こんにちは。
『ツアー 2013 イエティ 対 クロマニヨン』は2013年リリースのザ・クロマニヨンズのライブアルバムです。
クロマニヨンズ初の実況録音盤。
トチ狂った空気感と、本物の“リアリティ”と言える生々しい音が特徴になります。
臨場感のある「stereo」音源。
心の名盤:全曲レビューです。
皆さんどうぞ最後までよろしくお願いします。
クロマニヨンズにはオフィシャルサイトは存在しますが、ファンクラブはありません。
その為ライブのチケットが優先的に取れる立場がある訳でもないし、他のミュージシャンではありがちなファンクラブでしか買えない作品がある訳でもない。
最近好きになった人も、前からずっと好きな人も対等でいられるのがなんか好きです。
チケットが当選した瞬間の喜びは大きいもの。
私は毎回、ロックンロールに呼ばれます。
The Cro-Magnons/YETI vs CROMAGNON TOUR 2013(2013)
『ザ・クロマニヨンズ ツアー 2013 イエティ 対 クロマニヨン』は、7枚目のオリジナルアルバム『YETI vs CROMAGNON』から11ヶ月後にリリースされた、クロマニヨンズ“初”のライブアルバムです。
2013年12月25日発売。
7thアルバムの豪快なライブバージョンとしても聴けます。
アルバム「イエティ 対 クロマニヨン」を引っ提げての全国ツアー「ザ・クロマニヨンズ ツアー 2013 イエティ 対 クロマニヨン」からの実況録音です。
2013年はアルバムが2つも出たので聴き応えたっぷりでした。大満足。
熱狂のライブアルバムをクリスマスに発売するとかどう考えてもいかしています。
寒すぎる冬に熱すぎるライブ盤は最高。
世の中に存在するライブ盤にはイントロがなかなか始まらなかったり、長すぎる間奏を普通の曲の3曲分ぐらいやってたりする理解不能なものがあります。
本作は決してそんなものではありません。
むしろライブバージョンでテンポも上がってて、オリジナルより短いということが余裕であります。
余計な装飾はしない潔さ、その瞬間の燃えあがる情熱、会場の激アツな熱気が伝わる空気感、その場にいる全員の魂がバッチリと録音された、求めていたライブアルバムです。
クロマニヨンズのライブ盤に限っては、その日に演奏された全曲が収録されるのが特徴。
魅力はライブの瞬間と同じ興奮を体験できることです。
普通じゃない。

『ツアー 2013 イエティ 対 クロマニヨン』収録曲
1. Opening(イエティ 対 クロマニヨン 愛のテーマ)
2. 突撃ロック
3. 黄金時代
4. 人間マッハ
5. 涙の俺1号
6. チェリーとラバーソール
7. 欲望ジャック
8. ゴー ゲバ ゴー
9. 他には何も
10. 団地の子供
11. ホッテンダー
12. 恋に落ちたら
13. とがってる
14. 日本の夏ロックンロール
15. 炎
16. ヘッドバンガー
17. グリセリン・クイーン
18. 底なしブルー
19. 鉄カブト
20. エイトビート
21. 紙飛行機
22. 燃えあがる情熱
23. 南から来たジョニー
24. 雷雨決行
25. ナンバーワン野郎!
全編ステレオ、全25曲79分。
7thアルバム『YETI vs CROMAGNON』リリース時点でのベスト選曲だと感激しました。
前のアルバムからもやってほしい曲がたくさん入っているし、私の好きなエモい曲もライブバージョンで聴けるなんて、とてもいいライブアルバム。
7枚目のアルバム『YETI vs CROMAGNON 』収録曲は全部やってます。クロマニヨンズ恒例になったニューアルバム全部やり。
それを全部ライブアルバムに収録するとか、どうかしてます。
『YETI vs CROMAGNON 』のライブバージョンとしても聴けるのが興味深いのです。
シングル曲は7曲演奏されています。
12枚目のシングル「炎」のカップリング曲だった「とがってる」が収録されているのが、私は好印象でした。
ライブという誤魔化しもやり直しも効かない状況で、熱狂のロックンロールをブチかますクロマニヨンズの4人。
楽しんでるな。会場全部が楽しんでるな。この中にふてくされてる人は一人もいないのがアルバムから聴こえる音でわかる。
その瞬間の熱狂が、今度は自分のものになるライブ盤。
部屋で一人で激情するもよし。みんなで聴けば一瞬で部屋が熱狂のライブ会場に、、、というようなことを私はやったことがないので保証は出来ませんが、なりそうです。
何にしてもこれを聴きながら急に機嫌が悪くなったり、絶望的に落ち込んだりする人はいません。
人のことはわからないので言い切れませんが、私は部屋で一人で熱狂的な気分です。
聴けば余裕で心に、生きるための激薬がブッ込まれます。
今日を生きれます。明日も生きようと思えます。昨日も生きて良かったと思えてきます。

全25曲79分で、オリジナルアルバム2枚分ぐらいのボリュームです。すごいです。
CDの収録可能時間ギリギリまで実況録音のロックンロールが、クロマニヨンズの魂の溢れる音で入ってるじゃないか。また大満足。
本作は“mono”じゃなくて“stereo”です。
臨場感と実在感の両方が楽しめます。
ライブ録音だから臨場感があるのは当たり前なんですが、そんな当たり前とか置いてけぼりでクロマニヨンズはぶっちぎりです。
つまり、生々しさが魅力の実況録音盤。
ライブ会場がそのまま部屋にやって来る、もしくは自分がライブ会場へブッ飛ばされる。
むろん、熱狂的空間。
どの曲もライブでやると本当の姿を現したと強く感じられます。純度100%!
このライブアルバムには歌詞カードは付属していません。でもそれは当然でした。
歌詞カードを読みながらライブに炸裂中の人とかあんまりいません。
私はそんな人を見たことがないです。
歌詞カードじゃなくて、隣の人でもなくて、クロマニヨンズを見た方がいい。

2013年のアルバム発売当時、CDとアナログ盤が同時リリースされました。
初回限定盤CDは紙ジャケット仕様で、見開きタイプ。
アナログ盤は限定生産だったため既に完売。
いつもの「60年代E式フリップバック」とはスタイルの異なる見開き2枚組ジャケット。
180g重量盤のレコード2枚組。手に持つとかなりズッシリとしています。
レコードの場合は2枚組ですが、CDは普通の1枚ものになります。
CDにもアナログ盤にも「カッコいい!! 24ページ写真集」が付属。
アナログ盤の方の「カッコいい!! 24ページ写真集」なんか、そのサイズはCD版の4倍はあるド迫力で、本気の写真集っぷりに感極まります。内容は同じ。
写真集はライブでの今この瞬間が激写されたハイテンションのオールカラー。
すべての写真がロック以外のイメージが出来ないほどに本物の“炸裂中”が写っています。視覚へもロックの衝撃を与える24ページ。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
すでにたくさんの人の熱気で溢れかえるホール。唯一無二のロックンロールのライブを楽しみにやって来た。
障害も困難もすべて乗り越えてやって来た。
ステージにはそろそろザ・クロマニヨンズが登場する時間です。
独特な緊張感と、そこでしか感じられない匂い、やはり一番は揺るぎない期待感。
どの人もロックンロールに熱狂しに来てる。
誰よりも熱狂的で行こう。
オーライ!ロッケンロー!!
飛ぶぞ!!!

M1「Opening(イエティ 対 クロマニヨン 愛のテーマ)
アナウンス「ザ・クロマニヨンズです!」
作者は明記されていません。
ライブのオープニング用に作ったと思われる愛のテーマで「イエティ!クロマニヨン!」と歌うメロディと、ドンドコな太鼓と、鳥の鳴き声も聞こえてきてクロマニヨンズが登場する演出になっています。
テーマ曲の奇妙な世界観には、絶対今から普通じゃないヤツらが出てくる雰囲気が漂います。誰もがとっくに煽られてる。
すでに興奮した人たちの熱気がビシバシと伝わってくる。
クロマニヨンズのメンバーが登場してきた瞬間が、オーディエンスのテンションですぐに分かる名場面。
4人がステージに出現した!
熱狂と興奮と感動が始まる。
M2「突撃ロック」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ヒロト「オーライ!ロッケンローール!!」
一瞬でどいつもこいつもトチ狂ったテンションになりやがった。
誰もこの興奮には抗えないのだ。
オーディエンスの異常に興奮した歓声。
カツジの激しいカウント。
ジャカジャーン!!!
極端に短いイントロがキマる。
ライブの一発目にふさわしい「突撃ロック」のド派手なテンションのライブバージョン。
いきなり“永遠です”と連発する歌に熱くなった感情は黙っていられない。
抑えられず熱狂的に歌っちゃうヤツら。
ボーカルがヒロト以外にも沢山いるじゃないか!奇跡を体験してるみたいだ。オリジナルバージョンはこんなに派手じゃない。
遠慮なく突撃してくるクロマニヨンズ。
会場の外まで飛び出して行ってしまうほどの爆音だ。CDで聴いていたのとは違ういい音しています。
勇ましく歪んだロックンロールサウンド。
“勉強よりも いま 大切なもの”が今この瞬間に心の中心へ響いてる。
遂にそれが見つかってしまったと、この場で全員が気付いてる。
ロックンロールのライブは瞬間毎が最高潮。
誰かのこの後の生き方さえも変えてしまうエネルギー。
「突撃ロック」はこんなに熱い歌だったのか。
後半で炸裂するマーシーのギターのメロディが生音になっているからCDより強烈です。
豪快なアレンジにて畳み掛けるラスト。
生演奏。今この瞬間。本物。
腕を突き上げる人、誰よりも高く飛び跳ねる人、それぞれのロックンロールへの熱狂が、目に見える現実になってる。
ただの音源だけど、必ず熱い映像が浮かぶ。
なんて最高なヤツらなんだ。
普段はシャコタンよりも低い私のテンションが、あと50曲ぐらい聴かせてくれ!という盛り上がりを見せる。
熱気もスピーカーから出ちゃう高音質盤。

M3「黄金時代」
作詞・作曲/真島昌利
カツジ「ワン!ツー!スリー!フォー!」
イントロなしで「イチッ!ニッ!サンッ!シッ!」とクロマニヨンズが歌をブチかます。
真ん中にヒロト、右側にマーシー、左側にコビー、その後ろにドッシリとカツジ。
生演奏でステレオ録音だから立体的に聴こえるのが特徴です。
オーディエンスはみんな興奮しちゃってて、なんだかもう訳の分からないことにもなってる。その音が聴こえる。
熱狂サウンドこそがライブ盤の魅力。
今日ここに来た全員に“黄金時代”がやって来た確証になる音がするのです。
オリジナルアルバムよりもギターがリアリティのある音で聴こえる。プロってやっぱりすごいんだな。マーシーが熱狂してるんだな。
ライブの生音になって、ブリッジミュートしたギターがズンズン響く。
この曲のアレンジのポイントでもあるマーシーのピックスラッチも過激な音でブッ飛ぶ。
凄みのありすぎるヒロトのボーカル。
容赦なく突っ込んでくるから、スピーカーやイヤホンがぶっ壊れないかと思ってしまう。
マーシーたちが演奏しながら歌うコーラスも生々しい音で入っています。
むろん、ライブならではの弾けっぷり。
あれ?「黄金時代」ってこんなにも抑揚が効いていて、心へ響くアレンジだったんだ。
ライブで初めて知る曲の良さもある。
“どうしても どうしても 突きぬけちゃうぜ まぶしいぜ”
ライブ盤を聴いたらこの歌詞がやたらと心に入ってきた。オリジナルより激しく刺さる。
私たちの興奮だって突き抜けてしまう。
ヒロトの歌心がライブで爆発したからか⁈
そういうこともあるので、7枚目のアルバム『YETI vs CROMAGNON』は、このライブ盤を聴いて完成なのかもしれない。
そんなこと、あるよね?あるね!あるさ!!
ここは黄金時代、まさに絶頂です。
M4「人間マッハ」
作詞・作曲/甲本ヒロト
元々マッハであったこの曲が、ライブでやるとオリジナルの1.25倍ぐらいのマッハになって異常に速い。
待ってはくれない狂ったテンポ。
クロマニヨンズのテンションが上限を突破してる。オーディエンスのテンションも限度を逸脱してる。
人間マッハ勢揃いという感じ。
そこにいる全員が大暴れしている最中の音が聴こえてくる凄まじきライブバージョン。
カツジのカウントからしてやたらと速い。
ヒロトの底力を体験してしまう。
異常に速いテンポでも、一言ずつがハッキリとした言葉として心へ入ってくる。
この場には、信じ難い熱狂があったはず。
ただオリジナルバージョンと異なっていたのは“イライラしてる この感じ” が、熱狂してるこの感じに変身を遂げていた。
疾走感という言葉さえも追い抜く勢い。
日常のイライラなんか、もう見えないところに置き去りにされている。
オーディエンスなんかは、活気を余裕で超えてる狂った熱気。
マーシーもとんでもない衝撃をぶっ放す。
速すぎるテンポでヤケクソ気味のギターソロ。
ラストにクロマニヨンズが全力で煽っているのが異常に興奮します。
はっきりと、カオス状態のライブ会場。
これぞライブの醍醐味という衝撃を実感できる。衝撃は抑えられない衝動にブッ変わる。
私はCDを聴いてるだけで平常心を忘れてる。
ギンギンバリバリのノリノリのライブ熱狂中に平常心は戻せない。それは不可能。
M5「涙の俺1号」
作詞・作曲/甲本ヒロト
間髪入れず疾走感のあるイントロが鳴り響く。
早速「オイ!オイ!」と最高の反応をするオーディエンス。本当はそんなコーラスは入っていないのにやっちゃうセンス抜群のヤツら。
いつもと違う事が起きるのもライブ。
オーディエンスのパワーが新しくプラスされた「俺1号」が出動してるハイエナジー!
特徴は感動的な聴き心地の曲が、熱狂的なロックンロールへ進化していること。
それから演奏はキレッキレに激変してる。
スタジオ録音とは違うライブ会場ならではの音の響き方、聴こえ方に興奮しちゃう。
この歌の良さである切なさを含むメロディもライブでは力の限り勇ましい。
マーシーたちのコーラスもオリジナルバージョンより張り切った音で鳴る。
その歌声から察するに、ヒロトが書いたこの歌詞、マーシーが好きそうな気がします。
メロディやアレンジが突き抜けて“飛んで 飛んで”とくり返すサビでは、奇跡の光景を見ることになる。
たくさんの人が夢を乗せてそこで飛んでる。
全力の拳を突き上げて、誰よりも高く飛び跳ねるのだ。
なんて楽しいんだ!
すっかり大興奮のオーディエンスが感動しているのが音でしっかり伝わるのが魅力。
もちろん私だってその中の1人。
これはレコードかCDだから音しかないんだけど、勝手に全曲の映像があるのが面白い。
頭というより心が反応しているのかも。
マーシーの腕と、ギターを弾くリズム、弾いた後に手を胸の辺りまで上げた姿が見える。
なんて楽しいアルバムなんだ。もしかしたらオレのだけDVDなのかもしれない。
すっかりロックの魔法にかけられてる。
ヒロト「ありがとう!続けてやります!“イエティ 対 クロマニヨン”からもう1曲続けてやります!」
M6「チェリーとラバーソール」
作詞・作曲/甲本ヒロト
オリジナルアルバムで聴いていた時に、涙が溢れたロックンロール。
私は立っていられるのか⁉︎
ヒロトの短いけど熱くなった感情が聴こえるMCからの、演奏への入り方にすごく感動してしまった。なにこの胸熱な瞬間!
それだけじゃない。
カツジのカウント。
マーシーがイントロのリフを弾き出した。
頑丈な歪み、鋭く心へ刺さるサウンド。
その直後、オーディエンスの「うおーー!!」と叫ぶ興奮の声に鳥肌が立った。私の心の叫びと同じだったから。これは名場面だ。
このライブ盤を聴いてると、つい私も参加してしまっている。どうなってるんだ。
続いてコビーが太いベースを唸らせると、ヒロトの歌のメロディが入る。
マイナー調のメロディがライブで純度100%のリアリティを持ってしまっている。
興奮と同時に感動的。
両方向で熱くなっちゃうじゃんか。
この曲の演奏中に何人がその場で涙を流してしまっただろうか。
間奏にはハイライトと呼べる瞬間あり。
ライブバージョンのギターソロが刺激的なのだ。エモすぎて胸が張り裂けそうだ。
ヒロトが「オーライ!マーシーー!!」と魂を預けた後に感情的に歌い出したギター。
そこに置いてあるアンプから放たれる生音の凄みが炸裂してる。感情のメロディ。
その音にオーディエンスの凄まじい熱狂が同じ魂で乗っかる激情の瞬間。
ギターソロ中盤辺りからまた勝手に「オイ!オイ!」と叫んじゃう最高なヤツら。どんだけ熱い間奏にしてやがるんだ。
部屋でも感動の涙が流れる熱き瞬間。
悲しいのではなく、度を超えて楽しいのだ。
楽しさが上限を突き破って涙が流れるロックンロールの感動です。
日常ではあり得ない事が起こるのがライブ。
誰もが興奮していて、全員の感情がそのまま音になって聴こえる。
ヒロト「ありがとう!!いろんな曲やります。“エース・ロッカー”から何曲か聴いてください!」
M7「欲望ジャック」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ここから3曲は、一つ前の6枚目のアルバム『ACE ROCKER』収録曲コーナーへ突入。
シングル曲ではない前のアルバムからもやってくれるの嬉しいです。
カツジ「ワン!ツー!スリー!フォー!」
ギター、ベース、ドラムがライブ空間をグルグル掻き回すフレーズが飛び出す。
直後にはマーシーが会場を煽る。
ギンギンのギターリフが全員の心へ響き渡る。
みんなが今日ここへ持ってきたロックンロールへの欲望が、強烈な破壊力で迫ってくる。
やっぱり「オイ!オイ!」叫んじゃってる。
歌い出したヒロトはロックンロールそのものになってた。
歪んだ音を轟かせながら疾走する演奏。
間奏でのマーシーのギターソロが尖りまくっていて「鋭利」という表現が合う。
この後に衝撃発生。
またまた鳥肌ものの名場面。
間奏後にギターのハウリングが唸る中、ヒロトが“LUST FOR ROCK’N ROLL!!!”と繰り返しシャウトする。
一緒に歌い出したオーディエンス。
その4度目に奇跡を起こすのだ。
ヒロト「LUST FOR!!!」
オーディエンス「ロッケンローーー!!!」
ガンギマリ!!!
こいつたち、声でけえーーーー!!
ヒロトに代わった会場全体からの「ロッケンロー!!」のキマリっぷりにはゾワッと鳥肌が立ちます。
そこで全力で叫んだ中の、何人の頭がイッてしまったかと思うほどの快楽。
「欲望ジャック」ライブバージョンのハイライトになってた。
こんなに凄まじい歌だったのか!
その後もぶっちぎりの疾走感と、制御不能の欲望を剥き出しにして最後までブッ飛ぶ。

M8「ゴー ゲバ ゴー」
作詞・作曲/甲本ヒロト
聴きたかったんだーー!!
ババアとかジジイの歌、ライブバージョン。
コーラスのテンションがオリジナルの倍ぐらい高いことに気分が高揚します。
ロックンロールの勢い増加。
私のストレスは消滅。
誰もが腕を突き上げて歌っちゃう、ブンブン頭振っちゃう、飛び跳ねちゃう楽しさ。
イントロからコビーのベースが大暴れしてる。
マーシーのギターはよりキレッキレだし豪快な歪みサウンドでブチかます。
ドラムを全力でぶっ叩くカツジの破壊力。
ヒロトの怒鳴り気味のボーカルが、すべての嫌なことをブッ飛ばす。
ライブならではの爆音が発射されてる。
所々、マーシーたちの「ゴー ゲバ ゴー!」のコーラスがトチ狂ったテンション。
それに感化されて戦闘力が急上昇するオーディエンス。もちろん私のその1人。
短いけど強烈なギターソロが聴きどころ。
マーシーがもうヤケクソ気味のテンションでやってくれる。
速くて、歪んでいて、猛烈に尖ってる。
歌ではババアとジジイが怒っているけど、この曲をライブでやることにより、むしろババアとジジイがロックンロールに怒られてる。
みんなのストレスが笑顔に変わる演奏。
最近よくイラつく人は、イライラしたままクロマニヨンズを聴くとスカッとします。
別に何も解決しないけど、そのイラつきが理由のいらない楽しい気持ちにブッ覆る。
マーシーが使っているギターやアンプやエフェクターとかの機材ってすごくクロマニヨンズのロックンロールに合う音が鳴るんだな。
ロックンロールのライブはスカッとする。

M9「他には何も」
作詞・作曲/真島昌利
ヒロト「他には!何も!」
印象深い胸熱ソング。
久しぶりに聴いた「他には何も」は、私が知っているものより随分と熱くなっていた。
カツジの素早いカウント。
クロマニヨンズの爆撃開始。
おいおい、イントロからまた「オイ!オイ!」叫んじまってるじゃねえか。
そういう曲じゃなかったのに進化してる。
この歌こんなに心へ響くメロディだったんだなと新しく好きになる瞬間のある生演奏。
その曲の本当の姿が見えるのもライブ。
本作は新しい発見まであるお得盤。
ライブだと特にマーシーのギターの音が強烈で、どうしてもそっちに意識が向いてしまう。
オリジナルアルバムに収録されていたものより心へ直撃する音。
歌だって、興奮しながらも沁みる前代未聞。
口先でなく全身全霊で歌うヒロト。
声を張り上げて歌うマーシー。
彼らが歌う言葉の一言ずつに、生きるためのパワーがブッ込まれてくるのを感じる。
なんでこんなにも演奏が誠実なんだ。
どっかで急にひん曲がらない。真っ直ぐすぎて刺さらない訳もない。私にも出来そうな気がしてしまう程にシンプルでストレートだ。
頭で考える必要のない、心が感じる音。
ギターソロ中に「オイ!オイ!」と叫ぶ声に、こいつたちはやっぱりクロマニヨンズを熱く激しい音楽として聴いているんだなと嬉しくなりました。
目の前の演奏に素直に興奮する人たちがやたらとカッコいい。
ここに全員がいてこその、ロックンロールのライブだという感じがする。
この場で熱狂していた全員で作ったライブ盤なのだなと、また胸が熱くなった。
突破したテンションにこの光景は美しい。
大好きなロックンロールはクロマニヨンズだ。
ヒロト「ありがとう」

M10「団地の子供」
作詞・作曲/真島昌利
ヒロト「団地の子供」
少し落ち着いたテンション、やさしい口調でヒロトが曲紹介。
ジャラ〜〜ンと、マーシーの透き通った音色のギターが、柔らかさで会場を包んだ。
ギターのアルペジオが印象的なバラード。
ここでゆったりテンポの曲が演奏されて、会場のテンションも少しだけ落ち着いた様子。
やたらと飛び跳ねたりするヤツは減った模様。
私もその雰囲気の中にいたい。この演奏に存分に浸りたい。
ライブ録音で音が近くてジーンと来る。
熱狂的なライブの真ん中辺りで、しみじみとした演奏を見せつけるクロマニヨンズ。
CDの音から察するに、誰もが感動してる。
バラードの独特の雰囲気や、見惚れながら静かに興奮している空気感が見事に伝わります。
ライブでやるとどんな感じの演奏になるんだろうと思っていた曲。
その疑問の答えは、誠実な音だった。
なんて滑らかな演奏なんだ。
とは言え、クロマニヨンズだからあからさまに“ロックンロール”のバラードになってる。
間奏のギターソロ。
この瞬間の主役であるマーシーへ声援が飛ぶ。
歪んでいないクリーントーンのメロディが、そこにいた何人かの涙を流させた。
感動のあまりマーシーの名前を叫んじゃう人もいる。マナーはあってもルールはない。
人それぞれいろんな楽しみ方がある。
今クロマニヨンズとオーディエンスの全員がここに来ていて、その中に私は存在してる。
その現場に感動してる。
あれ⁉︎やっぱりライブに参加しちゃってる気がする。むしろ私の耳がライブ会場なのか?
何これ⁈最高じゃん。

M11「ホッテンダー」
作詞・作曲/真島昌利
バラードの直後にいきなり始まる。
ヒロト「ホッテンダーーーーーー!!!!!」
この最初のヒロトのシャウトがオリジナル盤で聴いていたものよりもテンションが高くて、もっともっと激しく熱いエネルギーにパワーアップしてる。
激しすぎてCDでも音が割れちゃってる。
私の再生環境の問題かもしれないけど、左側の音がビリビリしちゃってる。
炸裂しちゃったんだね。
カツジのカウントから、ヘヴィなフレーズがキマる。ズバ抜けた熱量。
イントロのヘヴィネスの直後はゆらゆら踊るレゲエが始まった。
ただのレゲエではない。
ロックンロールの歪みを存分に活かした唯一無二のレゲエ。
根底の魂は熱くも、軽やかなリズム。
これはノリやすい。
誰も置いてきぼりにされていない。
オーディエンスみんなの機嫌が良さそうだ。
今日やってるロックンロールのライブは、1人も弾き飛ばさない歓迎スタイルなのだ。
“顔はおなじ方を むいていたんだけど 違うものをみてた 汗にまみれて”
今回に限っては同じものを見てたっぽい。
ギターソロなんかオリジナルバージョンの何倍もの炸裂音でぶっ飛んでくる。
ギンギンな音で、ほんのわずかにあるネチっこさが心の奥を刺激する。
見逃したり聴き逃してる場合じゃない。
ライブこそ瞬間しかない。
クロマニヨンズのライブはその瞬間の勢いとか突撃するテンションが追加されて、演奏がもっと上手い。
いや、異常に熱いのか。
他のミュージシャンのライブアルバムでありがちな、音がスカスカになっているという事は一切ない。
クロマニヨンズの場合は、オリジナル以上の熱狂になってます。

M12「恋に落ちたら」
作詞・作曲/真島昌利
まったくぅ、『YETI vs CROMAGNON』の曲を続けてやるのかと思いきや、急にブッ込んでくるんだもの。
ドラマチックなこの曲のライブバージョンが聴けるとは!私の恋心が感激してる。
いい演奏が聴けます。
イントロが始まった途端のオーディエンスの興奮したテンションが最高です。
自分にも部屋で同じことが起こる。
マーシーが弾いたギターの一音目ですぐに何の曲か分かる人たちが好きだ。
このライブ盤の鳥肌ポイントでもある。
こいつたち、抑えきれない興奮をしてる。
それが音で分かるのだ。
すごいのはクロマニヨンズだけじゃなくて、そこにいて“ロックンロール”に見事に熱狂しちゃってる人たちもです。
メロディックな歌がライブでまた化ける。
歌詞は“あのね”しかないから、何も考えずにメロディの良さ、アレンジのドラマチックさがライブで際立つ。
胸を張って高らかに“あのね”を歌うヒロト。
楽器を演奏しながらファルセットのコーラスで盛り上げるマーシーたち。
とんでもなく楽しいのと同時に、なんだか感動的にも聴こえてきちゃった。
もし涙が流れても変な人じゃないです。
ギターが一段といい音してるなぁ。
そう感じていたらギターソロへ突入。
これはマーシーが突き抜けたテンションの時の弾き方だ。ギターのメロディがものすごく躍動してる。
この場には周りに合わせなきゃっていう嫌な雰囲気がまったくない。
自分が感じたまま楽しめる。
最低限のモラルと同じ感覚で、どう楽しむのかをごく自然と感じているし気付いてる。
ロックンロール好きが集まってる。
自分らしくいながらも、多くの人が同じ感情である瞬間がそこにあるってすごい。
ラストはマーシーのギターフレーズが想像以上に豪快にキマって拍手喝采。
ヒロト「どんどんやるぞー!!楽しんでってくれよーー!!」

M13「とがってる」
作詞・作曲/真島昌利
ヒロト「ととと、とがってるー!!」
曲紹介の仕方とか、激しい演奏とか、ライブバージョンは尖りきってる。
シングルのカップリング曲まで惜しみなく披露してくれる事に、なんか知らないけど満面の笑みがこぼれます。
とがってとがってすげえ鋭利な演奏。
2分くらいですげえ短い。
とがって熱気ムンムンで盛り上がってる。
クロマニヨンズの余計なことはやらない潔さが尚更ぶっちぎるライブバージョン。
ギターの鋭さが会場に響き渡った直後に炸裂するハーモニカが、私の気持ちを急激に猛烈にとがらせる。
無敵な感じがしてきて恐れるものが何もない。
目の前で「とがって とがって」なんて歌われて、ちょっとでも凹むなんて無理。
この熱気の中で明日の不安を抱いているヤツなんか1人もいません。
会場はガムシャラに盛り上がってる。
オリジナルバージョンよりタイトになったと言うのか、極限まで締まった生演奏。
だから飛び跳ねてるヤツがたくさんいる。
期待なんか遥かに超えて鋭すぎるギターソロをマーシーがブチかます。すげえ短い。
続いて大暴れするハーモニカソロ。ヒロトの魂が爆発しちゃってすげえ騒がしい。
間奏後の歓声と拍手が、その瞬間の凄まじさを証明してる。
最後まで4人とオーディエンスが爆走する。
誰も余力を残していない。
騒いだな、暴れたな、スッキリしたな!
あっという間に終わるけど、誰も無視できない尖りっぷりがグッサリと刺さります。
断言できるのは、
褒め言葉としてのアホがいっぱい来てる。
日常では絶対にならない暴走したテンション。
普段は極端に静かな内向型の私だってアホになっちまうのがライブ。
つまり、とがってる。
ヒロト「ありがとう!」

M14「日本の夏ロックンロール」
作詞・作曲/真島昌利
ヒロト「日本の夏!ロッケンロール!!」
また『YETI vs CROMAGNON』のアルバムに戻ります。地球を飛び出すハイテンション。
会場全体が異常な盛り上がりを見せつける。
アップテンポのロックンロールを、どうかしてるテンションでブチかます。
クロマニヨンズとオーディエンス、その場にいる全員がひとつの同じ事柄に熱狂する奇跡が音源に収録されています。
カツジ「ワン!ツー!スリー!フォー!」
突っ込んでくる爆音にて、キレッキレかつ豪快な演奏でイントロのフレーズがキマる。
みんな大人しくしてる訳がない。
イントロから大声で「オイ!オイ!」叫ぶ攻めてるテンションのオーディエンス。
この人たち、飛び跳ねる足が床についてる暇なんてなさそうな信じられない盛り上がり。
疾走感なんか余裕で超える爆走。
ロックンロールが胸を張って自信満々に爆走していくイメージ。そういう音がしてる。
声を張り上げるマーシーのコーラス、、、
テンションたけえーー!!!
ヒロトがサビで「最高ー!」と歌う度に、腕を突き上げ高く飛び跳ねる人たちが見えます。
心から最高!!と感じてるのが伝わる。
これがリアリティ。
短い間奏ではもう抑えきれず、かなり通る声で「ヒロトーー!」と叫んじゃう女性がいた。
こいつも、、
テンションたけえーーーー!!!
こういうシンプルなアレンジほど分かりやすくて、クロマニヨンズもオーディエンスもライブで燃えるんだろう。
この歌のメロディ、この演奏からオリジナルバージョンよりも突っ走るロックンロールを感じるのがライブならでは。
嘘偽り、誇張なく最高です。
こんなにも盛り上がってる音が聴こえてくると、やっぱりCDでもレコードでも熱狂する。
私は今、自分の部屋でカオス状態のライブ会場そのまんまを体験してる。
相当盛り上がってんな、これ!
常識を突破した人間がたくさんいる。
興奮を抑えきれない人たちの激情で会場が揺れてる感じがする。

M15「炎」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ジャーーーーーン!!!
マーシーのギターが炸裂した。
前の曲から間髪入れずにいきなり始まる。
イントロなし。
オーディエンスの制御不能になったテンションの中、ヒロトが「シャランラン」とでっかい声で歌い出す。
よりシンプルになった「炎」がアンプフル10で心へ直撃してくる。
永遠の絆を誕生させているカッコいい音。
「炎」ってこんなにぶっちぎりでパンクな音だったんだな。
炎のように燃える高カロリーなパンク質。
興奮の中、本物の絆を歌う歌詞が一層心に沁みてくる。
ギターのミュートの音がキコキコとハウリング(というのかな?)していてぶっちぎりのリアリティが飛んでくる。
炎のように燃えながらブッ飛ばした前半。
燃え盛っていたアレンジがクールになる後半。
きっと誰もが隣にいる自分のパートナーの手を握りたくなる。
抑え気味のアレンジから、一気に突き抜けるサウンドに変わるスリリングな瞬間。
強い絆の歌に心を奪われていたオーディエンスが、同じタイミングで飛び跳ねた。
熱狂はすぐに戻ってくる。
もちろん聴き入ってしまう場面も素敵です。
終盤はひたすらパンクの歪みを伴う疾走感でブッ飛ばしていく。
ドラマチックだしロマンチックなロックンロール。熱狂の中、みんなそれを感じてる。
興奮や熱狂と同時に、感動してる。
クロマニヨンズのライブは、幸せすぎる時にだけ流れる涙を堪えきれないのだ。
素晴らしい演奏を聴いた。
心は多くを感じた。
むしろ、見た。
ヒロト「もう1曲続けてやります!」

M16「ヘッドバンガー」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ヒロト「ヘッド!バン!ガーーー!!」
高速の演奏が始まって会場の熱気が急上昇。
歪んだギター、唸るベース、派手なドラムが突っ走ってくる。
もっと騒げ!と言わんばかりのボーカル。
ロックンロールの煽り運転。
オーディエンスはもっとアクセルベタ踏み。
ブレーキは壊れたっぽい。
頭を振りまくって倒れる人もいるかもしれないので、視聴にも注意が必要です。
とんでもない勢いと熱気が音になってる。
座って聴くとか、静かに黙って流し聴きするなんて不可能な狂気。
褒め言葉として、こいつら頭がおかしい。
こんなにも充満した“熱気”が耳に聴こえてくる音源、ライブ盤は他にない。
会場中が猛烈に頭を振っている音。
散歩中の私は、心の中では誰よりも激しくブンブン頭を振っている。イメージの中なのにもうすぐ道端に倒れそうだ。
この曲、ライブでやったら収拾がつかない事になるのはわかってた。
現実になっちまった。
汗と熱気にまみれてブンブンブンブンと興奮したアホたちが、むさ苦しい程に「オイ!オイ!オイ!」と叫ぶ光景を見てる。
全員がすげえデカい声で叫ぶ衝撃。
これ本当に曖昧な日本語を使いこなすお疲れ様な日本なのか⁈曖昧さなんてどこにもない。ハッキリとした熱狂があるだけ。
アホになって騒ぐだけでなく、感動シーンもしっかりある。
頭の中で考えて、胸の奥で決めると、決断する時にすごく重要な意味を歌っているBメロ。
ここにある熱狂がそれも実感させた。
非常に騒がしい空気感、いい音しています。
ヒロト「ありがとう」

M17「グリセリン・クイーン」
作詞・作曲/真島昌利
ヒロト「グリセリンクイーン!あー!」
ここに来て急にギターの音がとてつもなく変わるスリリングさがたまらない。
マーシーが別のギターに持ち替えたようだ。
歪ませていないギターの音色。ライブでもやっぱり正直者の音がする。水色のストラトを持ったマーシーがこっちに近づいてくる。
澄んだ音が鳴っています。
オーディエンスは飛び跳ねながらも聴き入っている。間違いなく魅せられてる。
感動しちゃってるのがわかる。
そんなのCDの音でもはっきりわかる。
改めて真っ直ぐなロックンロールだと確信。
このライブバージョンだと、ギターの音の存在感がすごくてボーカルさえも超えている。
ギターのコードストロークが歌ってる。
嘘のない誠実な音で歌ってる。
ちょっとコードを覚えたら誰でも弾けてしまう曲だけど、マーシーが上手い。
心へ響くことが何よりの証拠。
ヒロトが全身で表現している歌のメロディだって印象的。
いつもリアリティを見せるボーカリスト。
明るいメロディがステージの上でキラッキラの輝きになった。
感動しつつも元気出ちゃう。
マーシーたちもファルセットのコーラスを見事に響かせる。
私なら音程が外れまくってしまう。
クロマニヨンズはやっぱりライブが一番いい。
最近あまり聴いていなかったこの名曲。
このライブバージョンを聴いたことによって今までとは違う「グリセリン・クイーン」の良さを知ってしまいました。楽しい体験です。
“毎秒が伝説” そこにいる全員がそれを感じているのを、私が今感じてる。
マーシーの水色ギターがいい音してた。

M18「底なしブルー」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ヒロト「ブッ飛ばしていくぞー!!」
猛毒注意。
ブルースの毒性を含んだ猛々しい演奏。
カツジの激しいドラム!
すぐに最高の反応をするオーディエンス。
この瞬間に部屋で鳥肌が立ったのは、きっと私だけではない。
ライブ会場がそのままここにある。
そこへ常識を覆す猛毒なハーモニカが流れ込んでくる。オリジナルより長めのイントロ。
どいつもこいつもテンション高すぎ!
マーシーの際どく歪んだギターの一撃が合図になって猛毒の突撃開始。
勢いづいた激しい演奏が始まった。
こうなったらもう誰にも止められない。
始まった直後、狂った歓声がけたたましく響く。熱狂の上限を突破していく覚悟を。
地球を飛び出していく可能性もある。
全員の心のガードを突き破る威力でヒロトが歌い出す。容赦なく猛毒をぶっ放す。
ロックンロールのボーカリストの底力。
クロマニヨンズに毒されて、倒れちまいそうな程に頭を振ってるアホがたくさん見える。
ここでしか体験できない凄まじい光景。
特にマーシーのテンションがどうかしちまったのが、ギターの音やコーラスの歌い方で分かってしまう。
間奏には恐るべき衝撃あり。
制御装置のぶっ壊れたテンションでマーシーが感情のままに弾きまくる。
激しい感情の音が鳴り響くギターソロは、ありのままの自分を取り戻す特効薬。
ひねくれ者たちの決して屈服しないテンションにすっかり毒された私は、他人からのすべてのダメ出しを毒々しく覆す。
オレは可能を不可能にする男。
納得できないことはやってやれない。
そこで熱狂してる全員の猛毒テンションが、真実一路な自分を呼んできた。いい気分。
自分としては清々しい。
他人から見たら毒々しいのかもしれない。
そんなのどっちでもいい。
自分さえ良ければいい。
細かい音まで録音されていて、イヤホンで聴きながら歩いていると、そこら辺の人が騒いでいるのかと勘違いしてしまう音がしてる。
ヒロト「ありがとう!」

M19「鉄カブト」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ヒロト「オーラーイ!あー!このまま!最後まで続けてやります!いくぞ!」
マーシーのキンキンなギターで演奏スタート。
始まった途端にまた会場の温度が上がる。
熱気で溢れ返ったカオスな場所。
やり過ぎなくらいテンポが速くなっていて、ライブ感ありまくり。
速すぎて異常に短く感じるほど。
名曲が超名曲になる瞬間が録音されてる。
ライブ演奏でメロディに新しく疾走感が爆誕したと感じます。
これは確実に飛び跳ねてるね。
どちら様もテンションが上がりすぎて隣の人にぶつかっちゃったり、気にすんなよっていうやりとりがそこら中で発生してる。
誰もが同じものに熱狂中。
ステージに立つ4人の演奏には、ただならぬ情熱がブッ込まれてる。
それが遠慮なく突っ込んでくるのだ。
こんな風ににいろんなアルバムからの曲をやってくれると、発売当時とは異なった聴き心地にびっくりしたりします。
3つ前の4枚目のアルバム曲が化けた。
クロマニヨンズが培ってきた経験と、オーディエンスの尽きせぬ興奮が、以前の曲を進化させたのかも。
突っ走るロックンロールアレンジ。
興奮は隠さなくていいんだと言わんばかりの揺るぎない演奏。
心へ響くメロディ。
力の限りメロディックな生音。
より一層ドラマチックにもなってる。
ライブでやるとこんなにも印象的な歌だったのか。「鉄カブト」をまた好きになった。
超高速になった「鉄カブト」が一瞬で駆け抜けていった。
クロマニヨンズのライブは心を動かす。
命はいい、こんなに楽しい記憶だけは守ってくれ鉄カブト。私も後でかぶっておこう。
ロックンロールという記憶の宝物。
M20「エイトビート」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ヒロト「エイト!ビート!」
魅力はなんと言っても、命の躍動感。
名曲の登場で「オイ!オイ!」盛り上がる。途中で激情した女性の金切り声まで上がる始末。
とんでもねえ感動で会場が熱くなる。
私は今その場にいないんだけど、沢山の想いが身体中を駆け巡って感動の涙が流れてる。
イントロで明朗快活に鳴り響くハーモニカのメロディ。
はっきりとヒロトの情熱が注ぎ込まれた音。
少し長めのイントロでは、ゆったりしたテンポから突き抜けるアレンジになった途端に、我慢できず「オイ!オイ!」叫ぶ連中が頼もしいし、たくましい。
ロックンロールの最高の楽しみ方を知ってる熱く生きるヤツら。
すでに多くの生命力が音になっている。
ヒロトが歌い出したらもう、爆発した感情ばかりが溢れて会場はめちゃくちゃの状態。
目に見えてる光景も、それぞれの人の心の中で激しくたかぶった目には見えない気持ちも音として鳴る。
ロックンロール好きが集まってるから。
「エイトビート」の歌詞やメロディ、それにアレンジが心に響くのは承知の上だけど、想像以上の興奮。
4人の演奏が勢いで突っ走りながらも、真摯な態度で挑んでる。
研ぎ澄まされているし、磨き抜かれたロックンロールの音だ。とにかく純度が高い。
全員に生きる喜びをブッ込もうとしてる。
この音楽を演奏するのに世界で一番上手い人たち。音が出てるだけじゃなくて、強さのある生命力まで響く。
当たり前かもしれないけど、スタジオ録音よりも随分とテンションが高い。
ロックのリアリティが桁違い。
クロマニヨンズの4人でしか実現しない。
そこにいる人たちのいろんなものが新しく吹き込まれて、強い生命力が溢れたライブバージョン。
“ただ生きる 生きてやる 呼吸をとめて なるものか”
命の熱狂の中で、生きるのやめようと思ったやつは絶対にいない。
今日来てよかった、生きててよかった。
M21「紙飛行機」
作詞・作曲/真島昌利
ヒロト「オーライ!紙飛行機ー!」
大歓声が上がる。
エキサイティング!
名曲シングルの連発で、燃え尽きようとするオーディエンス。
誰も明日の事なんか考えていない。
そんなつまらんヤツはここに来ていない。
瞬間を楽しむ最高のヤツらがロックンロールに噛み付いていく。
クロマニヨンズも全力をぶっ放す。
オリジナルバージョンより、こっちのライブバージョンの方が音がいいと感じます。
ライブのが曲の世界観に合っているし、みんなが炸裂しちゃって何かすげえものがプラスされたのかもしれない。
「紙飛行機」って思った以上の疾走感と跳躍力があるのです。
それを真正面で受け止めるオーディエンス。
マーシーの弾き方がやっぱりどうかしてるから、まるで暴走気味の紙飛行機が目の前で飛んでるみたいだ。
どんだけのテンションでギターを弾いているんだ。こんな音ありか!感動しちゃうよ。
今日の「紙飛行機」にはジェット機以上のエンジンが搭載されてるのか⁈
ロックンロールのライブは過激だ。
この曲にはギターソロなんかないのに、激走するギターの音が印象深く、記憶に残る。
今この瞬間のための歌詞をヒロトがうたう。
“明日とかわからないし 別にいい”
ここにいる全員がこの気持ちだったと余裕で理解できる。生きてるね!今だね!
まだわからない明日のことを考えながら、ライブに行ったりレコード聴いたりするのはやめよう。それで不安になってたら意味ない。
私たちには今があるだけなんだ。
こんな気持ち、ライブでの大収穫です。
好きなことだけ一生懸命やりたくなった。
会場には心の紙飛行機がたくさん飛んでる。
M22「燃えあがる情熱」
作詞・作曲/真島昌利
最後は極まったロックンロールを、猛烈テンションでブチかます。
情熱とは何なのかを見せつけてくれます。
ヒロト「オーライ!最後の曲は、燃えあがる情熱!いくぞー!」
カツジ「ワン!ツー!スリー!フォー!」
ジャジャーーーン!!!
ギターとベースが強烈な一撃をキメる。
心臓まで響く恐るべき音圧。
ホールからは大歓声が上がる。限界をも突破した興奮とはこれの事だと知ってしまう音が出るからトリップ注意。
イントロ中にステージからブッ飛んでくるヒロトとマーシーのシャウト。
ロックンロールの情熱そのもの。
クロマニヨンズもオーディエンスも、なんかもう振り切れちゃってるな。
度を超えた迫力に、ぶっ倒れてしまいそうなロックンロール空間がここにある。
これが最後の曲だけど、アンコールをやってもらうという期待は誰もがしてる。
でもその為の余力を残しとこうなんて考えてるヤツは1人もいない。
ここで燃え尽きる勢い。
ライブは悔いを残してはいけません。
出てくる音の雰囲気から、大暴れするホールが見えます。
たくさんのアホが極上の快楽を体験してる。
理性さえ吹っ飛んじまったような、マーシーの大袈裟なコーラスには、過去最高に強気な私が爆誕してた。
クロマニヨンズの4人はライブでの演奏がとことん上手い。いや、最大限に熱いのか。
マーシー「オーイェーッ!アーーーー!!!」
ギターソロに入る直前のマーシーの強烈なシャウト! マーシーのそのテンションにどれだけ生きる気力が湧いてくることか。
一番前で爆走するギターの情熱的なメロディ。
確実に何人かの頭がふっ飛んだな。
ライブの瞬間にはより一層マーシーの感情が乗っかってるから、心が大きく動く。
興奮しながら感動するということ。
どの曲もライブバージョンは猛烈にパワーアップする。最高潮まで燃えあがる。
クロマニヨンズとオーディエンスのテンションの高め合いや、情熱のぶつかり合いとか、熱狂の一致なんかが関係してる気がします。
この曲には特にそれを感じちゃう。
何かが燃えてる音がする。そうだ!「燃えあがる情熱」ってタイトルだった。人の情熱だ。
最後の盛り上げがすごい音圧‼︎
オリジナルではフェードアウトしたけど、ライブでは攻めたロックンロールサウンドを鳴らし続け、トドメを刺してきた。
ヒロト「ありがとう!楽しかったよー!」
マーシー「またね〜」

M23「南から来たジョニー」
作詞・作曲/真島昌利
ステージにはクロマニヨンズが再登場。
ここからアンコールへ突入。
『YETI vs CROMAGNON』最後の1曲をやる。
ヒロト「やろう、南から来たジョニー!」
歪んでいないミディアムテンポ。
これはすごく感慨深いです。
曲の雰囲気とかギターの音とか、MAXのテンションとは異なる会場の空気とか。
このギターの音はライブ会場にいるとしか思えないリアリティサウンド。
またマーシーが感動させてくる。
既に20曲以上も歌っているのにパワーが減っていないヒロトのボーカル。
ハーモニカまで吹く驚異のエネルギー。
歌詞の一言ずつを丁寧に歌い上げる。
ヒロトが表現したかった世界観が、そのまんまオーディエンスに伝わってる。
その空気感がしっかり録音されている。
落ち着いたテンポ、滑らかな演奏に、妙に騒がず聴き入るオーディエンス。
でも体はゆらゆら動いてる。
スタジオ録音盤はアコギ強めだったこの曲が、ライブだとエレキだけで曲の世界観を変えることなく再現してるのが圧巻です。
オリジナルとライブバージョンでギターのアレンジが特に変わっているのはこの曲。
私の好きな歌詞が柔らかな光を見せます。
“新品の自由は まだ固いけど”
ここではすべての人の自由だけが輝きを放っているのが、聴けば誰にでも実感できる。
この日のライブ会場で何個の“新品の自由”を爆誕させたんだろうか。
ライブには守るべき最低限のマナーはある。
その上で、クロマニヨンズのライブには自由だけがある。
ホールからの拍手喝采。

M24「雷雨決行」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ヒロト「もうちょっとやろうなー!!」
勇ましい宣言からの5発の弾丸が撃ち込まれるイントロはゾクっと鳥肌が立つ。
このたった数秒だけで、理由の分からない涙が溢れそう。
みんな「雷雨決行」が好きなのだろう。
感情的な大歓声。
ヒロトのボーカルとマーシーのギターで1番を歌い終えた直後のカツジのシンバル一撃。
また5発の猛々しい弾丸がホールへ向けて撃ち込まれる。
もうぐちゃぐちゃ状態へ。
制御不能の純粋な興奮。
熱狂してる人も感動してる人もいる。全部が同時にある奇跡的な空間。
クロマニヨンズがエモーショナルな演奏で、オーディエンスの感情を煽りまくる。
一歩後ろに下がっちまう腑抜けなんかいない。
今より前に出るためのロックンロール。
元々シンプルな「雷雨決行」が、一切の装飾なしのド直球になって来やがって、破裂寸前の胸に突き刺さった。
誰もが私と同じ気持ちなのが分かる。
間奏のギターソロがまたエモーショナル。
目の前で本物のマーシーがやる!
オーディエンス一人一人に生きるエネルギーがブチ込まれていってるじゃねえか。
たまらず「オイ!オイ!」反応するヤツら。
人それぞれの感情まで聴こえる生々しい音が鳴ってる。
歌詞では“嵐に船を出す”と決意してたけど、これは、これは!完全に嵐に船を出した真っ最中が聴こえてる。
もちろん誰も何もやり残していない。
リアリティだ。
ライブってなんでこんなに強烈なんだ⁈
この人たちなんでこんなにカッコいいの⁉︎
歌の音程とか楽器のテクニックでは表現できない、熱くてなんか胸がキュッとなる特別なものがクロマニヨンズから溢れ出てる。
むろん、引き返す訳にはいかない。
この曲の決意の音が、自分に誠実でいろと言ってるように聴こえるな。
実況録音盤の本気が炸裂中。

M25「ナンバーワン野郎!」
作詞・作曲/真島昌利
ヒロト「最後の曲になりました!みんなで一緒にいきましょう!ナンバーワン野郎ー!」
ラスト!
飛ぶぞ!!!
体力残したままでは帰さない。
大声の掛け合い、受け合い、ぶつけ合い。
カツジの鋭いカウント。
ヒロト「イェーッィ!」
オーディエンス「イェーッィ!!」
ダダダダ!!ダダダダ!!!
歓声、奇声が轟く。
ライブ会場はヤケクソ気味のカオス空間へ。
叫んでるね。飛んでるね。踊り狂ってるね。いいね!熱狂してるね‼︎ 絶好調!!!
このライブ盤の中で一番のハイテンションかもしれない。
荒々しくパンキッシュな演奏。
ハイテンポのブッ飛びサウンド。
熱狂の中で、このあと帰るための体力とか、明日の事とか、自分の生活の事を誰一人なにも考えていない。
心配してない、悩んでもいない。
クロマニヨンズしか見ていない。
つまらない事を木っ端微塵にするのがライブ。
その後の生き方だっていい方向へ変えちまうのもライブ。
今この瞬間の熱狂のまま、いかれたテンションになった人たちの純粋さというか単純さが素敵すぎる。
私もその中の1人。
どうかしてる熱気が充満してます。
ここでしか感じることは出来ない。だからロックンロールのライブには行った方がいい。
クロマニヨンズが特にいい!
中盤の“イェーィ!イェーィ!”の時に興奮しすぎたのか一人確実に先走ったヤツがなんか好きだ。
部屋でも、イヤホンでも、散歩中でもやっぱり熱狂的な自分が存在する。
この曲にテンションが上がりまくる自分の感性でよかった。
始まってからずーっと、最後の最後までクロマニヨンズが炸裂してた。
まったく!このナンバーワン野郎がーー!!
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
ヒロト「ありがとう楽しかったよー!またやろうなー!また絶対やらせてください!ロッケンローー!!!」
マーシー「またね〜」
楽しかった! そんなにカッコよく終わっちゃうなんてなんかズルいよ。
クロマニヨンズの余熱を感じながらライブ会場の余韻に浸ってる。熱狂のライブだった。
ありがとう、クロマニヨンズ。
また来るよ。
私は今、はにかんだ笑顔と満たされた心で、昨日とは違うオーラを放った男前な立ち姿がキマってる。
入口で買ったグッズの荷物を持って、奇跡のテンションのまま出口へ向かう。
帰ろう、、、、、、ここ家だけど。
大満足。
自分の部屋で勝手に熱狂のライブが開催されてしまうクロマニヨンズの1枚目のライブアルバムでした。
今日もライブ会場のすべてが部屋に来る。
これを割と代表曲の入ったベストアルバムとして聴くのは良くない。
実況録音盤というのはやっぱりその場の空気と、その瞬間の会場の魂まで録音されているのが魅力なのです。
全員のどうかしてるテンションで溢れかえる熱気を感じずにはいられない。
クロマニヨンズのロックンロールの場合は、しっかりそこまで記録されている。
いつもの平常心なんか激情に覆る熱狂的なライブ盤として楽しむ方が心が満たされます。
高揚した気持ちが爆発するかもしれません。
私の熱狂が只事ではないのはクロマニヨンズにも皆様にも伝わってほしいと願いつつ、今回はおしまいにしいたいと思います。
ありがとうございました。
また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。