空想的で食欲まで湧き起こす魅力があります。

いつも私の心のレコードプレーヤーがこの歌を選んでかけています。

好き嫌いが分かれそうなアルバムだなという印象があります。

ロックの凄まじい勢いだけで突っ走るアルバムではないからです。

音楽性はそれまでよりも更に多彩になり、新しいことへの挑戦の連発です。

1曲目なんか音頭です。

正直なところ私にとってはハイロウズのアルバムの中で一番再生回数が少ない作品でした。

しかしそれはもう過去形。

今回何度も聴き返してみて、これまで自分があまり聴かなかった理由が理解できません。発売当時から23年も自分が年をとっているから、好みや考え方が変わったという可能性はあります。

改めて聴くと、こんな音入っていたんだと気づくことが多いです。そこら中にハイロウズの遊び心が溢れています。

何より歌の世界や言葉に共感しつつ、高純度で確信できるリアリティが詰まっています。

ハイロウズにロックのリアリティを感じた時に好きになっていました。

聴いていると、ん⁈この曲順はめちゃくちゃ気持ちいいと感じます。スムーズに進んでいくので、途中で飽きることがありません。

今では1曲ずつ注目して聴けるアルバムになりました。

マスタリングの影響なのかは分かりませんが、このアルバムはかなり音がいいです。

音がはっきりくっきりしていて実在感も抜群です。ここでヒロトが歌ってるし、ここにマーシーのアンプが置いてある。

つまりこれは五ツ星の名盤です。

シングル曲は16thシングル「十四才/フルコート」と17thシングル「ニューヨーク」の3曲が収録されています。

16thシングル「十四才/フルコート」はアルバムに先行して2001年8月8日にリリースされました。

両A面である2曲と、ふざけながらもめちゃくちゃカッコいいシークレットトラック「セクシーナンシーモーニングララバイ」を含んだ3曲入り。

シングルの「十四才」はラストがフェードアウトする“SINGLE EDIT”が収録されました。

17thシングル「ニューヨーク」はアルバムからのリカットシングルとして2001年10月11日のリリース。

タイトル曲はアルバム収録のものと同テイク。カップリングにはアルバム収録曲の別テイク2曲が入って、シングルとして新しく楽しめる内容です。

「よろこびの歌(Nancy Mix)」と「天国野郎ナンバーワン(Live Version)」の、別ミックスとライブバージョンという構成。

2枚共にCDは12cmマキシシングル。

7インチアナログ盤も同時発売されました。

2001年の『HOTEL TIKI-POTO』発売当時、CDとレコード(限定生産)の2形態でリリースされました。

アルバムの収録時間が長めのためか、アナログ盤はオリジナルアルバムでは初めての音質を重視した12インチレコード2枚組のスタイルになりました。

レコードを取り替える手間は増えましたが、最上級のアナログサウンドが実現しました。

実は5作目の『Relaxin』のアナログ盤もレコード2枚組でしたが、そちらはイレギュラーな10インチレコードでした。

限定生産だったレコードは2020年にリマスターも施されて再発売されました。

私は再発盤の方を持っていないので、リマスターの効果やオリジナル盤との音質の違いをお伝え出来ません。

記事中の写真はすべてオリジナル盤です。

21世紀、最新型のハイロウズ突撃開始。

全14曲68分、いつもより少し長めで21世紀のハイロウズを楽しめます。

ハイロウズからみんなへ“楽しむ時間”が提供されます。

特盛の6thアルバム『HOTEL TIKI-POTO』に低評価は一つも付いていません。

CDでもレコードでも最上級です。

“五ツ星!! ★★★★★!!”

M1「21世紀音頭」

作詞・作曲/真島昌利

21世紀のはじめにリリースされた五ツ星アルバムの1曲目。

ハイロウズが“音頭”をやるとは思わなかった意外な曲。新しく21世紀を始めるのにもっともふさわしい音頭。

この歌の前提は楽しむことです。

音頭と言ってもバンドサウンドでありロックのツンツンしたビートが根底にあります。

サウンドとしてはハイロウズが急に方向転換したような音頭アレンジに私の感性が戸惑ったのも事実です。

太鼓やお祭りの笛が高らかに鳴り響く音頭らしいイントロ。

一節盛り上げたらバンドの音が入ります。新世紀到来の喜びを表したような明るい音のギター、キーボード、ベースにドラム。

和の心を最前線で奏でる三線も入ってきます。

あ!これ楽しいかもとワクワクし出して、生粋のロックとは異なったゆえの最初の戸惑いが期待に覆る瞬間です。

Aメロで一際弾む楽しいリズムはべっちゃんのベース。その音の心地良さに思わず体が軽快に揺れます。

ベースは曖昧さのない良質な音が出ます。

大らかな雰囲気で歌い出したヒロト。2番からマーシーのコーラスも入って音の響きにロックの魔法がかかる。

1回目では気付きにくかったけど、2回目に聴いた時は楽しそうに演奏してるなって私の心が感じてました。

「楽しい」という言葉の連発は、とてもポジティブな聴き心地です。

ハイロウズと一緒に“今”楽しんでる実感。

「FUN FUN FUN TIME」と全員で歌うサビは20世紀に戻りたくなる人はいません。

新しく楽しそうなドアを開ける人はいます。

歌が後半に突入した途端に過激な内容を歌い始めたから随分とびっくりしました。

過激とは、潔さのことです。

それは自分で決めていいという当たり前。

共感と共にかなりのインパクトを残す歌詞。

全体的にフィーチャーされている凝ったコーラスが秀逸で、唯一無二なハイロウズの楽しさが提供されてます。

お祭り騒ぎの如く盛り上がるラスト。

「そ〜れ♪ヨイショ♪」と、音頭によくあるこのフレーズをハイロウズがやると最大限に楽しげです。

楽しいビートの効いたロックの音頭だ!

歌詞 : 楽しむこと。やって来た21世紀に歓喜しつつ、意外と過激な内容も含まれます。

50世紀とか言い出すし超壮大なスケール。

3番と4番の歌詞がとんでもないパワーを放ってダイレクトに心へ響きます。

急に飛び出した“最悪でも死ぬだけだから”という歌詞は意外なほど過激だなと感じました。

この言葉は今をすごい楽しんでいる人でないと言えません。いつ死んでも後悔のないほど全力で楽しんでる人。

今こそがちょっと楽しむ時でちょっと笑う時だとハイロウズが歌ってる。

M2「十四才」

作詞・作曲/甲本ヒロト

ハイロウズの16thシングル。

ラストがフェードアウトしないアルバムバージョンです。

名曲です。ロックに出会った時の言葉にできない衝撃を見事に歌にしています。ヒロトの細やかな感性が炸裂してる。

これまでのハイロウズとは大きく感触の異なるアレンジだと感じました。

ヒロトが「このギター難しくない?」ってことを初めてマーシーに聞いたと語っていました。マーシーは「別に難しくない」と答えました。

最大の特徴は語り口調で歌うヒロト。

それにより私の心にズキュンと衝撃の弾丸が撃ち込まれます。

静寂の中から現れる繊細なギターの音で穏やかに始まったイントロ。

すでにキラキラの輝きを放ってる。マーシーの細やかさ。音が光る奇跡を体験できます。

ゆっくりヒロトが歌い出す。

優しげでありながら、かもめのジョナサンの行動から受けた衝撃を抑えきれていない。

初期衝動がそこにあります。

最初の一節をヒロトが歌い切った次の瞬間、静寂を突き破る。誰も無視できない突破力。

“ジャカジャーーーーン‼︎‼︎”

爆音のギター、感情的なロック。

マーシーが腕を振り上げてギターを弾く光景が浮かびます。

音が突き抜ける瞬間。衝撃が貫通した。

本作の高音質が本領発揮してます。この曲のマーシーのギターの音は激ヤバです。マーシーが「ジャカジャーーーーン‼︎‼︎」と弾いて腕を振り上げたその音は家のスピーカーではなく、現場のアンプの音。

びっくりするほどの実在感に鳥肌が立ちます。

ですので、スピーカーを推奨します。

その後、テンポも上がって凄まじく力強い演奏が始まった。

一人もテキトーに聴き流せないほど個性的なヒロトのボーカリゼーションは、完全に聴きどころ。

ハイロウズが鳴らす全部の音がほとばしって聴こえてきます。

歌詞はロックに突き動かされる心を感じたままに表現していて熱すぎる。強いエネルギーを持ったまま人の心に残ります。

むしろ、ヒロトのように突き動かされます。

誰かの初期衝動へ目掛けて奏でる情熱的なギターソロあり。

その間奏を聴いている何十秒かは自分の衝動を抑えられない人が続出しそう。

見本より自分の直感で生きたくなる。

歌の終盤では、すべての初期衝動の発端であったレコードプレーヤーが豪快なロックンロールを鳴らす光景が見えました。

この歌はリアルよりリアリティが聴こえる。

シングルエディットのラストはフェードアウトしましたが、こちらのアルバムバージョンはフェードアウトせず、もう一つのラストシーンが存在するという感じ。

必然的にアルバムバージョンは30秒くらい長くなります。6分36秒の感動的な長編。

ジャケットや歌詞カードには特にアルバムバージョンという表記はありません。

歌詞 : 初めてロックが心に刺さった瞬間。

衝撃的なリアリティを「十四才」を聴いている時に誰もが追体験できます。そこがすごい。

“リアル よりリアリティ”

合理性なんかじゃないし、意味もないけど気分が高揚するからやるとか、ロックは嘘かもしれないけど楽しいからやるってこと。

たった一言にロックにあるそういう魅力的なことを感じます。

私たちはそんなロックに何かを託して、見たり聴いたりしてる。それがリアルよりリアリティ。最高です。

終盤の歌詞ではヒロトの心を十四才にしてくれるレコードプレーヤーが登場して、特にリアリティな感情が聴こえてきます。

初めてロックに出会ったあの衝撃をもう一度、もう一度と体験したい気持ちが溢れているし、それを今でも大事にしている生き方がまたリアルよりリアリティです。

また明日もレコードプレーヤーのスイッチを入れたくなります。

M3「迷路」

作詞・作曲/甲本ヒロト

後にリリースされた18thシングル「いかすぜOK」のカップリングに「迷路(Nancy Mix)」が収録されました。

自分の道を作るポップで元気なロック。

月の上を歩くアップテンポ。

人間が一番心地よいと感じる速すぎないテンポに、ヒロト独自のロマンチックな歌詞が雪の上を散りばめています。

これまで歩んできた人生の路を「迷路」と歌っているのがリアリティです。

ひたすら明るい雰囲気のアレンジと、すぐに覚えられるキャッチーなメロディがスッと心に入ってくるので、抜群のパワーがあります。

明るさが突き抜けた音が出ます。

「ラーララーラ」とヒロトの明快な歌声と、キラッキラな輝きを放つ白井さんのキーボードが魅力的なイントロ。

ロックの音にいきなり心を掴まれます。

マーシーの歪ませたエレキが鳴り響く隣には、控えめなアコギの音も聴こえます。

空想的な世界観の歌詞を歌い出すと、とてもポップなメロディが流れてきて楽しい気分を呼んできました。

心がほっこりするほどの親しみやすさ。

ジャキジャキと鳴るミュートしたマーシーのエレキに好ましいロックの歪みを感じます。

透き通る軽やかなキーボードの音と、激しく歪むギターの両極な感触にギャップ萌えするロックアレンジ。

聴きたかったハイロウズの音だ!

しかもスピーカーからその瞬間の空気感までも出音されているような高音質。

やさしい歌い方をするヒロトの表現力は、私の意識を歌の世界に入り込ませるきっかけになってます。

間奏は柔らかいメロディを奏でるキーボードソロです。

ソロ前半のあまり聴き馴染みのない感じのキーボードの音にときめく心があります。後半ではキンキン気味の炸裂音でぶっちぎりにワクワクさせてくれます。

白井さん最高。個性的なロックのピアニスト。

“迷路 迷路”と繰り返すサビのキャッチーさは1回で覚えて一緒に歌えてしまう。

聴き終えると自分の地図が出来上がってます。

歩きながら自分の頭で考えて、自分の意思で決めるアクティブソング。

この曲ではマーシーのギターはどちらかというとバッキングだけど、最前線の存在感。

豪快で繊細なロックのギタリスト。

歌詞 : 人それぞれが自分として生きている歩みの迷路。

雪の日のストーリー仕立てでほっこりするのと同時に、自分が歩んできた曲がりくねった道も誇りに思えます。

ヒロトの視点や感性での比喩表現が、最上級のロマンチシズムを実現しています。

誰の人生だってゴールに向かってまっすぐになんか歩けていません。後ろを見たらきっと難解な迷路です。

他人の歩いた道をなぞって、ただまっすぐに歩いて辿り着いた気になっているゴールは大したことない。

M4「ニューヨーク」

作詞・作曲/真島昌利

ハイロウズの17thシングル。

アルバムからのリカットシングルなので同一音源です。

ニューヨークの風が吹きつけるアコースティックアレンジ。

マーシーらしいキレイなメロディと、韻を踏みつつ真実を語る歌詞が最高です。

“100年たったら ウンコも残らない”と歌う、一世紀分の時間を突き抜けるロック。

力強いアコギが堂々と鳴り響くイントロ。

演奏開始2秒で、ニューヨークの冷たい風が吹いてきて、ちょっとだけ寒さを感じる。

ドッシリとした強靭な音の感触に一瞬で心が動きます。それでいて特別な繊細さもあり、曲への期待が高まっていきます。

すかさず入ってくるのは、弾むキーボード。

心を踊らせる軽快なメロディが、地球のすべての瞬間に鳴り響いているという雰囲気です。

豪快な歌心でヒロトが歌い始めると、気持ちは夜のニューヨークへ到着します。

言葉について、時間について、意志についての興味深い歌詞が美しい響きで鳴るちょっと長めの6分12秒。

穏やかなミドルテンポに魅了されます。

間奏は芯のあるギターソロ。エレキが歌うドラマチックなメロディ。

アコースティックアレンジの一番手前に出てきたエレキの音は独特の響き方をしていて、心を鷲掴みにされる人がたくさんいそう。

外国の空気を感じる間奏後は更にアコースティックが強調されるアレンジにグッと来ます。

ヒロトが歌う一つずつの言葉が光り出す。

アウトロでは麗しいエレキが広々としたメロディを奏でます。

ニューヨークの夜空に向けて仰ぐメロディ。

マーシーの華麗な感性が輝きを増しながら広がっていくのを見た。

歌詞 : 気付いてる人は少ないけど、当たり前すぎる時間についての事実。

1秒たりとも例外はなく、時間はすべて自分のものだということです。世の中のシステムが当たり前のその事実を見えにくくしてぼやけさせてしまってます。

その事に気付いて自我が戻ってくる歌詞。

状況はニューヨークにいて、かなり寒くてネオンサインがギラギラな感じです。この歌のようなマーシーの表現はやっぱり心に響くし、情景や温度感まで伝わりやすいです。

しかし私にとって初めて知ったかもしれない、聞き慣れない言葉が出てきます。

“さもしさ100倍”

さもしい

1. 品性が下劣なさま。心根が卑しい。意地汚い。
2. 見苦しい。みすぼらしい。

ロックで新しい言葉を覚えたのは、これで何個目だろうか。大抵の発端はいつもマーシー。

M5「シッパイマン」

作詞・作曲/甲本ヒロト

2004年にリリースされた22ndシングル「日曜日よりの使者」のカップリング曲としてリカットされています。

ほのぼのした曲調で心地いいです。

あんまりないけど、ほのぼの系の日本映画のストーリーを映像として観てる感覚にもなるほっこりロック。

日本人のワビサビを感じます。

Cメロなんか特に日本人は親しみを感じやすいあたたかさとかやさしさが出ちゃってる心に聴こえるメロディです。

小気味良く引き締まったギターが際立つイントロは軽やかでリズミカル。

一音ずつにとてつもないパワーがある。

一発目に“シッパイマン”と歌い出したヒロトも引き締まってリズミカルな印象です。ビシッとしてます。

心地よいわずかな緊張感で聴いていたら、すぐ次の瞬間に漂い出したほのぼのした雰囲気に「シッパイマン」の良さを悟りました。

1番の言葉の端で“あーあ”と嘆きか、ため息を歌うヒロトには独特の哀愁を感じます。

この歌もやっぱり音がすごい。すごいというのは実在感のある生音が出るという意味です。

その音に、思わず元気が出てしまいそう。

サビに入ると聴こえてくるアコギの音がまた日本人的なワビサビを背負っていて、心地よく響きます。

好ましい意味で日本人を感じる歌。

聴いていると意識が「シッパイマン」の日常にどんどん惹き込まれていく。

その興味深さは、ハイロウズのロックがエンターテイメントととして成立しているということでもあります。

心に残るロック。

ラスト付近で“シッパイマン”と繰り返し歌っているのはマーシー。

その直後にはヒロトがまた“あーあ”と1番より盛大に嘆いて、シッパイマンの今日が終わります。明日は成功を目指すのかな?

「シッパイマン」は失敗しているからみんなが目指すものではないけど、「シッパイマン」の物語は最大級の反面教師かもしれない。

この曲でのヒロトの哀愁を帯びた歌心は、アメリカ人より日本人に馴染みます。

歌詞 : 客観的に見たシッパイマンの日常。

色々とシッパイしてるみたいだけど、終始和やかな言葉の連続なので微笑ましく聴けます。

“シッパイマンの顔は泣きそうに笑う”という歌詞は最大限に哀愁が漂ってます。

こういう人を見たことがあります。なんとなくだけど、自分の意志で生きていない人なんじゃないかな?と感じました。

失敗は誰にでもあって失敗しない人なんて一人もいません。他人の人生を生きてしまうと必ず失敗するという事に気付いた歌。

シッパイマンは取り返しがつかないと言われたけど、私たちは今ならまだ取り返しがつく。

M6「恋のダイナマイトダンス」

作詞・作曲/甲本ヒロト

私の一番のお気に入りソングです。ただ単純に楽しいからという理由。

ポップでダンサブルなロック。

2人で踊る時のナイスチョイス。

ネガティブな気持ちにうんざりした時に、嫌な気分をポジティブに覆すにこやかソング。

途中、ドキッとする衝撃もあり。

情熱のスペインなんかを感じる味わいのあるイントロ。

アコースティックな響きのギターの音がすごい情熱的で、赤とか熱とかそんなイメージが心の中へ広がります。

“ダイナマイト”と繰り返し歌うヒロトもやっぱり情熱の歌心。

もうすぐ目の前のダイナマイトに火をつけてしまいそう。普通じゃない何かが始まる!

その後は急激に突き抜けた明るいアレンジで、踊り出したくなる楽しいムード。

キターー!! なんかすげえ楽しい感じのやつ。

朝起きた時に勝手に頭の中で流れていることが多い程の影響力。

歌詞に出てくる『Shall We Dance?』とはリチャード・ギア主演のアメリカ映画のタイトルでもありますが早い話が「踊りませんか?」という意味。

嫌な気分はもうたくさんだからダンスで楽しい気分になろうという、歌い出しの時点で既にかなり楽しげです。

ダンサブルな音楽が最高を突き抜けていく。

ナイスガイたちが歌うダンディーなコーラスもキマッてる。

サビではハイロウズが「踊ろう」と、さりげなく手を差し出して誘ってくる。

踊れ!踊り狂え!あんな気分をブッ飛ばせ!

快活なテンポだけど、誰でも踊れる優しさの溢れたリズミカル。

ハイロウズはこんなに楽しいリズミカルな演奏も出来るなんて、、、なんで今まで隠してたんだ。もっとやってくれ。

長めの間奏に突入すると事件発生。

そこには、なんかセクシーボイスが入ってる。

急にやられたので相当びっくりしました。それにしても最後は絶頂なのか⁈私には分からない。

マーシーの3枚目のソロ作『RAW LIFE』以来の衝撃か⁉︎

後半も一切ダレることなくラストまで自分らしく踊りながらサラサラと音が流れてく。

ヒロトがシャウト気味に「わーあああ」と歌う瞬間はすべてのしがらみが突き破られます。

この歌は、7分超えのいつもよりちょっと長めで楽しませてくれます。

歌詞 : 「新しくないやつ」を踊りたくなるダンスへの誘い。

“新しくないやつ”って言葉の響きは、これまでになかった新しい輝きを放っています。

古いだけじゃなくて特別な楽しさが伴っているからです。ステージ上のヒロトの訳の分からないダンスも独自の魅力を放っています。

気分をいい方へ変えたい時に向いている歌詞。

M7「海雲台ブルー」

作詞・作曲/真島昌利

いろいろと衝撃を与える感情的なアレンジ。

これは「キターーー‼︎」と絶叫するほどマーシーイズム全開なギターが最大の特徴です。

ギンギンだしキンキンなので乞うご期待。

歌詞には日本語調の韓国語がたくさん登場して興味深いです。

海雲台(ヘウンデ)

韓国釜山広域市海雲台区の地名。砂浜が続く海水浴場や温泉のある海岸一帯を指す。釜山(プサン)を代表するリゾート地。

度を超えてグッとくるエモいメロディです。

“ピンクパンサー”のテーマ曲でも始まるのかと思ったイントロ〜1番の歌は、テンポも穏やかで落ち着いた雰囲気です。

思わず心が聴き入ってる。

古き良き海外の音楽といった聴き心地にうっとりしがち。とはいえ、何かが起こりそうなちょっと怪しげな予感はしてた。

大いに期待もしてた。そんなもんハイロウズが余裕で想像を遥かに超えて突き破ってくる。

すべてが急変します。

一瞬でテンションがMAXに達する名場面。

マシンガンのようなドラムの連打を合図に、ハイロウズ突撃開始。

極端にテンポも上がって、最大限にロックな爆音が鳴り響く。

大胆に歪むエレキ。炸裂する音。間違いなくとんがってる。エモすぎるロックの音に私なんか平常心を保てない。悪いけど、最高潮。

ギャーーー!!!!! どんだけカッコいいのよ!

ギンギンじゃんか!

何かを諦めかけた人さえ、もう一度立ち上がってリベンジしそうなエネルギーだ。

Aメロはヒロトとマーシーのツインボーカルで攻めまくる。心を掴まれるエモいメロディ。

海雲台の空気感とか匂いまでがたっぷりで伝わります。

日本語調の韓国語が飛び交うサビは、歌が独特な響き方をしています。

正気の沙汰とは思えない震える間奏へ突入。

間奏の激アツなギターソロを弾き始める直前、「アーーーーー!!!!!」とマーシーの激しすぎるシャウトが炸裂してビンビン来る。

その直後の色気溢れる一言は「サンチュ!」

こんなにも感情的なサンチュ食ったことない。

どんだけカッコいいのよ。

キンキンした音を轟かせてロックンロールのギターが海雲台の空を突き抜ける。

間奏の終わり頃に「アンニョンハセヨベイベー」と歌うマーシーの声がカッコよすぎて今考えていたことのすべてがブッ飛ぶ始末。

どんだけカッコいいのよ、まったく。

その熱さのまま突っ走って、ラストまでロックの狂熱が冷めません。

アウトロの締めでキマるマーシーのピックスクラッチのジェット音が、地球の反対側までブッ飛んでいった。

とんでもなく白熱してた。

どの瞬間もハイライトだった。

この曲のギターはどうやって録音したのか⁈もしかして弾いてる本人のテンションがどうかしてたのか⁉︎ これはヤバいぜ。

ともかくマーシーにしか出せない唯一無二の音なのは確かです。

歌詞 : リアルが伝わる韓国のリアリティ。

マーシーの歌詞は妙にリアリティだなと感じます。4番の歌詞なんかリアリティすぎて、人間のやることはどこの国でも同じじゃんと思わせます。

「暗がり 立ちんぼ 暑化粧」とか、語呂というより音が良すぎです。高音質な歌詞でインパクト絶大。

下品な印象をまったく与えないのがロックの詩人です。

“8ビートが聞こえない街 ファジャンシルン オディムニカ? カムサムニダ”

私は海雲台に行ったことがないから分からないけど、8ビートつまりロックが聞こえないんでしょうか。

ファジャンシルン オディムニカ?
↪︎トイレはどこですか?

カムサムニダ
↪︎ありがとうございます

行ったことがない知らない街の様子が伺える興味深い内容でした。

M8「よろこびの歌」

作詞・作曲/真島昌利

17thシングル「ニューヨーク」のカップリング曲。

軽快なアレンジで変にズッシリとはしていない耳触りが絶好調です。

一人で歩く時の丁度いいテンポ。いわゆるミディアムテンポ。

常によろこびが溢れ出してる楽しい雰囲気。

しかし他者の介入は許さない自分にとことん誠実な意思が光ってます。

全体的な感触が非常に柔らかいので心を休ませたい時にぴったりです。曲の柔らかさに包まれて、心が軽くなって浮いていくような不思議な感覚もあります。

イントロで独特なリズムを叩くドラムのちょっと頭上に軽やかな響きを奏でるエレキ。

マーシーの力を入れていない絶妙なピッキングが宙を舞うギターの音を実現しました。

ヒロトがふんわりした優しい態度で歌い出すと同時に、耳に入ってくるアコギ。

その自然な響きが今日のストレスを緩和してくれます。

聴こえてくるすべての音が伸びやかです。

聴いている時の私の気持ちは緩やかです。

アルバムの真ん中辺りの癒しポイントであるのは間違いありません。心に付き纏う悲しみに「よろこびの歌」1曲。

サビで「あふれ出る」と歌うヒロトからは本物のよろこびがあふれ出ていて悲しみが付け入る隙がありません。

こんなに嬉しそうに歌う人いません。

すごいリアリティ。

自分だけの自由な世界というよろこびが大きな音で聴こえる。

マーシーが作るよろこびの歌は、屈折せず心へダイレクトに響きます。

世間体に合わせた自分じゃなくて、真心が喜びながら聴いている実感があります。

間奏のギターソロも歪んでいないクリーントーンで、しかし力強く歌と同じメロディを弾くので印象的。バッキングの軽やかなアコギと、最前の細やかなエレキのハーモニーは最高のリラクゼーション。

この曲ではギターが割と重ねられていて、とても繊細な聴き心地のロックを感じます。

心の柔らかい部分をもっと柔らかくするよろこびの歌。

歌詞 : 物語としてくっきりとした映像まで見えてくるマーシーの散歩中。

「散歩」という言葉は歌詞には出てきません。

真夜中にうろついていて、その最中によろこびを感じている気持ちが、優れた詩人の感性によって興味深く表現されています。

この歌の場合は一人というのが最大のポイントです。

目的もない自由な散歩の時に、他者を入らせない自分だけの世界を強く感じます。

マーシーはよく「散歩」って言葉だったりニュアンスを歌詞に使います。私もよく散歩をするので、散歩中に聴くことが多いです。

自分が好きなものが何なのかをしっかり自覚したくなる、うろつく時の歌。

M9「カレーうどん」

作詞・作曲/真島昌利

この曲の音はちょっとヤバいです。

楽器以外の水の流れる音や鳥のさえずりなんかが入っていますが、それが現実的すぎます。

空想的なスローテンポ。

体がわずかに宙に浮くレゲエのリズム。

聴きながら外にいる感覚になる個性的な言葉の連続と、瞬間を感じるアクティブな音場。

「音」が「楽しい」と書く『音楽』を体験する。

イントロには演奏が始まる前に、水の流れる音がしばらく入っていて、家で聴いていた私は家の中で水漏れしてしまったのかとびっくりしました。そんなわけなかった。

主たるメロディを弾くエレキの音は強めに入っていて凄まじいインパクトがあります。

マーシーのエレキ大活躍なアレンジ。

作者のマーシーが描いた物語にピタッとハマるヒロトの穏やかなボーカリゼーション。

誰より歌心のあるロックのボーカリスト。

歌のメロディも空想的です。

「カレーうどん」を聴きながらストレスを感じられないし、機嫌が悪くなってく人もいない。

一瞬たりとも心の不具合が発生しない。

いろんな音が耳に入ってきてどんどん楽しくなります。

歌の内容にはほのぼのとした物語があって楽しさを心いっぱいに広げてく。

暖かみのある歌の雰囲気が誰かの心を優しい方向へ動かします。

歌のメロディの隣では、やりすぎていないギターのビブラートが心地よく響きます。

サビでは遂にカレーうどんが登場。

ヒロトが緩やかに歌って、マーシーが軽やかにギターを弾くからカレーうどんの湯気が立ち上がっちゃってる。

割り箸も用意されてる、、、気がする。

たっぷりネギが入った絶対うまいカレーうどんが目の前に現れて、お腹が空いてくる人が続出しそう。何人かは今日カレーうどん食べようと決心した。

のんびりしたテンポだけど、すべての楽器の音に曖昧さがないのが魅力です。

ハイロウズの絶妙な力加減が極まってる。

鳥のさえずりとか虫の鳴き声も入っていて和みます。クタクタになった心が癒されます。

イヤホンをつけて散歩しながら聴くと現実の音だと勘違いするほど。

思わず、これは現実なのか歌なのかの確認のために一応イヤホンを外してみると鳥も虫も鳴いてなかった。

この歌、どんだけリアリティなんだ。

歌詞 : カレーうどんについてマーシーの好みなんかをひたすら歌うのかと思いきや、サビ以外は絵本みたいな物語です。

詩人だなと感心するほどキレイな歌詞。言葉のチョイスとか、言い回しとか天下一品です。

“ヤカンもシャンランラー”なんて歌として最高だし、この一言の歌詞に長い物語まであるような印象も受けました。

マーシーが食べてるカレーうどんもたくさんネギが入ってて多分天下一品だと思います。

実はカレーうどんを食べたいと歌っているのはサビだけでした。

マーシー、カレーライスだけじゃなくてカレーうどんも好きなのか。なんかよかった。

M10「コスモス」

作詞・作曲/真島昌利

ここまで連続したマーシー作の4曲目。

アドバルーンが飛ぶアップテンポ。

やたらと過激な音が出るロックアレンジ。

暴れるギターが聴きどころです。

高音質で、当然のリアリティ音質。

歌から超難題の問いかけがあります。

はっきりした答えを導き出せていない人間らしさの溢れる歌詞には共感します。

ロックらしく歪んだギターの打撃がビシバシとキマるイントロ。

疾走する勢いがある。これは期待しちゃう。

ヒロトの冴えまくるハーモニカも入ってます。

珍しく歌の部分にまでハーモニカが入っているから、これをライブで再現するのはかなりキツそうです。

アップテンポで音が迫ってくるし、ほとばしってるし、聴きながら私のテンションが二つくらい上がったのを実感しました。

ヒロトが明るく元気な声で歌うから歌詞の言葉たちが粒立ってます。

マーシーの歌詞と、ヒロトの歌がインパクトのあるいろんな風景を見せてくる。

特にサビの最初で歌われる「どうして僕は殺人をしないのだ?」という疑問。超難題。

大きな音で耳に入ってきた突然の衝撃です。

心が反応して、それに対しての難しい思考を始めて悩んだ頃には救いの歌詞がブッ放されてました。

サビのラストのフレーズが印象的で、長い時間が経っても記憶の中で爆音で鳴り響きます。

その部分で「くだらねえ くだらねえ」と2回歌う瞬間は、やりたい事が分かってる自分、つまり“自我”を強く感じます。

疑問に対しての答えはなくても、やりたい事とやりたくない事が分かってるいるなら最高じゃんと、わずかな迷いも吹き飛びました。

ハイロウズ絶好調です。

短めの間奏で炸裂してるのはキンキンな音が出るギターソロ。いつも私が求めるマーシーが突撃してくるロックの音。

ラストはマーシーが弾きまくる過激なギターが大暴れします。

隙間をすべて音で埋め尽くしたような分厚さ。

左右に振れるその音はとても印象的。

スマホのモノラルスピーカーでは再現されないので“ステレオ”のスピーカーかイヤホンで聴くことをオススメします。

この曲の音には絶妙なロックの圧迫感あり。

歌詞 : とんでもなく深い思考。

自称人間について普段は誰も考えないような難しい事を、印象的な風景を交えながら割とポップに歌う衝撃。

歌詞に共感する瞬間が何度もあります。

アップテンポのアレンジに歌詞が乗っているから、人によっては勢いで聴きがちだと思うけど歌の内容は実はすごく際どい。

“どうして僕は殺人をしないのだ? こんなのだっけ スカスカで グズグズで くだらねえ くだらねえ”

この疑問て難問です。すんなり答えられない。多分、興味ないからとしか言えない。

M11「フルコート」

作詞・作曲/甲本ヒロト

「十四才」と両A面の16thシングル。

私は知らなかったけど“フルコート”とはバスケットのディフェンスのことだったんですね。

タイトルと同じ名前の軟膏があるけど、それ塗ってもこの曲の良さは多分わからないと思います。

ライブでは「フルコート」の時にチアガールが登場して、みんなで盛り上がる楽しい振り付けで踊りました。ヒロトも個性的に踊ってた。

誰もがノリ遅れずに踊りやすいテンポ。

すべての楽器が凄まじい光を放ちまくる打撃系のイントロ。

ロックがそれをやってくれると最高にテンションが上がるスペシャルな感じ。

ハイロウズの前にあるフェンスさえも乗り越えて、歌の中心に入っていくほどの突破力がすでに自分に備わってる。

守るより、パワフルに攻めるロック。

伸びやかなメロディを大きな心で歌うヒロト。ジャキジャキしたマーシーのギター。全力の演奏。足りないものなんてありません。

ごちゃごちゃしすぎていないキャッチーなロックアレンジ。

パンクロックの分かりやすさを感じます。

“チャンピオンリング”という歌詞のヒロトの歌い方が、親切丁寧で真心があってやさしい。すごく大切にしてる宝物みたい。

それにしてもまた音がいちいち炸裂する高音質録音が相当な魅力です。聴こえていない音なんかない。ずーっと炸裂中で、飛びそう。

サビの力強さが、待ってるだけの生き方を変えます。奇跡よりもすごい事が起こりそう。

どの瞬間も自分が実現した名場面なんだと気づくきっかけになり得ます。

相変わらずくっきりハッキリしてて心に響くマーシーのギターソロあり。

名場面にならない曖昧な事柄を片っ端から吹き飛ばす。そういう熱のある音が出ます。

私は今日も体が小さいけど、歌に感化されて何にも負ける気なんかしません。

試合中の勝機到来ソング。

人生は待ってるだけじゃダメなんだと心が奮起してすげえ元気が出るロックからの激励。

歌詞 : それぞれの人生の名場面。

ガムシャラに突き進みたくなる応援歌でもありそうです。

神の仕業なんかじゃなくて自分が作った素晴らしき現実がリアリティ。本当の名場面とはそういうことだと歌っています。

他に方法はないし、一生懸命にいま自分のやってることこそが正解なんだと肯定できます。

人それぞれの涙ぐましい努力とかが「フルコート」の歌詞で報われる気がします。

“強いから 大きいから 勝てるとは限らないぜ”

小柄で細身な私にとって、ものすごく勇気が沸いた歌詞です。これなら私の名場面もやって来そうで嬉しくなりました。

浅はかでない誠実な感じが好きです。

「フルコート」の名場面。

M12「天国野郎ナンバーワン」

作詞・作曲/真島昌利

お笑いタレントの“間寛平”に『天国野郎』のタイトルで提供された曲のセルフカバー。

17thシングル「ニューヨーク」にライブバージョンが収録されています。

凄まじい勢いのあるアップテンポ。

時間さえも早送りするくらいの高速ロック。

パンクスタイルのギターが激アツです。この人たちがこういう曲をやると、キマります。

またしても割と過激な歌詞。歌詞の過激さは本作には思いの外あって、突然の衝撃を受けやすいです。

寛平さんに提供されたものはレコード会社に勝手に歌詞を変えられたそうです。余計なことしやがってとマーシーが怒ってました。

イントロにあるのは最高速の疾走感と、パンクスピリッツ全開の炸裂ギターフレーズ。

ヒロトの歌も全速力で突っ走ってる。

「1,2,3,4」と数える歌詞が強烈なインパクトで心の真ん中を直撃します。

一瞬の滞りもなく疾走していくこの歌を聴きながらスヤスヤと眠れる人は滅多にいません。良さそうに思ってた天国に行く気も失せます。

この曲のギターの音がまた私の胸にヒビを入れるほどの快音です。

ボーカルよりも際立っているかもしれない。

マーシーが豪快に弾きます。

天国を拒否するサビではすべての音がブーストされる感覚。主張した音の圧力が高められたような刺激に満ちています。

ハイロウズが一番つまらなそうなことを、過激な勢いを持ってぶった斬った。

みんながいいと言ってることを安直に真に受けない誠実さを感じる。

ロックはいつも自分の頭で考えてる。

「天国野郎ナンバーワン」の、急に始まって急に終わるせっかちな感じが魅力です。

うっかり天国に行ってる暇はありません。

歌詞 : 「天国になんか行きたくない」と言い放つレジストリリック。

出だしからいきなり「人間か?奴隷か?」と自分の在り方に迫る疑問が投げかけられます。

この曲の歌詞から、組織や会社の奴隷になって生きてしまってる人が多いとマーシーは感じたんじゃないかなと私は解釈しました。

傑作なのは天国に行きたくない理由が、つまらなそうだからということ。

誰も気付いてない楽しさを知ってる人だと感じるし、ロックにだけある自分の強い意志も感じるし、私も同感です。

みんなが欲しがるものとかつまらなそう。

M13「アダムスキー」

作詞・作曲/甲本ヒロト

UFOに乗っていきたいハイロウズ。

迫力のスライドギターが唸るスローテンポ。

もの足りなさを強調した面白い歌詞です。

落ち着いたテンポで浮遊感のあるイントロには重い気持ちとかどうでもよくなります。

最新型についてヒロトが歌い出すと、ボーカルが強調された控えめな演奏でふわふわ感が増します。

ヒロトの歌は独特な感性だと、しみじみ思う瞬間が何度もあります。歌詞の通り本当にもの足りないと感じてるやるせない気持ちが聴こえる。

ボーカルの隣ではマーシーの神技:スライドギターが唸ってます。

聴きながら自分が空中に浮いているような不思議な感覚。

落っこちないし、どん底なんてない感じ。

特にマーシーの明るい歌声が際立つコーラスが音場を広げてます。

ヒロトが「パッパラ」と歌うメロディのパートに入ると、後ろの方からさりげなく聴こえてくるアコギの音がいかしてます。

アコギの音ってなんだかいつもグッと来る。

間奏ではギターとキーボードとハーモニカのハーモニーが浮遊してる。

この曲のギターは絶対難しい。テクニックというより、絶妙なそのタイミングや力加減なんかをギターで奏でる感性はマーシーにしか表現できません。

急にちょっとだけテンポアップする終盤。

遂にハイロウズがしびれを切らして最高速度に到達したっぽい。

浮遊感は減衰して、躍動感に満ちてる。

パワーが加わってひたすら「もの足りないぜ」と歌ってる。そこら辺にあるものに決して満足できない感じが素敵です。

「アダムスキー」はもの足りなかったか?

そんな事はない。

超最新型で魅力を感じた。

沈んだ気持ちを浮かしたい時の苦くない良薬。

歌詞 : 最新型にどうにもならないもの足りなさを感じてる“超最新型”。

高機能な最新型(多分オートバイ)ではもの足りないから、渋滞もオービスもミニパトも関係ないUFOに乗せてってという主張。

人間を守るために作ったルールなのかもしれないけど、それがあることによってもの足りなさを感じてしまう正直な気持ち。

聴くと目の前の事実がもの足りなく感じてしまう影響力。

この歌を聴いた時に「アダムスキー型」って何なんだと思っていました。

アダムスキーとはポーランド系の姓である。 綴りは”Adamski”。 UFO研究家。 … 彼が撮影した『空飛ぶ円盤』は『アダムスキー型』と呼ばれ、UFO像の最も典型的なイメージとして浸透している。

パッと思い浮かんだあの形のUFOのことか!

M14「クリーミー」

作詞・作曲/甲本ヒロト

アルバムラストにふさわしい名曲のたたずまいを感じます。

カリカリしてないクリーミーなハイロウズ。

絵本が似合いそうなロマンチックな言葉の並び方が特徴的な歌詞。

メロディの親しみやすさはピカイチです。

Bメロ辺りは口溶けの良さそうな、なめらかなメロディ。香りもいいです。

イントロのギターのフレーズからもうとろけ出す私の平常心。

なめらかな演奏の聴き心地はクリーミー。

柔らかさのままスルッと心へ入ってきます。

メンバーが全員で楽しそうに歌うファルセットのコーラスは、ほのかに光る夜空の星のような雰囲気。

クリーミーだからといってフニャフニャしてない力強さを持ったヒロトの歌が、直球で飛んできます。

独特な歌の間に強烈なインパクトを感じます。

ロックのフレーズ満載なマーシーのギターには、意識していなくても注目しがち。

マーシーのギターの音からは、コクがあってスカスカでない口当たりのクリームが溢れ出てきちゃってる。程よい甘さだ。

途中でぐわんぐわんとワウるエレキと、軽やかさの象徴であるかのようなアコギがフィーチャーされるのも素敵。

1回で心に残るほど美しいBメロまで来ると、聴き心地はもうロマンチック。

人の温かみを保ったまま心へ入ってきます。

一番なめらかなサビは、うずを巻くクリームのような美味しそうな魅力が提供されます。

程よく甘いクリーミーさに包まれて、ぎこちない平常心がなめらかに溶ける多幸感へと変わる瞬間。

珍しくマーシーがかなり長めにやってくれるギターソロあり。

なんかずっと弾いてるから楽しくなりました。

「クリーミー」な感触をロックで表現し切ったのはハイロウズが初めてです。

心の引っ掛かりを溶かしたい時に合います。

ロマンチストには非常に合います。

歌詞 : 空想的ななめらかさが際立つロマンチシズム。

登場する動物の名前はすべてカタカナで表現しているのが印象的です。

直接的な表現を好む人には分かりにくいかもしれないほど繊細な感性。

人間が品を下げていないなめらかな夜空が広がっています。

「金のカヌー」とか「お姫様のかおり」とか、ロックを聴きながらロマンチックな絵本のページをめくっている感覚です。

ラストにほっこりした気分になれて、大きな喜びを感じるのがグッドポイント。

みんなの心がクリーミーでとろけるなめらかさになったところでアルバムはおしまいです。

リアルよりもリアリティなロックを14回も楽しめる21世紀最初のアルバムで、ハイロウズの6枚目のアルバムでした。

再生ボタンを押してから1時間以上もロックに没頭していた。

アルバムに収録されたそれぞれの歌に、それぞれ違った心の奪われ方をしました。

ハイロウズがまたなんか楽しいの作った。

「21世紀音頭」の歌詞でもはっきりと歌っていました。『HOTEL TIKI-POTO』の前提は楽しむことです。ヒロトとマーシーの前提も自分が楽しむことです。

“今はちょっと楽しむ時 ちょっと笑う時”

そ〜れ♪ヨイショ♫


CDでもレコードでも同内容で、同じ熱量のロックンロールが14曲入ってます。

どっちでも自分に合う方を選んで聴くのが楽しいです。

私はわがままなので、選ばず両方という選択です。許してくれ。


ありがとうございました。

また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。

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ニュー・アルバム『HEY! WONDER』
2024/2/7発売決定!

CDとアナログ盤が出ます。
完全生産限定アナログ盤はいつも通り良心的な価格です。
レコードの価格が高騰しまくった今の世の中で、普通に3000円て思いやりが溢れてます。

<収録曲>
1.あいのロックンロール
2.大山椒魚
3.ゆでたまご
4.ハイウェイ61
5.よつであみ
6.恋のOKサイン
7.メロディー
8.くだらねえ
9.ダーウィン(恋こそがすべて)
10.SEX AND VIOLENCE
11.不器用
12.男の愛は火薬だぜ ~『東京火薬野郎』主題歌~

今回も興味深いタイトルばかりで、既にテンションが上がってきました。
ツアーも楽しみです!

ニュー・シングル「あいのロックンロール」12/13発売決定!!

1.あいのロックンロール
2.SEX AND DRUGS AND ROCK’N’ROLL

CDと7inchアナログ盤が出ます。

ロックンロール尽くしなシングルで超楽しみです!
タイトルだけでワクワクさせるクロマニヨンズ!

40代、人より物が好きです。

唯一の問題は冗談のセンスが全然ないということ。

繊細なものが好きです。

細やかで、誠実で、ピカピカに光ってて、そこら辺には落っこちてないもの。

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Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。

レコードに次いでカセットテープの人気が上がってきてるみたいです。

私はカセットがとても好きです。もちろん私の中でも一度終わったメディアですが、個性的なものはもう一度好きになったという感じです。最近はカセットばかり聴きます。

小さくて手に馴染むサイズ感はかわいいと思います。A面とB面があるわずらわしさが、音楽を聴く楽しさに変身してます。

それで、ブルーハーツのシングルのカセットが欲しいとずっと思っていました。全シングルがカセットで存在している訳でもありません。たまに出品されていても割と高値が付いて買えません。

でも欲しかったし、貧乏なオレには買えないのはとっても悔しいので自分で作りました。

ジャケットも出来る限りオリジナルに忠実になるように自作しました。

生のテープが安く手に入ったので制作に踏み切りました。

自作カセットテープ↓

ハイロウズのカセットテープも作成しました。

ジャケットはレコードの帯の煽り文句をモチーフにしています。

見にくいだろ?イライラするだろ?(笑)

クロマニヨンズもあります。

クロマニヨンズのシングルカセットも自作しました。

素敵な音が出てます。

満足してます、納得してます、感激してます。だからもう高値で売られているものを買う気はありません。

ボロくても手作りには光があります。