こんにちは。
『13 PEBBLES〜Single Collection〜』は2014年リリースのクロマニヨンズ初のベストアルバムです。
シングル・コレクションです。
日本には熱いロッケンロー‼︎なんてないじゃんかと冷めてしまうのはまだ早いです。
なぜならクロマニヨンズがそれやってます。いつでも爆発した瞬間のダイナマイト。直前じゃなくて今なんだ。
前例なんかいらないロッケンロー‼︎
生きてる人間を感じます。
黒マニヨンズじゃありません。白マニヨンズでもありません。赤、、、もういいです。
そいつたちは ザ・クロマニヨンズ‼︎
The Cro-Magnons/13 PEBBLES〜Single Collection〜(2014)
2013年12月にリリースされたクロマニヨンズ初のライブアルバム『ツアー 2013 イエティ 対 クロマニヨン』から4ヶ月後に発売されのが本作 13 PEBBLES〜Single Collection〜 (13ぺブルズ シングル コレクション)です。
ちなみにpebblesとは小石という意味です。
その名の通りの13曲入り。
2006年〜2012年までのクロマニヨンズのシングルタイトル曲の軌跡です。
13曲入りですが、 8枚目のシングル「流線型/飛び乗れ‼︎ボニー‼︎」は両A面シングルなのでシングルのカウントとしては12枚目のシングルまでの収録です。
ロッケンロー‼︎というひとつのスタイルにこだわりつづけるクロマニヨンズの奇跡。
その意志が固くてビックリします。それと一緒にいつも必ずあるのは、広がりのある豊かな感情表現だと感じます。
『13 PEBBLES〜Single Collection〜 』収録曲
01.タリホー
02.紙飛行機
03.ギリギリガガンガン
04.エイトビート
05.スピードとナイフ
06.グリセリン・クイーン
07.オートバイと皮ジャンパーとカレー
08.流線型
09.飛び乗れ‼︎ボニー‼︎
10.ナンバーワン野郎!
11.雷雨決行
12.突撃ロック
13.炎
1枚目のシングル「タリホー」から当時の最新シングルであった12枚目の「炎」までがリリース順に収録されたシングル・コレクション。全曲になんか心に響く瞬間が炸裂しているので、最近クロマニヨンズに興味を持ったばかりの人にも打ってつけな内容。
本作から入ってクロマニヨンズを好きになった女性が身近にいます。私が勧めました。
彼女が言う事には、最初は全部同じ曲に聞こえたけど、だんだん覚えてくるとすべての曲が個性的だし、胸がキュッとする瞬間があるということです。それはエモーショナル。
エモいということでしょう。
私がゴリ押ししていた「エイトビート」「雷雨決行」あたりの曲なんかがそうです。
自分以外の誰かが、クロマニヨンズにハマっていく過程の心情の変化は、話を聞いていて楽しくてしょうがないです。それから彼女はクロマニヨンズをすげえ聴いてます。
誰かとクロマニヨンズの話が出来るとか最高じゃん‼︎音痴なオレが歌ってもだいたい何の曲か分かってるのマジ神。なにがすごいって当然クロマニヨンズの胸に刺さる歌詞と、分かりやすいメロディなんだけど。
全13曲40分です。
濃厚な内容がたったの40分とコンパクトな構成になっているので、いつでも気軽に聴けるのがかなりのメリットです。
シングルのタイトル曲のみですが、クロマニヨンズの最初の7年分を40分で体験できるお得盤。
現在のクロマニヨンズはモノラル音源が基本になりましたが、初期のクロマニヨンズの音源はステレオだったので、本作はステレオとモノラルが混在しています。カッコよく言えばハイブリッド盤です。
そこに注目するのも楽しい軌跡。
5曲目までのステレオ音源からは左右の音の広がりと奥深さを感じます。
6曲目からモノラル音源になっていて、ステレオよりモノラルの方が音が大きく感じるというか、突撃してきます。モノラルの迫力の音はドンッと真ん中にあって、音圧が高くてブッ飛んでるのが特徴的。
シングル曲の中にはオリジナルアルバムに収録されたものはアルバム・ヴァージョンだった曲が、このアルバムに4曲あります。オリジナルアルバム未収録のシングルも2曲。
本作に収録されたのはすべてシングル・ヴァージョンなので、これまでにリリースされた全部のシングルを買った場合でもわざわざシングルを引っ張り出して来なくていいのは超絶重宝します。
たまにシングル・ヴァージョンも聴きたくなるじゃないか⁉︎
アルバム発売当時、アナログ盤も同時発売されました。「60年代E式フリップバック」がこのベストアルバムでもバッチリ再現されていてコレクション性高すぎレコードな1枚。
レコードだとA面は大体stereoで、B面は全部monoです。B面にひっくり返して1曲目の「オートバイと皮ジャンパーとカレー」が鳴った途端に音が突撃してきやがって、誰が勝手にボリューム上げたんだ⁉︎と思ったけど、今のところオレ一人暮らしだった。
13曲入ったクロマニヨンズのロッケンロー‼︎に内緒にしていた感情が爆発して、とんでもなく大きな影響を受けることになります。
※記事中の動画はすべてオフィシャルチャンネルのもので45秒程度しかありません
M1「タリホー」stereo
1st Single 2006.09.20
作詞・作曲/甲本ヒロト
※アルバム・ヴァージョンあり
デビューシングル。マーシーのコーラスが入ったシングル・ヴァージョン。
アルバム再生した瞬間から平常心ではいられない。いつでも初期衝動がやって来る。
1枚目のシングルからかなりテンションは高くて、ものすごいパワーにすっかり感化されて落ち込んだ気分なんかは消え失せる。
なんかよく分からないけどカッコいいロックの魔法ってあると思います。
サビから始まる直撃スタイル。印象的なギターリフがあってバンドサウンド聴いてる感がすごい。ギターソロはなし。
圧倒的に覚えやすいメロディ。ラストまで絶大な存在感で鳴り響くギターリフ。割と抽象的な歌詞の中に、過去も受け入れて今を生きる強さを感じます。
クロマニヨンズのデビュー曲だからということがあるのかないのか、今聴いてもいつ聴いても心が勝手に盛り上がります。
歌詞 : 常に今だけを生きる真実がものすごく集約されてる感じがします。あくまで自分のままだというのが腑に落ちるし、言ってほしかった肯定的な言葉です。
今ではmonoが基本になったクロマニヨンズ。stereoの、音が左右に広がる感じがむしろ新鮮に感じます。後ろの方でマーシーのギターが色々と盛り上げています。
クロマニヨンズはその後どんどん贅肉を削ぎ落とすシンプルな方へ向かい、ぶっちぎりな音になっていくのが楽しいです。
M2「紙飛行機」stereo
2nd Single 2007.04.25
作詞・作曲/真島昌利
※アルバム・ヴァージョンあり
パワフルでハイテンションなイントロはライブでやると一瞬で熱狂する名場面。
サビの直前ではマーシーのジェットなものすごいピックスクラッチが長距離を飛んで、オレの心の奥に着地する。感性の紙飛行機が右から左、左から右にブッ飛んでいってステレオのメリットが最大限に活かされてます。
芸術的なギターの弾き方。繊細な感性が必要です。ギタリストの人がこの曲のギターをコピーしたとしても、その感性まではコピーできない、真似られない。
その繊細な感性で成り立っている歌詞は聴くほどに心に広がっていきます。大雑把な生き方をまったく感じないこの曲の世界が、オレの心にぴったりハマる。
心が空を飛び回る爽快感と開放感あり。
歌詞 : かなり刺さりました。この人たちは幸せは未来にあるとは言わない。明日のためじゃなくて今を走ってるその感じ。実感できる幸せは常に今にしかないと気付けてしまった。
ライブではこの曲の時にピックを投げまくっているマーシーを見た。
M3「ギリギリガガンガン」stereo
3rd Single 2007.08.15
作詞・作曲/真島昌利
「ギリギリガガンガン」の7インチアナログ盤にはmonoで収録されています。
stereoだけど音場は狭めです。
印象的なイントロが続きます。アコギの音も聴こえてくる、キレがいいタイトな感じ。
イントロを聴いただけでも絶対に一言もネガティブなこと言わないし、ポジティブに激情するだろうと分かってしまう。
朝出掛ける前にとりあえずこの曲を聴けば今日は最高の気分で生きれます。
サビの、言葉としては意味のない“ギリギリガガンガン”という擬音に今日を生きる気力が溢れ出し、その後の“今日は最高‼︎”で生きる覚悟が誕生する。
歌詞のように、今この瞬間がロマンチックでドラマチックなんだと気付けば、どの瞬間も夢が叶い続けていると実感できてしまう。
落ち込む必要なんかない。すげえ強い!
歌詞 : あと何回「今日は最高‼︎」と激情する日があるんだろうか。そう思えるように意識して生きるのは人生変えてしまうほどの影響です。
ラストのサビの直前に入るマーシーのピックスクラッチの炸裂音が今日は最高な気分にさせる起爆剤。
「ギリギリガガンガン」収録の2枚目のアルバム『CAVE PARTY』(3枚目の『FIRE AGE』も)はCDはstereoでしたが、アナログ盤はmonoで発表するという胸熱な仕様でした。
M4「エイトビート」stereo
4th Single 2008.05.21
作詞・作曲/甲本ヒロト
※アルバム・ヴァージョンあり
生きてる人間のメロディを吹くハーモニカも入ってるし、生きることはドラマチックなんだと優しく歌うギターソロもある名曲です。
意味の分からないやつは一人もいないサビの歌詞が心の奥に突き刺さって生きたい気持ちが猛烈に出現してくる。
それまでに経験した辛さも、何のためだったか分からない努力も無駄にはなっていないと確信した心が奮起する。
生きようとする気持ちが爆発しちゃって感動の涙を溢れさせる生命力の歌。
今日も胸のエイトビートを止める気なし。
カツジのバスドラの振動が心臓に響いて、オレは今日も生きていることを誇りに思える。
オレの場合はクロマニヨンズを聴いていれば自分が死ぬとは思えない。「エイトビート」と歌うサビの力強さは、今日を生きる勇気に直結してる。
ラストのハーモニカは生きるオレへの応援のメロディ。
急に、突然、予想外に胸が熱くなって予定になく涙が溢れてしまう瞬間がよくある歌。
歌詞 : 生きることの反対なんて一瞬たりとも感じない生命力が心をポジティブな感情に熱狂させる。これを聴いた後に生きるのやめたやつはいないだろう。
シングル曲では初めてギターソロが入った曲でした。
M5「スピードとナイフ」stereo
5th Single 2008.08.27
作詞・作曲/甲本ヒロト
コビーのベースが大活躍なアレンジがインパクト大です。カッティングのギターと凝ったコーラスに楽しさが踊ってます。
コーラスを含むアレンジはエンタメ性が高くて、また違ったクロマニヨンズのカッコよさが楽しめます。
とは言え、急に期待していないジャンルにいった訳ではなく、本質は何も変わらないロッケンロー‼︎だから記憶に残る。
最後の方にもファルセットのコーラスが気を抜いたら聴き逃してしまいそうな音で入ってる仕掛けにゾクゾクする。
歌詞はハッキリと何の事なのか断言していないけど、人間同士の唯一違う部分「個性」を認めてる歌として聴いてます。
歌詞 : すべてを語らない想像の余白があって、これこそ人それぞれの受け取り方が正しいということなのかもしれません。それって個性だし、誰とも違うもの。
M6「グリセリン・クイーン」mono
6th Single 2009.10.07
作詞・作曲/真島昌利
ここからモノラル音源スタート。
いきなり伝説が始まる感じで圧倒してる。
繊細で伝説で見えやすく感じやすい歌詞には、オレの隠していた本音まで暴かれてしまう。その誠実さに心が完全に同意する。
難しいことは何もやっていないのに、このギターの音は衝撃です。monoで更にギターの音のカッコよさが引き立ってる。
本作の前に出たライブアルバムに収録された「グリセリン・クイーン」ライブ・ヴァージョンのギターの音は強烈で心に聴こえる生音です。
水色ギターの歌。
とても繊細なのに太くて固い一本の芯がある。そこに猛烈に惹きつけられるんだな。
1年後とか明日じゃなくて、今を生きていないと、今を楽しんでいないと感じられない歌詞に心のスタンディングオベーションが奮い立つ。拍手喝采、今この瞬間。
歌詞 : こんなに伝説級の歌詞ってどうやって書くんだろうか⁉︎ 一回で記憶に残ってすごい。やらない自分に危機感さえ感じる。やってよし!
M7「オートバイと皮ジャンパーとカレー」mono
7th Single 2010.10.20
作詞・作曲/真島昌利
ロックに求める疾走感。2分半の潔さと、シンプルなアレンジはほとんどパンク。直接的に受け取れるひん曲がっていない歌詞。
その単純さに、理解不能は一切なし。
「カッコいい」が揃ってる。
皮ジャンパーを着たカレー好きがオートバイと共にある感じが魅力的です。
誰にでもありそうな普通の出来事を歌っているのに、やたらとドラマチックなのがロッケンロー‼︎
開始直後から「Oi!」とパンクなコーラス入りでスピード感があって、聴きながらただ歩いてるだけなのに自分の散歩にオートバイの速さを感じてる。
世間に呆れた平常心が歌と一緒に笑って生きる方向へ疾走する。
歌詞 : 楽しそうだな。こういうの憧れるな。でもオレ、オートバイ持ってない。イメージの中ではすげえ速いんだけど。
M8「流線型」mono
8th Double A-Side Single 2011.03.02
作詞・作曲/真島昌利
※オリジナルアルバム未収録シングル
アコースティックなシングル2曲が遂にアルバムに収録されて再生回数がグーンと伸びました。なんかそれYouTuberみたいだな。
歪んだギターの激情とは違うアコースティックなアレンジでノリノリです。抑えきれない魂が炸裂しちゃってる。
この歌に影響を受けたオレはこじんまりとせず、無駄に大きく歩けてしまう肯定感に満ちてくる。
アコギ調でほんわかとはしているんだけど、クロマニヨンズの本質的な熱さの方に心は惹かれてる。だからこの曲を穏やかな平常心のまま聴くというのはちょっと無理。
心に広がる美しい比喩表現と「金がない」という現実的な歌詞のギャップが楽しいです。サビはリスナーの想像を遥かに超えるかなりの未来を確信してる歌詞が独創的です。
ヒロトの超個性的な感受性が炸裂したMVは元気出るので必見です。ヒロトの衝動を観ながら熱くなって来ないことなんかない。
歌詞 : いつもスケールがデカい。10億年とか歌われると心の中の感化されやすい純粋なヤツが黙っていない。多分もうすぐ現れる。
M9「飛び乗れ‼︎ボニー‼︎」mono
8th Double A-Side Single 2011.03.02
作詞・作曲/甲本ヒロト
※オリジナルアルバム未収録シングル
アコースティック調で古い西部劇なんかを彷彿とさせます。
男の色気ムンムンで感じずにはいられない。
色気の音は古めかしくオレの心は騒々しい。
コビーの男臭いベースが心の中の純粋すぎて手に負えないあいつを呼んできてしまう。
この雰囲気は、、、カウボーイハットをかぶってしまいそうだな。それじゃまだ足りないぞ、そうだ!馬にも飛び乗った方がいいな。
ワクワクでウキウキで一人で勝手に楽しんじゃってるのは、、、
感化されやすい心の中学2年生。
「逃げよう ボニー」と言われたら誰よりも早く逃げるし、「飛び乗れ‼︎ 今だ‼︎」と言われたらそこら辺のものに飛び乗ってしまう。
正しい大人の心をすべて焼き尽くすほどの影響力に、楽しすぎる純粋な心を見た。
CDもいいけど、レコードで聴くと男たちのセクシーな雰囲気が100点満点を取ります。
歌詞 : 古めかしい雰囲気と男の色気が出まくったサビに、心の中学2年生は強い憧れを抱いています。男ってキザで程よく引き締まった色気でカッコいいんだ。いいな、オレもやろう。
最後に“アァ”とセピア色の吐息が漏れて完全にキマる。
M10「ナンバーワン野郎!」mono
9th Single 2011.09.14
作詞・作曲/真島昌利
聴いて感動した人たちが熱狂にさせた名曲。
「イェーッ!」と始まった瞬間からすごい音圧!まだ楽器の音はドラムしか入ってないのにすごい。
間奏はハーモニカが、諦めてる場合じゃない生きる気力のメロディを歌う。マーシーの激しいシャウトがキマってオレの腕にはカッコいい鳥肌が立つ。
これはスタジオ録音なんだけど、聴いているとどうしてもどうしてもライブの映像が見えてくる。
ヒロトの腕の小さいヘビとか、マーシーのタイトな皮パンに付いたポケットのフタとか、コビーのエンジニアブーツの隙間とか、カツジの口元の小柄なマイクとか、なんか知らないけどオレの頭の中にバッチリとハッキリとオールカラーで映ってる。
これは強烈です。
音が心を大暴れさせてくる。
歌詞 : 今、戦っている真っ最中。やるのは後でじゃなくてナウなファイティングという感じ。だから全身全霊が燃えるんだな。まっしぐらなナンバーワン野郎!はライブだとすごいことになります。
次の「雷雨決行」と双璧をなす生命力。それが『ACE ROCKER』という同じアルバムの中の8曲目と9曲目で続けて入っていたから印象深いです。
M11「雷雨決行」mono
10th Single 2011.12.14
作詞・作曲/甲本ヒロト
人間らしさ。強い。生きる気力になる。
短いイントロにどんだけパワーがあるんだ⁉︎
すべてが刺さってしまった歌。歌詞もメロディもアレンジもギターソロもコーラスも刺さり方が完璧すぎた。これからの人生のテーマ曲にもなってしまう。
それまで弱音も吐いていたのにサビでは折れない決意をする歌に、オレの人としての笑顔が共感してる。
決して悲しい歌ではないけど、特にギターソロに感傷的な美しさを感じる。きっと「雷雨決行」が自分の納得できなかった過去までやっと受け入れさせてしまったんだろう。
今は同じドアノブを掴んだ人を誇りに思う。
「雷雨決行」という言葉に揺るぎない決心を感じる。負け知らずの合言葉。計り知れない苦しみ悲しみを乗り越えた覚悟が読み取れるし、生きてく強さが熱く伝わってくるよ。
人は繊細で傷つきやすくてすごく弱い、でも前を向いた時は何より強い。カッコいいよ、尊敬するよ。愛情のない頑張れなんて言わずに真心で応援したくなる。
歌詞 : 夢が見えていないと、夢が見張ってるとは感じられない。ヒロトってよく一般的な考え方では見えていないものを見てる。
夢の隣同士でやっと立ち上がった愛しき心。オレたちも引き返す訳にゃいかないぜ。
M12「突撃ロック」mono
11th Single 2012.05.23
作詞・作曲/甲本ヒロト
※アルバム・ヴァージョンあり
すぐ始まるほぼイントロなしの突撃は衝撃。
口笛のメロディが入った鮮やかなシングル・ヴァージョン。
永遠に続く初期衝動が突撃してくる。聴くといつだって初期衝動を蘇らせるパワーがあります。
勢いのあるテンポとシンプルなアレンジで、歌い出しから最後まで“永遠です”と何度も歌う心を突き動かされるインパクト。
気付いてなかった好きなものが見つかってしまう。
「永遠」といっても、よくある愛についてじゃないし、甘すぎて後で気持ち悪くなるラブソングではありません。そういうのじゃなくてもっと突撃してる感じ。
激情した初期衝動が永遠です。
歌詞 : ラストの“永遠です”の激しい連発には、ありもしない「上下優劣」に騙されたフリをして遠慮していた本音が腕を突き上げる。
MVでは楽しそうな笑顔のピチピチな高校生たちと、落ち着いた雰囲気の歳を重ねた女性たちが、世代を超えて永遠に突撃していく同じ気持ちが印象的です。
M13「炎」mono
12th Single 2012.12.12
作詞・作曲/甲本ヒロト
筆者の場合は発売当時の印象が薄かったんだけど、後からすげえ刺さった絆の歌。
それがロッケンロー‼︎の魔法にかけられた瞬間。後の自分の経験とかも混ざっているかもしれないけど、そういうことにしておこう。
速すぎず心地いいリズム、歪んだエレキの後ろに鳴り響くアコギ、力強くハッキリとした歌。すべての音が炎のようにメラメラ燃えて聴こえてくる。
コビーのベースやカツジのバスドラなんかの低音の音圧が強烈で、その日の気圧によっては頭に響いてしまうほど。
友情なのか?愛情なのか?それを超えた只事ではない絆だと感じます。ラブソングとしても聴けるかもしれないけど、オレの場合はそれだと何か違和感が残る。ひとつ思うのは、決して浅はかなものではない。
歌詞 : お互いの感性を確認し合い認め合った2人。
こう言える相手がいるなら「炎」がもっと深く、カラーよりも鮮やかに、炎のように燃え盛って聴こえてきます。
この深い絆の歌は、夢の中にも流れる美しいメロディ。熱狂のライブバージョンが、目が覚める直前に夢の中で流れてた。目の前でブッ放したパンクな音に嫉妬するほど憧れる。僕はいま目が覚めて、ステージと客席の間でしか会ったことのないロッケンロー‼︎な男たちに会いたくなった。
え⁉︎もう終わり?というほどあっという間に13曲のシングルたちが爆走しました。
取り留めのない話には興味がないけれど『13 PEBBLES〜Single Collection〜』を最後まで聴いたらやっぱり全部が名曲じゃんと思ってしまう、取り留めのある気持ちになる。
大好きなバンドだからという思い入れは当然あるんだけど、いいね!
何度も心が反応して、テンションが暴走する熱さがあったり、こらえきれない感動の涙が溢れたり、嘘のない誠実な音に癒されたり、自分のいろんな感情まで楽しめる音楽です。
全曲に個性が炸裂した熱いロッケンロー‼︎のクロマニヨンズのシングル・コレクションでした。すげえ熱く心に聴こえた瞬間が記憶に残ります。
クロマニヨンズの一言一句、一挙手一投足を記憶に残しておきたくなるロッケンロー‼︎のシングルたち。ピカピカの輝きを放ってる。
40分の熱狂だった。
今日を生きる気力になってる。
なんの興奮も感動もない毎日なんてつまんないだろ?もはや興奮と感動も超えた熱狂をクロマニヨンズはやっています。
よし!明日も生きよう。
ただ生きて2回目を聴こう。
それ絶対すげえ光るしカッコいい。
【彼らのレコードの聴き方に感動】
ヒロトとマーシーのレコードについての過去のインタビューの回答が、かなり刺さる純粋で一番いい音楽の聴き方だなと共感しました。
※レコード屋に行くことが多いのかと聞かれた2人
ヒロト : 行かないように我慢したりするけど、その時は部屋でレコードを聴いている。
マーシー : あんまりいっぱい買っちゃうと1枚ごとの聴きが浅くなるからさ。それがちょっと寂しい。中学生の頃のような感じで聴けるのが一番。
ヒロト : 同じレコードを朝聴いて、夕方聴いて、夜聴いて。それが1ヶ月続いたりする。
なんかすげえ胸が熱い。楽しそうだな。
私はこの人たちの中学生の時のまんまな純粋さに強烈に感化されて、胸が熱くなりすぎた謎の40代男性です。これを見た時にすごく大事なことを忘れちゃってる自分に気付きました。中学生の頃はそういう聴き方してた。無駄に大人になってしまったな(反省)。
今からこういう気持ちでレコードを聴こう。
自分を大事にできない大人になるな。
【余談 雑談 筆者談】
レコードとCDやデジタルの音の違いを明確に説明するのは困難ですが、違います。
CDは厳しいルールの上に成り立っている音で、レコードはルール無用の音というのが筆者の感想です。仮にCDの音を正確とするならば、レコードの音はたまに間違えてます。むしろそれが正確なのかもしれませんが。
その間違えた音に感動します。
私にとってそれがレコードを聴く理由です。
抽象的ですが、私にはそんな感じに聴こえています。
結局のところ、実際に聴いてみて自分に合うかどうかってことでしかありません。
※人の感想ほど当てにならないものはない
クロマニヨンズと他のミュージシャンにも同じことを感じます。もちろんクロマニヨンズがレコードの方です。ルール無用です。
いつかシングル・コレクション第2弾とか出るんだろうか⁈
ありがとうございました。
また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。
それではまた。