こんにちは。
『PUNCH』は2019年リリースのザ・クロマニヨンズの13枚目のアルバムです。
過去最高にぶっちぎりの音圧!!アルバムの一音目から猛烈なインパクト。
それはつまり音がデカい。
パンチが効いて、それが破壊力にもなる12曲の感情豊かなロックンロール揃ってます。
絶望を壊して希望を生み出す傑作アルバム。
心の名盤:全曲レビューです。
皆様どうぞ最後までよろしくお願い致します。
落ち込んだ気持ちを上向きにする為の決定打になるのが魅力の13thアルバム。
要するにネガティブがポジティブに覆る。
大失態をやらかして落ち込んでしまった日も、答えがなくて悩んだ時だって受け止めてくれるロックンロールアルバム。いいです。
だから聴くと誰だって決心します。
寂しくても辛くても、くよくよせずに生きるぞってことを。
今を一生懸命に生きることが希望に繋がっていくとロックンロールが断言してるから。
健康な体は健やかな心があってこそ。
13作目、絶望を希望に変える心の起爆剤。
つまり名盤です。
The Cro-Magnons/PUNCH(2019)
PUNCH(パンチ)は前作『Rainbow Thunder』から1年後に発売された13枚目のアルバム。
2019年10月9日発売。
コンスタントに1年に1枚のペースでオリジナルアルバムを発表するクロマニヨンズ、ファンとしてはワクワクしない年などないです。
アルバム発売の1ヶ月ぐらい前には新しいシングルも発表するので、その2ヶ月なんかは特にドキドキしてるし気分が高揚してます。
オリジナルアルバム13枚目ってかなり多いと私は感じます。
クロマニヨンズはすべての作品に個性があって、たくさんの宝物の中から今の気分はこのアルバムだなと自分の心がチョイスした瞬間はすこぶる幸せ。

本作のアルバムタイトル『PUNCH』はその名の通りパンチ力があって覚えやすくてすごく好きです。
私は一撃を喰らっているのではなく、会心の一撃をぶっ放してる最中のいい気分。
このアルバムタイトルはどのように決まったのでしょうか⁉︎
いつも通りなんとなく⁈
ヒロトは、毎度のことで内容がバラバラな曲の寄せ集め的なところがあるから、全体をまとめるワードがないと言いました。
メンバー4人で関係のない単語を出し合いながら決めたのが“PUNCH”だったということです。“PUNCH”という単語を出したのはカツジだったそう。
でもやっぱり「洋服ダンス」とか「くつした」とかなんでもいいらしい。
ヒロト 「“PUNCH”の一番の決め手は、次のツアータイトルになり、Tシャツの胸にプリントされる言葉としてよかったこと。」
発言にロックを感じました。やっぱり見た目とかも大事。このツアーの黒とピンクのTシャツはパンチ力があってカッコいいです。
ジャケットに描かれた印象的な2本のボルトは「ロボ・ヨシオ」のボルトらしい。
『PUNCH』収録曲
1. 会ってすぐ全部
2. 怪鳥ディセンバー
3. ケセケセ
4. デイジー
5. ビッグチャンス
6. 小麦粉の加工
7. クレーンゲーム
8. ガス人間
9. 整理された箱
10. リリイ
11. 長い赤信号
12. ロケッティア
全編モノラル、全12曲40分。
絶大なパンチ力、または破壊力を携えて完成した13枚目のアルバム『PUNCH』です。
音圧が高く、音が大きいと感じるのが特徴。
どのアルバムもそうですが、特に感情豊かなアルバムだと感じました。
聴いている私の感情も豊かになります。アルバムが終わるまでに自分の色んな感情に気付けてすげえ楽しい。
クロマニヨンズへの想いが爆発しそうになる初期衝動が蘇るロックンロール、子供心を思い出させる世界観、センチメンタルでありつつも真っ直ぐな言葉、決して迷っていないクロマニヨンズ“ならでは”が溢れています。
ザ・クロマニヨンズの魅惑、無限大。
素直で一本筋の通ったロックンロールは、聴くとその会心のパンチ一撃に、やらかしてしまった日の絶望など弾けて飛び散ります。
生み出す極意は壊すこと。
一度絶望を壊して、そこから新たに希望を生み出す力をくれるロックンロールの傑作。
本作『PUNCH』のレコーディングでは、いつもと違う点があった!!
エンジニアの提案で「高級なマイク」を使用したということ。
ヒロト 「いつもは撮り方も演奏もマイクも全部ライブと同じなんだけど、今回はプロの歌手が歌うみたいなちょっといいマイクを使いました。僕はみんなの真ん中で歌うので、僕のマイクでギター、ベース、ドラムの全部の音を拾うわけです。僕がいいマイクで歌えば、そこに入ってくるみんなの音もいいマイクで録れてるから、全体的にいいんじゃないかなって思った。」
マーシー 「マイク、、、かっこいいんだよ、形が。」
このアルバム、すごくいい音がしそうです。
クロマニヨンズのアルバムは毎回全編モノラルという特別感に溢れるぶっちぎりな音なのに、それに加えて高級マイクを使うなんてどんだけブッ飛んだ音が出るんだと期待が高まります。
高級なマイクは手に持って歌わずぶら下げていたそうです。
ところで、ヒロトの「プロの歌手が歌うみたいな」って表現が印象的。
自分だってプロなのに(笑)

クロマニヨンズは一度のメンバーチェンジもなくキャリアと実績を重ねています。
時代に合わせて世界のバンドたちが変化し続けていようと、何枚目のアルバムになろうとクロマニヨンズはいつも通り。
アーティストには新しいものを追求することを求められがちな世の中でクロマニヨンズは“変わらない”ことで私にアピールし続けているように感じます。
“変わらない”ことは“変わる”ことよりも苦労があるように思う。
ここまで来るとクロマニヨンズは筋金入り。
アコースティック調の曲がありますが、それもやっぱり求めているクロマニヨンズそのもの。想像の余白がたっぷり残された歌詞も間違いなくクロマニヨンズの楽しさ。
アルバムを聴きながら今回はなぜか、今まで以上に想像力が働いてしまう実感あり。
ただし、ロックンロールになんでもかんでも意味を求めすぎるのは楽しめない。だからクロマニヨンズが残してくれた想像の余白を楽しむのは心が熱狂する要素になります。
変わらないことを選んだクロマニヨンズは何も変わっていません。
例の高級マイクの良い効果が出ているのかもしれません。それはそれで興味深い。
ともかく、、、『PUNCH』もいつも通りに聴くのが一番いい感じです。

『PUNCH』が完成した時のヒロトとマーシーの感想
2人揃って“いいのができた”と、自信を持って言い切りました。
内容はみんなが“いいな”ってなればそれでいいと、あー楽しい、じゃOKという感じだということです。
この人たちがいいと思ってリリースした作品は、やっぱりいつも私が求めているロックンロールであり、楽しいと感じないアルバムなんかこれまで1枚もありませんでした。
今回もギターは、マーシーならではの演奏がたくさん聴けます。サーフっぽさ、スカっぽさ、心がワクワクする瞬間が多いのです。
ヒロト 「マーシーに“ギター・ソロを弾いてよ”ってお願いすることがよくあって、今回は『リリイ』と『ガス人間』でお願いして。どっちのギター・ソロも“ああ、頼んでよかったなあ、楽しいなあ”って思った。」
どちらかと言えばギターソロは弾きたくないマーシーです。
マーシー 「いらないじゃん、ギター・ソロなんて(笑)。」
やっぱりギターソロを重要視していないマーシーですが(笑)胸が熱くならないギターソロなんかこれまで聴いたことがありません。
弾いてくれたらすごく嬉しいけど、ギターソロなしで攻める曲もマーシーの個性が炸裂しているので大好きです。
マーシー 「ギター・ソロを入れるとさ、曲も長くなるしさ(笑)。なんか2分58秒くらいで終わるのが一番いいじゃない(笑)。」
“2分58秒”って絶妙です!
私もそれを求めています。なぜなら3分を切る曲は私への思いやりがあります。

シングル曲は18枚目のシングル「クレーンゲーム」が収録されています。
2019年8月28日リリース。
CDと7インチアナログ盤が同時発売されました。
初回限定盤CDは紙ジャケット仕様。
アナログ盤は完全生産限定盤で既に完売。
カップリングにはヒロト作の「単二と七味」を収録。アップテンポで陽気なアレンジが施されたポジティブな雰囲気です。
引き出しの隅で余ってる単二の底に潜むパワーや、欲張って多めにもらってきた七味の事を歌う共感必至のロックンロール。
“単二と七味”は本作『PUNCH』には未収録。
2019年、13thアルバム『PUNCH』発売当時CDとアナログ盤が同時リリースされました。
CDの初回限定盤は紙ジャケット仕様。
限定生産だったアナログ盤は既に完売。
もろに異国の雰囲気を感じさせるアナログ盤は、クロマニヨンズではすっかり恒例となった「60年代E式フリップバック」の豪華仕様。
ズッシリして分厚い180g重量盤。
ジャケットもレコード本体もただならない。
一方CDは絶妙に手へと馴染むコンパクト感に最大の扱いやすさがあり、レコードから盤起こしした音に尽きせぬ魅力があります。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
13作目『PUNCH』、過去最高のとんでもない音圧がぶっ飛んでくる超刺激。
しかも1本筋の通ったロックンロールだから退屈してる暇は1秒もなし。
必ず感情豊かな自分が戻ってくる。
クヨクヨしてる場合じゃない。
やらかした日の絶望の終わり、変えられる未来への意識変革の始まり。
当たり前に周りと合わせてる場合でもない。
ググるな!感じろ!と言わんばかりに想像力を掻き立てるロックンロール・アルバム。
オーライ!ロッケンロー!!
M1「会ってすぐ全部」
作詞・作曲/甲本ヒロト
かけがえのない人に出会うアルバム1曲目。
「PUNCH」出発点、クロマニヨンズのテーマソングと言っても良さげです。
奇跡の絆を見るロックンロール。
会ってすぐ心の全部を持っていかれる覚悟が必要です。すなわち強烈な1曲目ってこと。
ライブ会場が1秒で全開するアップテンポ。
比類なき疾走感で心の奥まで突っ込んでくるパンキッシュなアレンジ。
シンガロング必至の分かりやすく覚えやすいメロディ。
宇宙に一つしかない絆の特別感を描く歌詞。
今大切な相手がいる場合は、この曲の刺さり具合は100倍です。
始まってすぐ爆音が鳴るイントロ。
ボリュームは最初から大きめにしといてください。もう全部持っていかれるから。
短めで力強いイントロの後いきなりサビから歌い出すと、そのキャッチーなメロディにはガッツリと心を奪われる。
運命的な出会いとお互いが積み上げてきた絆の深さを感じて私の憧れのど真ん中を直撃。
常識を逸脱する程に明朗快活なヒロトの歌心。
そこへと煌びやかに絡むコーラスは親しみやすいサビのメロディに眩しい光を加えてる。
この時点で実感してしまったことがある。
「PUNCH」の発売を知った時点でわかってたし、ジャケットを見ただけで私は確信してた。
“会ってすぐ全部”ってことです。
私の気持ちが興奮したままAメロへ。
胸熱なメロディかつ、心に残るメロディ。
ロックンロールの熱さだけを持って感情的に歌うヒロト。
演奏だって熱量が度を超える。
マーシーが明るい音のコードをジャカジャカ掻き鳴らすスタイルのギターは、思いっきりパンキッシュ。疾走感最大級!
特に3番のAメロなんかマーシーのギターがわずかに前に出てくる耳あたりが刺激的。
リズムだって並大抵の疾走感ではない。
少しゴリゴリした感触のコビーのベースと、うるさいくらい叩きまくるカツジのドラムは当然パンクしてる。
ギターソロなどの間奏はなし。
そんなものなくてもとんでもなく印象的な曲であるのが間違いなし。
1曲目から度肝を抜かれてびっくりした。
タイトルでもある「会ってすぐ全部」という歌詞が特大の存在感を放って心をギュッと掴むし、クロマニヨンズをもっと好きになる。
普段は信じないけど「運命」を信じてしまえる名曲。一言一句すべてが刺さります。
私にはこういう特別な絆を育めたかどうかで人生の幸福度は違ってくるという気付き。
歌詞:かけがえのない絆のストーリー。
言葉は多くないですが、その少ない言葉から伝わる想いは多大なるもの。
一言ずつに惹きつけられるのが特徴。
友情なのか恋心なのか家族の愛情なのかはともかく、奇跡的で尊敬する関係性が歌われる興味深いもの。
ヒロトの感性で、誰かとの唯一無二の関係性を示し、その相手でなきゃというかけがえのなさこそが特別な魅力。
私の場合には、自分の恋心へ当てはめた時にしっくり来ます。
M2「怪鳥ディセンバー」
作詞・作曲/真島昌利
2曲目、今を生きてて熱くて激しい衝撃。
今ここに希望が満ちてくるぶっ飛びソングで、今を生きるためのテーマソング。
海を飛び越える程の勢いあるアップテンポ。
ライブ会場のトチ狂った盛り上がりっぷりを見る豪快なアレンジ。
怪鳥ディセンバーの隣で空を飛んでいく飛翔のメロディ。
しかし「怪鳥」と言っても何も怪しくないし、誤魔化しのない真摯な歌詞。
何にも囚われていないこの歌こそ自由。
自分で選んだ本当の自由、私はこの「怪鳥ディセンバー」をそんな風に感じます。
心がジェット機の如く飛んでいくのが魅力。
明日へ飛ばない、今楽しむために飛ぶ。
ヘヴィなイントロは印象的。
まさに「怪鳥」が飛んで来た怪しげな雰囲気のフレーズと音が部屋に鳴り響く。
Aメロに入る直前、マーシーのピックスクラッチ一撃が飛んで私のテンションアップ。
そいつが“怪鳥ディセンバー”なのかもしれないし、非常に豪快な飛び方だった。
極上の躍動感を携えたAメロへ突撃開始。
ライブ会場の一番後ろまで煽る勢いでヒロトが歌う。誰も無反応な状態ではいられない。
スピード感&ドライブ感に満ちる演奏。
マーシー、コビー、カツジから噴き出す最大限の情熱。軽快でありながら、同時に絶妙な重みと大胆な迫力があって魅了される。
なんだか私は翼が生えてきて飛んでいけそうな嬉しい気分。
自分のことをカッコいいと感じるBメロへ。
マーシーたちの明瞭なコーラス入りで、今この瞬間の幸福度はMAXに到達。
大人の中の子供心が喜ぶメロディ、歌詞なんかポジティブの極み。
“かっこいいぜ!”とか“ぶっ飛ばせ!!”とかポジティブな言葉を勢いのある演奏で歌うから、ネガティブが立ち入る隙などなし。
2曲目で際限なく勇気付けられます。
振り切れたAメロとBメロの更なる高みへと突き抜けるサビでは、遂に心が空を飛ぶ。
怪鳥ディセンバーと私が並んで勇ましく飛んで、鮮やかな景色を見てるようだ。
断言できること一つ。
曲の高揚感に向上心までもが芽生えて大きく気分が変わること。要するに“今”に前向き。
そういう快感の得られるロックンロール。
歌詞:心が“怪鳥ディセンバー”になって飛んでいく発端となる言葉たち。
過去や未来でなく今を意識してるのが特徴。
目に見えて活気があり、絶対曲がらない信念もあり、鮮やかに宣言する誠実さこそ魅力。
“過去も明日もない いま!!!”と宣言するラストの歌詞は突き刺さります。かっこいいのは「いま」!!今すぐ楽しむのが正解なのだと気持ちが大いに奮起する内容。
この気付きに私の気分が最高に奮い立つ。
M3「ケセケセ」
作詞・作曲/甲本ヒロト
マーシーのカッティングギターが独特の雰囲気を醸し出すロックンロール。
男らしさが突出して、これはシブい!
特徴のあるコーラスが印象的に入って惹き込まれます。コーラスはすごいことを歌う。
クロマニヨンズの凄みが迫ってきて目の前の嫌なことを全部ブッ飛ばすから間違いなくスカッとします。
ライブ会場に地震が発生する爆撃テンポ。
暑さも寒さもブッ飛ばして、かなり力強い足取りで歩き出す行進的なアレンジ。
激しい主張を乗せた強靭なメロディ。
実はよく分からないけど、心のガードを突き破って奥まで入ってくる歌詞。
やはり一音目から凄まじい音圧が出て興奮するイントロ。
その音の正体はマーシーのギター。
直後のカツジによるドラム一撃は更なる迫力で、バンドサウンド突撃開始の合図。
すぐにヒロトが強気な態度にて歌い出す。
それはもう斧でも持って襲ってくるような衝撃的な歌心。
世間を騒がすロックンロールの勇猛さ。
親しみやすいメロディのサビは歌詞がカタカナのみで捻くれ者の愛嬌がある。
私にとって最大の衝撃は3番。
「シネシネ」という強烈なコーラス。
この曲のハイライトと言っても過言ではないぐらいのインパクト。一度聴いたら頭からも心からも、もちろん今でも離れない。
とは言え、外ではつまらない大人の私はこのコーラスを声には出してしまわないですが。
大丈夫!私のような小心者の代わりにクロマニヨンズがでっかい声で叫んでくれるから。
3番の後は一度しかやらないメロディが唐突にブチ込まれる。
ハーモニカソロの間奏では、ヒロトが何語か分からない言葉でずっと何かを唱えてる。
呪文みたいな言葉の意味は分からないけど、ロックンロールの魔法にかかったのは誰もが実感すると思う。
ラストは「シネシネ」とか「ケセケセ」の猛襲で最高にダイナミック。
さっきヒロトがかけてたのは、日頃のストレスをぶっ壊すための呪文だったのかも。
心のモヤモヤを消したい時こそオススメ。
歌詞:ヒロト独自の世界観で、カタカナ表記での主張が特徴。だが実はよく分からない。
中でも3番が特に強烈です。“死なない蝉が 枕の中”とは経験した事がないし、どういう状況かも分からないけど、とにかく普通じゃないのは理解できる。
“シネ シネ シネシネ”と連発するサビ。
やっぱり度を超えて大胆なのです。
歌詞にこれだけ「シネ」の文字が並んでいると、むしろ気分スッキリです。
一つはっきりさせておきたいのは、それは決して私に対して言っていないということ。
M4「デイジー」
作詞・作曲/真島昌利
4曲目も感動してください。
キラキラの明るさとは異なるマイナー調。
心の深くまで入ってきて胸がキュッとするたった2分26秒の胸熱なロックンロール。
メロディの熱さや歌詞の説得力に心を奪われているから、尚更すぐに聴き終わってしまっている感覚がある。
生き方の迷いを断ち切るアップテンポ。
マーシー得意の音階が心を掴むアレンジ。
熱量のぶっ込まれたメロディ。
正直者の心へ響く歌詞。
マーシー入魂の図太いギターがキレッキレのイントロ。
コビーのベースとカツジのドラムのアクセントが大迫力の耳当たりを実現。
どんだけ私の期待感を大きくしやがるんだ。
鋭く尖った歌心でヒロトがデイジーに向かって語りだした。
要は感情剥き出しのボーカルスタイル。
弱さを見せてしまうような隙などないロックイズム全開。ライブではきっとこれに更なる勢いが増してとんでもないことになる。
マーシー、コビー、カツジの演奏はど迫力。凄まじきその音圧を実感している瞬間の気分の高揚感がたまらない。
Aメロからサビへ入る直前、マーシーの豪快なピックスクラッチと猛烈なチョーキングがガンギマリ。
私にはテンションアップの名場面。
一気にテンションが上がった状態のまま心を鷲掴みにするサビへ。
極端にキャッチーなメロディ、そして歌詞が私の長年の迷いを断ち切ってくれたのだ。
演奏の疾走感は爆上がりで気持ちを煽る。
マーシーのチョーキングが大暴れ。
ヒロトが真っ直ぐな態度で歌うのは「誰かの理想を生きられやしない」という私にとっての大正解。
誰かの理想を生きる辛さと退屈さを長い間感じていた私はハッとした。
ずっと誰かにそう言って欲しかった。
誰かの理想なんか叶える必要はないし、押し付けられた価値観も蹴っ飛ばして、ありのままの自分として生きることを薄着のデイジーに誓います。
ギターソロなどの間奏はなし。
とは言え、この歌はサウンドも内容もなんだか色々と炸裂してる。
衝撃的な聴き心地であるのが魅力。
自己犠牲を今すぐやめて、自分優先で生きるためのテーマソング決定版。
歌詞:比喩的な表現で感性を刺激しつつ、正直者の宣言が心の根底に響きます。
私の心へ特に響いたのはサビでの「誰かの理想を生きられやしない」です。
これは真実。前から気付いてはいたけど完全に自己肯定できてはいなかった事。自信が持てていなかったことを憧れの人が同じように言ってくれたので遂に確信に変わりました。
嘘っぱちやカッコつけではロックンロールの歌詞は成り立たない。
私にはアルバムで一番心に刺さった瞬間。
M5「ビッグチャンス」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ずっと猛烈でしたが、ここでやっと軽快なアレンジの曲が登場します。
突っ走る寸前ぐらいの心地よいテンポ。
体力に自信がない人でも、ライブ中に置いてけぼりにはならないので安心してください。
常に笑顔が浮かんでくるメロディ。
私にもビッグチャンスの気配を感じる歌詞。
希望しか感じない音が特徴。
自分ではない誰かがビッグチャンスを持ってきそうな予感がするのが魅力。
いかにもビッグチャンスが目の前にやって来てワクワクした雰囲気を醸し出すイントロ。
高速ではなく落ち着いたテンポの演奏。
とは言え、出音は派手であるのが私の心を惹き込むポイント。
今から誰よりも幸せになるのであろう上機嫌な表情で歌うヒロト。
鋭い演奏なのに、はっきりと柔らかさも感じる唯一無二。マーシーとカツジがキレッキレのプレイをする一方で、コビーが大らかなベースを弾いているからだと思う。
マーシーたちが「フゥー!」と歌うコーラスが印象的で、誰も真似せずにいられない。
この曲は楽しいコーラス多めで魅力的。
ヒロトが「イェイ イェイ イェイェ イェイ イェイェイェ イェイ」とワクワクした気分を張り切って歌うBメロは楽しい。
甘美な気分の4人を見た。
足取りも軽くなります。心が跳ねる感じもあります。クロマニヨンズだからです。
労働後の解放感に憧れを抱くサビ。
多くの人は働いた事があるだろうから、その幸福度を追体験できると思います。
サビは特に音が派手に聴こえるのが特徴。
覚えやすいキャッチーなメロディだからやっぱり一緒に歌いたいもの。
サビ直後の「イェーイ」がどことなく哀愁まであって特に聴きどころ。ヒロトの歌い方には人間のあたたかさを感じて励まされます。
ヒロトこういうの上手いんだよな。
人間ならではの特別な感情の絶妙な表現。
この歌には軽快な印象や感触はもちろんあった。しかしそれ以上に断言したいのは、、、
耳と心を刺激する派手な音が出てること。
だから思いっきりワクワクした。
音圧最高!まさに音の圧力を肌で感じる。
歌詞:鮮烈な幸せを主張する傑作で、多くの人の心に残るのは確かです。
多くのカタカナを駆使したハイセンス。
私はそこに親しみやすさを感じます。歌詞のキャッチーさと言うのかな。
労働後の缶ビールやメシがうまいとアピールするサビには影響される人が続出します。
想像が膨らみ、なんだか美味しい気持ちになるから労働頑張ろうと一瞬だけ思ったけど、それよりも、私の場合は今すぐ帰りたい(笑)
M6「小麦粉の加工」
作詞・作曲/真島昌利
6曲目でゆったりしたテンポになるのがとても心地よく感じます。
浅はかではないから心にジーンと来てズッシリと記憶に残る気持ちよさ。
耳から入って心へ届くミディアムテンポ。
キラキラ眩しい朝日というより、少し暗くなってきた夕方に聴きたくなる夕陽アレンジ。
柔らかく心地よい耳触りのメロディ。
夕方の僅かな感傷が心へズンッと響く歌詞。
イントロは破壊力抜群な耳当たり。
迫力のギターが鳴り響く中、コーラスの影響からどこかムード歌謡の雰囲気が噴出する。
暴走しない落ち着いた感情で歌うヒロト。
ヒロトの歌の抑えたテンションと、全力でやる楽しいコーラスのギャップに萌えます。
私の心は早速グッときてる。
と言うのは、歌い出しからのちょっとセンチメンタルな雰囲気に思わず感性の深い部分が反応しているのです。
切なさを感じる歌詞の内容とアレンジが最高にマッチしていて、すごく惹かれます。
敢えて言うならアーティスティックな感情。
コビーのベースが轟くBメロ。
落ち着いたテンポ、聴覚を刺激するベースの轟音、派手に響き渡るカツジのドラム、滑らかながらはっきりとした音を鳴らすマーシーのギター、歌に思いっきり感情が乗るヒロトのボーカル。唯一無二が聴こえる。
短いメロディの中に興味深さ満載。
時間の経過を受け入れてるサビ。
Aメロ〜Bメロの落ち着いたテンポは維持してる。決して暴走しないのがこの歌の特徴。
コーラスが入り大人のムード歌謡っぽさ全開。
サビ後の後半からは前半より突き抜けた印象のアレンジへ。
また聴き心地が変わって魅力的。
3番からのAメロに入る印象的なコーラスが心を鷲掴み。
“ワッチダン”とか“シュワッチダン”とか、誰のインスピレーションなのかクロマニヨンズならではの遊び心の大爆発。
このコーラスはアルバムで最も心を奪われるものという人はきっと多い。
この歌、止められない勢いでぶっ飛ばすのとは違うゆったりジワジワ来る悦びを感じた。
歌詞:黄昏時、感傷的な雰囲気。
美しい比喩表現の中にある抜群のリアリティが魅力。
マーシーの日常なのかもしれない。
一日を過ごし“あっというまだよ あっというまだね”と時間の経過の早さを実感してるサビは多くの共感を得るはず。
夕方の切ない気持ちが現れて私のセンチな気分を誘いますが、悲しくはないので大丈夫。
つまり今、たそがれ時なのです。
M7「クレーンゲーム」
作詞・作曲/真島昌利
クロマニヨンズの18枚目のシングル。
レコードだとここからB面に突入。B面1曲目がシングル曲というのはいかす。
もどかしい時に「ドアホ!」と叫ぶきっかけになるスイッチ。
マーシーの感性でしか作れない前代未聞。
とれそうでとれないクレーンゲームが何かに似てるとアピールする名曲。
クレーンゲームの予測困難な動きと、結果にドキドキしてる自分の気持ちをそのまま表現した変幻自在なテンポとアレンジ。
望んだ結果を勝ち取る勇ましいメロディ。
初視聴では分かりにくいけど実は深い歌詞。
私にとっては後から気付いた名曲。何度も聴いてから好きになり、ライブで体験した後に猛烈に大好きになったロックンロール。
クレーンゲームをする時の緊張感が特徴。
ライブで演奏すると大化けするのが魅力。
超軽快なイントロからのズッシリめのアレンジになるスリリングさがインパクト特大。
感触が急変する特徴的な面白さ。
軽率さを極力排除したアレンジの一歩前で、感情豊かにヒロトが歌う。
丁寧にアームを操るような歌心。
Aメロはアームを慎重に横へ動かしたり前に動かしたりする緊張感のある雰囲気。
1番はドキドキ横へ、2番は注意深く前に。
Aメロの最後の歌詞“何かに似てる”という部分はすべての人の心へ強く訴えかけるインパクトあり。
ヘヴィネスから一気に突き抜けるBメロへ。
歌詞からは日常の風景が鮮やかに見えるし、馴染みのある匂いを感じたり、経験したなまぬるさを追体験する。
つまりBメロにも多大なリアリティを感じる。
やる事をやって「ドアホ!」と叫ぶサビ。
私の代わりにヒロトが大声で叫んでくれるからストレス解消の突破口になる。
3番ではクレーンが景品獲得に向かうような突き抜けるアレンジにテンションが上がります。ラストの4番では更なる高揚感が満ち溢れて最高です。
間奏はなし。しかしこの優れたエンタメ性にそんな事に気付いてる暇もなし。
マーシーの詩的な歌詞や、やる事をやるだけという覚悟を持ったアピールには日常で嫌気がさした心が奮い立ちます。
これまでになかったアレンジと演奏で興奮させてくれて斬新だと感じた。
ちなみに上手く説明出来ないけど、ライブでは何倍もロックンロールになります。
「クレーンゲーム」のシングル発売後、日本中から“生活のドアホ!”と叫ぶ声が続出したのを感じた。
歌詞:クレーンゲームをプレイする爆発的なリアリティ。
美しく詩的に表現される景色も魅力。
パワーワードあり。
シングルが出た時に何度聴いてもなぜなのか歌詞の「ドアホ」の部分がなんと歌っているのか聞き取れませんでした。
先入観からまさか「ドアホ」という歌詞が出て来ると思ってもいなかったので、何度聴いても「ドアを」に聴こえてしまう。“生活のドアを”ってどういうことだ?と思ってました。
“生活のドアホ”なら誰もが経験していて共感する言葉です。分かったところで「自分のドアホ!」と叫びたくなりました。
私のような変な先入観は良くない。
M8「ガス人間」
作詞・作曲/甲本ヒロト
私にはアルバム一番のセンセーショナル。
なぜなら曲自体が古き良き昭和のアニソンで聴いたような雰囲気を感じさせるから。
なんだか心が騒ぎっぱなし。
かなり短い2分13秒のロックンロール。
しかしたったの2分で心の奥まで鷲掴みにするのが我らがクロマニヨンズの凄み。
純度100%の子供心を魅了されているから、本当にあっという間に聴き終わると感じる。
ノスタルジックなアップテンポ。
強敵に臆さず突き進むロックアレンジ。
アニメのOPっぽい行動力のあるメロディ。
「ガス人間」というアニメが制作されそうな勢いでドラマチックな歌詞。
聴くと熱くなりすぎる私は平常心を保てないし、高い中毒性があることは断言する。
イントロなしでいきなり始まる。
私はテレビの前で、楽しみにしていたアニメが始まったあのワクワクを感じてる子供心。
コーラス入りのサビから始まる胸熱仕様。
短いサビを経て軽快でキャッチーなAメロへ。
画面の下の方にはテロップで歌詞も出てるし、アニメの何話か先で起こるのであろうシーンが映し出されてる。
演奏やアレンジ、そのサウンドからは懐かしいときめきしか感じないのだ。
ヒロトの真っ直ぐなボーカル、マーシーのカッティングギター、突き進んでいくコビーのベース、緩急の効いたカツジのドラム。
はっきり言ってエモい。
しかし“感情的”という意味の本来のエモさ。
間違いなくロックンロールの魔法がかかっていて、私の心へその魔法をかけた。
Bメロもグッとくる。
声を張って歌うヒロト。音痴な私には分からないけどちょっとキーが高いのかな。
マーシーたちがひらすら「ガス人間」と叫び続けるコーラスは強靭な響き。
テレビ画面には「愛しの人」との恋のシーンの断片が映るからドキドキする。
サビの後の間奏ではギターが唸る。
マーシーの感情炸裂のギターソロの音は好きにならずにいられない。ベンチャーズのようなサーフっぽい音とフレーズが至極印象的。
だからアニメでも絶対カットしないでくれ!
ラストはサビの猛襲でとうとう私のワクワクの限界さえも突き破る。
あまりのセンセーショナルに少し震えてる。
歌詞がいい、メロディが刺さる、アレンジが最高とかなり好きです。
結論、何度も聴いてしまう。
歌詞:「ガス人間」というタイトルのアニメの主題歌っぽいのが特徴。要するに物語風。
内容が多くない、長くないのもアニソンを感じさせる要素。とは言え、ドラマチックなのが私には最大のアニソンポイントになります。
ストレートに子供心が惹かれるもの。
つまり魅力的。
“もう何も言うな ああ 愛しの人”と、ラブストーリーの要素まであるとか胸熱です。
私の感情に訴えかける熱いものが凝縮されてるし、、、絶対オレにアピールしてる。
M9「整理された箱」
作詞・作曲/真島昌利
9曲目に来てもまだいきなり心を掴んでくる。
マイナー調のスカなんて感化されやすい心の中学2年生を熱狂させるに決まってる。
まだ何曲か残ってるのに、私は心が大爆発してしまわないで聴き切れるのか⁈
跳ねるリズムに乗せたアップテンポ。
マイナー調が心を刺激するスカアレンジ。
滞りなく作業が進行してく機敏なメロディ。
倉庫の仕事、その実話感が興味深い歌詞。
これは心を揺さぶる音だ!胸の奥が熱くなってる。度を超える胸熱で涙が流れそう。
この曲もイントロなし。
だから問答無用で興奮または感動しちゃう。
明るいスカのリズムに「パラッパ」と全員で歌うコーラスが鳴り響き、手際よく作業が進む雰囲気に包まれます。
マイナーキーに変化するAメロ。
1番は敢えて疾走感を抑えた演奏で重みあり。
説得力のあるボーカルには思わず惹き込まれる。ヒロトならではの表現力だから。
ヒロトの歌の奥にあるうんざりした感情、少し疲れた体力の表現のあまりのリアリティには私までこの物語の登場人物になった気分。
つまり彼らの隣にいる3人目の作業員。
2番からは特にコビーの轟音ベースが豪快に唸る。これぞロックンロールのドライブ力。
私は急に突っ走りたくなった。
カツジのバスドラの破壊力も特筆物の刺激。
マーシーの華麗なるスカのリズムギターは心の詰まりを解消する。
心のガード出来ない部分を鷲掴むBメロ。
作業の風景が見えつつ、短いけどグッとくるメロディなのです。
明るいサビをブチかました後、間奏はなし。
そのまま私にとってハイライトの3番へ。
3番での主人公と社員さんの会話のやり取りにはほっこりする。記憶の深いところに残った一節、疑いようのないリアリティ。
ちょっと憧れるシチュエーション。
働くのが嫌いな私がこの歌を聴いて感じたのは、もしかしたら働くのは素晴らしいことなのかもしれないってこと。
とにかく、多くが伝わってくる歌だ。
歌詞:倉庫での仕事、多分マーシーの経験。
リアリティを伴う細やかな表現。
工場勤務の経験がある私には共感しやすい歌詞。経験者にしか語れない具体的な内容は、マーシーもこういう仕事を経験したんだろうなと理解しました。
その工場のシステムの曖昧さとかルールの緩さとか面倒くさい部分と、社員さんの人としてのあたたかさや仕事を成し遂げた達成感がすごく伝わってきます。
共感したのは、私の経験から歌詞のリアリティは実話だとわかるから。
マーシーをすごく近い存在に感じる魅力。
M10「リリイ」
作詞・作曲/甲本ヒロト
アルバム終盤の10曲目、思わず涙が流れてしまいそうな優しく柔らかい雰囲気。
心を揺さぶるというより心に広がります。
クロマニヨンズってこういうの得意なんだよなぁ。こんなにも感動させやがって。
落ち着いたミディアムテンポ。
どのアルバムにも1曲は入っていたら嬉しいアコギ調。
角のない滑らかなメロディ。
うっとりしちゃうロマンチックな歌詞。
穏やかな気持ちになりたい時にこの曲だけ聴きたいということはよくある。
なぜならアコギ調ということで、アルバムの中では特徴的な聴き心地のため魅力です。
そっと穏やかに始まる10曲目。
アコギが優しく響き始めるイントロ。
マーシーのピッキングの絶妙な力加減。
前の曲で流れそうだった胸熱の涙がこの曲のアコギの音でついに耐えきれなくなる。
優しい雰囲気で歌いつつも、力強いヒロトのボーカル。ヒロトが素で歌うとこうなるのかもという感じ。つまり、装飾なし。
そう感じたのと同時に大きく心へ響いてる。
2番からマーシーたちの柔らかなコーラス。
深みがあり広々していて奥行きまであって、思わず感動しちゃう雰囲気抜群。
人の心を動かすプロフェッショナル。
わずかに力の入るサビ。
マイナーキーが一層強調されてグッとくる。
コーラスが増して、少しエレキも入ってそれまでより強めの耳あたりになるから、大雑把でない感性の人の心はグイッと動くはず。
間奏はマーシーがギターで人の心を動かす。
マーシーのギターソロ。心を込めて豪快かつ繊細に奏でる魅力的なメロディ。
鳴っているサウンドこそ特徴的。今ここで弾いているリアリティがあって、唯一無二を感じる音だ。
間奏後の曲後半も決して暴走せず進む。
クロマニヨンズは冷たく強がったりせず、あたたかく人の体温を感じさせる。
アウトロはヒロトのハーモニカソロ。
その音はいろんなものを浄化してくれる思いやりのメロディ。
今日一日を心穏やかに完結させてくれる。
ヒロトの柔らかくて優しいけど、言葉が粒立つ歌詞が心に残りました。聴き終わっても単語の一つ一つが耳の奥で輝きを放ってる。
こういうのこそ会心の一撃かもしれない。
歌詞:繊細な感性には思いっきり刺さる空想的なリアリティ。
直接的な言い回しではないから、繊細で少数派の私には伝わりやすく感じやすい表現。
要するにロマンチックです。
「リリィ」の歌詞はすごく優しいと感じるし、特に“同じ顔した 別の春”という言葉の表現なんか1回目から心へ響きました。
これは詩人ヒロトにしか表現できないし伝えられない真実だと感じる。ヒロトの素晴らしい感性は私には分かりやすいのです。
M11「長い赤信号」
作詞・作曲/真島昌利
まさかのアコギ調が続き、驚きました。
何度も聴きたくなるし感動します。
アルバムの最後の方にきて、それまでに激情して熱くなった気持ちを少し落ち着かせてくれるアコギ調連発に、今度は目頭まで熱く。
少しの切なさが大きな魅力になります。
ゆったりふんわりしたテンポ。
どこか切ない夕方の色をしたハーモニカ入りのアコギ調。
感動の涙が一粒落っこちて今日のストレスが消えるメロディ。
マーシーならでは、叙情性のある歌詞。
テンポ、アレンジ、メロディ、歌詞は全体的に心の一番感動しやすい部分に入って、苛立っていない穏やかな気持ちになるのが特徴。
人情味のあるハーモニカが空間全体へと広がるイントロは人のわびさびが鳴ってる。
ヒロトのハーモニカは表現力豊かだ。
イントロに私が感じるのは、ゆったりした穏やかさが醸し出す包容感に安心すること。
ヒロトが歌い出すと生音感たっぷりに出音されて鳥肌が。ヒロトの歌声がとんでもないリアリティサウンドで鳴る。そこで歌ってる。
誰もが共通して感じる事、心が込もってる。
演奏ではマーシーのアコギが力強くも滑らかに鳴り響く特別な聴き心地を実現。
コビーのベースは一歩ずつ堅実な歩みを感じさせ、カツジのドラムはどっしり着実な前進を体感させる。
2番の後半からマーシーの歌声が聴こえてくると最大限に歌の世界に惹き込まれる。
次のメロディは夕立のわずかな切なさがあり程よくセンチな気分を楽しめる。
もう一度Aメロを歌い間奏へ。
ヒロトの感情に私の心がグッとくるハーモニカソロ。
ハーモニカソロはおもむろに始まって心穏やかなメロディを吹きます。いい音してます。
終盤はヒロトとマーシーのツインボーカル。
ゆったりめのアコギ調2連発はこれまでのアルバムにはなかった演出で『PUNCH』の良いところにもなってます。
音からわびさびも感じるし哀愁も漂う1曲。
ところでこの曲にギターソロはなし。
前の曲では感動のソロ弾いてたのに、自分が作った曲ではソロは弾かないというマーシーらしさです。その代わりヒロトにハーモニカソロを吹かせたのマーシーだと思います。
クロマニヨンズっておもしろい。
歌詞:変わらない赤信号にまつわるストーリー風で興味深いもの。
魅力はマーシーの独特な光景の見え方。
表現は現実的と空想的のちょうど中間で絶妙。
全体としては柔らかく、マーシーの神技である詩的な言葉の歌詞は美しいと感じます。
長すぎる赤信号やそれに怒り出す人などが目の前にある風景は日常だから、多くの人に感じやすいのではないかと思う。
M12「ロケッティア」
作詞・作曲/甲本ヒロト
上機嫌なアルバムラスト曲。
興味深い楽器の音がたくさん入った楽しげな1曲です。誰でも耳が愉快ことになる。
カチャカチャ、シャリシャリ、ピッピッピーなど、音が出る楽しい絵本のような印象。
2分2秒の衝撃。
私は楽器の名前を全然知りません。この曲で自分て楽器の名前を知っていないということに気づいてしまったのも衝撃。
速すぎず誰もノリ遅れないアップテンポ。
一人残らず全員を楽しませるためのエンタメ性に富んだロックアレンジ。
抜群の可愛らしさが特色になったメロディ。
絵本の読み聞かせをしてもらっているようなポップな歌詞。
ラスト曲、一番前にある自由さが魅力。
速いテンポ、歪んだサウンド、激しい打撃、強烈なロックンロールが始まったなと感じるイントロからのサビ始まり。
キャッチーなサビのメロディが入った途端に私の緊張感が少し緩む。
この緊張感と弛緩感のギャップが見事。
Aメロへ突入すると誰の心も動くエンタメ性豊かなアレンジに。なぜなら沢山の楽器の音が部屋の空間へと鳴り響くから。
感情を表現したような色んな音が飛び出す。
その一つ一つの音に、今日を楽しく生きるためのエネルギーが備わってる。
歌詞の世界観なんかほとんど絵本。
今、私は絵本をクロマニヨンズに読んでもらっていて、その世界の中に存在してる気分。
自分も完全に登場人物。
だから本には私の絵も描かれてる。
終盤に1回しかやらないメロディは心が燃える熱いメロディで、アレンジはアルバム最後に思いっきり心を揺さぶるロックンロール。
エレキの隣に激しいアコギも鳴り響く。
その後ラストのサビには、これでもかと言わんばかりに多くの楽器の音が突撃してくる。
これで楽しめなかった場合はひどく疲れているので回復するまで休んでください。
とにかく和みます。でもやっぱりクロマニヨンズの熱いロックンロールを感じられるのが一撃必殺のパンチ力です。
エンタメ性に富んだクロマニヨンズならではの楽しめというパンチ力。
明日の不安や刺々しいストレスを破壊する。
アルバムを愉快に締めるラスト曲。
歌詞:子供に好かれそうなポップなイラストの絵本を読んでいる時の感じ。
ギリシャ神話を感じつつ意味なんてなさそうな空想的な内容が好ましく、何も考えずに楽しめるのが特徴。
自由という意味ではロックな歌詞。
しかしあからさまなロックイズムとは違うのが魅力的です。
3つの頭を持つ犬の怪物“ケルベロス”が登場するけど、言葉に愛らしさがありやはり子供に人気出そうなキャラクターになってる。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
毎回ラスト曲まで存分に楽しませてくれるクロマニヨンズ。今回も一切の手抜きなし。
元気出たという実感と、これ嫌いな人なんていないよなと身に染みたところでアルバムはおしまいです。
クロマニヨンズのパンチ力!と破壊力!
今日やらかして凹んでいた絶望なんか会心の一撃で破壊してくるクロマニヨンズの13枚目のアルバムでした。
絶望など大事に持っていても仕方ない。
そんなものより希望が持てます。
久しぶりに『PUNCH』を何度か聴いていたら、それまで少し崩していた体調が良くなってきました。むろん心へ効きます。
疲れた心や崩した体調に剥がれない悪い膜がかかってしまった時は「PUNCH」で必ず好転します。
音楽の影響力、ロックンロールの説明不能なパワーがあるから。クロマニヨンズがそういうエネルギーをぶち込んであるし、ロックンロールの魔法をかけてある。
元気になった心と体は大声で叫びたくなる。
生活のドアホ!!!
楽になった。
それよりも楽しくなってきた。
マーシーにとっての東京の魅力は?
「レコード屋さんがいっぱいあるところ。」
だそうです。
結構な店舗数があるんだろうなと感じました。なんか楽しそうだしうらやましい。レコード楽しいですね。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。
今回もナイスレビューです。ガス人間とか確かに昔のアニソンみたいかも!
このアルバムの個人的ハイライトはなんといっても長い赤信号ですね。てっきりマーシーはもうこういう曲を書かないのかなーと思ってたので、不意のバラード曲に完璧ノックアウトされました。
こんにちは。
そう言ってもらえるのが本当に嬉しいです。
共感して頂けたのもすごく光栄に思います。
あとの2作も順次投稿しますので、また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。
もうすぐライブ盤も発表されるようなので楽しんでいきましょう!