こんにちはUMEです。
真島昌利/『ROCK&ROLL RECORDER』は2022年2月10日に発売された本です。
激アツです。
爆発してます。
こんなのアリか‼︎
本は7インチレコードと同じ“18×18cm”のサイズで、レコードの棚に一緒に置くとその繊細なこだわりが圧倒的な存在感を放ちます。実はこのサイズは手に持って読みやすいというメリットがあります。
※注意 : 『ROCK&ROLL RECORDER』を読むとレコード熱が爆上がりします。つまりレコードをたくさん買ってしまいます。
真島昌利/ROCK&ROLL RECORDER(2022)
これを読むとどうなるのか、それは音楽の幅が広がって楽しくてしょうがない状態になります。ついでにレコードが増えます。レコード棚の空きスペースはどんどん減ります。
「ロックンロール・レコーダー」ってタイトルが独特でマーシーらしいです。「レコーダー」です。マーシーはずっとロックンロールを録音してますからね。
『ROCK&ROLL RECORDER』の発売を知った時、その告知に書かれていた言葉が「初めての著書」で、マーシーほどの詩人がこれまで本を書いていなかった、というのが不思議なくらいに感じました。
どんな内容の本なのか、マーシーが書いた心揺さぶる超良質なディスクガイドです。
マーシーが貪欲に音楽への興味を爆発させていく熱が伝わってきて、感染します。激情です。
ディスクガイドなんか真面目に読んだことはなかったけど『ROCK&ROLL RECORDER』はマーシー自身の言葉で書かれているので、すぐに引き込まれました。文章だから当然ですけど、いつもの歌詞とは違う文体に意表を突かれました。でもマーシーです。どこを読んでもマーシーでしかありません。
特筆すべき一番の驚きは、紹介しているのはすべてアナログレコードだということです。
『ROCK&ROLL RECORDER』に掲載されているマーシーが所有しているレコードの日本盤は、すべてが帯付きであるというのも胸熱ポイントです。
何度か本を開いているうちに自分の心の中に何かヤバいやつが勝手に芽生えていることに気付いてしまいます。
それは当然、マーシーと同じものが欲しくなるのが音楽好き、レコード好き、マーシーファンの心理です。
心理というのは、マーシーが聴いて興奮した、感動したのと同じ体験をしたいってことです。この時点ですでに『ROCK&ROLL RECORDER』の魅力にやられています。
これを読んで追体験をしてみるというのは相当に楽しいことなのでオススメです。
読書が嫌いな人も余裕で写真で楽しめます。胸がドキドキ興奮します。写真と同じレコードを買って聴けば、音楽がすべてを語るから字なんか読まずに済みます。いや、面白いので読みましょう。
ページをめくる度にレコードの写真も載っていて、興味という興味を全部持っていかれます。
なんかスゲー!こんなのアリか‼︎
最初の目次を見ただけでも熱いです。これらの見出しを曲のタイトルにした『ROCK&ROLL RECORDER』というレコードがあったら興味深く即買いします。
・目次
☆ビートルズの衝撃!
☆ギター革命
☆ロックンロール・ア・ゴー・ゴー!
☆夏のリズム・ギター
☆ミート・ザ・ローリング・ストーンズ!
☆コンテスト&オリジナル
☆パンク・ロック大爆発!
☆MR.ジョー・ストラマー
☆キック・アウト・オブ・ザ・ジャム!
☆パンク・ロック・ジャングル
☆ロンドンとかニューヨークとかジャマイカ
☆ネオアコ暴動!
☆日本のCool Beat
☆チットチャット
なんか知らないけどウチのレコードが増えていました。禁断のレコード熱爆上がりです。
『ROCK&ROLL RECORDER』に胸がドキドキして影響されて買ってみたレコードを聴いています。マーシーのレコードは帯付きだけど、帯が付いているだけで値段が上がってしまうのでそこは妥協して帯ナシの低価格なレコードを買っています。とにかく同じレコードを聴いてみたいというカンジです。
ヤフオクとAmazonで¥500〜3000+送料くらいで買ったレコードは感動と興奮が詰まっていました。今すごくこれが楽しいです。
そもそもレコードの出品がほとんどなかったり、高すぎて手に入らないものは図書館に行ってCDを借りてきました。図書館も素敵です。無料で貸してくれるなんて最高です。意外にもマニアックなものまであって震えます。
読みました。聴きました。なんだか楽しくなってきました。
「ロックンロール・レコーダー」は古いレコードを聴き漁るバカを1人爆誕させました。
ビートルズの衝撃!
マーシーがぶっ飛び、シビれ、熱狂したというビートルズから始まります。
中学生の時にビートルズの3本立ての映画を観て、動いてるビートルズに衝撃を受けたという話には共感しました。音の悪い海賊盤に興奮した話も楽しいです。ライブのチケットやレコードを買った時の値段まで書いてあってリアリティでした。
ビートルズのレコードから「なんで君もやらないの?」と大声が響いたというエピソードがマーシーらしいです。
ビートルズはあらかじめすべてのオリジナルアルバムのレコードを持っていました。20代の頃に親父から無断で借りたものです。まだ借りてます。永遠にオレに貸してくれ。
僕が持っているのはマーシーとは違う帯のレコードです。詳しくは知りません。別のシリーズなのでしょう。手に入りやすいものだと思います。
「ロックンロール・レコーダー」を読んで改めて聴いてみたら、ビートルズはしっかりボリュームを上げて聴くとすごくいい音で録音されていることに気付きました。
ギター革命
マーシーが「ビートルズみたいになりたい!」と興奮しギターを買いに行く話です。当時のギターを残してあったようでバッチリとギターの写真付きです。
スプレーしてあったり、ステッカーを貼ってあったりするギターが最高です。
そのギター購入後にお金が残っていて『チャック・ベリー/エクセレント20』というレコードも買って、チャック・ベリーをコピーしていたってことでレコードの写真付きです。
ジャケットもカッコいいし同じのを聴いてみたいと気持ちが高揚したんだけど、同じのはなかったので、安かった別のを買いました。よくベスト盤に入ってる曲はだいたい入ってるやつです。’77年に発売されたようです。モノラルなのがいいカンジ。
「MONO」という特別感に溢れた文字を見ると興奮します。もちろん「STEREO」と「MONO」のモノラルのことです。クロマニヨンズの聴こえ方のことです。
ロックンロール・ア・ゴー・ゴー!
この章では古いロックンロールがかなりの数で紹介されます。ここで爆発しました。
マーシーはビートルズの本を買ったら、そこにエルヴィス・プレスリー、チャック・ベリー、バディ・ホリー、リトル・リチャード、エディ・コクランという名前が並んでいて当然聴きたくなったと書いています。本書を読むとこの時のマーシーとまったく同じ気持ちになります。
ロックンロール・ギターの神様チャック・ベリーを好きになったマーシーは気付きます。
僕はずっとロックンロールしなきゃダメなんだ。
この言葉に「有言実行」の偉大さを見せつけられました。
音楽の数珠繋ぎを感じる興奮の章です。
輸入盤レコードの匂いについても触れていました。それぞれ違う匂いがするとレコード好きならではの真実です。
これらはマーシーと同じレコードは買えませんでしたが、帯付きの同シリーズが安く売っていたので購入しました。帯付きはやっぱり嬉しいです。帯を破いて捨てる人とか信じられません。ロックンロール・レコーダーに掲載されているのは割とベスト盤もあります。
こちらは本書で紹介されていた同タイトルのものが手に入って喜び震えました。本のレコードの写真とはちょっとジャケットが違うけど内容は同じだろということで。炸裂の「MONO」です。
【Eddie Cochran/C’mon Everybody】
ジーン・ヴィンセントも数枚ほど紹介されていましたが、同じレコードは探しきれず間違いなさそうなベストを買いました。当時のレコードを手に入れるのはなかなか難しいですね。でもこういうところから入っていくのはアリだと思います。
夏のリズム・ギター
中学生の頃にFMライブのエアチェックをしていたということで、一発目に来る写真はマーシーがFMラジオを録音したカセットテープです。マーシーの字でタイトルの書かれたカセットテープは唯一無二の輝きがあって素敵です。
ボブ・ディラン、ブルース・スプリングスティーン、エヴァリー・ブラザーズなんかが紹介されています。
実は僕はこれまでボブ・ディランはしっかり聴いたことがありませんでした。作品がたくさんあるし、フォークはなんか取っ付きにくいという勝手な印象だったからです。というのは、日本の暗くて悲しいだけの頭悪そうなフォークのイメージがあったからです。悲しいのは嫌いです。楽しくないです。大嫌い。
あまり有名ではないのかもしれませんが、僕は1stアルバムが大好きになりました。この本の影響で初めて聴いてみた1stアルバムにブッ飛びました。何これ‼︎こんなすげえ音楽があったんだ。知らなかった。
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本には載ってません。
1人でアコギとハーモニカと歌だけで、ほとんどパンクです。なんかすげえパンクです。ヤバイぜ、ヤバイ、ヤバすぎる、ヤバイ、荒さがスゲエと毎回ヤラれてます。チキショーこんなにブッ飛んでいやがって、めちゃくちゃ悪そうなやつだな、まったく。
これは今回のレコード熱の中で一番最初に、マーシーが聴いたのと同じものだ!このおじさんのジャケットだ!と興奮気味に購入しました。
【Carl Perkins/Blue Suede Shoes】
帯付きじゃないけど、同じものが2枚買えました。USA AFRICA「We ARE THE World」で一際個性的でロックな声で歌っていたあの人ですね。
ブルース・スプリングスティーンのレコードは聞こえないほど音圧が低いです。2枚ともにいつもよりボリュームつまみ4目盛りぐらい上げないと熱い魂が聴こえません。僕は決して難聴じゃないです。
ミート・ザ・ローリング・ストーンズ!
マーシーが野蛮な音のかたまりに圧倒されたというローリング・ストーンズ。そのストーンズが教えてくれたというブルース。同時期にソウル・ミュージックにも興味が湧いたそうで、ストーンズ、ブルース、ソウルが紹介されています。
ここでのブルースとソウルの衝撃で一気に僕のレコード熱は加速しました。
それまでそんなに馴染みのなかったジャンルの音楽に急に心を鷲掴みにされたのです。
ロックばかり優先的に聴いてきましたが、意外にも一番ハマったのはソウルです。
ソウルは熱い。
古い音楽は決定的に何かが違う。耳に入ってきた瞬間から音が違う。耳障りではなく心がトキメク耳触り。特例を除き、最新型の音楽にそれと同じものを感じたことは一度もありません。やっぱりモノラルが一役買っているんだろうか?
クロマニヨンズには同じものを感じます。
音楽から魂が聴こえてくるか、そうでないかの違いです。
そうでない音楽から聴こえてくるのは感動しない音楽理論とか音程の正確さのみです。僕にはそれはどこにも刺さらない。
それとも単純に当時と現在では録音のしかたが違うからなのかもしれません。もしそうなら昔の録音方法のが、今聴くと音が熱いです。当時と同じ録音方法は現在では出来ないのでしょうけどね。詳しくないので知りません。
音がいいに越したことはないとは言え、キレイに整いすぎた音はつまらないし、日本人的「曖昧さ」は吐き気がするほどつまらない。
↑↓これらにめちゃくちゃハマりました。熱くて心地のよい音がたまらない。一度で終わらず視聴2回目があること確実です。気付けば自分のコレクションの名盤になるやつ。今更でびっくりですが「ロックンロール・レコーダー」をきっかけにドリフターズには「STAND BY ME」のベン・E・キングがいたんだと知りました。
【The Drifters/SAVE THE LAST DANCE FOR ME】
本と同じレコードは買えなかったけど、最高です。サム・クックとオーティス・レディング。モータウン・サウンドと呼ばれているものもかなり熱いですね。
ブルースは深い。
良さを理解するのが圧倒的に難しい。聴きやすいものではないし、キャッチャーさがあるわけでもない。だけど心を掴まれたら沼だ。沼のどん底で、すごく奥の方で光り輝いてるカンジがします。エレキのやつもいいけど、アコースティックのやつもいいですね。怖さを感じるほどの魂が宿っています。
ブルースにはずっと奥の方で燃えたぎる強烈な何かをふつふつと感じます。
帯はないけど、この2枚は同じものが割と安く買うことができました。ぶっ飛んでます。ゾクゾクします。
【John Lee Hooker/Boogie Chilen】
レコードを聴いて1人で熱くなっている、この細やかで繊細な感性を大事にしていたい。その感性は決して悪いものではなく、楽しいものです。何も気にならない大雑把な感性に憧れる必要なんてありません。
コンテスト&オリジナル
マーシーが中学生の頃に『ジョニー&スリー・クール・キャッツ』というバンドを結成してコンテストに出場して、ふたりの人から拍手をもらって最高の気分になったエピソードが興味深いです。
初めて作った曲についてもマーシーらしい独特で繊細な感性で書かれています。
パンク・ロック大爆発!
セックス・ピストルズとザ・クラッシュが登場します。自由なパンクにドキドキします。シングル盤の写真も多数掲載されていてかなり興味深く見れます。レコードジャケットの写真を見ているだけでもパンクはやっぱりパンクで、他とは異質な魅力を放っています。
相当な衝撃を受けたんだろうなというのが余裕で伝わってきます。マーシーが「何だ、こりゃあ!」とぶっ飛びリアルに響いたというセックス・ピストルズ。ビートルズを初めて聴いたときと同じ声が、セックス・ピストルズからも聴こえて「なんで君も笑わないの?なんで君もやらないの?次は君の番だぜ」とピストルズは笑っていたということです。
ピストルズを爆音で聴きながら、初めて自分の髪を自分で短髪に切った話を読んで気分が高揚しました。
「アナーキー・イン・ザ・UK」のイントロで笑うジョニー・ロットンが、日常のすべての当たり前を嘲笑っているように聴こえてゾクゾクしました。「何で君も笑わないの?」と僕にも今でも純度100%の悪態で笑っています。
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本には載ってません。
あんまり関係ないけど1977年10月28日にセックス・ピストルズの「勝手にしやがれ」がリリースされて、世界中の一般論信者の人たちに不快でノイジーな衝撃を与えました。僕はこの日に生まれてしまったわけです。という訳で(どういう訳だ)パンクが10代の僕の心にぶっ刺さりました。あの時と同じ衝撃が今ハマったブルースでありソウルに感じているわけです。
パンクは昔から大好きだったので、元々レコードは持っていました。今回、新しく買ったレコードはないけど「ロックンロール・レコーダー」を読んで聴きたくならない訳がありません。久しぶりに聴きました。最高です。
この章に載っているピストルズやクラッシュのシングル盤の写真なんか初めて見たしすごく興味深いです。
MR.ジョー・ストラマー
マーシーが、ザ・クラッシュを初めて聴いてから20年経った1997年の『フジ・ロック』に出演したザ・ハイロウズ。その日にジョー・ストラマーに声をかけて話をしたという素敵なエピソードが、短めの文章で激アツに書かれています。感動します。必読です。
キック・アウト・オブ・ザ・ジャム!
70年代に誰よりもカッコよくリッケンバッカーのギターを弾いたという、ポール・ウェラーのザ・ジャムです。
他にもゼムやスモール・フェイセスなんかも紹介されています。
この章の最初の方で、宣伝コピーや、帯に書いてある煽り文句は最高です、とマーシーは言っています。これはその通りだなと共感しました。その文句に惹かれてレコードやCDを買うことは割とあります。
マーシーは雑誌の広告で見た「ニューウェイブはギリギリの線で勝負をかける男のロック」というコピーにシビれたそうです。僕はこれにシビれました。
ブギ連「ブギ連だ!みんなに自慢しよう!」
この煽り文句のおかげで、CDを先に買っていたのに後からレコードも買いました。だけど困ったことに、みんなにと言っても誰に自慢すればいいのかわかりません。
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これは番外編です。本には載ってません。
ザ・ジャムのレコードは1stアルバム『イン・ザ・シティ』しか持っていませんが、僕のはマーシーのみたいに煽り文句の書いてある帯なんか付いてません。そして汚いな(笑)
収録曲の「バットマンのテーマ」が結構好きです。クロマニヨンズもJAMのカバーでライブで演ってました。
パンク・ロック・ジャングル
パンクが続きます。
マーシーの心のメーターを振り切ってしまったというパンク・ロック。ダムド、ジェネレーションX、ブームタウン・ラッツ、エルヴィス・コステロ、トム・ロビンソン・バンド、ストラングラーズ他、かなりの数のパンクが紹介されていて読むとパンク熱が加速しそうで危険です。
マーシーの感性でロックンロールの本質について書かれているのが胸熱です。いろんなバンドの観に行ったライブのことも、よくそこまで覚えているなと脱帽するほどリアルに伝えているのが特徴的でした。
マーシー曰く1977年の音楽雑誌に書いてあったという文章にウケました。「DAMNED(ダムド)」は「ダムネッド」ではありません。パンクでは僕はダムドが好きで、ダムドばっかり10枚以上レコードを持っています。
トム・ロビンソン・バンドの「2-4-6-8 MOTORWAY」のキャッチーなメロディと日本人にも覚えやすいサビの歌詞が初めて聴いた時から好きです。たまに聴きたくなります。
【TOM ROBINSON BAND/2-4-6-8 MOTORWAY】
ロンドンとかニューヨークとかジャマイカ
ラモーンズ、パティ・スミスといったニューヨーク・パンクとロンドン・パンクの印象の違いから始まり、神がかったレゲエが登場します。
レゲエといえば、僕も前からパンクの人たちがよく取り上げている音楽だなと感じていましたが、やっぱりそこら辺の話も書いてあって納得しました。
マーシーの兄が買ってきてシビレたという『ライブ!/ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ』の「ノー・ウーマン・ノー・クライ」は名曲ですね。僕もずっと好きです。
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文章のみで本には写真は載ってません。
本で紹介されていたレゲエの中では初めて聴いて気に入ったのは『ジミー・クリフ/ストラグリング・マン』でした。割と安く買えると思います。
今すごく気になっているのは『ジミー・クリフ/ザ・ハーダー・ゼイ・カム』と『V.A/サウンドトラック・ロッカーズ』です。ヤフオクにジャマイカ盤というものがよく出品されていて、その音に興味が湧いているところです。なかなか買えません。
レゲエを速くしたようないわゆるスカのザ・スペシャルズやパブ・ロックと呼ばれているドクター・フィールグッドなんかも紹介されています。
20年以上前になんの知識もなく何気に買ったドクター・フィールグッドのレコードの強烈な音にシビレました。それまで聴いたことがなかった迫力の太くズッシリした音がスピーカーから出てきてびっくりしました。
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本に載っているのはこのアルバムじゃないです。
当時ジャケ買いしたと思います。デザインに魅了されたのはもちろん、日本語が書いていない輸入盤の異国な雰囲気に心がトキメキました。
ネオアコ暴動!
’77年に爆発したパンク・ロックの自由な精神がキチンと継承されているとマーシーが感じたネオアコのムーブメント。
ザ・レインコーツ、ストレイ・キャッツ、イアン・デューリー、トレイシー・ソーン、ペイル・ファウンテンズ、ザ・スミスなどが紹介されています。
【ザ・スミス/There Is The Light That Never Goes Out】
ネオアコは、叙情性の裏に隠された暴力性もひとつの魅力だとマーシーが語るその言葉こそ、レコード帯に書かれた煽り文句と同じ魅力を放っています。
ストレイ・キャッツは明らかにパンクを意識しているなと感じていたので、パンクにハマった10代の頃から好きです。色んなところで名前を目にしていたし、探さなくても知りやすいバンドでした。
この「ネオアコ」というジャンルがまったく馴染みがありませんでした。マーシーの煽り文句に興味が湧かないわけがありません。全然レコードは買えていませんが、本で紹介されていたミュージシャンのCDを何枚か借りて聴いてみました。
※ネオアコ(Wikipediaより)
ネオアコは、ポスト・パンクの流れから派生した音楽ジャンル/スタイルのひとつ。ネオ・アコースティック(neo acoustic) の略称。なおネオアコ(ネオ・アコースティックも含む)という言葉自体は和製英語であり、欧米では通用しない言葉である。
トレイシー・ソーンの気だるい感じに異様な魅力を感じました。本のおかげで、また新しい素敵な音楽に出会えたと喜んだ瞬間です。こういう楽しさが「ロックンロール・レコーダー」の魅力です。
画面なんかタップするんじゃなくて、スタートボタンを押して手で針を落としたい。またレコードを探そう。「ネオアコ要チェック」と心のメモ帳に書かれました。
トレイシー・ソーンにものすごく興味を持ったので、『Record』というタイトルの現時点での最新作を聴いてみました。まずタイトルがなんか好きです。「ネオアコの人」だという印象で聴いたので意表を突かれました。「ネオアコの人」というより80年代風の「先鋭的なシンセ・ポップのミュージシャン」だったからです。その中にもトレイシー・ソーンの独特な気だるい感じがしっかりあってお気に入りの1枚になりました。
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本には載ってません。
レコードの方はまだ届いたばかりです。Amazonで安く売っていた「非常に良い」という評価の中古を買ったつもりが、新品未開封が届いて感激でした。
また好きな音楽が増えました。「ロックンロール・レコーダー」の影響と来たら、これだもん。何てことだ…なんて…
日本のCool Beat
日本のポップ・ミュージックも大好きだったそうです。昔は現在よりもテレビの歌番組がたくさんやっていて、マーシーにとって一番重要だったのは月〜金の夕方に放送されていた『ぎんざNOW!』というテレビ番組だったということです。
この番組について、そこから知っていった音楽について熱く語っているのが印象に残りました。僕はその番組を知りませんでしたし、観たこともありませんが、読めばどれほど重要な役割を果たした番組だったか伝わってきました。
↑↑↑
本に載っているのは「ノット・サティスファイド」のシングル盤です。
「ノット・サティスファイド」はこのアルバムに収録されています。本で紹介された日本の音楽のレコードはこの「アナーキー」しか持っていませんが、これを機に他のも聴いてみようと思いました。
最後の最後に、電気のブレーカーから取ったとネタバレを含む「ザ・ブレイカーズ」というバンド名が登場して胸が熱くなりました。
【THE BREAKERS/涙の COOL DANCING】
’83年らしいです。バンダナとかしてないボーカルの人のことを分からなくても、声を聴けばすぐに誰なのか理解できてしまいます。これはカッコいいです。シビレます。
完全に日本のCool Beat‼︎‼︎
チットチャット
最後にマーシーが質問に答えていきます。蓄音機についても触れていてすごく興味深いです。家のレコードの保管状況についてなんか衝撃です。相当な数のレコードがあるんだろうと推測できます。
『ROCK&ROLL RECORDER』の続編もありそう。
最後にVol.2のこともほのめかしていたし、これは続編の出版も超期待しています。まだ聴いたことのない楽しい音楽がきっとある。もっと知りたいです。
『ROCK&ROLL RECORDER』の影響で聴き始めたジャンルのレコードなどは、この値段は妥当なのか買いなのか僕にはよく分かりませんが、今日を楽しめるならそれでいいです。
あと、今でもコロムビアのポータブルでレコード聴いていますか?って聞いてみたいです。
ん???
たしかに「永久保存版‼︎‼︎」ですけど…
ところで僕が買った『ROCK&ROLL RECORDER』には角にこのシールが直接貼り付けてられていたけど、これ合ってるかな?下の写真見えないじゃん。剥がさないけどさ。こんなのアリか‼︎
なんか知らないけどカッコいいレコードがたくさん載っていました。どこがどうカッコいいとか説明は出来ません。マーシーも批評家みたいなことをそんなに詳しく書いていません。そこがリアルでいいです。
説明できる程度の気持ちは大したことない。
『ROCK&ROLL RECORDER』はただ古いだけのものは好ましくなく、最新型では物足りないという人に超絶オススメです。
今回の『ROCK&ROLL RECORDER』というディスクガイドで紹介された音楽のみならず、自分のセンスでジャケ買いしたりするのも楽しいです。失敗もします。
レコードが増えると楽しい幸せが増えます。当たり前だけどお金は減ります。別にいいです。レコードは楽しいので。もしレコード屋さんで気になったレコードを発見したら、その場で買うのが鉄則です。次に行った時にはもう売れてそのレコードはありません。こんなに悔しいことが他にあるかと、その場にしばらく無表情で立ち尽くします。
新譜はリリース時に定価で買います。数年経つと数十倍の値段で買うことになる場合があります。
ちなみに自分のレコードコレクションの中で一番お気に入りなのはここら辺です。なんか特別な物体です。
特にレコード好きじゃない、オタクじゃない人からしたら「キリがないバカじゃないの」って呆れられそうだが…
キリなんてありませんよ。
キリがあるということは、そこで終わりということです。そんなのつまらないし、僕はその感性じゃなくてよかった。古いレコードを聴き漁るバカは楽しくてしょうがないから。
“聴きたいレコードがたくさんあるんだ”
ロックンロール最高‼︎
毎日を楽しんでください。
一ファンとして。
ありがとうございました。
それではまた。