こんにちは。
『HAPPY SONGS』は1991年リリースの真島昌利のソロ2ndアルバムです。
夏の終わりにピッタリだったアコースティックな1stアルバム『夏のぬけがら』と対を成すような冬をロマンチックにするエレキサウンドです。
冬のあたたかさです。
「ロマンチスト」、そんな優しくてあたたかい感性の持ち主にしか完成させられなかったアルバムです。
『HAPPY SONGS』は胸にヒビが入るほど素敵なロマンチックの瞬間を連続して体験できます。
私がやったらクサいだけのことを、マーシーときたらサラッとイケメンでやってしまう。そこに強い憧れをいだきます。
タイトルがもうロマンチックです。幸せな歌たちって、心があったかくなります。
前作『夏のぬけがら』はアコースティック基調のドラマチックなアルバムでしたが、本作『HAPPY SONGS』はエレキの音が聴こえるロマンチックなアルバムだと感じます。
夏の終わり頃を感じさせた『夏のぬけがら』と対照的に作ったのかは分かりませんが、今度の2ndアルバムは冬を強く感じさせます。
毎年、冬には聴きたくなります。
1stアルバム『夏のぬけがら』と2ndアルバム『HAPPY SONGS』はアコギとエレキ、夏と冬のような印象があります。
真島昌利/HAPPY SONGS(1991)
HAPPY SONGS(ハッピー ソングス)は前作ソロ1stアルバム『夏のぬけがら(1989.11.21)』から1年半後(1991.4.10)に発売された2枚目のソロアルバムです。
『夏のぬけがら』に比べてエレキギターの音は確実に増えました。ロックアレンジも増えました。
とは言え、ブルーハーツのような勢いのあるパンクを求めると失敗します。
私の初視聴の感想は『夏のぬけがら』に続きやっぱりなんか失敗しました。マーシーのソロアルバムという認識ではなく、懲りずにそこにもブルーハーツを求めたからです。
パンクの速いテンポや荒々しさ、反逆精神に満ちたメッセージ性を聴くというより、冬の寒さを和らげてくれるような圧倒的なロマンティシズムを自分のロマンチックな気持ちで受け止める方が楽しめます。
本作も『夏のぬけがら』同様に後から気付いた“心の名盤”でした。最初の感想ではなんか違うという気持ちになりながらも、なんか気になってしょうがないという思いがあり、何度も聴くうちに好きになってました。
・ナイーブな歌詞が心に刺さる
・聴き終わると超ポジティブな気持ちになれる
ロックは感じつつもパンクの荒々しさはなく、包み込まれる優しさが溢れています。
勢いよりもゆったりテンポが多めです。
これが最初に受け入れにくかった要素だと思います。だけど心の名盤になってから気付いたのは、そういう曲にこそ生きるための希望の光が眩しく輝いていました。
絶望的な体調不良さえも救ってくれた歌があります。その歌の名は「ホープ」、私には大いなる“希望”になりました。
アルバムの至る所に希望や優しさやあたたかさが溢れています。演奏、アレンジ、メロディ、言葉の端々にもっともっとロマンチシズムが炸裂しています。
『HAPPY SONGS』を聴きながら一体何人のロマンチックな人たちを胸キュンさせたんだろう。もちろん私もキュンキュンしてます。
弱々しいアルバムという訳ではなく、ロックのカッコ良さ、ロックの強さ、ロックの輝き、ロックのバカっぷり、ロックにだまされる瞬間も全曲に存在します。
ロックにジャズの要素なんかも取り入れられていてバラエティに富んでいるので、いつまでも聴き続ける魅力があります。
今回もカバー曲が2曲入っています。もちろん、アルバムの流れとして何の違和感もない『HAPPY SONGS』なロマンチック仕様。
「朝」というタイトルの曲もあるけど、タイトルに「夜」のつく歌が3曲あるので暗くなった夜空の見えるシチュエーションで聴くとロマンチックが倍増します。
夜とか冬とかのイメージが割とあります。明るくはなくあたたかくもない状況の中からマーシーがそっと差し出している眩しい希望の光と、あたたかい思いやりを聴けるアルバムだと感じます。
前作『夏のぬけがら』に引き続き、元ハイロウズの白井幹夫さんがピアノで参加しています。
本作には我らがヒロトも1曲ハーモニカで参加しています。2019年にヒロトと一緒に『ブギ連』をやった内田勘太郎さんもギターで参加しています。
聴きどころ満載です。
『HAPPY SONGS』収録曲
1.オーロラの夜
2.砂丘
3.休日の夢
4.朝
5.ホープ
6.夜空の星くず
7.ダイナマイトが150屯
8.サンフランシスコの夜はふけて
9.とても寒い日
10.2人でいれば
11.ガソリンアレイ
12.HAPPY SONG
全12曲52分です。
ーーバンドを離れて自分1人でやるっていう事は違う考え方があるのか、同じ気持ちなのか?
マーシー「さみしい感じがする。」
ーーレコーディングの時に?メンバーがいる時は反応が伺えて良かったりする?
マーシー「うん、ていうかレコーディングの時はいいんですけど、ライブん時とかバンドだとほら、ヒロトとかさ、河ちゃんとかがいるじゃない。で、僕1人ちょっとこうなんか鼻くそほじってたりしてもバレないようなとこあんだけど、ソロでライブだとね。ソロだとバーッてなんかみんなさぁ、なんかオレばっか見てさぁ。嫌じゃん(笑)」
ーー息抜きが出来ないっていうポイントがありますよね
マーシー「だからなるべく僕が歌ってても関係ない人にピンを当てて欲しい。」
ーーこれは初めて聞くなぁ
ーーでもこれでボーカルのヒロトさんとかすごいなって思っちゃったりします?
マーシー「もうもうもう、やっぱりあいつは。ただの人間じゃないなみたいな。猿かなんか。」
ーー曲を作る時は、分けて考えないですか?あんまり似通っちゃマズイんじゃないかとか
マーシー「あ、ブルーハーツ用とかみたいな?そういうことはね、ないです。作る時は。」
ーー似通う事はないってことですか?あんまりそこまで深く考えない?
マーシー「ううん、意識しないで適当にもうギター弾いて“はははは”とか言いながら曲作って(笑)で、曲出来てこの曲どんな風にしようかって考えた時に、じゃあこれバンドでやった方がいいかなみたいな。だから作る時っていうのは全然そういう事は意識しないよ。」
ーー出来上がったものが例えばですよ、ブルーハーツだねって言われたらどんな感じがしますか?
マーシー「、、、、、、、、えっ?」
マーシーが答えられなかったので、この質問は取り消されていました。
私はブルーハーツとはまったく異なる音楽だと感じたし、今もそう感じています。だからこそ購入当時に失敗した感があった訳です。
『HAPPY SONGS』は素のマーシーが何をやってもイケメンになっているアルバムという印象です。
ブルーハーツでやっている事を、マーシーがソロでそのまんまやるとは思えません。それはソロの意味がない。本人が言っているように、それはブルーハーツでやるべき事です。
ブルーハーツではやらないタイプのアレンジがバラエティ豊かに楽しめます。ソロの方が確実に幅が広いです。根底には反旗をひるがえす主張というよりも胸をキュンとさせるロマンチックな感性が広がっています。
ソロの魅力はブルーハーツとは別のところにあり、同じマーシーだから地続きではあってもまったく異なる音楽だと感じます。
それぞれ自分の心の別の部分が感動します。
『HAPPY SONGS』の場合は、心の柔らかく弱い部分、人に見られたらちょっと照れくさい部分が常に反応しています。
一緒に星を見たくなっちゃう恋する気持ちとか、布団の中で弱音を吐いてる心の不調とか、誰かに支えて欲しい自分の弱さや甘えなどです。
ただの言葉ではないマーシーの深い感受性がそこら辺にそっと触ってくる、柔らかであたたかな聴き心地は最高です。
シングル曲は2ndシングル「オーロラの夜」と3rdシングル「夜空の星くず」が収録されています。
2ndシングル「オーロラの夜」は2曲入りです。カップリングはマーシー作詞作曲の「真夜中過ぎの中央線」が収録されました。
3rdシングル「夜空の星くず」は3曲入りです。カップリングはマーシー作詞作曲の「バラ色の人生」とマーシーが日本語詩をつけたカバー曲「うな重」が収録されました。
合計3曲のそれぞれのカップリング曲は本作『HAPPY SONGS』には未収録。
それらのカップリング曲が収録されたアルバムはなく、現在でも当時の8cmシングルCDか後発の12cmシングルCDでしか聴けません。
その3曲はすごくカッコいいので今でもよく聴きます。
激しいハーモニカが吹き荒れるロックアレンジで、疲れた会社員の心のストーリーが刺さる「真夜中過ぎの中央線」なんか特に好きです。他の2曲も熱いロックンロールアレンジです。そのためか『HAPPY SONGS』には入れるべきではないと、シングルのカップリングになったのかもしれません。
1991年『HAPPY SONGS』発売当時はCDとカセットテープで販売されました。
私はカセットテープを持っていませんが、欲しいです。いや、欲しかったです。結構欲しくて、でも買えないから自分で作りました。ヤフオクでは1万円以上してたし(汗)
オリジナル(CD、カセット)発売から26年経った2017年にアナログ盤が発売されました。
レコードで聴く『HAPPY SONGS』は寒い冬により一層のあたたかさを感じさせてくれます。レコードに自分の手で針を落とすのはとてもロマンチックです。
M1「オーロラの夜」
作詞・作曲 真島昌利
マーシーのソロ2枚目のシングル。
他の誰かがやったらクサすぎる最高のラブソングで、若さ溢れる感動映画が1本作れそうなロマンチックソング。
シングルCDのジャケットのデザインがいかしてます。マーシーにしか見えなくて天才的だと思いました。
アルバム開始早々すでにイントロでオーロラの音が夜空に広く鳴り響きます。一発目の胸がキュンとするロマンチックな瞬間。
ギター、ベース、ドラムに七色のピアノが絡んで夜の鮮やかな景色を見せてくれます。
日本人には馴染みやすい丁度いいテンポ。
歌い方が強いと感じる人もいるかもしれないけど、優しくて誰よりもロマンチックなマーシーの歌声が聴こえてくると、それはもう胸の真ん中にヒビが入るほど素敵だと感じる。
曲から感じるのはいい具合のきらびやかさ、心のあたたかさ、マーシーの優しさです。「オーロラの夜」というタイトルに合いすぎてる。
前作『夏のぬけがら』にはなかったエレキ入りのロックアレンジ。ただし、ギターは控えめでピアノ主体なロックという感じ。
激しすぎない、クソッタレな言葉を主張しすぎないソロの魅力。さりげない、嫌味のないクールなロマンチシズム。
歌詞の表現は映画のようなストーリー性があって、マーシーが作った物語を聴いている感覚でもあります。男のシブさや本音を語るカッコよさが胸熱ポイントです。
シングルにもなったし、1曲目にすごくふさわしいと感じるキャッチーさがあります。
ドラマチックな「オーロラの夜」に魅せられて、アルバム全体への期待感も高まります。
寝る前に必ず「オーロラの夜」を聴くという人もいそうなほどのイケメンな優しさ。
魅力的だからそう感じさせないけど、意外と6分近くある長めの曲です。
オレはもうロマンチックな世界の入り口を多分2歩か3歩は踏み込んでしまってる。
初めて聴いた時は分からなかったけど、今になって思うのは『HAPPY SONGS』の世界は幸せな自分の感情が心地いいということ。
歌詞 : アルバム一発目の歌い出しから既にときめくロマンチックと完璧な詩的表現にシビレます。照れくさいほどキュンとするラブストーリーでも始まるのかなとワクワクします。
Bメロはマーシーこそ似合う美しい一節。他の誰かがやったら受け入れられないほどの煌びやかさです。似合うなぁ。聴いててちょっとだけ照れるこういう表現すごく好きだ。
何度か繰り返されるサビはキャッチーなメロディと共に幻想的な歌詞がキラキラな特別感に溢れています。最高潮に胸が高鳴る瞬間。
恋っていいよねとかしみじみし始める自分。
ラストはフェイドアウトするのがこの曲にとても合っています。それが次の曲への繋がりを劇的にしています。
真島昌利 / Vo,AG,EG
篠原太郎 / B,Cho
白井幹夫 / Pf,Syn
大槻敏彦 / Dr,Per,Cho
古川英俊 / Cho
M2「砂丘」
作詞作曲 真島昌利
ゆったりとはしていないレゲエ調。
ゴリゴリ感を強調したベースのリズムからスタートするのがワクワクしてきます。その音は耳の奥、心臓にまで響く快感です。
ホーンセクションも入ってきて楽しさがぶっ飛んできます。音のエクスタシーが迫り来る。勝手に体が踊り出す強烈な曲の存在感。
華やかな音がロック寄りのジャズを感じるにぎやかさ。
マーシーが弾いてるリズムギターの音がかなり前に出ていて聴き取りやすさ抜群。その音にこの歌のノリ方を感じ取りました。
声をがなり立てて歌わない柔らかいボーカルスタイル。こういうのもすごく心に沁みて好きだな。
これは定義なんてないんだけど、歌から感じるすべてに、2曲目感がすごくあります。
あらゆる言葉で、いわゆる「韻」を踏みまくる独特の感性。圧倒的なマーシーの個性。もはや天才的です。
伝説級の歌詞がたまらなく好きです。聴き慣れて全部覚えて、次はこれが来ると分かっていてもワクワクしてしまう。
歌詞に深い意味はないのかもしれないけど、マーシーのロマンチックな感性溢れるある日の物語になっていて興味深いです。
そこまでオレに聴かせて記憶というより自分の経験として心に存在してしまうほどの魅力があったんだな。長年聴いた今の方がもっと好きになった。
音がキラキラしていて楽しい気分になる歌。
歌詞 : 1番だけでなく3番まで全部が韻を踏みまくった絶世の歌詞に驚愕します。唯一無二の感性だなって思う。それがメロディに乗った時の心地よさが絶品です。天才的だし伝説級。
サビは短めの歌詞で、常に自分1人ではなく君と2人がいいというところに共感しました。
さむい冬の日でもかたい砂の上でも“2人”で行きたいという気持ちは一般常識なんかとっくに突破しています。“地球の呼吸”を感じるには、1人ではなくいつもいつまでも一緒にいるもう1人の存在が大事だと思いました。
なんてロマンチックな気分なんだ。
真島昌利 / Vo,EG
篠原太郎 / B,Cho
白井幹夫 / Org,Pf
大槻敏彦 / Dr,Per
村田陽一 / Tb
エリック宮城 / Tp
早坂紗知 / A-Sax
菊地成孔 / B-Sax
M3「休日の夢」
作詞・作曲 真島昌利
雨の日に聴けば世界一ロマンチックな気分になれるボサノバ。
マーシーいわく「ギンギンバリバリの、ノリノリの、ボサノバ」です。
サラサラ流れるように軽快で心地いいジャジーサウンド。これぞ流暢。
マーシーのアルバムでジャズが聴けるとは思わなかった。マーシーはジャズも聴いてるみたい。「ビリー・ホリデイ」という古いジャズシンガーの名前まで登場する熱っぷりで、ロックやポップスしか聴かなかった私はそのビリー・ホリデイを『HAPPY SONGS』で知りました。
ロックではないボサノバの軽やかで伸びやかな音でさわやかです。
この曲ではマーシーはボーカルのみですが、バンドの演奏が上手すぎるって思う。2分近くある長めのアウトロは、楽器演奏がフィーチャーされたノリノリのボサノバで胸熱です。
マーシーのボーカルは抑制が効いていてバカみたいに明るくはなく、とは言え暗い人って感じでもなく、マーシー流のボサノバスタイル。地声に近い感じがします。
さわやかさとほんの少しの重みが絶妙で、ロックンロール以外でもこんなに個性的なんてすげえと感激してます。
このボサノバには雨が降ってしっとりと濡れたヤシの木なんかが似合います。歌詞の内容はきっと日本なんだけど、ハワイを感じる音が印象的です。
雷が鳴って酸性雨が降って気怠くなっしまった心情が歌われます。それはもう待ち合わせにも間に合わないほどの脱力感に、私は共感してしまう。雨の日の少し憂鬱な感じが一回りぐらいしてから伝わってきます。
マーシーのボサノバは特別にカッコよくて、ジャズのレコードとかが欲しくなった。
いい曲、いい演奏がここにある。
歌詞 : ボサノバアレンジに合いすぎる絶妙な歌詞だなって感じます。今降ってる雨を見つめながらビリーホリディを聞くシチュエーションがすごく好ましいことに思えます。情緒ある。
だからオレもやってみようって思うけど、いい感じにこの歌詞みたいな雨が降ってくれなかった。イメージではマーシーと同じ気持ちに浸ってる。
真島昌利 / Vo
篠原太郎 / B,Per
白井幹夫 / Pf
大槻敏彦 / Dr,Per
山川のりお / G・G
小玉和文 / Tp
内田勘太郎 / G・G
M4「朝」
作詞・作曲 真島昌利
イラっとさせない静かに起こす目覚ましになる朝のゆったりテンポ。切羽詰まらず穏やかに起きれるゆるりアレンジ。
初めて聴いた時はスローテンポに少しの抵抗があった。今は明るすぎず暗すぎない丁度いい朝の光や新鮮な空気を感じる美音に聴こえます。
マーシーが弾く柔らかいアコギと、白井さんの差し込む朝の光のようなエレクトリックピアノが絶対に怒らない大らかさを印象付けます。
楽器は3つのみ。少ない音数にそっと寄り添うようなマーシーの歌声が寝ぼけた心をノックします。
ゆったりと歌い出すマーシー。本人によるコーラスのハーモニーが美しいです。その響き方に感動した心はすっかり、そろそろ起きようと優しい朝を感じています。
間奏とアウトロに入ってくるクリーンなエレキの音が目覚めた朝のカーテンを開けます。
この曲の音はオレの手が何かに触れているような感触がある。お日様がキラキラ輝く朝のフラットな自分の気持ちに触っている感じです。
寝て起きて回復した新鮮な脳に低刺激な好影響を与えています。
さりげなく韻を踏んでいる歌詞が記憶に残るインパクト。そこは強烈に聴覚を刺激します。
「朝」の歌だけど、何処となくほんのり影の部分も感じます。光と影のような、外向的と内向的のような相反する何かを聴き取っているのかもしれない。
とは言え、全体的に感じるのは静かでさわやかな朝の心地よい光です。
だからオレには明るすぎず暗すぎない丁度いい朝のオープニングソングです。
この歌と共にしばらく朝の放心状態が楽しめそうだ。
健康に心穏やかに今日を始められます。
歌詞 : 4番まである歌詞はとても短いです。4番はマーシーにいつもやって欲しいと思ってることをやってくれた感じがあります。
皮肉っぽさもある韻を踏みつつ、今来たばかりの新しい朝を宇宙で一番輝かせる一節で締めくくっているのが好印象でした。
昨日の続きじゃない希望が添えられた新しい朝が柔らかにやって来たと実感します。
真島昌利 / Vo,AG
篠原太郎 / EG
白井幹夫 / EP
M5「ホープ」
作詞・作曲 真島昌利
きっと誰かの希望になる歌。絶望から救ってくれるさりげない希望。信頼できる未来。
不調を好調にひっくり返すスローテンポ。
スローテンポではあるけど、すべての楽器と歌がキラキラな希望の光を輝かせながら演奏しているから退屈には感じません。
心の真実の歌。
一時の体調不良にもとても優しく、苦くない良薬を差し出してくれる。
生きることを諦めたかった心を救ってくれた希望の神曲。
そーっと、でも光を放ちながらエレキとアコギが遠くに確実にある希望を奏で始めます。明るい未来を掴めそうな気分になるイントロです。
希望のエネルギーと思いやりを持って歌い出すマーシーの歌声は力強いです。一切の嘘を感じない。
詩人の感性が炸裂した美しい歌詞が心にジワーッと広がります。
2番からコードを適度な強さで弾くもう1本のアコギと、ベースも加わって遠くの希望が少しこっちに近づいてきた音がしてます。
サビの直前からドラムとピアノも入ってきます。バンドの高揚感に乗っかって、いよいよマーシーが希望は君にあるよという事を最大限の思いやりと励ましの言葉で歌います。
涙が溢れる。オレは生きれる。良くなる。
頑張る必要も焦る必要もない、ただ待ってればいい。そういう声を掛けられているようで心が軽くなります。
音や演奏からも感じるのは全部ポジティブなものだけです。「ホープ」を聴きながら生きようって決意する心はたくさんあると思うけど、生きるのやめようとする人はいません。
歌に何かが爆発的に溢れてる。
それは「希望」です。ホープ。
マーシーもオレと同じなんだって知って、それまで絶望的だった心は励まされ、そのうちにゆっくり徐々に少しずつ、奮い立つ気持ちが持てている。そんな特別で、誰にでも当てはまる歌。
最後まで柔らかく優しい。だから押し付けられていなくて、そっと差し出されてる。オレに一切の負担なんかかけずに、マーシーがただそこに思いやりで置いていったのかも。
歌から、確実にそこにある希望を感じろ!
晴れない心なんてない。今も未来も大丈夫。
歌詞 : 私は名曲「ホープ」を聴いて体調が良くなっていきました。
日本語の歌詞の中で一番の思いやりがあると感じる瞬間が人生のどこかである人は多いと思います。いつもすべてが上手く行く訳ではないし、いつだって万全な体調とも限らない。
どこかに不具合があって低いテンションの時には必ず「ホープ」を聴いて穏やかな心を取り戻すようにしています。
救われます。癒されます。希望が持てます。
少なくともネガティブは頭の中から静かに消えていきます。良くなっていくのはゆっくり、じょじょに、少しずつです。なだらかな右肩上がり。確かに上がってる感じ。確実に少しだけ離れたところに希望があると信じられる心は持てているいい感じ。
「ホープ」の素敵で素晴らしい特別感。
機械ではない人の心と体にとって、この歌の存在は大きいです。
ラストの3番でも希望をそっと添えて、大きな思いやりをマーシーが差し出していってくれます。
もうここに絶望は存在しない。向こうから近づいてきた柔らかな希望があるだけ。
そんなに頑張らなくても大丈夫。
アウトロでいつまでも希望の音を鳴り響かせるアコギはフェイドアウトします。遠退いて消えるフェイドアウトではなく、だんだん近づいてきてスッと胸の中に入って、自分のものになった着地点の音です。
真島昌利 / Vo
篠原太郎 / AG
白井幹夫 / Pf
大槻敏彦 / Dr
古川英俊 / B
山川のりお / EG
M6「夜空の星くず」
作詞・作曲 真島昌利
マーシーのソロ3枚目のシングル。
最高のロマンチシズムにうっとりする瞬間が素敵すぎて胸にヒビが入るラブソング。
恋をした時、好きにならずにいられない歌。
これ以上のラブソングはありません。恋の気持ちのまま口笛を吹きたくなるロマンチックアレンジ。
イントロのドラムが今から強く熱い恋心を打ち明けることを告げていてトキメキます。
その音の振動、耳への届き方が既にロマンチックが始まっていることを自覚させる。カスタネットか何かの楽器の音も雰囲気を圧倒的なものにしているからドキドキする人はたくさんいると思う。
その後すぐにピアノが、そして特徴的なバンドサウンドが入りキラキラ感が倍増したなと感じたすぐ次の瞬間にはマーシーが歌い出し、恋に落ちます。
ピアノ、エレキ、アコギ、ベース、ドラムの各楽器の音、それぞれのミュージシャンが恋の気持ちで演奏してその音を出しているのが聴こえやすい高音質録音。
本音だけで歌うマーシーのボーカルスタイルは心に刺さらない訳がない。しかも宇宙で一番ロマンチックなことを歌っています。恋に落ちない訳がない。柔らかさはありつつも、特にしっくりくる歌い方です。
恋をしたら、この歌に足りないものなんてない。
そんじょそこらの恋ではない特別な恋をしてしまった間奏では、バイオリンやチェロの弦楽器が夜空を高らかに流れていきます。
サビのロマンチシズム最上級な歌詞は世界で一番クサく、宇宙で一番美しい比喩表現だと感じます。
それをマーシーのしゃがれた声で歌うもんだから、そこらへんでただ流れてるだけの何の変哲もない川が天の川に見えてしまった。
最後の方のメロディに寄り添う「シャララッシャ」と歌うコーラスのハーモニーがやっぱりロマンチックです。
全員の心の中にほうき星が流れます。
アウトロで聴こえてくる口笛は打ち明けた気持ちをきっと叶えてくれる夜空のメロディ。
ドラマチックに締めるフェイドアウトの緩やかさに夜空に散りばめられた星くずを見た。
聴いていて少しだけ自分の中のロマンチシズムが照れ臭いと感じるラブリーな瞬間があります。この歌のそこが好きです。中途半端にやっていないカッコよさ。
私には多くは語れないけど、恋っていいよね。全部がロマンチックに感じるからね。
歌詞の一言一句が名言だと感じるロマンチシズムです。自分が言うにはちょっと照れくさいぐらいが名曲のたたずまいだと感じます。
歌詞 : 歌全体にこんなにもロマンチックな言葉だけ詰め込んだ歌詞を他に知りません。しかも甘いメロディに乗ってます。聴くと心があたたかいし、ちょっと恋の熱っぽい。実は自分も割とロマンチストなんだなと気付いてしまう照れる瞬間。
ちょっと待ってくれよってぐらいには私は照れます。心がズキューンとなっちゃってる。言葉の一つずつが甘く美しい。「天ノ川を 2人で わたりたい」とかシビレる。好きにならずにいられない笑顔の相手と2人でってところがとても好きだ。
そこら辺に落ちてる愛じゃなくて、唯一無二で特別な恋は、2人で楽しみたいって気持ちが何より強いって自分の経験から100%の共感をしました。
甘いね、キレイだね、ロマンチックだね。
真島昌利 / Vo,AG,Per
篠原太郎 / AG,EG,Per,Cho
白井幹夫 / Pf,Glocken
大槻敏彦 / Dr,Per
古川英彦 / B,AG,Cho
篠崎正嗣 / Violin
小池弘之 / Violin
鈴木民雄 / Violin
堀沢真己 / Cello
口笛隊 / 4名
M7「ダイナマイトが150屯」
作詞・関沢新一 作曲・船村徹
一つ目のカバー曲。
男の色気にシビレるロカビリーアレンジ。
男臭い内容と派手な言い回しの歌詞はマーシーのしゃがれた声に鋭く合っています。こういうの似合うなぁ。
という訳で、ビシバシとしたこの歌はパワフルで鋭利です。
ロマンチックな『HAPPY SONGS』の中の熱狂地点。胸の前方にヒビが入る吹き飛ばしソング。
太くギンギンなベースのイントロにただならぬ期待感が高まります。弦を弾いた音まで録音されてる。
それぞれのシャウトと共に激しい演奏開始。
ロカビリーの熱さを感じれない人はいない。
強めに歌うマーシーから胸熱なダイナマイトがぶっ飛んでくる。これは絶対にヤラレると悟ってしまう。
エレキを弾いているのもマーシー本人。すげえすげえ。この人なんでこんなにカッコいいの⁈キンキンにとがってるのに一瞬の滞りもなく滑らかです。マーシーの魂が炸裂するギターソロは興奮しない瞬間なんかない。
感情的に弾くマーシーのギター上手すぎる。
サディスティックな演奏は厚く太く、キンキンに鋭く、興奮した心を刺激します。それに加えロカビリーアレンジ特有の滑らかさまであって、なんだかよくわからないけれど心を鷲掴みにされる瞬間が続きます。
歌詞の強い口調、雑な言葉遣いにそれまでダメになっていた心が自分の軸を取り戻す。
ちょっとどいてろと自分を通したくなる。
至るところでシャウトしまくってる演者たちから尋常じゃないテンションの高さを感じます。
日々の不満をブチ撒けたくなった時のわかりみアレンジで、そんなもん全部吹き飛ばすための強刺激なベストプレイ。
「歌」というダイナマイトがあるかもしれない。それも150屯ぐらいのすごいやつ。
歌詞 : カバー曲なのでマーシーの作詞ではないけど、この言葉遣いと荒さを感じる主張はスカッとするし、マーシーにとても似合います。前の曲で甘〜く大きく美しい恋を歌っておきながら、ここでは恋なんて吹きとばしてるギャップがインパクト大でした。
『HAPPY SONGS』の真ん中辺りに入れるカバー曲としてナイスチョイスでベストチョイスだと感動しました。
クールさがあるのに、反対の激アツな感じもある独特な雰囲気にヤラレます。
真島昌利 / Vo,EG
篠原太郎 / AG,Cho
白井幹夫 / Pf
大槻敏彦 / Dr,Cho
川上剛 / WB,Cho
M8「サンフランシスコの夜はふけて」
作詞・作曲 真島昌利
ヒロトがハーモニカで参加しています。
この曲もベースの音からスタート。ただのベースではありません。ビュンビュン飛ばすロックとロールのベースです。シビレます。
直後にハーモニカ入りのバンドサウンドが入ってロックが突き抜けます。気持ちは高揚感のワクワクに支配されてる。
ロックでガシャガシャしてて伸びやかなエネルギーを放ってるマーシーのボーカルが入ると、ロックンロールの一撃がブッ飛んできます。
なんだかとてもしっくりくる。
明るく賑やかなアレンジは、難しいこと考えてる場合ではないし、どうでもいいことで悩んでる場合でもないと意味もなくサンフランシスコまで走って行きたい気分にしてくれます。
バンドのエネルギーがものすごい。最高潮なテンションを感じる。そこにヒロトまでいるなんて胸熱です。
この曲のギターは全部マーシー。ギターは際立った音で入っていて、オレの普段の低いテンションがどんどん上がるのを実感する。
そんな激しいバンドサウンドに乗っかる興味深い歌詞はすごく頭に入ってきやすい。それ以上に心に届く美しさ。
美しい詩だと感じながら、哲学的な深さまであって聴き逃す訳にはいかないと思わせるほど。むしろ、ロック的と言った方がいいのかもしれない。こういうのってロックだ。
重要なことはやっぱりロマンチックだということ。アレンジや雰囲気、歌の世界観、言葉の端々、バンドが出してる音、ボーカルの端っこの方まで全部がロマンチック。
『HAPPY SONGS』にはロマンチックではない歌は入っていません。
マーシーは嫉妬されるほどのロマンチストですよね。その感性に憧れ、尊敬します。
間奏ではマーシーの強烈なシャウトが聴けます!何度も全開の魂で叫ぶロックのボーカリストでギタリスト。
この曲を録音した時のスタジオは熱気が溢れていたんじゃないかと思った。
この歌に勇気付けられる人はたくさんいるけど、悪い意味で打ちのめされる心なんて一つもない。ビシッとホームランを打ってしまいそうな気分でもある。
激しいってロックだ。
ラストでもマーシーが何度も魂のシャウトします。マーシーが叫ぶ度に嫌な事が一つずつぶっ壊れていくような爽快な気分。
歌詞 : 歌い出しがすごいパワーを放って心に突っ込んできました。マーシーのしゃがれた歌声で強烈です。
むろん、オレの体と心も揺さぶられた。
これマーシーだなとすぐ分かる言葉の使い方と個性的な言い回しで、すぐに、でもずーっと記憶に残った2番の歌詞。哲学的な深い意味なんかを感じます。
子供の頃は分かりやすかったと私の記憶や経験も同感です。その後、どうでもいいこと深く考えすぎてやしないか?と自問自答。それらはもっと単純に簡単に考えるべきだと自分なりの答えも出ました。
ロックは不快なものなんかではなくて、何かをいい方向に変えるパワーがあります。
ただ、ロックにだまされる健やかな心が必要かもしれません。
真島昌利 / Vo,EG,Per,Harp
篠原太郎 / B
白井幹夫 / Pf,Org
大槻敏彦 / Dr
甲本ヒロト / Harp
M9「とても寒い日」
作詞・作曲 真島昌利
マーシー「次は、あんまり働いていなかった頃に作った歌をやります。」
うん、これは絶対オレにアピールしてるなと思いました。
冬のあたたかさ。
気分を落ち着かせるゆったりテンポ。
健康で穏やかな心が手に入りそうな柔らかアレンジ。
私のようなインドア派にはぴったりな、決して外には出ないダラダラ感が魅力です。
冬のアルバムを象徴する冷たい寒さと、ぬくぬくする幸せを感じるあったかソング。
イントロはブルースで聴くようなアコギの音がするなぁと思っていたらブルースギタリストの内田勘太郎さんでした。しみじみとした風情。いわゆる“趣がある”ぬくぬくした音が聴けます。
余裕を持ってゆったりと歌い出すマーシーは柔らかいメロディに「とても寒い日〜♪」と言葉を乗せるけど、冬の寒さというよりもあたたかさを感じさせます。
バッキングのアコギ、ベース、ピアノ、ドラムもふんわりとした柔らかさがあって日常のストレスを緩和してくれます。
歌に身をゆだねる、心をゆだねると布団に入った時の安心感に似た幸せに包まれます。
誰もが今日はインドアで過ごしたくなる心地よさが特徴です。
歌詞では外は確実に雪が降ってます。なのにこの歌は凍えていません。聴くだけで健康になりそうなあったかさだけがあります。
雪が降って寒いから予定は全部キャンセルして布団にもぐるとか、世の中は動いているけど自分は寝てるとか、友達は働いているけど自分はそうではないとかこのダラダラ感に共感します。
人間ってそれでいいんじゃないのかと思いました。素晴らしいです。そういうの好き。
部屋でダラけているのは、外は雪が降って寒いからという理由のみ。
多分みんな働き過ぎだよ。働かなくていい世界、早くやってこい。そして頑張らず、ダラダラしながら『HAPPY SONGS』を聴いていよう。楽しいよ。
毎日の忙しなさを忘れさせる4分20秒。
冬に布団に入ったぬくもりの中で、小さめのスピーカーで聴くのがいいかもしれない。
歌詞 : 1番から幸せなあったかさが溢れています。外の冷たさと布団の中の温もりをダイレクトに感じます。決して投げ出す訳ではないけど、今日は頑張るとかやめようという心地いい気持ちになってきました。
あんまり働いていない自分と常に動いている世の中のギャップに罪悪感を抱いている訳ではない自己肯定的なダラダラ感だと思った。
ずっと100%でやるのは人間には無理だ。この歌のようなダラダラした感じが、人生の半分は必要だよなと、働くの嫌いなオレの心は確信した。
ともかく、忙しない気分が続いてしまっているのはよくないです。ダラダラしよう。
真島昌利 / Vo,AG
篠原太郎 / B,Cho
白井幹夫 / Pf
大槻敏彦 / Dr
内田勘太郎 / AG
M10「2人でいれば」
作詞・作曲 真島昌利
スローテンポが続きます。
ロックではなく、ボーカル入りの落ち着いたジャズのニュアンスに近いです。
メロウな音がここにある。
キレイな音の2本のアコギとパーカッション。美しいなって思わせるのんびりテンポ。
低めの声で歌うマーシーは一人ぼっちの時の心の弱さまで表現し切ってます。「君」といる時の心の強さも歌い切ってます。
ここまでスローなテンポで歌うマーシーの歌はレアな気がします。キンキンしていない地声に近い感じです。
それがふんわりした感触で心に触ってくる。
心の中にある本音を伝える歌詞が、自分の中の弱い部分である「不安」と、2人でいる時のみんな大丈夫と思える「安心」が、心の深いところに刺さります。
「君」という相手があってのラブソング。
“2人でいれば”ってフレーズすごく好きです。半人前が2人いれば一人前になるし。楽しさは2倍。幸せな気持ち。オレにはその感覚があってとても分かりやすかったです。
間奏から入るアルトサックスが曲の美味しいところを持っていった。内側で高まっていた「君」への気持ちを外側にまで溢れさせたように聴こえる。
マーシーのボーカルと共にサックスが一筋で揺るぎない恋心を歌ってる。
ただのイメージだけど、この歌から感じる私にとってすごく好ましいこと。大きくガハハと笑わずに、小さくニコッと微笑んでる感じがいい。大袈裟でなく、大雑把でもなく細やかで繊細な美しさがあると思います。
この歌で気付く「君」の大切さと、自分の恋心の強さもあると思います。
素敵なロマンチック仕様だな。
2人でいたくなった。その心はとても正直。
歌詞 : 『HAPPY SONGS』で一番短いです。
1番と2番の、1人ぼっちと2人でいる時の気持ちの違いの大きさに共感します。正反対です。こういうことはきっと誰にでもあって分かりやすい心の中の言葉だと感じました。
当たり前だけど、その気持ちを知っている人でなければ表現できない歌詞です。それで、どっかに弱さを感じる部分に自分の心がすごく同調してしまう。
なんだか聞き流せない歌です。
いつも心が聴いています。
真島昌利 / Vo,AG
篠原太郎 / AG
白井幹夫 / Org,Vibraphon
大槻敏彦 / Per
早坂紗知 / A-Sax
M11「ガソリンアレイ」
作詞・作曲 Rod Stewart , Ron Wood
日本語詩 浅川マキ
アルバムで2つ目のカバー曲。
マーシーに似合いすぎたカバー曲。オリジナルかと思ってしまう違和感のなさです。
浅川マキさんによる日本語詩は遠くに微かな希望が見えます。それをマーシーが歌いギターを弾いたらロックのパワーを持って、強い希望になりました。
この歌はキラキラした力強い音がします。
眩しいとさえ感じる光と太々しいほどの力感を持ってマーシーのアコギが鳴り響きます。そのすぐ後ハッキリと主張した音で滑らかなエレキが入ってイントロだけですごく感じる1秒後の希望。
力強く歌い出すマーシーには過ぎた時間の後悔なんて一切感じられない。曖昧さのないしゃがれた歌声に心を奪われます。
2番で輝きながら入るバンド全体の音。高揚感が一気に上がる。サビでは更に広がるバンドサウンド。数秒後には自分にも訪れそうな希望を掴みかけてしまう。
ロックと同時にロールがある。心を揺さぶられるのはロックがあるだけじゃなく、この曲のように気持ちよく転がってると感じた時。
弱音を歌っている歌詞さえパワーがある。マーシーの炸裂する魂の凄みに、それまでネガティブでダメだったオレの心が救われ奮起する瞬間があります。
ロッド・スチュワートのオリジナルを聴いたことがあるためか、なんか懐かしさも感じています。マーシーが歌った日本語詩がそう感じさせる歌なのかも。古いイギリスの空気が体に触ってるような感覚。
ラストでヤケクソ気味に歌いシャウトするマーシーは憧れの人物そのものでした。
歌詞もそうだけど、音がハッキリしてる。この感じはこの人たちにしか出せない音だと思った。こういう神がかった瞬間が好きだ。
迷いがない、後悔もない、強い意志がある。
後悔してない生き様を見せつけるとか、なんてロマンチックなんだ。
歌詞 : 浅川マキさんの歌詞で、どちらかというとネガティブな印象を受ける感情を歌っています。だけどマーシーの魂全開の声で歌った場合、ネガティブなんてどこにも感じないのが不思議です。むしろ立ち向かう強さがビンビンに伝わってきます。
決心してる感じがロックンロールだなって思います。マーシーの歌声の場合には絶対に帰ります。人間には必ず弱さもあるけど、ネガティブを蹴っ飛ばしながら目的地しか見ていない凄まじさ。
そんな『HAPPY SONGS』仕様の「ガソリンアレイ」に心を撃ち抜かれました。
真島昌利 / Vo,AG
篠原太郎 / B
白井幹夫 / Pf
大槻敏彦 / Dr
山川のりお / EG
M12「HAPPY SONG」
作詞・作曲 真島昌利
ネガティブな心を軽〜くぶっ飛ばす日本を代表するスーパーポジティブ。
これ以上の楽観的思考はない。
忙しい日本人全員が聴くべき楽観主義ソングのナンバーワン。
世間体より大事なことはたくさんある。世間体を気にするなんて浅はかすぎたことを誰もが実感するぶっちぎりの酔っ払い登場。
これは、、、
なんだ、ただの神か。
イントロのピアノの音から既にただならぬ呑気な感じ。ピアノのすぐ後に入るバイオリンの音が、手にビールを持ってる素晴らしいダメっぷりを演出してる。
同時に入るギター、ベース、ドラムが奏でているのも深刻な顔なんかしてない陽気なリズム。このリズムは今すぐ酔っ払うためのアルコール入りで、のほほんとしてます。
力を入れすぎずにマーシーが歌うのは心を自由にする楽観的思考のみ。それだけでなく未来にもまだまだお楽しみがあると最高にポジティブな気持ちまで与えてくれる。
なんだか今すぐ酔っ払うべきだと思った。
幸せな今がそのまんま未来になるんだなと明るい気分と思考になれます。今がダメなら未来もそのまんまダメなんだなと今楽しむことの大切に気付きます。
この歌にはタリラリラーンなパワーがある。この曲「HAPPY SONG」を聴いて、まだ気楽にやろうと思えない人はあんまりいない。
ひとまず力を抜こう。
すべての人の心を軽くする。
ひたすらタリラリラーンだけがある。
バンド全員がすげえ楽しそうだ。誰でも分かるそんな音が出ちゃってる。いい感じに力が抜けてるのも伝わってくる。コーラスのとことん陽気な感じも、何も悩んでないし世間体も気にしていない人たちの歌声に聴こえる。
そのバンドの真ん中にマーシーがいて、アコギを弾きながら笑顔で誰よりも呑気に歌う姿が見えます。
私が初めて聴いたのは中学生の頃だったと思うけど、その時は衝撃的にダメな大人の歌だと子供の心は勘違いしました。しかし40代の真ん中になった今聴くとまったく逆の素敵な大人の歌に聴こえます。
例えるなら「こんにちは、いつもステキな高田純次です」みたいな、テキトー男のカッコ良さにも似てる。高田純次に憧れています。
世間体、一般的、人並みなんかのどうでもいいことにしがらみを感じてしまうのは不幸です。そんなもの余裕でぶっ飛ばすこの歌に軌道修正される人生は割とあると思います。
結論としては、あの時に感じたこの歌のダメっぷりは、悪いことではない素晴らしいダメっぷりでした。それは幸せという意味です。
楽観的な考え方は、どこまでも不親切な世間体なんかよりも超重要なんだと今になって分かったような気がします。
音楽を聴いて心がスッと軽くなる。
これってすごくHAPPYなことですね。
歌詞 : 強烈です。衝撃的です。憧れます。いや、オレもこれをやろう。この自己肯定的かつ自己重要的な神は人間そのものだ。間違っても自己嫌悪が入ってくる隙などどこにもない。素晴らしいと思います。
今まで生きてこういうことは誰も教えてくれなかったけど、超重要なことじゃんと気付けたのがよかったです。決して“人並み”が正しい訳ではない。そんなもの目指さない。
すべての憂鬱やしがらみをブッ飛ばすお調子者な体調とすこぶる正しいお気楽、そして揺るぎないタリラリラーン。
まだ悩むのか?そんなに自分てダメなのか?
人と違うのは悪いことなのか?
そんなことはない!それでいいのだ。
さあ もう タリラリラーン。
バランス取ってる場合じゃねえ。人に気を遣いすぎてる場合でもねえ。
自分のHAPPYを確かめに行くべきだ。
HAPPY SONGを歌いながら気楽にやろう。
真島昌利 / Vo,AG,Per
篠原太郎 / Per,Cho
白井幹夫 / Pf,ヨサク,Cho
大槻敏彦 / Dr,Cho
古川英俊 / B,Cho,Per
山川のりお / EG,Cho
篠崎正嗣 / Violin
アナログ盤もまだ買えます↓
誰のためかも分からない“ちゃんとする”とかがバカバカしく思えて、昼間っから酔っ払いたくなり、『HAPPY SONGS』のロマンチックな音楽に照れつつ、すっかりHAPPYな気分になったところで2ndアルバムはおしまいです。
自分が世界一のロマンチストになったような気がします。いいと思います。いいです。
これロマンチックすぎて、、、
もう、胸にヒビが入ってる。
幸せな気分になれる歌がたくさん入った世界に1枚しかない『真島昌利/HAPPY SONGS』というアルバムはすごくロマンチックでした。恋心も希望も楽観的思考も感じました。
このあとすぐに奇跡さえも起きるんじゃないかと思えてきます。
12曲の衝撃的なロマンチシズムに既にヒビが入ってしまった胸は、そういうことも信じられる情熱的かつ浪漫的で、現実を余裕で超えています。
優しくて、いつも素敵なアルバムだなぁ。
視聴1回目より100回目とかの方がマーシーの深い思いやりを強く実感できました。
だんだん好きになっていくんだ。
ゆっくり じょじょに 少しずつ。
気付いた時にはロマンチックが止まらない。
私は知りませんでしたが、当時こういうプレゼントフェアとかあったんですね。とても興味深いです。ハッキリ言って欲しいです。
サイン入り・バンダナいいな、、、
どういうデザインだったんだろう。
ありがとうございました。
また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。
※真島昌利の音楽はサブスクにはありません