ザ・クロマニヨンズ

【ザ・クロマニヨンズ/LUCKY & HEAVEN CDはレコードの音だった‼︎ 11thアルバム】

投稿日:2023年4月21日 更新日:

こんにちはUMEです。

『LUCKY & HEAVEN』は2017年リリースのクロマニヨンズの11枚目のアルバムです。

生きることは楽しいと気付かせてくれたロックバンド。昨日より明日より今この瞬間だと実感させてくれた人たち。私に十数年ぶりにまたギターを弾かせたギタリスト。

『ザ・クロマニヨンズ』

ギンギンバリバリの、ノリノリのロッケンロー‼︎

生きることを諦めたかった心までひっくり返したエネルギー!

今すぐ生きたいと思えました。

The Cro-Magnons/LUCKY & HEAVEN(2017)


LUCKY & HEAVEN(ラッキー&ヘブン)は前作『BIMBOROLL』から1年後(2017.10.11)に発売された11枚目のアルバムです。

【CDはレコードを録音した音】

クロマニヨンズのCDを聴いていると、レコードによくありがちな歪みっぽさをたまに感じていました。

それとCDの絶対に間違わないルールのもとに成り立っているような音とは違う、人のあたたかみのある音だと気付き、レコードが好きな私はいつもクロマニヨンズの音を求めていたのです。

これってレコードみたいだなと、クロマニヨンズのCDの音をとても気に入っていました。

本作リリースよりもかなり前、何作も前に本人たちのコメントで明かされた事実ですが、彼らのCDはレコードの音です。

“今も「レコードを作ろう」って言ってアルバムを作っています”

レコードから丁寧な盤起こしをした特別な音のする独創的なCDでした。

いわゆる「盤起こし」ってやつです。

・マスターテープからはレコードを作る
・マスターテープはCDには使わない
・レコードから録音したものをCDにする

CDを作る時はレコードのプチっとかが入らないように何回もやってもらうらしいです。

私はそこがすごく気になっていました。盤起こししたというCDを聴いていても一度もパチっとノイズが入らないので、とても高級な機材とかを使っているのかと思っていました。実際にはそうではなく、エンジニアの人にノイズが入らないように何度もやってもらうとヒロトがラジオで言ってました。

とは言え、強い音が入っている箇所の歪みやレコードに一番ありがちな「サ行」の歪みはそのまま収録しているのがロッケンロー‼︎だなと感じます。イヤホンで聴いていると割と聴こえてきます。

※これは本作リリース時に明らかになった事実ではなく、もっと前に明かされていました。

【曲順はiTunesが決めてるらしい】

アルバムの曲順をどうするかはiTunesのシャッフルに決めてもらうということです。

一応みんなで話し合ったりもするらしい。

・話し合いは少しだけ
・曲順が一番難しい
・考えたりするほど底なし

全曲が出来た後、iTunesにシャッフルさせて偶然いいのを出してきたら「よくやった!」と採用するということで、いいのが出るまで何回もやるそうです。意地でも自分では考えないのが、この人たちらしいと思いました。

毎回とても心地よい曲順でアルバムを聴かせてくれます。私はその曲順に感動することもよくあります。

マーシー「バカみたいに聞こえるかもしれないけど、ロックンロールになりたかったんです。」

ヒロト「ここ数年で、その“楽しい”に“確かさ”が生まれてる気がする。」

この人たちって何か発言すればすべてが名言に聞こえます。誰か特定の人ではなくロックンロールになりたかったとは、、とても共感してしまいますし、本気で言っているから心に刺さります。

『LUCKY & HEAVEN』収録曲

01.デカしていこう
02.流れ弾
03.どん底
04.足のはやい無口な女子
05.ハッセンハッピャク
06.嗚呼! もう夏は!
07.盆踊り
08.ユウマヅメ
09.ルンダナベイビー
10.ワンゴー
11.ジャッカル
12.散歩

全編モノラル、全12曲39分。

レコーディング期間は2週間くらい。

2人の手応えは最高だと断言された今回の『LUCKY & HEAVEN』です。いつもよりミディアムテンポの曲が増えました。

アルバムを作る時はなんにも思わないし狙って目指すものがないということです。

ヒロト「“おんどりゃー! やったるでー! わーっ!”っていう曲の割合が少ないとは思います。今までのアルバムと比べて。」

マーシー「アルバム用に作るわけじゃなくて日々作ってる曲の中から。」

アルバムのために新しく曲を作るってことはないとマーシーは語ってました。

そのようにして作られたアルバムはいつも私の心に刺さり、その興奮と感動以外のどうでもいいことは今この瞬間、すべて自分の中から消え失せる幸せな気分にさせてくれます。

新曲をバンドで「せーの!」でやった時に「うわっ、なんかカッコいいじゃん」ってなってればそれでいいという発言もやっぱりマーシーらしくてクロマニヨンズらしい。

本作もいい感じに肩の力を抜いている印象を受け、味わいのあるアルバムだと感じます。

とことん明るい歌、ブルージーに響く歌、歌謡曲風のコーラス、男の色気がシビレるコーラス、それまでなかったタイプのフォークブルース調などいつも通り聴きどころや感動ポイントが溢れてます。

今この瞬間、クロマニヨンズの興奮と感動に心のすべてを奪われてるこの感じ。最高!

いつもですが、今回も独創的で個性的なコーラスが心に残ります。

アルバムタイトルの意味はやっぱり特になく、“&”が先にあって単語を出し合って雑に話をしてたらできた、みたいです。

“ラッキー”も“ヘブン”も文句付けようがなくてなんかいいとヒロト。

明るく楽しい気持ちになれるタイトルで私は大好きです。聴きたいと思わせます。

シングル曲は16枚目のシングル「どん底」が収録されています。

カップリングにはヒロト作のアップテンポでノリノリな「ぼー」が収録されました。本作『LUCKY & HEAVEN』には未収録。

シングル発売当時、7インチアナログ盤も同時発売されました。もちろんmonoです。

アルバム発売当時、アナログ盤も同時発売されました。レコードもmonoでいつものカッコよくてつい集めたくなる「60年代E式フリップバック」です。手に持つとズッシリなので180g重量盤です。

レコードラックにクロマニヨンズの全部のアルバムが並んでいる背表紙を見ると、いつでもただならぬオーラを放っています。

CDの方もやっぱりすごい。レコードの背表紙よりも文字が大きくて見やすく、それぞれのアルバムやシングルがラックの中から私に存在をアピールしています。

M1「デカしていこう」

作詞・作曲/真島昌利

1曲目から頭のてっぺんに鳴り響いて踊り狂うというより、心の深いところに刺さる感じで沁みます。

出てきた音が、いい意味で予想を裏切るマイナー調の音で惹き込まれます。

ギターの音も渋くて惚れる。

激しいシャウトがキマった後のメロディを弾くギターソロがまた渋いです。装飾のないそのまんまな音が沁みます。激情のピックスクラッチも炸裂してオレの気持ちはいい男全開です。

鋭くマーシー節が炸裂した歌詞に、心がスカッとしてる自分がいる。誰よりも何よりも誠実な歌詞が胸に刺さり、心に残る。

オレの言いたいことを代わりに言ってくれるカッコよさに感動します。

“笑っちゃうよ アンチでしか 成り立たない存在証明”

1曲目から強烈に猛烈に心に響きました。曲がったことでしか承認欲求を満たせない弱者はきっと恐れをなして逃げていく。

“何も持たず 来たんだから 何も持たずに 去ってくのがいい”

もはや哲学的です。今回は色々と考えさせられるような1曲目です。あまりにも深く考えすぎて病んでしまうのは本末転倒なのでやめましょう。心に刺さるはロッケンロー‼︎です。

M2「流れ弾」

作詞・作曲/甲本ヒロト

すごく速いアップテンポではないですが、個人的に感じるのは2曲目は2曲感ばっちりな印象です。心に突き刺さる胸熱ポイントたくさん。

明るくて心が弾むいい感じ。

心が熱くなってくるメロディに、奇跡的なほどにばっちりハマってるコーラス、刺さりまくるアレンジに興奮して平常心など保てない。

男の渋さが際立っていた1曲目とは違う明るい音のギターソロは今日を生きるエネルギーになる。

この歌に心がピクリとも動かない人はあんまりいません。

オレの悲しみや心のネガティブを全部引き受けてくれる深すぎる思いやりの歌。

この歌に救われる心は沢山あると思います。

“花壇に埋めた 涙のビン それは全部 俺が 俺が 全部もらう”

ものすごく、ロッケンロー‼︎に心が救われた瞬間です。自分以外の誰かの心まで引き受けるというのは簡単に出来ることではありません。深い愛情がロッケンロー‼︎に溢れています。

“だから 汚すなよ その手 汚すなよ”

この歌詞の歌い方とその後に鳴る「チャチャッチャー!」のギターの音がすごく情熱的で、心に沁みてしまいました。記憶に残ります。マーシーが少し体勢を低くしてリズミカルにギターを弾いている姿が目に浮かび、またこの人に憧れる瞬間でした。

M3「どん底」

作詞・作曲/真島昌利

クロマニヨンズの16枚目のシングル。

心のネガティブを、ピカピカのポジティブに激変させる名曲。

這い上がるための金字塔でパワーソング。

芯が太く固く、絶対折れないロッケンロー‼︎

聴かずして死ぬ訳にはいかないけど、聴いたら自分が死ぬとは思えない。

手拍子とヒロトの力強い歌でスタート。いきなり気分が上がります。それがたまらない。

元気出そうな予感がバキバキにします。

一見“タイトル”はネガティブに感じても、歌にはどこにもネガティブなんかないから大丈夫。むしろ最高にポジティブです。

これ以上のポジティブソングはありません。

このアレンジは完全にオレへの応援ソング。

一切の否定なし!残されたわずかな希望さえも奪ってしまうような老害にも立ち向かえる。オレを信じ、オレを認め、応援だけしてくれる。

魂の音がする激しい演奏、ストレートで胸に響くギターソロ、心をどん底から救い上げるピックスクラッチの炸裂音。

やっぱりこの人たちの音楽は胸が熱くなってしまう。家で一人で心の炎を燃やしてしまう。再生したら途中で停止ボタンなんか押せないよ。

“どん底だから あがるだけ”

誰もがこの言葉を信じ、自分を信じて這い上がるのだと思います。

未来があるのなら生きたい。
幸せな未来があるのならそれを感じたい。
明るい未来があるのならその光景を見たい。
生きたい未来があるのならいま生きてやる。

“太陽いいぞ もっと輝け このままでは 終わらない”

ポジティブによく晴れた明るい空です。眩しい太陽に大きな希望を感じます。

太陽いいぞ!もっと輝け!

オレを照らせ、オレに元気を分けてくれ。両手を上げればオレの元気玉。

今日を生きるエネルギーにするんだ。

“力抜き 手は抜かない 色々と”

どんな時も頑張りすぎて結果も出ず疲れ果ててるだけの私の教訓になりました。

【どん底 ライブ映像】

「どん底」がシングルになった理由は

マーシー「まぁ、何となくですね。」

やっぱりそうでした。アルバムを象徴しているとかもないと。しかもそれは1曲もないとヒロトが言ってました。全部好きになってもらえたら一番嬉しいということです。

全部好きになりました。

M4「足のはやい無口な女子」

作詞・作曲/真島昌利

始まった途端にただならぬ雰囲気を察知して心を奪われるノスタルジックなミディアムテンポ。

コーラスは完全にムード歌謡で印象的です。心に残ります。一緒に歌ってしまいます。

クロマニヨンズはそれを全力でやっているからオレの心を掴むんだな。インパクト大。

この曲の懐かしく印象深い思い出の世界観を世界で一番バッチリと感情を込めて歌うヒロトのボーカルに心を打たれます。

勢いは抑え気味の歌だけど、このコーラスは絶対に楽しんでやっているからテンションの高さは感じます。クロマニヨンズにしか出来ないコーラスの上手さとカッコよさです。

この女子の今現在がとても気になってしまう歌詞が、何処となく切なくて興味深いです。

短めの歌詞でしみじみさせてしまう、想いを馳せらせてしまうのがたまらなく好きです。

“じっと見てたら 目があったよ”

ちょっと気になっていたような、恋心が芽生えかけていたような気持ちを感じてほっこりします。

“今もはやいか 今も無口か”

人は変わるものだけど、思い出はいつまでもそのまんまだよなとたそがれてしまいました。

タイトルと同じ“足のはやい無口な女子”だった初恋の相手がいま幸せになっていたら嬉しいと、思いを馳せてしまう胸キュンソング。

ムード歌謡のようなコーラスは、

マーシー「ピンキーとキラーズです。」

意図的に、自然にということです。コーラスしている時は楽しかったそうで、楽しそうな顔が浮かんできます。私も楽しい。

マーシー「半端にやるよりはいいじゃないですか。」

だから心に刺さるし、いつまでも心に残るんだと思いました。

M5「ハッセンハッピャク」

作詞・作曲/甲本ヒロト

イントロから明るくはない暗めのカッティングギターの音がやっぱりただならない。きっと普通じゃない何かをやってくれるという期待が溢れる。

歌詞が尋常じゃなく興味を惹かれます。

明るい音ではないけどめちゃくちゃ楽しい曲です。

とは言え、マイナー調なのが心の奥が求めていたものだと実感します。常に鳴ってるカッティングギターの音がそれを更に深い所に沁み込ませてる。

コーラスが全部「ハッセンハッピャク」だけというゴリ押しな感じがカッコいいです。

一般的な思考ではすべて間違っている「ハッセンハッピャク」という答え。よく分からないけどロッケンロー‼︎です。最後の計算だけ合ってるのがクロマニヨンズらしい。

“1+1=? 1+1=? 1+1=? 8000+800=?”

答えが全部“ハッセンハッピャク”と歌うコーラスに度肝を抜かれました。普通は多分間違っているけど、何の疑いもなく、自信を持って、そう答えるのが心に刺さります。

このセンスはやっぱり「人並み」とはかけ離れてる。だから沢山の人たちから愛されるんだと思いました。

カタカナで主張しまくる「ハッセンハッピャク」という単語のメロディが頭から離れない。オレもすでに「ハッセンハッピャク」なのかもしれない。

タイトルのハッセンハッピャクにはどんな意味があるのか⁈

ヒロト「(意味は)あります。でもそれはみんなが好きに受け取ればいいし、別に考えることでもないです。」

すべてを語らない美しさを感じました。それにオレが好きに受け取っていいという思いやりが最高です。

別に「?」なままでもいいと、アホな私への優しさも溢れています。よかったです。

M6「嗚呼! もう夏は!」

作詞・作曲/甲本ヒロト

前の曲の音の流れを汲むマイナー調がそのまま来るのですごく自然に繋がるのが心地いいです。

「!」の付いたタイトルからジャカジャカ系のアレンジを予想したけど、割とドシっとしたヘヴィーな感じでした。

イントロでコビーの轟音ベースが鳴り響くミディアムテンポ。

アルバムを聴き始めてから今回はアレンジや音が渋くて深いと感じます。

アレンジや音からイメージするのはキラキラの明るい夏というより、夏の曇り空。

子供の頃を思い出させる歌詞と、想いを馳せてたそがれてる感じのアレンジがグッときます。そこに鳴り響く轟音ベースに昔の夏を感じます。

“里帰りの おじさんくれた 図書カードが 図鑑にかわる”

この歌詞にはすぐに頭に浮かんだことがありました。虫好きのヒロトの図鑑は「昆虫図鑑」だと1人で勝手に納得してしまいました。岡本君と恐竜のことを話していたマーシーは「恐竜図鑑」かもしれません。

次の曲も夏の風物詩が続くのがいい感じです。

M7「盆踊り」

作詞・作曲/真島昌利

誰が聴いても盆踊りなイントロが楽しげです。ちょっとボヤけた感じの音は、既に生きてはいない何かが出てきそうな雰囲気があります。

子供の頃にじいさんとばあさんの家で見た夏の光景を思い出しました。

ドドン!ド!ドン!いつもとちょっと違うノリ方が出来る2分ちょっとしかない盆踊りアレンジのロッケンロー‼︎

誰もがイメージする盆踊りのテンポそのまんまだし、聴いてると絶対に振り付けが必要になってくる。

クロマニヨンズにしか出せない音と雰囲気を感じます。純粋な子供心がにじみ出てて心に訴えかけるものがあります。

“キュウリの馬の乗り心地どう? 帰りはナスの牛でのんびり”

こういうの子供の頃は夏になるとよく見かけたけど、最近は全然見ません。私が知らないだけかもしれないけど。たしか、割り箸が足になってました。

美しくて繊細な感性だなと心を奪われる歌詞とメロディです。

M8「ユウマヅメ」

作詞・作曲/甲本ヒロト

アルバムの流れが最高すぎます。

オレの心の中で放送してる「釣りの浪漫」のテーマソング。

聴こえてくる音がアルバムの癒されポイント満喫中です。ほっこりするような、懐かしさを感じる優しい音がします。

明るく軽めなギターの音が映える心地よさ。

みんなで合唱したいタイプの歌で釣りの歌。

ヒロトの柔らかい歌い方と、マーシーの歪ませていないギターの音が、どうでもいい事で勝手に忙しくなってる日常の心を癒してくれます。

ほのぼのしたメロディ、忍耐強い歌詞、明るく軽快な音、楽しい手拍子には柔らかい気持ちになれます。

聴いてると目の前に釣り竿が現れます。プカプカ浮かぶウキも見えます。でも全然釣れません。

“ああ 気がつけば ユウマヅメ ホタルみたいな 電気ウキ いまやめて 帰るのか 帰るのか”

歌詞にはないけど、この後に“まだまだ”と歌うヒロトのロマンがたまらく好きです。このサビをみんなで手拍子しながら、少し体は揺らしながら合唱したら楽しいと思うのです。

「ユウマヅメ」とは釣り用語のようで、私は全然知りませんでした。

“夕まづめ”

日の入前後の時間。魚の活性があがる時間帯。魚が活性があがる時間帯。朝まづめは夕方と朝の違いだけで同じ意味。

M9「ルンダナベイビー」

作詞・作曲/甲本ヒロト

こんなの唯一無二。

サビから入るいきなり惹き込まれるタイプの歌。心を奪うほど光り輝く名曲のたたずまいが素敵です。

韻を踏みまくっているのが刺さります。

9曲目を聴いている時点で刺さらない歌は一つもなかった。今回はちょっと手応えの違う名曲ばっかりだな。すごいな。好きだな。

優しい雰囲気のアレンジは、隣の他人にイラッと来てるストレスを和らげ、穏やかな心を取り戻すためのサプリメント。

どこかしみじみともしてる。心の底から何か湧き上がる思いがあるような柔らかさ。

アレンジ、リズム、テンポ、コーラスが異常に心地いい。もちろん歌詞とメロディも。

歌詞とはそんなに関係ないけど、この音には日常の寂しさを癒してくれる安心感と包容力があります。日々、強がって生きていても人としての自分が、あったかい布団の中で脱力している安心感や包容力を求めているような気がします。

「ルンダナ」のパワーワード感が最強です。

“なにか考えてるんだな ベイビー ルンダナベイビー もう行くんだな”

短く同じの歌詞の繰り返しだけど、優しく柔らかい安心感に包み込まれます。これを聴いている間は心配なんかやって来ません。

オレはクロマニヨンズのライブを楽しみにしてるんだな、ベイビー、ルンダナベイビー。絶対行くんだな。

M10「ワンゴー」

作詞・作曲/甲本ヒロト

元気を出したい時に驚異的にバッチリです。

凹んだ気持ちで眠った次の朝には心のレコードプレーヤーが再生するワンワンソング。

折れてしまった心さえも立ち上がって「ワンゴー‼︎」と拳を突き上げる、廃人ゼロ化の決定版。

テンション高けぇぇぇ‼︎‼︎

ロックンロールなイントロがビシッとキマってます。

ここに来てかなりの勢いでブッ飛ばす。

やっぱりこういうロッケンロー‼︎もクロマニヨンズだなと楽しくなります。

ジャキジャキなギターの音でノリノリです。

ワンワン吠えたくなってくる影響力にびっくりする犬の歌。アルバムで一番のテンションとスピード感がかなりの印象を残します。

聴くと自分のリミッターが外れてしまう感覚があります。ライブでは凄いことになる1曲。

“死ぬまで読めない 漢字もあるけど 俺はやっぱ犬 ぜんぜん気にしない ぜんぜん困らない ワンワンワワンワン”

自分の落ち度で人を不安にさせてしまったり、怒らせてしまったりとダメなとこもあるけど、オレはやっぱ自分だと踏ん張れる歌詞に救われます。

この勢いに乗って日常のすべてのしがらみを外して突っ走っていってしまいたい。

散歩しながらイヤホンして心の中で歌っていたつもりが、つい「ワンワンワ…(あっ)」と声が出てしまってびっくりしました。

M11「ジャッカル」

作詞・作曲/真島昌利

頑張りすぎて空回ってる時の一服推奨ソング。

優れた表現で聴かせてくれる歌詞が猛烈な、詩人のメロディに思わず笑顔になります。

アルバムがラストに近づいてきたという雰囲気が溢れるギターのイントロで盛り上がります。

クロマニヨンズがやるとばっちりキマる速すぎないアップテンポで心がキラキラしてきます。

栄光に向かって走るハーモニカ入り。

少しかすれた音がロッケンロー‼︎なヒロトのハーモニカが悩みをブッ飛ばし、力強いマーシーのコーラスに生きる勇気をいつももらってる。

痛いところを突かれる歌詞に、ひたむきに誠実に生きようと前向きな気持ちが湧き上がります。そのあと心配など投げ飛ばしたい。

マーシーが「あーー‼︎」と叫ぶのが胸熱です。

“屁理屈なら ゴミ箱に捨てるぜ あとづけなら 何でも言えるだろ 型破りに こだわるあまりに 空回りしている”

身に覚えがありすぎてビクッとしました。人並みを目指す必要はないけど、無理して型を破る必要もないんだなとちょっと反省した部分がありました。

前に「突風野郎」でもマーシーが言ってたけど“言葉は 後出しジャンケン 成り立ちません”ってことでもあります。

“アゲハチョウの背中に乗って 季節は飛んでった”

こういう天才的な比喩表現は心に広がります。歌詞とはこういうことであってほしい。

M12「散歩」

作詞・作曲/真島昌利

散歩する時のテーマソング。

どこまでも歩いていける希望のメロディ。

想像を遥かに超えるところまで歩いてく期待の“ラララ”

キレイなアコギが優しい、壮大感のあるラスト曲はミディアムテンポで聴かせてくれます。聴きどころは「壮大感」にあります。

光が差し込むような柔らかいハーモニカが、明日もきっと大丈夫だとオレを応援してくれる。

イントロで「ラララ」と歌うメロディで既にキラッキラの光が見えてきます。

予期せぬ良くないことが起きて、打ちのめされ一度は死にかけた心でさえも、前を向いて歩いていける決心に満ち溢れます。

アルバムが終わってしまうのは少し寂しいけど、クロマニヨンズと一緒に歩き続ける運命共同体な高揚感と安心感が炸裂してます。

“歩いてく 初めての道 どこまでも 行けるのだ”

何度も歌われるこの歌詞がオレに希望の光を見せて、迷う心に前向きな気持ちを与えてくれるのです。

聴いたらもう後向きなどあり得ません。ネガティブなままではいられないのが生きてる人間なのだと気付き、今の熱い気持ちを叫びたくなりました。

フェイドアウトして終わるのが感慨深い。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

柔らかくあたたかく優しいメロディが心に広がり、自分ならどこまでも歩いていけると新しい決心に満たされたところでアルバムはおしまいです。心が強くなってる気がする。

感動する曲順だった‼︎

本音を言うと「散歩」を何度もリピートしてしまう。アルバムを終わらせたくない気持ちもちょっとあります。

“おんどりゃー!”という勢いではない、ただならぬ雰囲気が記憶の奥底にまで残るクロマニヨンズの11枚目のアルバムでした。

実際に『LUCKY & HEAVEN』を聴いてみると、それまでと少し違う手応えのある「深いアルバム」だと私は感じました。

視聴1回目からアルバムのいい感じの雰囲気、胸熱ポイントなどが心に残りました。

すぐに2回目を聴きたい気持ちになったし「これはオレにアピールしてるな!」と2回目からは噛み締めて聴くようになってました。

ミディアムテンポの曲が増えたというのもあるのでしょうけど、それだけではないクロマニヨンズ自身にしか出せない深みのような印象があります。

こういうの好きです。

全曲が好きです。

明日からも“ズンタタッタ”と自分のテンポで生きていきます。

“チキショー 月を飛び越えちゃうぜ
このままでは 終われない” (どん底)

こんな激情、今すぐ生きるしかない。


私は思う、、、

ロックンロール最高‼︎‼︎

ありがとうございました。

また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。

※クロマニヨンズはサブスクがありません

-ザ・クロマニヨンズ
-

執筆者:


  1. あおい より:

    ラッキー&ヘブンはB面がほんとにいいですね〜 エイトビートだけじゃない、こんなのもできるんだぜっていうクロマニヨンズを魅せられた気がします

    • UME より:

      こんにちは、いつもありがとうございます。

      B面!そうですよね!
      勢いというより深みがあると思います。
      バラエティーに富んでますね。
      夏っぽい2曲、心にジーンと響いて涙が出そうな曲、気持ちが奮い立つ曲と最後は散歩してスッキリなんて楽しいです。
      どのアルバムもそうなんですけど『LUCKY & HEAVEN』聴き続けるロックンロールです!

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M☆MUSIC

『2023』

昨年はとてもたくさんの方々に読んで頂き深く感謝申し上げます。
いつもありがとうございます。

個人的には、穏やかな心を脅かす苦悩と戦いながら、世間の謎のルールをなぎ倒しながら進んできました。ホームランは打てなかったけど、楽しいと感じた瞬間はたくさんあったので「I am OK」です。

どうせ1年前より成長してます。

2023年もまたマイペースで焦らず慌てず頑張らずいきますのでよろしくお願いします。

また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。

健康に心穏やかに、ロッケンロー‼︎

M☆MUSIC / UME

【クロマニヨンズNEWS】

【クロマニヨンズNEWS】

2022年12月14日に26枚目のシングル「イノチノマーチ」が発売されます。7inchアナログ盤とCDも出ます。

《stereo》

1. イノチノマーチ 2. さぼりたい

これは楽しみが出来ました‼︎
「さぼりたい」とかこの人たちらしいですね。レコード買おう!と言いつつ多分CDも気付いたら家にあるパターンだな。いつものことだ。許してくれ。

ニューアルバム「MOUNTAIN BANANA」の発売も決定しました。

2023/1/18発売決定!

今回はレコードとCDが出ます。前作の「SIX KICKS ROCK&ROLL」はCDのみの発売だったので楽しみです。

《mono》

<収録曲>
1.ランラン
2.暴走ジェリーロック
3.ズボン
4.カマキリ階段部長
5.でんでんむし
6.一反木綿
7.イノチノマーチ
8.ドラゴン
9.もうすぐだぞ! 野犬!
10.キングコブラ
11.さぼりたい
12.心配停止ブギウギ

曲名だけでクロマニヨンズとすぐわかるこの感じは…ワクワクですね。

40代、人より物が好きです。

私は普段ものすごくテンションが低く、多分シャコタンよりも低いです。
そのためすぐに人を不安にさせてしまいます。

よく怒らせてしまいます。

そんな私ですが、熱狂することもあります。

クロマニヨンズを聴くと、急にテンションが天国よりも高いところまで爆上がりしてしまいます。

申し訳ないけど、これでいいのだ。

“かえられないぜ オレなとこ”なのだ。

非常に都合の悪い男 : 本音に忠実なだけ

好きなもの:レコード・オーディオ・本
嫌いなもの:老害

好きなマンガ : モンモンモン(つの丸)

好きな言葉 : コンプリート
嫌いな言葉 : みんな我慢してるんだから…

最も疑わしい言葉 : 当たり前

頑張らない、努力しない、成長しない。
ね、ダメでしょ?
実はこれこそが最強の成長であって幸せな人生の始め方です。

自由よりも価値のあるものなんてない。

小学生の時にブルーハーツの「青空」に心を鷲掴みにされてから30年以上の音楽好きです。その頃に生まれて初めて買った音楽は「真島昌利/アンダルシアに憧れて」の8cmシングルCDでした。今考えるとそれが多大な影響力を持った『繊細な感性の音楽』との出会いでした。今でも大事にしています。繊細な感性というのは自分の中の邪魔者なんかではなく他にはない活かすべき強みだという真実をそれらの音楽が教えてくれます。

レコードなんか物体としての特別感が最高で、余裕で死なない理由になります。

レコードとかカセットとか、やたらと重くてデカいレコードプレーヤーとかリバースしないカセットデッキとか、A面が終わったらそこまで行ってひっくり返さなきゃいけない唯一無二な輝きを放つノスタルジーに浸っていたい。

古いだけのものは嫌いで、最新型では物足りなくて、感性に刺さるものだけに囲まれていたい。

「最近なんか疲れちゃってる人へ」

気楽な日曜日の昼間なんかにビールでも飲みながら聴いていってください。

【アントン・カラス/ハリー・ライムのテーマ】

Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。

レコードに次いでカセットテープの人気が上がってきてるみたいです。

私はカセットがとても好きです。もちろん私の中でも一度終わったメディアですが、個性的なものはもう一度好きになったという感じです。最近はカセットばかり聴きます。

小さくて手に馴染むサイズ感はかわいいと思います。A面とB面があるわずらわしさが、音楽を聴く楽しさに変身してます。

それで、ブルーハーツのシングルのカセットが欲しいとずっと思っていました。全シングルがカセットで存在している訳でもありません。たまに出品されていても割と高値が付いて買えません。

でも欲しかったし、貧乏なオレには買えないのはとっても悔しいので自分で作りました。

ジャケットも出来る限りオリジナルに忠実になるように自作しました。

生のテープが安く手に入ったので制作に踏み切りました。

自作カセットテープ↓

素敵な音が出てます。

満足してます、納得してます、感激してます。だからもう高値で売られているものを買う気はありません。

ボロくても手作りには光があります。