こんにちは。
『LUCKY&HEAVEN』は2017年リリースのザ・クロマニヨンズの11枚目のアルバムです。
これまでよりミディアム・テンポの曲が多いのが特徴。
決して勢いがなくなった訳ではなく、むしろ心へ直撃する熱い瞬間が爆増した作品。
心の名盤:全曲レビューです。
皆様どうぞ最後までよろしくお願い致します。
マーシー 「バカみたいに聞こえるかもしれないけど、ロックンロールになりたかったんです。」
ヒロト 「ここ数年で、その“楽しい”に“確かさ”が生まれてる気がする。」
マーシーもヒロトも余計なことは話さないけど、発言のほとんどが名言になります。
誰か特定の人ではなくロックンロールになりたかったとは、とても共感してしまいますし本気で言っているから心に刺さりました。
The Cro-Magnons/LUCKY & HEAVEN (2017)
LUCKY & HEAVEN (ラッキー&ヘブン)は、前作『BIMBOROLL』から1年後に発売された11枚目のアルバムです。
2017年10月11日発売。
他のアルバムとは異なる聴き心地が魅力。
それはクロマニヨンズが得意なアップテンポの曲はもちろんありつつ…
全体的にこれまでと比べて、効果的なテンポダウンをしたことにより面白いと感じる楽曲、グッと来てる瞬間が増えたこと。
新しい魅力、初めての感覚が楽しめる。
クロマニヨンズが私の凝り固まっていた心のガードをスッと外します。
11作目、そういう名盤。
“いいアルバムだな”というのが素直な感想。
クロマニヨンズのCDはレコードを録音した音だった
いつもクロマニヨンズのCDを聴いていると、レコードによくありがちな歪みっぽさをたまに感じていました。
それとCDなのにCDの絶対に間違わないルールのもとに成り立っているような音とは違った人の体温のある音だと気付き、レコードが好きな私はいつもクロマニヨンズの音を求めていたのです。
これってレコードみたいだなと、クロマニヨンズのCDの音をとても気に入っていました。
本作リリースよりもかなり前、何作も前に本人たちのコメントで明かされた事実なのですが、彼らのCDはレコードの音です。
クロマニヨンズのCDはレコードから丁寧な盤起こしをした特別な音のする独創的なものでした。
いわゆる「盤起こし」というやつです。
・マスターテープはCDには使わない
・レコードから録音したものをCDにする
CDを作る時はレコードのプチっというノイズなどが入らないように何回もやってもらうらしいです。
私はそこがすごく気になっていました。
盤起こししたというCDを聴いていても一度もパチっとノイズが入らないので、高級な機材などを使っているのかと思っていました。
実際にはそうではなく、エンジニアの人にノイズが入らないように何度もやってもらうとヒロトがラジオで言ってました。
相当な手間のかかったCDということ。
ザ・クロマニヨンズは、今も「レコードを作ろう」と言ってアルバムを作っているのです。

曲順はiTunesが決めてるらしい
アルバムの曲順をどうするかは“iTunes”のシャッフルに決めてもらうということです。
一応みんなで話し合ったりもするらしい。
・曲順が一番難しい
・考えたりするほど底なし
全曲が出来た後、iTunesにシャッフルさせて偶然いいのを出してきたら「よくやった!」と採用するということで、いいのが出るまで何回もやるそうです。
意地でも自分では考えない。
考えるより感じ方を優先しているのだと思う。
毎回とても心地よい曲順でアルバムを聴かせてくれます。私はその曲順に感動することもよくあります。
各曲にインパクトがあるからなのか、今回は特に曲順が覚えやすい。
『LUCKY & HEAVEN』収録曲
1. デカしていこう
2. 流れ弾
3. どん底
4. 足のはやい無口な女子
5. ハッセンハッピャク
6. 嗚呼! もう夏は!
7. 盆踊り
8. ユウマヅメ
9. ルンダナベイビー
10. ワンゴー
11. ジャッカル
12. 散歩
全編モノラル、全12曲39分。
レコーディング期間は2週間くらい。
ヒロト、マーシー2人の手応えは最高だと断言された今回の『LUCKY & HEAVEN』です。
いつもよりミディアム・テンポの曲が大胆に増えました。
アルバムを作る時はなんにも思わないし狙って目指すものがないとのこと。
ヒロト 「“おんどりゃー! やったるでー! わーっ!”っていう曲の割合が少ないとは思います。今までのアルバムと比べて。」
マーシー 「アルバム用に作るわけじゃなくて日々作ってる曲の中から。」
アルバムのために新しく曲を作るってことはないとマーシーは語っていました。
そのようにして作られたアルバムはいつも私の心に刺さり、その興奮と感動以外のどうでもいいことは今この瞬間、すべて自分の中から消え失せて幸せな気分にさせてくれます。
新曲をバンドで「せーの!」でやった時に「うわっ、なんかカッコいいじゃん」ってなってればそれでいいという発言も、やっぱりマーシーらしいしクロマニヨンズの魅力。
本作のミディアムテンポは魅惑です。

本作もいい感じに肩の力を抜いている印象を受け、味わいのあるアルバムだと感じます。
とことん明るい歌、ブルージーに響く歌、歌謡曲風のコーラス、男の色気がシビレるコーラス、それまでなかったタイプのフォークブルース調などいつも通り聴きどころや感動ポイントが溢れてます。
今この瞬間、クロマニヨンズの興奮と感動に心のすべてを奪われてるこの感じ、最高!
いつもですが、今回も独創的で個性的なコーラスが心に残ります。
それぞれの歌詞のパワーワードも、メロディの親しみやすさも、12通りのロックンロールアレンジのどれにも際立つエンタメ性。
4人の鋭い直感や研ぎ澄まされたセンス。
磨き抜いた個性とわかりやすい大衆性の両立。
はっきりとユニークなクロマニヨンズにしか作れないアルバム。
彼らの曲作りの感性やセンスの並外れっぷりをとことん楽しませてくれる。
このアルバムに平凡な瞬間は一切なし。
アルバムタイトルに意味なんかは特になく、間の“&”が先にあって単語を出し合って雑に話をしてたらできた、みたいです。
“ラッキー”も“ヘブン”も文句付けようがなくてなんかいいとヒロト。
明るく楽しい気持ちになれるタイトルで私は大好きです。聴きたいと思わせます。

シングル曲は16枚目のシングル「どん底」が収録されています。
2017年8月30日リリース。
いつも通りCDと7インチアナログ盤が同時発売されました。
初回限定盤CDは紙ジャケット仕様。
アナログ盤は完全生産限定盤で既に完売。
カップリングにはヒロト作のアップテンポでノリノリなロックンロール「ぼー」が収録されました。
言葉に強いインパクトがあったり、ギターがノコギリのような音を出したりぶっちぎりのエンタメ性ありです。
本作『LUCKY & HEAVEN』には未収録。
2017年、11thアルバム『LUCKY&HEAVEN』発売当時、CDとアナログ盤が同時リリースされました。
CDの初回限定盤は紙ジャケット仕様。
限定生産だったアナログ盤は既に完売。
レコードジャケットはいつものカッコよくてつい集めたくなる「60年代E式フリップバック」仕様。
手に持つとズッシリとしてる180g重量盤。
レコードラックにクロマニヨンズの全部のアルバムが並んでいる背表紙を見ると、毎日ただならぬオーラを放っています。
CDの方もやっぱり壮観。レコードの背表紙よりも文字が大きくて見やすく、それぞれのアルバムやシングルがCDラックの中から私に存在をアピールしています。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
クロマニヨンズ11作目、幸福感があって不幸やネガティブは一切なし。
心をギュッと掴まれたり不安が笑顔に変わったり、胸がキュッとなったりキュンキュンしたり忙しい39分間。
私は魅惑のミディアムテンポにただならない親しみを感じる。
急に来るアップテンポは常識を逸脱した勢い。
ロックンロール12曲、全曲名曲です。
オーライ!ロッケンロー!!
M1「デカしていこう」
作詞・作曲/真島昌利
アンチなんかぶっ飛ばす超直向きソング。
決定的な誠実さが魅力。
ロックンロールが心へ突き刺さってくる特別な感覚が特徴。
ギンギンな聴きごたえのロックアレンジ。
とは言え、飛ばしすぎない誠実なテンポ。
マイナーキーが誤魔化しを暴き出すメロディ。
私が言いたいことを代弁してくれる歌詞にはお礼を申し上げたいぐらい。
11thアルバム!始まった途端の衝撃!
イントロで出てきた音はこれまでのアルバムの勢いやイメージをいい意味で裏切ってくれたマイナー調で独特のサウンド。
とは言え、切れ味の鋭い演奏なのは確か。
正々堂々とヒロトが歌い出した。
真っ向勝負という言葉がピタッとハマる歌心。
マーシーのカッティングギターの冴えっぷりは、反則級。
ギターの音がいつもより渋くキレッキレで、私は何の抵抗もなくスルッと惚れちゃったから困ったもんだ。
音にシビレるのと同時に、マーシー節が炸裂した歌詞に心がスカッとしてる自分がいる。
私の言いたいことを私の代わりにデッカい声で言ってくれるクロマニヨンズのカッコよさに感動します。
トチ狂ったような音圧で衝撃を放っているのがコビーのベースとカツジのドラム。
スピーカーの前に手を出すと衝撃波に触れる。
“ズンタタッタ”という擬音が心の根底を刺激するリズミカルなBメロへ。
Bメロには渋めのコーラス入り。
ここでもマーシーのギターの切れ味は最高であり、歪み加減も絶妙なロックサウンド。
非常に哲学的な深みを感じるサビ。
サビは一つずつの言葉を際立たせる滑らかなアレンジで余計に印象的。
激しいシャウトと同時に心を動かす間奏へ。
マーシーが嘘偽りのないメロディを感情的に弾くギターソロが最強にギンギンだ。
装飾のないそのまんまの音が沁みる。
ハッキリ言って目の前の現実だと勘違いする危険な音が出てる。
そこにマーシーがいる。またはロックンロールの録音現場に自分がいる感じ。
こんなにも鮮烈な音どうやって録ったんだ⁈
ソロを弾き切った直後、マーシーのブッ飛びピックスクラッチが炸裂して私の気持ちは前向き&上向き全開に。
間奏後の後半も並外れの誠実さと直向きさを持ったままズンタタッタと突っ走ってく。
クロマニヨンズには不正や隠し事がない。
アルバム1曲目から、、
心の真ん中に突き刺さったロックンロール。
歌詞:決定的な正直者の生き様。
曲がったことでしか承認欲求を満たせないような弱者はきっと恐れをなして逃げていく。
歌詞としては短いけど、内容は深い。
サビの何も持たずに来たんだから何も持たずに去ってくのがいいとかもはや哲学的です。
この歌の言葉にはいちいちグッとくる。
M2「流れ弾」
作詞・作曲/甲本ヒロト
私を救おうとするとてつもなく深い愛情に満ちたロックンロール。
どの瞬間も心へブッ刺さる胸熱ポイント。
勢いはありつつ1人も置いてけぼりにしない優しいアップテンポ。
不安が安心に逆転する光のロックアレンジ。
さっきまで泣きそうになっていた心が思わず立ち上がる直球のメロディ。
聴いた人を必ず救おうとする歌詞。
この歌に心がピクリとも動かない人はあんまりいません。
何かの警報か、今からすごい事が起こる合図のようなギターが長めに鳴り響くイントロ。
クヨクヨしていた人生の終わりを告げてる。
歌い始めたヒロトに感じたのは慈悲深さ。
歌声や歌心はスッと安心しちゃうくらい柔らかく、思いやりの限界なんかない程に深い。
これ、ごく普通の人には絶対出来ない救いをブチかまそうとしてる。
他のバンドと決定的に違うのはリアリティ。
Bメロの“だから 汚すなよ その手 汚すなよ”という歌詞のヒロトの歌い方には裏心なんか一切なし。
その直後に「チャチャッチャー!」と鳴らすギターの音がすごく慈悲深くて心に沁みます。
マーシーが少し体勢を低くしてリズミカルにギターを弾いている姿が目に浮かんだ。
この人たちって演技とかでなく本物だ。
世界で一番の慈悲深さを持つ流れ弾が夜空に降るサビ。華やかな聴きごたえ。
奇跡的にばっちりハマってるコーラス。
間奏ではマーシーが激情をブッ込んでくる。
真っ直ぐな強さ、明るいサウンドで感動的なメロディを奏でるギターソロは今日を生きるエネルギーになる。
これを聴いて前を向いた心には今日を諦める言い訳などなし。
曲後半もクロマニヨンズは誰一人として見捨てない勇ましさでぶっ飛ばしてく。
アウトロに響くギターは、もしかしたら止まっていた世界を動かすサイレンかも。
「流れ弾」は優しいのではない、私の心のネガティブを代わりに全部引き受けてくれる思いやりが深すぎる歌。
このロックンロールに救えない心はない。
私は「心配すんなよ、安心しろよ」とクロマニヨンズに言われたのです。
歌詞:常識では考えられない与える人。
ギブ&テイクなど求めていない。ギブのみ。
そこら辺にいくらでも落ちてる“優しい”とは違います。無意味な自己犠牲とも違う強さ。
自分以外の誰かの心まで引き受けるというのは簡単に出来ることではありません。
私はこの歌詞で本物の慈悲や深い思いやりを感じてしまった。
魅力はヒロトが私を救ってくれる思いやり。
M3「どん底」
作詞・作曲/真島昌利
クロマニヨンズの16枚目のシングル。
心のネガティブを、ピカピカのポジティブへ100%覆す名曲。
這い上がるためのパワーソング。
作者であるマーシーが本当にどん底を経験したからこそ私に力を与えるロックンロール。
何度でも立ち上がれそうなアップテンポ。
私に希望を与える上機嫌なアレンジ。
根底が力強く揺るぎないメロディ。
マーシーも自分と似たようなどん底を経験したんだなと分かる歌詞。
特大のリアリティを含みます。
特徴と魅力は、最大級のポジティブです。
イントロなし。
伴奏もなしでいきなりヒロトがサビの名フレーズを手拍子に合わせて歌い始める。
ヒロトの力強い歌声に気分は急に爆上がり。
ライブでやると会場が一体となり盛り上がるロックンロールの名場面。
歪むギター、唸るベース、破壊力のあるドラムが加わるAメロへ入り一気に勢い噴出。
勢いをまとったクロマニヨンズに倒せない敵なんかいない。
爆発的な積極性や突破する明るさを感じる。
実は、ギターの一音目を鳴らすと同時に足を蹴り上げるマーシーをイメージの中で見た。
疾走感を携えた親しみやすいメロディ。
一つはっきりしたのは、私だってこのままでは終わる訳にはいかないってこと。
Bメロにはこの歌が作り話でない確証あり。
落ち込んでいる心へ寄り添うメロディと、歌詞が実感させたマーシーのリアリティ。
私もどん底ではじたばたしてたし、どたばたしてたし、てんやわんやだった。
これからもどん底はあるかもしれないけど、そこからブチ上げてくれるこのロックンロールがあれば必ず乗り越えられる。
手を抜くんじゃなくて力を抜くんだ。
歌詞のパワーワードと頑丈なメロディに誰もが今より上に這い上がっていくサビ。
3番目のAメロの後の間奏は、堅実な印象を受けるギターソロ。
直向きに先へと突き進むギターのメロディ。
マーシーが思いっきり感情的に弾くから、凄まじき生音感をぶっ放した豪快な音が出る。
間奏のラスト部分、心をどん底から救い上げるピックスクラッチの炸裂音が飛ぶ。
これ以上のポジティブソングはありません。
私への激励ソングであり、一切の否定はせず応援だけしてくれる。
地球に必要なロックンロール。
歌詞:どん底から上がるための勇気の言葉。
本当にどうしようもないどん底を経験していないと語れない内容です。
“どん底だから あがるだけ”と断言してるこの言葉を誰もが信じ、自分を信じて這い上がるのだと思います。
必ず、今生きてやると奮起できるのが魅力。
太陽が燦々と輝く2番は、ポジティブによく晴れた明るい空が見えて元気になる。
眩しい太陽に大きな希望を感じます。
「どん底」がシングルになった理由は
マーシー 「まぁ、何となくですね。」
やっぱりそうでした。アルバムを象徴しているとかもないと。しかもそれは1曲もないとヒロトが言ってました。全部好きになってもらえたら一番嬉しいということです。
私全部好きになりました。
M4「足のはやい無口な女子」
作詞・作曲/真島昌利
4曲目、インパクト絶大。
初恋へ思いを馳せてしまう胸キュンソング。
こういう女子いたよねと多くの人が共感できるのが魅力。マーシーの細やかな感性爆発。
タイトルが既にそれを語ってもいます。
魅惑のムード歌謡アレンジ。
ノスタルジックなミディアムテンポ。
ただならぬ雰囲気を醸し出したメロディ。
可愛げがあり自分まで子供の頃の小さな恋に黄昏てしまう歌詞。
コーラスがわかりやすくムード歌謡風であるのが特徴で、ものすごく印象的です。メインボーカルより心に残る場合もあるかも⁈
人を楽しませるのがクロマニヨンズ。
一音目からノスタルジックな世界が目の前に広がるイントロ。
ロックンロールの魔法がかかる。
ゆったりしたテンポで奏でるギターのメロディが時間を巻き戻していく感覚なのです。
並外れに感情を込めて歌うヒロト。
歌への姿勢が子供心だから私の心が動いた。
2番からは例のハイセンスな上に神がかったコーラス入り。
勢いは抑え気味の曲だけど、コーラスは絶対に楽しんでやっているからバンドのテンションの高さを感じます。
クロマニヨンズの遊び心でしか出来ない特別に上手なコーラス。
それが本気だから本物のムードまである。
クロマニヨンズはいつも全力でやっているから私の心を掴むんだな。インパクト特大。
次のメロディでは哀愁まで漂わす。
心を込めて曲の世界そのままを歌うヒロト。
高いキーと低いキーを使いこなすコーラスが朗々と鳴ってノスタルジーを際立たせる。
哀愁のメロディに乗ったキュッとなる歌詞。
この女子の今現在が気になってしまって、私までなんだか切なくなって興味深い。
歌に感化されたのか、更にはスピーカーまでちょっとセンチな音を出しちゃって…
ギターソロなどはなし。
ラストに「ルルル」で歌うメインのメロディには、現在を生きる自分が前に進んでいく強さを感じた。とは言え、魔法は解けていない。
エンタメ性が非常に高く何度聴いても楽しい。
どんだけ私を楽しませるんだ。
歌詞:可愛げのある胸キュンストーリー。
私のイメージでは小学校なんだけど、その頃のマーシーの心に焼き付いた思い出。
これは小さな恋だろう、オレにはわかる。
言葉からは恋心が芽生えかけているような気持ちを感じてほっこり。
歌詞は短いけど、極めて細やかな部分までも伝わってくるのが魅力です。
ムード歌謡のようなコーラスについて
マーシー「ピンキーとキラーズです。」
意図的に、自然にということです。コーラスしている時は楽しかったそうで、聴くと笑顔が浮かんできます。私も楽しい。
マーシー「半端にやるよりはいいじゃないですか。」
だから心に刺さるし、いつまでも心に残るんだと思いました。
M5「ハッセンハッピャク」
作詞・作曲/甲本ヒロト
5曲目でなんか強烈なのがブッ込まれる。
一音目が鳴った瞬間からきっと普通じゃない何かをやってくれるという期待で溢れます。
極端な勇ましさのあるマイナー基調アレンジ。
駆け足まではいかない、胸を張ってビシッと歩く時の速すぎないテンポ。
刺激的な重みを感じるメロディ。
想像力を掻き立てる歌詞。
極めて独自性の高いロックンロール爆誕。
イントロ、明るくはない暗めのカッティングギターの音が早速ただならない。
度を超えて鋭く、最高にリズミカル。
このギターがAメロでも基本のリズム。
すぐにヒロトが分かりやすい歌心で、難解な内容を歌う。だから私の想像力の出番。
コーラスが全部「ハッセンハッピャク」だけというゴリ押し感に、ロックンロールの頑固さを感じる。
質問への回答はドヤ顔で間違えてるし。
この訳のわからない面白さこそ「ハッセンハッピャク」の魅力なのだと思った。
2番まで演奏すると急にギターソロ。
マーシーのギターの歌心が突出したブルージーなメロディと響き。耳触りの渋さが特徴。
芸術的なチョーキングがキマりまくってる。
私は心を奪われながら、今回ギターソロ多くないか⁈なんて感じてる。
マーシー珍しく我慢できなくなったのか?
もっとやってほしい!!
間奏後の3番はとんでもない衝撃。
ヒロトが“1ドルなんぼ”や“1+1=?”などと問いかけを歌い、マーシーたちが最初から歌ってるあのコーラスで答える。
絶対に曲がらない「ハッセンハッピャク」
一般的にはすべて間違っている「ハッセンハッピャク」という答え。何の躊躇もなくそう答える自信げな態度に度肝を抜かれた。
“8000+800=?”と最後の計算だけ合ってるのがなんともクロマニヨンズらしい。
このセンスはやはり「人並み」とはかけ離れてる。だから沢山の人たちを楽しませてるんだと思いました。
本当の意味は分からなかったけど、ロックンロールの貫徹力をはっきり感じた。
歌詞:よく分からないけど「ハッセンハッピャク」というパワーワードの威力炸裂。
限りなくヒロトの独自路線。
カタカナで主張しまくる「ハッセンハッピャク」という単語の響きが頭から離れない。
そしてよく分からないのはその強烈な言葉が一体何を指しているのか。
実は私は意味なんてないと思っていた…
タイトルの“ハッセンハッピャク”にはどんな意味があるのか⁈
ヒロト「(意味は)あります。でもそれはみんなが好きに受け取ればいいし、別に考えることでもないです。」
すべてを語らない美しさを感じました。それに私が好きに受け取っていいという思いやりが最高です。
別に「??」なままでもいいと、鈍感な私への優しさも溢れています。よかったです。
M6「嗚呼! もう夏は!」
作詞・作曲/甲本ヒロト
前の曲の音の流れを汲むマイナー調がそのまま来るので、極自然に繋がる心地よさ。
轟音ベースが鳴り響くミディアムテンポ。
深みのある黄昏アレンジ。
思いを馳せる夏休みメロディ。
懐かしい夏を思い出させる歌詞。
またしてもイントロにて衝撃サウンド爆発。
聴覚を思いっきり刺激するのは、図太く分厚く極めて低く轟くコビーのベース。
黒くて厚い雲が迫ってきてるイメージ。
マーシーは抑え気味のテンションでメロディを弾く、カツジは暴走しない鉄壁のリズム。
絶妙な重みのある歌を披露するヒロト。
突っ走らないボーカルスタイルが、この曲で表現したいことそのまんま。
4人の研ぎ澄まされた演奏に迫力がある。
アレンジや音から連想するのはキラキラした明るい夏空というより、夏の曇り空。
抑え気味のAメロに対し、Bメロ〜サビでは歪むエレキが高らかに響いて感慨深い。
曇り空の隙間から光が差して降り注ぐ感じ。
サビの「嗚呼!」の部分に入る強めのコーラスが、暑い夏でも私に行動するためのパワーを補充してくれる。
ガス欠無縁のロックンロールサウンド。
続いて「もう夏は!」と歌うヒロトの猛々しさには、真っ盛りの夏を乗り越えられそうなエネルギーが満タンに。
音楽で元気出ちゃうクロマニヨンスタイル。
なんとなくこの曲にはないのかと思っていたら興味津々のギターソロがあって感激。
無駄な勢いは排除した独特の演奏。キンキンな音で冴え渡ったチョーキングが唸ります。それで私には回想的なフレーズに聴こえる。
鋭くもノスタルジックな気持ちになるサウンドで心に残ります。
やっぱり今回マーシーやる気になってない⁈
自分の子供の頃の夏休みを思い出しつつも、現在の自分へ夏を乗り切るパワーがぶち込まれる歌だった。
特に奥行きのあるコビーの轟音ベースに懐かしの夏空を見た。
歌詞:夏休みならではの小さなイベントがいくつか表現されていて愛嬌や親しみがある。
短めの歌詞ですが印象深いもの。
子供の頃の夏でノスタルジックな雰囲気。
途中の“図書カードが 図鑑にかわる”の歌詞にはすぐに頭に浮かんだことがありました。
虫好きのヒロトの図鑑は「昆虫図鑑」だと1人で勝手に納得してしまいました。岡本君と恐竜のことを話していたマーシーは「恐竜図鑑」かもしれません。
M7「盆踊り」
作詞・作曲/真島昌利
夏の風物詩が続くのがいい感じ。
クロマニヨンズにしか出せない音と雰囲気は心へ訴えかけるものがあります。
無駄にダラダラやらない2分13秒。
普通ではあり得ない神秘的な音を感じる盆踊りアレンジ。
誰もがイメージする盆踊りそのままのテンポ。
みんなで踊り狂って楽しむメロディ。
私にとっては子供の頃に見た光景を思い出すノスタルジックな歌詞。
この歌は必然的に振り付けが必要になってくるので自分で考えて踊ってください。
どう聴いても盆踊りなイントロがいきなり夏。
踊りへ誘う大太鼓と、わずかにおとぼけ感のあるギターのメロディ最高。
音がほんの少しだけボヤけてる気がする。
盆踊りの楽しげなメロディをこれまたわずかなおとぼけ感で歌うヒロト。
真剣な顔と言うより、柔らかい笑顔。
マーシーとヒロトが漂わせる“おとぼけ感”と言ってもあからさまでなくそれとなく、微妙でなく絶妙。
やっぱりこの人たちの表現力は並外れ。
サビでは軽快なアレンジになるから、さっきよりも軽くなった体と気持ちで踊れます。
盆踊りの掛け声のコーラスと手拍子が入って一段と盛り上がる。
それにクロマニヨンズって映像がなくても、表情とか動きとかテンションとか全部見えてしまってる。
この曲でも遠慮なくマーシーがやる。
極端に短い曲の中にもしっかりとマーシーのギターソロあり。歪みつつも盆踊りに合った音でマーシーのユーモアが際立つフレーズ。
最後まで踊り狂う活力がぶっ込まれた。
間奏後の後半は短くすぐに終わっちゃうから全力で踊って問題なし。
クロマニヨンズと盆踊りで笑った気分。
意図的なのか、少しボヤけた感じの音には魂が帰ってくるお盆特有の雰囲気があった。
歌詞:マーシーのユーモアのある表現が魅力的なお盆の光景。
内容はコミカルな印象も受けるし、言葉にはリズミカルな軽快さを感じます。
私は子供の頃に毎年じいさんとばあさんの家で見た夏の光景を思い出しました。
キュウリの馬とかナスの牛。
こういうの子供の頃は夏になるとよく見かけたけど、最近は全然見ません。私が知らないだけかもしれないけど。
たしか割り箸が足になってた。
M8「ユウマヅメ」
作詞・作曲/甲本ヒロト
私の心の中で放送してる番組「釣りの浪漫」のテーマソング。
ほっとするような優しい音が特徴。
ヒロトの柔らかい歌い方と、マーシーの歪ませていないギターの音が、どうでもいい事で勝手に忙しくなってる心を癒してくれます。
明るくてなんだか希望が満ちてくるアレンジ。
手拍子が似合う軽やかなミディアムテンポ。
ほのぼのとしたメロディ。
忍耐強い歌詞。
みんなで合唱したいタイプの歌で、ほんとのロマンを感じる釣りの歌。
イントロが鳴った瞬間の奇跡的な心地よさ。
前の曲「盆踊り」のラストの一音から「ユウマヅメ」の最初の一音に切り替わる瞬間の音や雰囲気の柔らかさが印象的。
ヒロトの小粋なハーモニカ、マーシーの澄み渡ったギターの音色がワクワクさせる。
何これ⁉︎目の前にさざ波がキラキラ光ってる。
私なんか肩に釣りの道具を背負っていて現場に到着した時の気分。
極自然な歌心でヒロトが歌う。
この人にしか感じた事がないロックンロールの笑顔が歌声から溢れてる。
どんだけ私の気持ちをやさしくするのよ。
カツジもコビーも力まない柔らかな演奏を実現していて、2人はクロマニヨンズが表現しようとしてる音楽を誰より理解してるんだ。
わりとすぐサビに入るのが好感度高い構成。
歌詞にはないけど“まだまだ”とヒロトがいま釣りしてる最中の人の忍耐強さを歌う。
その歌心というかリアリティにこそほんとのロマンが燃えてます。
間奏はなくサラサラっと歌い切る潔さに感動。
最後のサビの大きな笑顔での合唱には私の胸のトキメキが最大級になって破裂寸前。
なんとなくハッピーエンドっぽいサウンドが非常に良し。
サビをみんなで手拍子しながら、体を少し揺らして合唱したら上機嫌になると思うのです。
気付くと口ずさんでいるのが最大の魅力。
何度も繰り返し聴きたくなる事が名曲の証。
歌詞:釣りの極意とやめない事の価値。
言葉や内容はとてもロマンチックで私の心をときめかせつつ、自分も釣りに来ている気分にさせるヒロトの神技。
この歌詞に魅了されると目の前に釣り竿が現れてプカプカ浮かぶウキも見えます。
でも全然釣れません。
しかしサビの歌詞でやる気が出ちゃって帰る気は起きません。もうすぐなんか釣れる。
「ユウマヅメ」とは釣り用語のようで私は全然知りませんでした。
“夕まづめ”
太陽が沈む直前から沈んだ後の約1時間程度の時間帯を指します。魚の活性があがる時間帯で釣果が期待できるため、釣り人にとって狙い目の時間帯とされている。
M9「ルンダナベイビー」
作詞・作曲/甲本ヒロト
全意識が音楽に集中する感動的な聴き心地。
私には1回目から名曲でした。人の心を奪うハッキリとした名曲の佇まいが魅力。
抜群の心地良さを実感させるアレンジ。
しみじみとしたミディアムテンポ。
胸をジーンとさせるメロディ。
心の底から何か湧き上がっている思いを響かせた歌詞。
優しい雰囲気はストレスを和らげ、穏やかな心を取り戻すためのサプリメント。
滑らかな響きのギターとベース、破壊力より包容力のあるドラム、穏やかなイントロ。
ゆっくり幕が上がっていくのを見てる気分。
これはきっと突っ走ったりせず私を安心させようとしてるんだな。
傷心してる気持ちへと手を差し伸べるようなボーカルスタイルのヒロト。
よくわからない安心感が確かに今ある。
断言できるのは、傷付いてる心に寄り添ってくれる音が鳴ってること。
少し力強くなるAメロ、キレの良い演奏。
カッコつけずに素のまま精一杯の声援を送るヒロトが頼もしい。
マーシーたちが「ルンダナベイビー」と歌うコーラスも挫けないための力が込もってる。
間奏はマーシーのギターソロ。
ほとんどの人の心のもっとも奥の方まで届くギターが奏でる激励のメロディ。
刺々しく歪ませていないサウンド。
マーシーの音には思いやりがあり、心の攻撃されるとすぐに傷付いてしまう柔らかい部分へ、そこを守るための優しい光が注がれる。
涙出そうだ、絶対オレにアピールしてる。
アウトロにもマーシーがとことん感動させるギターソロ。
反則級のロックンロールの光。
私に希望まで置いていきやがって、、最高!
この歌の音には強い説得力があったし、私の寂しさを癒す安心感と、あったかい布団のような包容力が唯一無二の特徴でした。
歌詞:恋心にちなんだ内容で鮮烈に韻を踏むヒロトの独特の感性に嫉妬しちゃう。
“ルンダナ”のパワーワード感が最強です。
歌詞はすごく短く深い意味なんかなさそうなのに心の全部を持っていかれる爆発力。
すべてを語らず、人それぞれの正解を見せる特殊技。すべてを語らない美しさの極み。
M10「ワンゴー」
作詞・作曲/甲本ヒロト
ここに来てアップテンポで雰囲気を急変させて全員の心を大きく動かします。
元気を出したい時には驚異的にナイス選曲。
折れてしまった心さえも立ち上がるワンワンソングの決定版。
腕を突き上げて飛び跳ねるアップテンポ。
ハイテンションのロックンロールアレンジ。
力の限り吠えるメロディ。
犬の自己肯定力が勇ましい歌詞。
今すぐに突っ走りたくなる推進力があるし、必ずライブ会場が狂乱する一撃必殺!!
聴き馴染みのあるロックンロールフレーズがクロマニヨンズ旋風を巻き起こすイントロ。
突然の勢い大爆発にボルテージ急上昇。
歌はコーラス入りのサビ始まりで危なっかしいテンションへ。
遠慮なしにカッ飛ばす勢い重視スタイル。
演奏の疾走感には結局誰もがノリノリです。
それまで座って見ていたじいさんまで急に立って拳を突き上げる。何だ⁈この曲の威力。
しかもキャッチーなメロディだから大合唱。
「ワンゴー」の最大の特徴は、折れてしまっていた気持ちを力強く立ち上がらせる影響力。
犬の気持ちを表現したAメロを1回演奏する度に熱いサビが入り、私の気持ちをブチ上げる仕掛け。
私だけじゃない。
ワンワン歌うサビの回数を重ねる毎にライブ会場の熱気が高まる爆発的な光景を目の前で体験してる感じ。
間奏はマーシーの鮮やかなギターソロ。
マーシーが突っ走るエモーショナルな音色はロックンロールならではの勢い。
これは自分の意思で前に出たくなる歌。
私は自分のリミッターが外れてしまう感覚があります。つまらん人並みなんか突破する。
テンションたけぇぇぇな!!!
凹んだ気持ちで眠った次の朝には心のレコードプレーヤーが再生するロックンロール。
歌詞:犬が犬であることを誇らしく思っているたくましさ。むしろプライドかも。
自分の落ち度で人を不安にさせてしまったり怒らせてしまったりとダメなとこもあるけど、自分はやっぱ自分だと踏ん張れる歌詞。
他を顧みない自己肯定感が魅力。
その一心不乱な勢いで私の憂鬱は吹き飛んだ。
散歩しながらイヤホンして心の中で歌っていたつもりが、つい「ワンワンワ…(あっ)」と声が出てしまってびっくりした経験が私にはあります。
M11「ジャッカル」
作詞・作曲/真島昌利
頑張りすぎて空回ってる時の一服推奨ソング。
クロマニヨンズがやるとすこぶるキマる速すぎないアップテンポ。
心が明るくなるキラキラアレンジ。
ガツンとパワフルなメロディ。
個人的にはちょっと痛い所を突かれる歌詞。
4人が演奏するそれぞれの音色やフレーズがちょっと大袈裟に響くのが魅力的。
こういう大胆な事やるのがロックンロール。
新しいことが始まりそうな予感のするギターのフレーズが豪快な音で鳴るイントロ。
コビーのベース、カツジのドラムの入り方なんかもろに粋な演出。これは胸熱。
私にあるのは度を超えたワクワク感。
正面から来て逃げも隠れもしない歌心でヒロトが歌う。小細工や曲がった戦略などない。
痛いところを突かれる歌詞には、ひたむきに誠実に生きようと前向きな気持ちが湧き上がります。ヒロトの真摯な歌声がストレートに心へ響いたから。
演奏は、歪んでジャキジャキしたマーシーのギターが刺激的なサウンドを鳴らし続けてる。
短めのサビでは強靭なコーラス入り。
最後の歌詞で“心配は邪魔だな”と、ヒロトがロックンロールの真っ直ぐな態度で歌うのが印象深い。
だからもう心配など投げ飛ばしたくなった。
間奏はヒロトの猛烈なハーモニカソロ。
少しかすれた音で鳴るヒロトのハーモニカが私のいつもの悩みをブッ飛ばしていく。
曲が後半へ突入すると非常に衝撃的な耳触りになるヒロトとマーシーのツインボーカル。
力強いマーシーのボーカルに私はいつも何か激しく突き動かされるのを感じる。
ラストでマーシーが「アーーー!」とシャウトするロックイズムは特に熱き名場面。
ロックンロールの衝動に駆られる瞬間。
歌の内容からの影響なのか、空回りしていた毎日でまずは一服することにしたら自分なりの結論が出た。
歌詞:私の印象ですが、生きることに関した悟りのような言葉たちが心へ響く。
1番の“型破りに こだわるあまりに 空回りしている”という歌詞には身に覚えがありすぎてビクッとしました。
マーシーの経験があってこそ語れる話です。
[結論]クロマニヨンズは磨き抜かれた個性と、分かりやすい大衆性の両立が偉大なのだ。
M12「散歩」
作詞・作曲/真島昌利
人生を前進させる時のテーマソング。
軽やかなアコギは癒しになるし、アルバムの締め括りにふさわしい雰囲気の12曲目。
力強くも気張らず歩くテンポ。
果てしなく広がる壮大なアレンジ。
どこまでも歩いて行ける希望のメロディ。
止まってしまうよりも今より前に進む歌詞。
歌が強引に私を前に押し出すことはない。
今より前に出るのかはあくまで自分の意思であり、そっと背中を押してくれるだけなのがクロマニヨンズの魅力です。
イントロなし。
カツジの瞬発力全開のドラムが合図。
いきなり全員で「ラララ」と歌うメロディには既にキラッキラの光が見えてきます。
この壮大なメロディが終盤では、納得していない今の人生を変えさせる。
耳馴染みの良いアコギ基調の優しい音。
今まさに遠くまで歩いてる人の原動力を感じさせるボーカルスタイルで歌うヒロト。
踏み締めるボーカルと落ち着いた演奏。
テンポとリズムが一歩ずつ前へ進む足取りとその足音に聴こえる。
こんなに人の心に寄り添った音は滅多にない。
クロマニヨンズが私の凝り固まったネガティブな思考をほぐそうとしてる。
Bメロではわずかに重ねたエレキが少し先にある光を見せる。目的地はこっちだとマーシーがギターで合図を送ってくれたみたい。
間奏はヒロトのハーモニカソロ。
短いけど空間に広がる極上の癒しサウンドであるのは間違いない。
曲終盤は最初に歌った「ラララ」のメロディ。
今度はちょっと意味が違う。
冒頭部では私に歩き出すきっかけを与えてくれていた。ラストでは歩き出した私を見守ってくれる頼もしい声援のよう。
フェイドアウトして終わるのが感慨深い。
かなり長めに歌って、私が自分だけの道へ出るまでずっと見送ってくれる。
アルバムが終わってしまうのは少し寂しいけど、クロマニヨンズと一緒に歩き続ける決心と高揚感と安心感が炸裂してます。
これ聴いたらもう後向きはあり得ません。
クロマニヨンズは朗らかな笑顔で今日も明日も大丈夫だと言っていた。
歌詞:初めての道を歩いて行き、新しい場所へ向かうための動機やきっかけになり得る。
今より前に進ませる穏やかなエネルギー。
予期せぬ良くないことが起きて打ちのめされ一度は死にかけた心でさえも、前を向いて歩いて行くと決心するのが魅力。
つまり、大した事ない自分を信頼できる。
言葉が私に希望の光を見せて迷う心に前向きな気持ちを与えてくれるのです。
柔らかくあたたかく優しいメロディが心に広がり、自分ならどこまでも歩いていけると自信に満ちたところでアルバムはおしまいです。
心が強くなってる気がする。
本音を言うと「散歩」を何度もリピートしてしまう。アルバムを終わらせたくない気持ちがちょっとあるから。
“おんどりゃー!”という勢いではない、ただならぬ雰囲気が記憶の奥底にまで残るクロマニヨンズの11枚目のアルバムでした。
「深いアルバム」だと私は感じました。
視聴1回目からアルバムの特別な雰囲気、いくつもの胸熱な場面が心に残ります。
すぐに2回目を聴きたい気持ちになった。
ミディアムテンポによる我が心の狂乱を実感したからこその印象深さ。
こういうの好きだなぁ。
全曲が好きです。
明日からも自分のテンポで生きていきます。
またクロマニヨンズに生かされてしまってる。
皆様ありがとうございました。
また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。
ラッキー&ヘブンはB面がほんとにいいですね〜 エイトビートだけじゃない、こんなのもできるんだぜっていうクロマニヨンズを魅せられた気がします
こんにちは、いつもありがとうございます。
B面!そうですよね!
勢いというより深みがあると思います。
バラエティーに富んでますね。
夏っぽい2曲、心にジーンと響いて涙が出そうな曲、気持ちが奮い立つ曲と最後は散歩してスッキリなんて楽しいです。
どのアルバムもそうなんですけど『LUCKY & HEAVEN』聴き続けるロックンロールです!