こんにちは。
『MONDO ROCCIA』は2009年リリースのザ・クロマニヨンズの4thアルバムです。
クロマニヨンズならではの迫力である「モノラルサウンド」が突っ込んでくるロックンロール、遂に始まり。
ぶっちぎりの音、“MONO”解禁!
心の名盤:全曲レビューです。
皆さんどうぞ最後までよろしくお願いします。
クロマニヨンズは特に何も教えてくれないけど、楽しいという最高な感情に気づかせてくれる達人です。
自分たちの価値基準で、世の当たり前なんかブッ覆すロックンロールバンド。
だからこそのモノラル。
おごりとこだわりの違いが明確。
いつも自らが出発点となる独創性が魅力。
手作りのロックンロールをブチかますバンドの尽きせぬ自信と、それを一緒になって楽しむ自分の熱狂を感じます。
The Cro-Magnons/MONDO ROCCIA(2009)
MONDO ROCCIA(モンド ロッチャ)は、前作3rdアルバム『FIRE AGE』から1年後に発売された4枚目のアルバムです。
2009年10月28日発売。
4枚目の今作からは、モノラルとかジャケットや収録時間やら何かとシリーズ化されて、CDやレコードに統一感が出始めました。
クロマニヨンズ・スタイル、爆誕。
今では沢山になったそれらをすべて並べると、CDやレコードの勝ち誇った笑顔の背表紙が、ラックの中で光っています。
至高のコレクション。
この4thアルバム『MONDO ROCCIA』は、自分たちの好きなものを作るという意志のもと、はじめからレコードを前提として制作された初のアルバム。
ヒロトやマーシーは生粋のレコード好き。
『MONDO ROCCIA』収録曲
1. ジャングル・ジャミン
2. グリセリン・クイーン
3. 鉄カブト
4. フンカー
5. 炭酸
6. ジョニークール
7. ムーンベイビー
8. アウト
9. 酒じじい
10. 突然バーン
11. 恋に落ちたら
12. エロこそすべて
全12曲34分。
2分台の短さで大興奮させる曲が多い。
今作からオリジナルアルバムは全12曲で収録時間が30分台のスタイルになっていきます。
40分を超えません。1枚に長くは収録できない“レコードありき”で作品を作り続けているクロマニヨンズのこだわり。
アルバム1枚全曲を聴いても30分ちょっとなので、一日に3回は聴けます。
内容は強烈なのに親しみやすさは抜群。
34分の短時間で、感動して気持ちが前向きになるロックンロールのアルバム。
今聴くか迷う必要もなくなりました。
4作目もやはり今を生きて楽しもうと、ポジティブな気持ちになれるロックンロールのみが収録されています。
心に聴こえるロックンロールはすごくいい。
特にアルバム終盤における“恋心”がキラキラした高揚感はぶっちぎりに心を動かします。
アルバムから出る音にも変化を感じます。
モノラルになったからなのか、2人の魂が炸裂しちゃったからなのか、コビーのベースやカツジのバスドラ等の“低音”が圧倒的に存在感を増しました。
過激な音でビビります。
多くの曲で、マーシーの豪快なギターソロが炸裂するのもアルバムの聴きどころ。
決してだらしなく長くはやりません。
鋭い音、尖った音が心のガードを突き破ってくるので期待してください。
アルバム4枚目、直球ストレートの魅力。
気取った服は着ていなくて、生身でロックンロールをやるクロマニヨンズが好きです。
誇らしげなTシャツを着て、いつでもぶっつけ本番なのがもっと好き。
こだわりのレコードジャケット
『MONDO ROCCIA』からレコードは“60年代フリップバックE式盤”を再現したというやたらといかすジャケットになりました。
クロマニヨンズがこだわった「E式盤」とか初めて聞いたけど、ジャケットに折り返しがついたりしてて、馴染みのある日本盤とは全然違う雰囲気です。
「A式」= アメリカ式
ということです。要は古き良き異国のレコード感があって、なんかカッコいいから、つい集めたくなる魅惑全開。
シングルもアルバムも全部並べると、魅惑のコレクション性をぶっ放す。
ジャケットのデザインはずっとクロマニヨンズのデザイナーをやっている菅谷晋一さんが手掛けています。
毎回、クロマニヨンズの音楽と同じ熱量をブチかますロックンロールのジャケット。
もうこの時期の作品からは特に統一感があって、インパクトもあって、つい欲しくなるし集めたくなる魅力がすごい。
私は、毎回なんかすげえもの買っちゃった気がしてます。
モノラルサウンドの魅力
この作品(先行リリースのシングル「グリセリン・クイーン」から)からCDでもレコードでもモノラルでのリリースが解禁されました。
ブッ飛んでます。
聴きたかったぶっちぎりの音が出る。
よくエンジニアの人が、モノラル・ミックスの方がステレオ・ミックスより気を使うと言っているのを聞きます。
聴き取りやすく左右に振り分けたステレオより、真ん中にしか音がないモノラルは、音の配置やゲインやら色々と調整して、どんな作品に仕上げるか難儀するのだろうというのは、知識のない私でもなんとなく分かります。
当たり前ですが“ステレオ”と“モノラル”では音の聴こえ方、感じ方が全然違うのが魅力。
ステレオを聴くと、立体的ですべての楽器や歌が何をやっているのか聴き分けがスムーズで理解しやすいです。
一方モノラルを聴くと、音が強烈な塊として突っ込んでくるから、ド迫力の聴こえ方。
そのため、演奏も何もかもがパワフルに感じることが多々あります。
とは言え、優劣の問題ではありません。
好みです。
マーシーが語る“モノ”
・モノは音の飛び出し方が、スピーカーより前にある
・ステレオだとスピーカーの後ろで鳴ってる感じだけど、モノだとドーン!と入って突き破る
・モノを聴いていると(バンドの)隣にいるみたい
ヒロトが語る“モノ”
・(モノは)バンドが部屋にやってくるよね
非常に分かりやすいです。説明が鋭いし、やっぱり音楽好きの人たちだと感じました。
私もこの説明の通りだと実感しています。
2人はモノ、UKオリジナルのアナログ盤が好きで、モノは最高だと言ってCDは聴かずアナログばっかり聴いているそう。
自分たちが楽しいと感じた“モノ”を作品にして世の中に発表し、私のところにまで広めてくれたクロマニヨンズが大好きです。
シングル曲は6枚目のシングル「グリセリン・クイーン」が収録されています。
2009年10月7日リリース。
CDと7インチアナログ盤が同時発売。
全編モノラル。
カップリングにはマーシー作「ネギボーズ」、ヒロト作「メインジェット」を収録。
ピカピカに光るロックンロールの救いあり、核心を突くロックンロールに気付きありで、常識外れのシングルになっています。
3曲入ってたったの8分46秒の潔さ。
カップリング曲は本作『MONDO ROCCIA』には未収録。
初回限定盤のCDには特典ディスクが付属。
映画『ヤッターマン』の劇中歌になった「ヤッターキング 2009」が収録されています。
7インチアナログ盤の方には、 B面の2曲目として収録。
2009年、アルバム『MONDO ROCCIA』発売当時、CDとアナログ盤が同時発売。
CDの初回限定盤には“スタジオライブ”が収録されたDVDが付属しました。
アナログ盤の方は、物体としての“特別感”が爆発しています。
なんと、レコードは200g重量盤でズッシリとした手応え。その為レコードをかける時には必ず「何これ⁈重っ!」と実感します。
クロマニヨンズがやたらとこだわっているし、その重さは圧倒的なロックンロールを鳴らしてくれそうなオーラを放っています。
このレコードの重さや厚さにはびっくり。
今では『MONDO ROCCIA』の中古レコードは割と高値が付いていたと思います。5万円以上。それって定価の17〜18倍です。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
サイケなジャングルにぶっ飛ばされたり、美しいギターの音色が毎秒を伝説にしたり、アルコール分の強い音に酔っ払ったり、過激にエロくなったり、悦楽ガンギマリ。
34分間、クロマニヨンズがポジティブな音を浴びせ続けてくれる。
ただの音じゃない、ロックンロール。
そんで、心へ直撃してくるモノラルサウンド。
モノラルは、小さなBluetoothスピーカーなんかでも「ド迫力」で鳴ります。
パッとしなかった消極的な気持ちを、クロマニヨンズのロックンロールが必ず積極性へとブッ覆す。
笑って生きるパワーが全員にブチ込まれる。
つまり、夢中になって楽しめます。
全曲が心を大きく動かす4枚目。
熱狂的で行こう。
オーライ!ロッケンロー!!
飛ぶぞ!!!
M1「ジャングル・ジャミン」
作詞・作曲/甲本ヒロト
[ 再生ボタン ] ぽちッ
ギャーーー!!!一音目からジャングルにブッ飛ぶ凄まじさ。私は今ジャングルにいる。
一発で心のネガティブをブッ消す。
ドンドコなドラムにサイケなギター。「オラオラ」歌う怪しげなボーカルに轟くベース。
ものすごい演奏だ。
野蛮な音に頭が飛ぶ。
都会性なんて皆無の野性サウンド。
心を震わすダイナミックなエキゾチック。
イメージ:ジャングルでたいまつとかを持って吠えながら踊ってる奴ら。そいつたちは明らかに裸だ。
野生的かつ、サイケなアレンジ。
ジャングルビートに情熱的なメロディ。
ミディアムテンポからアップテンポへと突き抜ける躍動感が特徴。
クロマニヨンズが吠える。
カツジのドラムが何やら怪しげな儀式をブッ始めるイントロ。
強烈なリズムに、私なんか早速トリップ寸前の危険な状態。
「オラオラ」と歌い出すヒロト。
非常に野性的で抜群にパワフル。
お前も入れよと、クロマニヨンズのロックンロールに歓迎された気分。
唐突にギターリフが唸る。
それまでミュートして控えめだったギターの音が最前線に出てくるから、突然の爆音にびっくりした。
極端に刺激的。
過去3作のアルバムの音に比べて、コビーのベースやカツジのバスドラの音が鮮烈です。
ブイブイ言わせる低音。
何という音の破壊力なんだ。
サビはアレンジ、テンポ、メロディの親しみやすさが、一気に突き抜ける爽快感でとことんスッ飛ばす。
間奏はマーシーのギターソロだ。
ジャングルを縦横無尽に飛び回る、躍動的なギターサウンドが楽しめる。
魅惑の音は、実在感のある生音で真っ直ぐに迫ってくるド迫力。そこに置いてあるアンプから今この瞬間に鳴ってる音そのまんま。
この歌、遠慮のないジャングルビートに心が異常な程に熱く煽られまくる。
早い話が過激だ。
このまま私のテンションは大丈夫なのか⁈
1曲目からぶっちぎり。
たったの2分18秒しかやらないけど、インパクトは平常心を突き破った。
最後の1秒までクロマニヨンズが吠える。
アルバムの1曲目から、いきなり普通じゃない生命力を感じる。
やっぱりクロマニヨンズ、とんでもねえ。
歌詞:ジャングルに鳴り響く音、そのもの。
すべてがカタカナ。深い意味はなし。
それでいて、とんでもなく気持ちを熱く刺激するこの歌詞は驚異的です。
全員がジャングルのド真ん中にぶっ飛ぶ。
ほとんど「オラオラ」「ウォッウォッ」と吠えているだけだから感性を野性にする脅威。
カタカナによる猛々しいジャングルの主張。
意味の無さに魅力がある。
M2「グリセリン・クイーン」
作詞・作曲/真島昌利
クロマニヨンズの6枚目のシングル。
レコード、CD、どちらも「モノラル音源」で発表された第1弾シングル。
マーシーが持ってる水色ギターの歌。
澄んだギターの音色が特徴。
ギターの音は歪ませていないクリーントーンだから、生きることに対する迷いなんてないクリアーな未来が見えてきます。
真っ直ぐで、嘘つかなくて、歪んでいないロックンロール。
クリーンなストラトの音色と、耳触りの良いアコギのハーモニーがこの曲の個性。
迷いがなく真っ直ぐに歩いている時のテンポ。
自分に誠実に生きる滑らかなメロディ。
ロックの光を放つアレンジ。
私が一番感じるのは、歌のすべてにおける美しさです。
イントロなし。
冒頭の部分は緩やかなアレンジで、ゆっくりテンションアップさせる演出がいかす。
その後Aメロに入ると演奏に疾走感が出た。
心へスッと入ってくる心地よいテンポ。
正直さの際立った歌心を聴かせるヒロトのボーカルがたくましく、美しい。
むしろ、聴こえてるすべての音が美しい。
ギターのクリーントーンが生命の力強さになって、健康的なアレンジが燦々と注ぐ光になってる。
だから健やかな気分になりたい時に合う。
力強さの増すサビにはファルセットのコーラスが、太陽の明るさと温かさまで放ちます。
それは包まれている安心感と、人生を前に出すためのエネルギーになる。
同時に“伝説”が、音として鳴り響く。
ほんのわずかに重ねてあるエレキがキラキラした光の音を聴かせてくれる。
ギターソロなし。余計な装飾もなし。
実直。一直線なロックンロール。
力が湧き上がるストーリー性のある歌詞が、自分の底の方に隠れていた勇ましさを引っ張り出してきた。
「グリセリン・クイーン」に嫌な重みはなく、すこぶる軽快です。
クロマニヨンズが真正面から、こっちに向かって静かに歩いてくるのを感じる。
誰でも受け取れる直球ストレートの影響力。
いつか死ぬ時に絶対に後悔をしない歌。
気持ちはスッキリしてる。
歌詞:マーシーの水色ギターが毎秒を伝説にする“澄んだ”言葉たちが魅力。
非常に繊細です。
しかし爆発的でもあります。
いろんなものが特別に見えるマーシーの感性は、すごく楽しいのだろうなと感じる。
特に2番の繊細な歌詞は美しい。
細やかで芸術的な表現にうっとり。
生きているうちに、できる事は何でも“やってしまう”と歌い、伝説を実現するサビ。
今度は誠実さが爆発してる。
要するに、何もしないまま終わる訳にはいかないと、心が奮起する。
やらない大人になってはいかん。毎秒に伝説を感じてるその誠実さこそが伝説級の歌詞。
M3「鉄カブト」
作詞・作曲/甲本ヒロト
疾走感をぶっ放しながらも、ジーンとさせるロックンロール。
無意味な勢いでない気の利いたアップテンポ。
心を直撃する慈悲深いアレンジ。
至極キャッチーなメロディ。
感情的なサウンド。
何かを大事にする人情が溢れてる。
耳の奥を強く刺激するほどキンキンなギターの一撃からスタート。
ロックンロールの凄まじき勢いがあるけど、それだけではないのが特徴。
心のやさしさや慈しみを感じる印象の歌で、ゆっくりじわじわと刺さってくるという感覚は特別なものです。
ヒロトが感情をストレートに歌う。
1回目より何度目かの方が、よりグッと来る。
マーシーが弾く圧倒的で美しいコードストロークがモノラルの音で迫り来る。
モノラルの迫力は1秒で心を鷲掴み。
歌も演奏もやたらと感情的で、聴けば聴く程にどんどんエモいと感じるのが魅力。
この曲、歌ってる内容がもっとエモい。
3回目くらいで、急に歌詞が心の奥へ響いちゃってることに気付いて感動しました。
何度も聴きたい名曲になった。
クロマニヨンズではよくありますが、3曲目で感情をたかぶらせるこの感じ。シビレる。
すごいぜ!クロマニヨンズ!
サビでは煌びやかなギターが重ねてあって、ゴージャスな鳴り方をするのが印象的。
その音は豪快な疾走感にもなってる。
だから私の感情まで突っ走る。
ラストのサビはギターの更なるエモフレーズが爆音で鳴り響いて、胸にヒビが入ります。
熱くなった自分までも感じるハイライト。
曲の終盤なんか、ロックンロールに感情がたかぶりすぎて涙が溢れてしまいそう。
悲しいのと感動するのは違うということです。
心の柔らかく優しい部分に触る歌。
歌詞:その人を忘れたくないという人情。
人の体温や深い感情があり、心を刺激する。
思いを馳せる人を覚えていたいという、強い思いが私の心の奥に伝わってきます。
この歌詞がその人への手紙になってる。
命よりも、思い出と記憶だけは守りたいと、頑丈な鉄カブトをかぶる誠実さに感動。
とは言え、恋の歌とは違うと思います。
私の場合は、音楽やロックにこの歌詞が結びついていきました。
勢いで飛ぶというより、ジーンとくる歌詞。
なぜなら、深い慈しみを感じるから。
M4「フンカー」
作詞・作曲/真島昌利
エネルギーが充満する火山の歌。
非常にリズミカルなロックンロール。
とは言え、4曲目に来て曲調や言葉から可愛らしさを感じる癒し地点でもあります。
爆速でない軽快なテンポ。
楽しげなコーラスにはうっかり元気が出る。
明るいメロディがマイナー調のメロディに変わるスリリングさが絶大なインパクト。
曲中、何度もフンカーしてドドンドンとパワフルなロックの光がブチ込まれる。
少し元気が必要な時に絶好調で合います。
空間へ鳴り響く小気味いいギターのイントロ。
能動的なフレーズに、思わず体が反応する。
このイントロのギターの音はリアルすぎて、うちのスピーカーがスタジオのギターアンプと入れ替わっちゃうぐらいの衝撃。
マーシーがレコードやCDの中に、その瞬間の情熱を置いていったのかもしれません。
火山の力をそのまま持ったかのようなヒロトのボーカルは、やはりたくましい。
勝手に元気が出てきちゃう。
人の心を動かす達人。
ちょっと巻き舌なのがロックンロールで、ヒロトならではの歌心にシビレる瞬間がある。
コーラス入りで歌われる「フンカー」の激熱な必殺ポイントへ突入する。
繰り返し“フンカー フンカー ドドンドン”と歌うフレーズが一回で覚えられる楽しいメロディだし、印象的。
次に極まったスリリングさも体験します。
急に心の奥を刺激してくるメロディに変化。
Bメロで変調するのがとんでもなく刺激的で強いインパクトあり。一変したマイナー調のメロディには、自分の感情や心の掴まれっぷりを隠しきれない。
火山の熱さと、風のクールさという感じ。
突き抜けた明るさから一変したセンチメンタルとのギャップが、この曲のハイライトにもなり得る。
いつも自分がクロマニヨンズに求めているものの一つだと感じます。
クロマニヨンズは楽しませてくれるのだ。
この人たちの、決してただの自己満足で終わらないエンタメ性を尊敬しています。
一般論なんかでは絶対に感じられない魅力。
この歌、クロマニヨンズが尽きることなくフンカーしてた。
しかし曲の終盤まで来ても、まだ元気が出ていない人もいるかもしれない。
大丈夫です。
ラストの音、カツジのドラムの「ドン…ッ!」で、噴火します。
歌詞:難しく考える必要のない分かりやすいエネルギー。
噴火するエネルギーが心に触ってきて、聴いてるだけなのに非常に熱いのが特徴。
火山やマグマのエネルギーに感じる“熱さ”が心を前向きにするポジティブな言葉。
“熱”こそが感受性を鋭く刺激してきます。
楽しいリズムのアレンジと同じく、歌詞までリズミカルに感じるのが魅力。
マーシーの芸術性が突出してる。
フンカーするサビは、すべてカタカナでのアピールで、歌詞カードを見た時の強烈なパワーに元気が噴火する。
M5「炭酸」
作詞・作曲/甲本ヒロト
2分を切る1分49秒の潔さ。
キリッと冴えたロックンロール。
炭酸がピチピチと弾けるアレンジ。
一口目のビールのような爽快なテンポ。
歌の魅力に喉が渇いてくるかもしれないけど、思いっきり心を潤す歌詞とメロディ。
まさしく特徴は、炭酸の見事な弾けっぷり。
「ヘイッ!」と、引き締まった全員のコーラスでスタート。
陽気なギターリフ。
開始5秒、これは楽しい歌だと直感でわかる。
比喩表現として「爆弾」とか「毒ガス」とか危なっかしい言葉をヒロトが歌い出す。
とは言え、まったく深刻な感じではなく、明るくて軽快で炭酸みたいにピチピチしてるから“楽しい”以外の感情は抱けません。
キレの良いマーシーのカッティングが、あっさりと憂鬱な気持ちを切り裂いてく。
気分上々な聴き心地。
ウキウキしてる、ルンルンしてる。
ランランしちゃう人もいるかもしれない。
ドスドス響くバスドラと、ブイブイ唸ってるベースが印象的。
モノラルサウンドが私の心を奪いに来てる。
誰もが感じるのは、ぶっちぎりに上機嫌なサウンドということ。
曲の演奏時間は極端に短いけど、歌から連想させるパンチ力は絶大です。
つまり、ビールが飲みたくなる。
「炭酸みたいなやつ」と連発しながら、ジャキジャキしたギターの音が欲望を駆り立てて、急に喉が渇いてくるサビ。
キリッとした“炭酸みたいなやつ”が飲みたくなってきます。
たったの1分49秒の中に、ピッチピチの弾けるギターソロあり。
一音一音がキレッキレ。
炭酸のシュワシュワ感じまであって驚異的。
マーシーの細やかな感性が炸裂してる。
なんと言っても、曲全体から感じる炭酸サウンドは唯一無二の魅力。
こんなにもピチピチ、シュワシュワした音は初めて聴いた。
すべてを語らず、強くイメージさせるというヒロトの並外れた感性が出まくりのクロマニヨンズならではの歌。
親しみやすさは抜群。
この曲自体が“炭酸みたいなやつ”です。
歌詞:連想としては、どうやら私にはキリッと冴えるビールの瓶が見えてきました。
瓶ビールを比喩的に表現している印象。
はっきりとした正解は歌わないのが、想像の余白という興味深さ。
だからこそ一言も聞き逃すまいと、夢中になって味わいがちな歌詞。
喉がシュワシュワしてくるのが特徴。
心の渇きも潤う歌詞です。
全体的なイメージは、キリッとしてる。
M6「ジョニークール」
作詞・作曲/真島昌利
大好きな事がひとつだけあれば、自分の人生を夢中で生きてしまえると、心を燃えさせるロックンロール。
不快な引っ掛かりのない滑らかなアレンジ。
全員に希望の光を放つメロディ。
心へスルッと入ってくる歌詞。
ロックンロールがこっちに向かってブッ走ってくる快適なテンポ。
疾走感で突っ走りながらも、根底にはさりげなく安定感を抱かせる奇跡を体験できる。
何かとギャップの発生する衝撃。
タイトルに「クール」という言葉が入っていながら、聴き心地はすげえ熱いギャップ萌え。
すなわち、心に残る名曲。
歌っている言葉の反対の意味を感じるおもしろさがあります。
イントロは暴走しないクールなギターリフ。
しかしクールな印象は徐々にブッ覆る。
真摯な態度でヒロトが歌い出す。
カッコつけて捻じ曲げたり嘘ついたりしないロックンロールの誠実さを感じられる。
歌う言葉からは、素晴らしき自我を取り戻すための突破口になる光が見えます。
2番から強めに入ってるマーシーのコーラスがすこぶる刺激的。
強いエネルギーに心が前に押し出される瞬間。
ギターの音は不要な装飾のないストレートで、臨場感のある生音が空間へと鳴り響く。
とは言え、ほんのわずかにだけ重ねてあるギターの音色が、やはり“光”になっています。
感情的なBメロへ突入すると、メロディや演奏が心のガードを突き破って入ってくる。
これぞエモーショナル。
ここにもマーシーの強靭なコーラスが入っているし、途中で聴こえるアコギの音にいつも自分の心が反応するのが快感です。
イントロで受けたクールな印象は、既に激熱なものに変わってる。
タイトルを繰り返し歌うサビ。
芯のあるコーラス入りで、特に疾走感に満ちているから遂に心が開放されます。
間奏はマーシーの堅実なギターソロ。
自我に忠実で、真っ直ぐに突き進むブレないメロディ。これがモノラルの迫力が突出したいい音で鳴るのです。
間奏直後にはギター、ベース、ドラムの爆発音が鳴り響く瞬間あり。
とんでもねえエネルギーがブチ込まれる。
最後のサビでヒロトが叫んでる「イェーッ!」には、ぶっちぎりの輝きに勇気づけられる。
気付くと心のレコードプレーヤーが鳴らしている、なくならい歌。
私が「ジョニークール」から特に感じた事。
それは、
好きな事、やりたい事がわかってる自分。
歌詞:大好きな事を貫いている信念。
ロックンロールの光に照らされる強い希望。
“希望も夢もない なんだかわからない”と歌い出すからちょっとだけ不安になったけど、この歌が伝えているのはそっちじゃない。
ひとつだけあってなくならない燃える心。
“大好きな事 ひとつだけある”
オレはバカなのか。クロマニヨンズがネガティブになる歌なんかやる訳なかった。
大好きな事を掴んで生きたくなるロックンロールの言葉が燦然と輝いてる。
M7「ムーンベイビー」
作詞・作曲/真島昌利
レコードは各面それぞれ6曲ずつなので、盤をひっくり返してここから B面です。
B面の1曲目にふさわしいギンギンバリバリでノリノリのロックンロール。
ついうっかり体が踊り出すのが魅力。
クロマニヨンズがロックの歪みサウンドで月へブッ飛んでいく。
親しみやすさは絶好調です。
コーラス部分で腕を突き上げて飛び跳ねたくなる軽快なテンポ。
1回で覚えられるキャッチーなメロディ。
ライブで盛り上がり必至の腰振りアレンジ。
特にマーシーの炸裂したチョーキングの魅力に取り憑かれます。
カツジの素早い連打ドラムで演奏開始。
すかさず印象的なギターリフが空間へと鳴り響いて、月までひととびしてしまえそう。
イントロの時点で体は既に軽やかに踊ってる。
無駄に力んでいないヒロトのボーカルが、今度は私の心を動かす。
絶妙な力加減にうっとりしちゃう。
非常に心地よいロックンロール。
Bメロでは珍しく英文の歌詞が歌われる。
とは言え、簡単な英文の繰り返しで、誰でも初めて聴きながら一緒に口ずさめる。
マーシーたちが歌う「カモン ベイベー!」のコーラスは見事にパワフルで、私の平常心がついに激情。
あとはもう抑制なんか効かずに踊り狂うだけ。
“ないしょにしとこうぜ”と歌うサビ。ヒロトの歌には感情が溢れていて、みんなが絶対に内緒にしときたくなる。
間奏の直前に衝撃あり。
マーシーのシャウトが熱い!強い!最高!
色気まである。
間奏はマーシーの尖ったチョーキング爆裂のギターソロ。激しいメロディが聴ける。
これはキマる、悪いけどガンギマリ。
アウトロにはヒロトのハーモニカが主張しすぎない音で入って、月のおぼろげな光のメロディを聴かせてくれます。
曲が終わっても、ギターの鋭いチョーキングの音が耳の奥に残ってる。
その音が腰にグイグイ来てたのだ。
部屋で踊り狂いたい時にオススメです。
歌詞:月での出来事。空想的で興味をそそる。
内緒にしときたくなるくらいの自分だけの発見や体験を歌っているという印象です。
私にとっては、はっきりと「これの事だ」というのが掴めないのが、むしろ魅力的。
マーシーならではの想像の余白がある。
抽象的というよりも空想的。
だからこそ強いインパクトが心に残ります。
Bメロ部分は難しくない英文でインパクトがあります。
マーシーは可愛いベイビーに、月で出会ったのだ。なんだか宇宙の神秘を感じる。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
2023年に開催された“ライブハウス”ツアー『月へひととび』で久しぶりに演奏されて、私の心へ爆発的な音で響きました。
小さなライブハウスでクロマニヨンズが過激な演奏をぶっ放してた。
「月」という言葉が入ったツアータイトルにちなんでの選曲なのかもしれません。
急にやってくれる過去のアルバム曲は、ものすごく新鮮に聴こえます。
この歌が新しく名曲になった体験。
M8「アウト」
作詞・作曲/甲本ヒロト
誰かや何かを模倣するだけのつまらない世の中をアウトにするロックンロール。
主体性や自分の目的を持っていない奴は必ずしばき倒される。
破壊する一撃のような重みのあるテンポ。
雷が落ちてくるヘヴィなアレンジ。
至極攻撃的なメロディ。
マーシーのギンギンなギターが極みを尽くすほどに魅力的。
クロマニヨンズが過激にブッ攻める。
爆撃開始のヘヴィなイントロ。
「アウト」というより、一音目からクロマニヨンズがやべえ「ホームラン」を打ってる。
コビーのベースがドスドス響くド迫力。
カツジのドラムなんか健剛で、負ける気など一切なし。
ヒロトの真摯なボーカルが、私の日和ってた心を直撃する。
今にも爆発しそうな演奏は、人に遠慮しがちな性格まで自己重要感へと変えてしまう。
Bメロで“あくびが出らあ”と繰り返し歌う。
突進していくリズムに遂に気持ちが一歩前へ出るのだ。
この歌の刺激と迫力にはあくびは出ません。まったく眠気を誘わないし、むしろ起きて逆転満塁ホームランを打ちかねません。
誰かに「アウト」を突き付けるサビでは、マーシーの凄まじきカッティングが吠える。
これでもう引く気にはなれなくなった。
全員が突撃しちゃいそう。
続く間奏は、とうとう遠慮なく攻めていく事を決心する瞬間です。
なぜなら、ギターソロが過激すぎ。
攻撃力最大限。影響力最大級。
マーシーは一体どんなテンションなのか、音が異常に鋭く尖ってる。目の前の空間を切り裂くほどの鋭さ。
こんなの、どうかしてる。
トチ狂った音を録音しやがった。
“シビレる”という表現がしっくり来ます。
ギターソロを聴いた後の後半戦は、更に過激に聴こえてしまうから困ったものだ。
コビーのベースの突進力に煽られまくり。
最後までクロマニヨンズが、世の中のどうでもいい事をアウトにし続ける。
スピーカーの向こうでは全員アウトになっていたけど、オレは今とんでもないホームランを打った!!!、ような気分だ。
ところで、この歌は途中で何度か音が歪んじゃっているのが聴き取れます。
レコードを聴いてるとたまに「ザッ」となる歪みがCDでもなってる。常識を超えた迫力の演奏ということなのだろう。
このCD、もしかして“レコード”なんじゃないのか⁈(これについては後の作品で本人たちの説明による衝撃の事実が明かされました)
歌詞:危なげな言葉たちが、厄介者から好評を得る過激なもの。
前の曲「ムーンベイビー」でのマーシーに続き、これだ!という全員にとっての正解は示さず、強烈なイメージを与える歌詞。
何かをアウトにする瞬間を感じる。
健全でない言葉の数々に、厄介者の私の心は反応しました。
屈服しない自我と言えばいいのか、屈強なイメージが強い厄介者の歌。
M9「酒じじい」
作詞・作曲/真島昌利
急に雰囲気がガラッと変わる9曲目。
これは強烈です。
どこかの地方のなまりが入った話し方の酒ばっかり飲んでるじじいがとにかく強烈です。
途中で酔っ払ったじじいの盆踊りが始まったりして、笑顔で聴ける歌。
おとぼけ感と鋭い切れ味の両極端、変幻自在アレンジ爆誕。
アルコール成分の強すぎるアップテンポ。
聴くだけで酔っ払いそうなメロディ。
極め付けは訛りの強い歌詞。
誰が聴いても、おとぼけソングの始まりを告げているようなギターリフが鳴り響くイントロにまずヤラレます。
衝撃的なおとぼけ感。
ヒロトの歌が入ると、演奏が急にキレッキレになるアレンジがクロマニヨンズならでは。
力んでいない絶妙なおとぼけ加減のヒロトのボーカルには、緊張が緩んで気楽になる。
親しみやすいメロディは心を掴みます。
1番を歌い終えるとすかさずまたおとぼけのギターリフ。
インパクトありすぎ!
2番からは所々にマーシーのコーラスも入って、じじいの酒が尚更すすんでるっぽい。
この曲のコーラスの入れ方は胸熱です。
軽快な演奏のサビは、じじいがひたすら酒を飲んで楽しんでる。
アルコールが強くて酔っ払いそうだ。
間奏というのか、中盤は酒をねだるじじいの盆踊りが始まる。
気を緩めて思考停止できるポイント。
これ、絶対酔ってるから。
唐突にこういうのを入れてくるとか、クロマニヨンズの遊び心が爆発しちゃってる。
曲の後半は胸熱ポイントです。
とうとうマーシーが我慢できなくなったのか、酔っ払ったのか、3番はヒロトとマーシーのツインボーカルで熱くなれる。
心が如実に楽しいと感じる歌だった。
でもなんか酔っ払った気分。
じじいが飲みすぎなんだ。
歌詞:じじいが勝手に幸せそうで既に日本を代表しちゃってる。
酒じじいの日常。
じじいにとって、癒しやデジタルより重要なのは酒なのだというインパクト。
トレンドなんかまったく通用しないじじいのこだわりが私には衝撃です。
早い話が、じじい幸せそう。
そこら辺の老いて有害なじじいは嫌いだけど、小難しいこと考えずにもっと単純に生きてみようとか思える高い自己肯定感が特徴。
強烈な訛りで笑いがあるのが最大の魅力。
ラジオの事は、きっと「ラズオ」と言う。
中盤の歌詞“もう一杯 ちょーだいな”というフレーズは、この年のライブでアンコールの掛け声になっていました。
M10「突然バーン」
作詞・作曲/甲本ヒロト
初期衝動がバーン!としてます。
聴いた全員が、ある日突然の大爆発に立ち会うことになるロックンロール。
30センチの宇宙の歌であり、本物の恋の歌。
全開した心が、とてつもない輝きを放ちながら弾ける瞬間の音が聴こえるのが特徴。
あまりの誠実さに涙が溢れるかもしれない。
それまで目の前にただ存在していただけのものが、突然バーンと衝撃に変わるドラマチックなアレンジ。
疾走感に満ちたアップテンポ。
爆発的な歌詞は心へ爆音で響きます。
座って聴いていられない衝動的なメロディ。
何かを好きになった瞬間の気持ちや、恋してしまった心がバーン!となって止められない衝動にグッとくる。
イントロが「突然バーン」としてる。
始まった途端はギターの高音弦がもうすぐ弾けそうなトキメキを軽やかに奏でつつ、1フレーズ弾いた直後には突然歪んだコードがジャーンと爆発するいかすアレンジ。
大抵の人の心も一緒に爆発する。
ものすごく感情的に歌うヒロトのボーカルが、巨大な影響力を持って心を直撃。
ロックンロールやレコードが燦然輝いてる。
出会ってしまった瞬間と、好きだと気付いた時の衝撃が見事に音楽として鳴ってる。
そこにある抑えきれない気持ちを最大限で表現する演奏。
揺るぎないロックンロールの疾走感。
マーシーがブチかます歪んだギターのコードストロークなんか、猛襲で最高なのだ。
ずっと聴いていたい音。
サビで遂に「バーン バーン ババーン」とコーラス入りの歌が爆発する。
ヒロトが「バーン!」と強烈に叫ぶ。
演奏まで極端な歪みサウンドに聴こえて、テンション爆上がり。
面倒くさい間奏はなし。
尽きせぬ勢いでぶっ飛ばす。間奏なんかやっていられないほどの初期衝動ということ。
2番は恋心が爆発する。
そこにあるトキメキに胸が破裂しちゃいそう。
演奏はとてつもない勢いで突っ走りながら、ヒロトの歌からは輝きまくってる光景や一番素敵な恋の気持ちが繊細に伝わってくる。
この歌にグッと来ない人は、まだ何かを好きになったことがないのだと思う。
ラストはカツジの激しいドラムロールからのキメが、心を破裂させます。
とても清々しい気分。
生きてて良かった。
感情移入しちゃって“生きてるの楽しい”と、前向きになる名曲。
すなわち、爆発的なロックンロール。
歌詞:世界を変えてしまうものとの出会い。
ただならぬ、突然の衝撃そのまんま。
自分が受けた衝撃を、直球ストレートのままリスナーに届ける大胆な表現力に感激。
だからこそ歌詞から感じる心の大爆発が、とことん凄まじい。
1番の歌詞で出会う“直径30センチ”と言えば、ヒロトやマーシーが大好きなレコードの直径です。
ヒロトと同じように直径30センチのレコード『MONDO ROCCIA』が、私にも宇宙に見えました。
2番の歌詞では“あなた”に出会います。それはつまり、恋です。
心の中に誰かがいて、もう心の中が一人じゃないって気付いた瞬間とか素敵です。
歌詞の風景である自転車置き場がリアルに見えてきます。その瞬間にヒロトに見えていた光景、どれほど強い衝撃だったのかという恋心が、どストレートで伝わってくる。
心が「バーン」と爆発した瞬間の歌詞。
M11「恋に落ちたら」
作詞・作曲/真島昌利
リアルな恋心の歌、ハートを鷲掴み。
“恋”した誰もが必ず経験してる。
たったの3文字のひらがなで感動させる胸熱ソングぶっちぎり。
「突然バーン」からの「恋に落ちたら」の流れは最高の演出です。恋の気持ちがより強力になって現れる。
キャッチーな恋のメロディ。
恋に心が弾むやさしめのテンポ。
恋してる瞬間のロックンロールアレンジ。
演奏が始まってヒロトが歌い出した途端に、これは絶対普通じゃないと悟ってしまえるのが、クロマニヨンズならではの特徴。
はっきり言って度肝を抜かれます。
聴くとなんか知らないけど、私までドキドキしてくるのが最大の魅力。
歌詞に出てくる言葉はたったの3文字のみ。
それなのにストーリー性を強く感じてしまうのには参った。なんてドラマチックな歌なんだ。きっとまたロックンロールの仕業だ。
キレの良いエレキが豪快に鳴り響くイントロ。
すごく真摯な音。キビキビとしていて物語の始まりにふさわしく、既に名曲を感じる。
ヒロトが歌い出すと、歌詞がなんか思いっきり照れてて可愛らしい。
その照れくささには大抵の人が共感する。
なぜなら、実際に「あのねあの」となった事があるから。
歌うことは同じだけど2番に入ると、今度はギターが弾み出す。
恋心が抑えきれないことになっちゃった。
3番と言えばいいのか?途中から掛け合いのコーラスが入ってきて“あのね”の感情も2倍になります。
歌詞はずっと同じなのに、音楽に没入してしまう楽しい仕掛けがたっぷり用意されてる。
「恋に落ちたら」 は2分32秒しかやらない曲だけど、1本の映画に感動したような満足感が得られます。
色んなシーンを聴かせてくれる。
アレンジは随分とドラマチックでありながら、明快なのも事実。
初めて聴きながら一緒に歌える分かりやすさ。
サウンドにも恋に落ちた時の特別な感情が反映されているのが醍醐味です。
所々で、マーシーが奏でる細やかなギターフレーズが恋のキラキラ感を演出してる。
恋って特別なのだ。
これは特別なロックンロール。
これまでなかった奇跡的な聴き心地。
間奏は歪んでいないクリーントーンのギターソロ。一つしかない恋心は美しいなと思わせる美麗なメロディ。
直向きな恋心が聴けます。
ところでこの歌には、そこら辺に落ちてて何の魅力もない愛は登場しない。
つまり、恋の歌。
インパクトはズバ抜けてる。
どんだけドラマチックに恋に落ちてるんだ。
クロマニヨンズをまだ聴いたことがない人にオススメしたら「これ好き」って気に入っていた名曲です。
歌詞:恋に落ちた時のトキメキや緊張感や照れくささなんかが詰まってる。
とは言え、歌詞は3文字。
「あ」と「の」と「ね」の3文字で成り立っているけれど、歌詞カードを見るとやけに長い。
全部書いてある感じが、なんだかマーシーの思いやりにも見えました。
どこを読んでも「あのね」の3文字以外なし。
恋に落ちた気持ちのみが溢れちゃってる。
ほとんどの人が経験していて分かりやすいし、こうなっちゃうよねと共感するはず。
M12「エロこそすべて」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ラスト、ぶっ飛んだこのタイトル。
みんな待ってた。期待しちゃう。
クロマニヨンズは何も隠さずはっきりと伝える誠実さが圧巻です。そして強烈です。
むしろ、ただひたすらの“エロ”です。
日頃のストレスをブッ消すロックンロール。
心軽やかテンポ。
グッと来る歪みアレンジ。
一緒に歌いたくなるメロディ。
誰にでも強い生命力がブチ込まれます。
未来を心配したり、今を不安になってる余裕などない過激にエロいのが始まるけど、、、
お気を確かに。
イントロはこれが極端にエロくなるとは思えない清涼感。何これ⁈こんなのズルいよ。
流暢なギターの音色がサラサラと流れてく。
だが、歌が入ると早速のエロ。
それしか歌ってない。
ド直球な歌にシンプルな演奏とは言え、アレンジはエンタメ性が抜群で、長い人類の歴史まで感じさせる。
“エロ また エロ エロ そして エロ”
ずっとエロエロ歌ってるから頭の中の「エロ」以外のことは遠くの方に置き去りにされてしまった。なんかエロくなってきた。
この歌、エロがすぎる。
2分45秒の中で何回聴くか分からない。
Bメロで「しみじみ〜しみじみ〜」と歌う部分は演奏まで本当にしみじみしちゃってる。
この表現力には全員が影響されます。
中盤では「E・R・O・S」が表彰台に登るアレンジが施されてる。
という訳で、優勝したのは「エロ」です。
ヒロトの歌心はみんなを楽しくする。
楽しい音楽は人を幸せにする。
エロいのに、ロックでポップでキャッチーでただならぬ。エロいからテンションも高い。
やっぱりクロマニヨンズならでの名曲。
歌詞:ひたすらにエロ。それだけ。
「エロこそすべて」だという私へのアピール。
歌詞カードを見ると、過激に「エロ」すぎる。連発と言うよりそれで埋め尽くす勢い。
一体何個あるのか?他のすべての文字まで「エロ」に見えてしまってるじゃないか。
“エロい花”や“エロ蝶々”って何だ(笑)
私がそれを見た事があるのかは分からないけど、やたらとエロいな。
エロ恐るべし。
ビートルズは「愛こそすべて」と歌った。
クロマニヨンズはなぜかやたらと堂々とエロいです。何も隠せていません。
すげえデッカい声でこんなこと歌うクロマニヨンズにオレはグッと来てる。
一緒に歌おう!
ヘイ!エロ!いいぞ!
みんながすっかりエロくて平和な気分になったところでアルバムはおしまいです。
さて、もう一回聴こう。
生きてる人間だからこそ感情が揺さぶられる瞬間が多く、感動したり噴火したり恋に落ちたりエロかったりする、モノラルサウンドの4枚目のアルバムでした。
どの歌にも強烈なインパクトがあり、名曲と言える親しみやすさで突っ走っていた。
夢中になって楽しめた。
むしろ、熱狂的。
ストレートなクロマニヨンズからの好影響で、自分が感情豊かな生きてる人間であることに気づいてしまった。
あ〜あ、、、これは楽しいじゃんか!
なんだか生命力がみなぎってる。
“生きてるうち できる事は何でも やってしまう 毎秒が伝説” ーグリセリン・クイーンー
アルバムに興奮した私の心も毎秒が伝説級。
それにしてもモノラルはあっちへ行ったりそっちへ行ったりフラフラせず、音の塊が直撃してくるけど、聴く事に負担がありません。
音にものすごい迫力があるのにうるさくないと感じるのが不思議です。
クロマニヨンズならではのモノラルサウンド。
あと、モノはクロマニヨンズが部屋にくる。
初回限定盤CDの特典ディスク
初回盤CDの方のシングル、アルバムにはそれぞれに特典ディスク(CD & DVD)が付属しました。
シングル「グリセリン・クイーン」特典CD
映画『ヤッターマン』の劇中歌として使用された「ヤッターキング 2009」が収録。
全1曲、モノラル音源。
後に発表されたカップリング・コレクション『20 FLAKES〜Coupling Collection〜』には、ステレオバージョンが収録されています。
このカバー曲は、度を超えてクロマニヨンズに似合っています。
クロマニヨンズがやると、やたらとエモくなり、私はかなりのお気に入り。
高速のパンキッシュなアレンジ。
正義のロックンロールといった印象。
アルバム『MONDO ROCCIA』特典DVD
初回限定盤は本編ディスクがBlu-spec CDという高音質とされるCDでした。
更に「ここでしか見られない!アルバム収録曲スタジオライブ3曲入り‼︎」の特典DVDも付いていました。
DVD収録曲
・恋に落ちたら
・突然バーン
・グリセリン・クイーン
当たり前だけど、スタジオライブなのでアルバムに入っているものとは別テイク。
元が極端にシンプルだからそんなに大きくは変わらないけど、ガンギマリの一発録り。
高音質の“ステレオ”音源。
マーシーのギターがいつものレスポールで、歪んだ「グリセリン・クイーン」の演奏が、特にレアもの。
メンバーの表情や汗、マーシーの手元なんかも鮮明に映る。
4人がそれぞれ好きに着てるロックTシャツがいかす。
所々に高橋ヨシオも登場して笑わせてくれる。
ありがとうございました。
また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。
ついに全12曲ゾーンに突入しましたね。モンドロッチャは炭酸や酒じじいがあったと思ったら、急に鉄カブトとか突然バーンとかアツい曲が流れてきたり、緩急がたまらないです
そしてモノラルはやっぱりいいですね! いつ聞いても彼らの音をそのまま聴いてるような気がして嬉しいです
今後もアルバムレビュー楽しみにしてます☺️
こんにちはUMEです。
いつもありがとうございます。
「モンド ロッチャ」いろいろな感情を楽しませてくれますね。興奮あり笑いあり涙あり恋心ありエロありで最高です。
やっぱりモノラルの音カッコいいですよね!自分以外の人はどう感じているのかと思っていましたが、同じ感想の人がいてなんか良かったです。
すごいアルバムまだたくさんあるのでご期待くださいませ♪
ちょっとだけ、ほんのちょびっとだけ時間がかかってしまいますが(笑)、また読んでいただけるとすごく嬉しいです。