こんにちは。
『GUMBO INFERNO』は2014年リリースのクロマニヨンズの8thアルバムです。
なんとなく帰ってきたSTEREO盤です。
クロマニヨンズのロッケンロー‼︎はいつも、お前カッチョいいからOKだよと言ってくれます。
それだけで生きていられるほど何度でも全肯定してくれます。耐え抜いた苦しみも置き去りにはされません。生きることが素晴らしいかどうかは分からないけど、クロマニヨンズに熱狂してる自分は生きないより幸せです。
生きるのイヤになったらロッケンロー‼︎自分を嫌いになりかけたらクロマニヨンズ。
The Cro-Magnons/GUMBO INFERNO(2014)
GUMBO INFERNO(ガンボ インフェルノ)はカップリング・コレクション『20 FLAKES〜Coupling Collection〜』のたった4ヶ月後(2014/9/24)に発売された8枚目のオリジナルアルバムです。
オリジナルアルバムとしては1年7ヶ月ぶりとクロマニヨンズのキャリアの中ではもっとも長いブランクをおいての8枚目。
とは言え、2013年末にライブ盤、2014年は4月、5月にベスト盤2作のリリースがあったので聴き込むのに忙しかったです。
『GUMBO INFERNO』発売の前にシングル「キスまでいける」も出てます。本作には収録されていませんがカップリングの「突風野郎〜愛のテーマ〜」も最高です。
2014年だけでクロマニヨンズのレコードが4枚(アルバム3枚、シングル1枚)も増えました。MV集のDVDも出ました。
アルバムのタイトルは内容とあんまりリンクしてないし、ジャケットも内容と関係ないというのがヒロト論。
やっぱり意味とかなくて良かったです。
どちらかと言うとアナログをリリースしててCDもついでにリリースしてるというのがマーシー論。
さすがアナログばっか聴いててCDは聴かないと言ってしまう人です。
『GUMBO INFERNO』が急にステレオになった件。
「今まで自分たちが聴いてた音楽がモノラルだったから、自然な流れでモノラルだったんだけど、去年ライブアルバムを出した時、ライブ会場の雰囲気を楽しんでもらおうとステレオMixにしたら“ステレオもいいね”と心がほぐれたんです」とヒロト。
マーシーは「なんとなく」と言っていた。
何にしても久しぶりにステレオ録音のオリジナルアルバムというのは興味深いし、その時の自分たちが好きなものを作品にするという姿勢がクロマニヨンズらしくていい。
オリジナルアルバムでCDもレコードも「STEREO」という仕様は1stアルバム以来です。
次のアルバムからはまたいつものモノラルに戻りました。今となってはレアなクロマニヨンズのステレオ録音のアルバム。
『GUMBO INFERNO』収録曲
01.旅立ちはネアンデルタール
02.流行のクルマ
03.ウォルターに一撃!
04.スパーク!
05.ダイナマイト・ブルース
06.ルル
07.原子力自転車
08.犬の夢
09.B&K
10.キスまでいける
11.ドードードドードー
12.孤独の化身
全編ステレオ、全12曲39分。
作詞・作曲もいつも通り6曲ずつです。6曲ずつと決めている訳ではなく、作った歌をスタジオでやる時にヒロトが1曲やったら次はマーシーがやるという自然なスタイルらしいです。オレ次ももう1曲やるよということにはならないと言っていたのが印象的でした。
それぞれの歌が出来てスタジオに入ってみんなで合わせて大体30分もあれば1曲が形になって、3日もあればアルバム出来るよと2人が楽しそうに語っていたのには心を奪われました。
本作はいつもの高速8ビートなロッケンロー‼︎は少なくなって、ひと味ひねったアレンジが増えました。
胸がキュッとなる曲が多いアルバムという印象です。目頭は熱くなり、心は猛烈に激情して、意識は今この瞬間だけに向いてくる。
感情を刺激されまくる「センチメンタルの頂点を極める」エモいアルバムだと感じるので、筆者はお気に入りの1枚です。
アルバムを聴いて一番感じることをひと言で表すなら“切なさにシビレる”ということ。
どの曲もメロディがすごく良くてノリで聞くというより心に聴こえるアルバムです。
と言いつつも、クロマニヨンズのロッケンロー‼︎の本質は何も変わっていないと感じます。
急にステレオに戻ったこともあるし、いろんなロックの楽しさがあるということを実感します。ヒロトが語ったように心がほぐれる感覚が私にも感じられました。
確実にオレが感動するための心を捉えてる。絶対オレにアピールしてる。
相変わらずリスナーの想像の余白がありまくりで無限な解釈を可能にする歌詞が、思わず深読みしてしまう楽しさに溢れてます。
シングル曲は13枚目のシングル「キスまでいける」が収録されてます。
アルバム発売当時、アナログ盤も同時発売されました。アナログ盤の方もCDと同じステレオです。クロマニヨンズではお馴染みの「60年代E式フリップバック」が唯一無二な存在感。レコードラックの中で堂々とした姿の背表紙が立っています。
このアルバム、衝撃の特典付きな大事件が起きてました。CDの初回生産限定盤には熱狂のライブ映像を収録した豪華な内容のDVDが付いていたのです。ビビります。
M1「旅立ちはネアンデルタール」
作詞・作曲/真島昌利
おー‼︎左右に振り分けられた広がりのある音場。だけど妙な装飾はなくシンプル全開なクロマニヨンズだ。
アルバムの始まりを感じさせる弾ける明るさが印象的なイントロ。いつもより少しだけ抑え気味にも聴こえる。それがいい感じ。
『GUMBO INFERNO』のひと味ひねった個性がいきなり炸裂してる。それはやっぱりクロマニヨンズの独創性。
高揚感のあるサビとちょっと感傷的なメロディのギャップに心が反応する。心の底の方から何かが込み上げてくるのを感じた時にはもう胸が熱くなってる。
アルバムを聴き込むとサビのメロディに生きる活力が湧き上がってきてるのに気付く。
クロマニヨンズがカッコいい。今日も元気だ。新しい今日として生きようとしてる実感が湧いてくる。
歌詞 : クロマニヨンズには心が不安になるネガティブな感情が芽生えない。この歌詞もすごく芯が強くて、義務感のある朝の憂鬱な気分さえも“自分の意志”で行動しようと強い芯のあるポジティブに変換される。
意外にもサビは他のメロディよりも落ち着いたアレンジです。だから尚更、心が感じる新しい希望や今日の苦難を乗り越えるエネルギーが沸々と湧いてきます。
聴いていると新鮮な希望が湧いてきて、あんまり好きになれなかった昨日と決別できる。
M2「流行のクルマ」
作詞・作曲/真島昌利
やっぱり左右で独立して鳴るギターが楽しい。ステレオのメリットがフル活用されてます。
この歌は最高です。何度も聴いてしまう。
何か腑に落ちないもどかしさを感じた日のわかりみソング。
すごい皮肉にも聴こえるロッケンロー‼︎腑に落ちていないもどかしさをこんなに分かりやすく表現した歌は他にない。そのもどかしさがやけに胸を熱くする。
ヒロトの歌がかなりの説得力を持ってるから歌詞のもどかしさがダイレクトに伝わってくる。ミュート奏法のギターが多用されたマーシーらしい音が一発で記憶に残る。この音は強烈です。
定義はないけど2曲目感があるアレンジ。
他人が決めた謎のルールとかに納得できなかったり、腑に落ちなかったりするような出来事があった日にぴったりの歌です。何も解決しないけど、もどかしい気持ちの共有はできてなんかスッキリする。
歌詞 : クルマに限らず日常には「好き嫌いじゃない」という心情になるものがあります。マーシーの歌詞とヒロトの歌心の表現力によって、自分の意思で選べない切なさが伝わってくる。誰の心にも刺さる表現力豊かな“歌詞は一度聴いたら忘れない。驚愕のないない尽くしに厨二心が反応する。
「腑に落ちないまま」と「ブッブー」の音は猛烈に心を捉えてしまうインパクト。メロディとかアレンジというよりも歌われている心情がとても切なく、内容に共感する。
だけど踊り出してしまうロッケンロー‼︎なのがクロマニヨンズらしくて好き。
M3「ウォルターに一撃!」
作詞・作曲/甲本ヒロト
保身な心にガツンとくる一撃を!
ブルースの偉人“リトル・ウォルター”の登場で、高濃度なアドレナリンが分泌されて一気にオレは闘争モードに突入する。
ハーモニカ入りの猛毒性なロッケンロー‼︎と古いブルースのアウトローなハイブリッド。
3曲目はこうでなくちゃという期待に応えてくれたかのようなシブいアレンジに、気持ちがだんだん積極性を帯びてくる。
カツジのバスドラの振動は体の中まで響いてくる魂の一撃。
ブルースの中毒性のある猛毒が腑抜けた心に一撃をぶっ込む。歌に毒されたオレの存在はシャキッとしてる。
“ゆくあてなしの情熱”はきっと他人を優先しない。
歌詞 : 短く、それほど具体性もないのに心にガツンと一撃がブッ込まれてやたらと元気になってしまうのが不思議です。
聴くと自分の気持ちが攻撃的とまではいかないけど、明らかに保守的ではなくなってる。
M4「スパーク!」
作詞・作曲/真島昌利
轟くヘヴィーな音とテンポに全力で重く頭を振りたくなる。サビは軽快なノリのギャップがたまらない。
やりすぎてない適度な重さが音の迫力になってる。耳にほんのりとだけある圧迫感がいい感じです。
そのちょうどいい圧迫感が、何にも動じないズッシリとした気持ちを爆誕させる。
この音は久々に聴いたと感じるキンキンなギターソロは生音感たっぷり。
高速8ビートではない重厚でバチバチなロッケンロー‼︎に目の前の現実がフィクションに見えるほど浸れる。嫌いな奴の顔など閃光が発する鋭い光でまったく見えなくなる。
アルバムの中で一番短い歌詞。
歌詞 : ヘヴィーなアレンジの中でサビは突き抜ける明るさと疾走感があるからギャップ萌えが楽しめます。“バチバチ”とか歌われると感化されやすいオレは、歩きながらバチバチなオーラを放ってしまう。それがいい感じ。
M5「ダイナマイト・ブルース」
作詞・作曲/甲本ヒロト
イントロのギターの音から既に目の前の現実が見えなくなる。その根底にあるリズム、カツジの規則的なバスドラの音は脳みそを直撃してきて、頭は別の世界へぶっ飛ばされる。
音楽の世界に引きずり込まれるインパクト。
音のステレオ感が聴感上のダイナマイト。
何かやらかしてくれそうで、すげえ好きなイントロ。最初の音だけで心の中学2年生が出現する。ハーモニカ入りでもう止められない「どうでもいい」テンションになってしまう。
鳴り響く音に突然自分の感情が胸の二倍の大きさにまで満ち溢れる。
男だぜ!と宣言しているし、これってやっぱり下のネタのソングなのかもしれないけど、こんなにも切なさを含むのは聴いた事がない。
ラストの感情的なギターの音に胸がキュッとなる。
歌詞 : そのデカさとカタさに憧れさえ持ってしまう、それ以外なくないかと思ってしまう歌詞。特に深い意味とかない下ネタソングなのかと思いきや、、
「地球が丸いとかどうでもいい」と、急になんかすごそうなこと言ってくる。これを聴いた時にそういえば地球って丸いとか意識しました。
なんかわかる、「ダイナマイト・ブルース」に熱狂してるこの瞬間は三角でもかまわなかった。
M6「ルル」
作詞・作曲/甲本ヒロト
こいつも感情を猛烈に刺激するメロディ。記憶に残る。心を掴まれてるこの感じ、最高。
センチメンタリズムに心が浸る。
切ないメロディと感情を支配してくるほどのアレンジに心を奪われて、明日の不安なんか感じることは出来くなる。今ここに意識が戻ってくるマインドフルネスを体験した。
この歌は切なさを感じるアレンジだけど、ロッケンロー‼︎に感銘を受けているのはポジティブな精神だと思う。
聴いたすべての人が何かを感じるのではないかと思うほど切なさ全開な雰囲気。断言しておかなければいけないのは、切なさと言っても決して悲しいとは違うということ。
間奏のハーモニカとギターはすごく感情的な音で胸が熱い。それまでになかった感じの音に耳も心も奪われる。
歌詞 : 最後に一度しか歌わない歌詞とメロディは、それまでに感じた切なさを総括するかのような哀愁のラストシーン。
“ラ ラ ラ”
エンドロールが流れているかのようなラストは、心が耐えうるギリギリの切なさに理由のない涙が落っこちる。
感動しちゃった真実の心が言う。
はっきりと言い表せないこの気持ち、いつか何かに成り下がらないでくれ。
M7「原子力自転車」
作詞・作曲/真島昌利
心を捉えるアレンジやメロディの歌が続く。
まだあるのか!胸の奥の方が熱くなるこの感じ。やっぱり今回はこれまでとはちょっと違うなと感じるのは肯定的な感想です。
日常ではあまり感じることのない気持ちがたくさんあって、心の中学2年生が3年生になろうとしてる。すごいぜクロマニヨンズ。
タイトルからイメージしたのとは全然違う、感情に直接聴こえるロッケンロー‼︎
おセンチで猛烈な激情。
感慨深いアレンジ。夕焼けの感動的な色と少しの寂しさが音として聴こえてくる。根底には芯の強さを感じるクロマニヨンズ流。
『GUMBO INFERNO』に魅せられてるこの瞬間。引き込まれてるこの心。オレは既にいつか来る死への不安さえも消えている。なんだかすごいアルバムだな。
歌詞 : 歌い出しの声、演奏、歌詞にはグッとくる。意味とか分かっていなくてもその熱さは変わらない。今回のアルバムはそれまでの経験から予想してるのと違うところで胸が熱くなるんだ。そんなところがとてもおもしろいアルバムです。
M8「犬の夢」
作詞・作曲/甲本ヒロト
すべてのしがらみを取っ払って自由な心で過ごしたい日のテーマソング。
前の曲まで続いた感傷的になった気持ちがパッと晴れ渡るようなイントロ。キタキター!という感じの左にアコギの音が鳴る軽快なリズム。
だけど今回のアルバムはそのままではいかない。途中でクールダウンも入って今までとはひと味違う。軽い感じではなくやっぱり熱い。
転調しまくるのが楽しい聴きどころです。
犬の視点。行動も感情もすげえグッとくる。今日のことしか考えていない生き方に共感する。
ギターソロも自由を謳歌しているようなメロディと音が聴こえてくる。
歌詞 : 歌い出しから心を掴まれる。オレはその状況にすげえ憧れる名前の付いてる人間。
犬の歌だけど、「今夜あなたの夢を見ます」と歌うサビは、強い想いを馳せてる宣言がとても人間らしくて好きです。
昨日の夜なんの夢を見ていたのかは覚えてないけど、起きた瞬間は「犬の夢」が頭の中に流れてた。朝起きてアルバムの曲が頭の中で勝手に再生されていることに気付いた瞬間は幸せを感じます。
物理的ではなくて、ついにオレのものになったという精神的な所有感に満たされる。
そんな朝はすべてのしがらみを突破して自由への扉に手を掛けているような、開放的な気分が心地いい。
心のレコードプレーヤーはいつもランダム再生だ。
M9「B&K」
作詞・作曲/真島昌利
魂が激しい。
カッティングギターが頭の中の悪い妄想を軽くぶっ飛ばしてくれる。カッコよすぎ。
こういう熱い演奏には起き抜けの放心状態でも心がときめく。
なんか知らないけどこのアルバムずっとエモい。ジャキジャキなロッケンロー‼︎のサビに入ってる昭和歌謡でよく聞いた「ビロ〜ン」と鳴る名前は知らない楽器の音までエモい。
マーシーのチョーキングなギターソロがこの曲に似合いすぎてる。
当たり前すぎて忘れちゃってることをハッキリと意識させてくれる歌。聴く前に意味の分かった人はきっといないタイトル。「B&K」ってなんの事だ⁈と思っていたら「べんりときけん」というオレの想像を遥かに超える頭文字だった。
歌詞 : インパクトがありすぎる。一度聴いただけでばっちり気づかされるし、絶対に忘れない。
そのへんに三兆円は落ちてない。
M10「キスまでいける」
作詞・作曲/甲本ヒロト
クロマニヨンズの13枚目のシングル。
意外にもシングルとしては1年8ヶ月ぶり。
強烈なインパクトのタイトル。覚えられない人はあんまりいない。
イントロなし。高速8ビートではなくミディアム・テンポの落ち着いた曲調。
と言うと退屈そうに感じるかもしれないけど、すげえ心に刺さるドラマチックな歌。
今日成し遂げたいことを欲求や願いではなく100%確信に変えるためのパワーソング。
「キスしてほしい」は欲求か願いかトゥートゥートゥーだけど「キスまでいける」は自分が完全に確信してる。冒険にワクワクする。
歌詞の影響だろうけど映画のような世界観。
この歌を作った人の人生そのもののような印象を受けます。
思春期っぽいタイトルが甘酸っぱさをイメージさせるけど、オレにとって重要なのはそこじゃない。心に残る強烈な言葉があるのです。
歌詞 : 何十回と聴いたある時、急にこの歌詞が爆音で心に鳴り響きました。それまでそんなに輝きを放っていなかったのに突然の鷲掴み。
割と抽象的な歌詞の中に際立つハッキリとした言葉。この歌詞が語る内容の、そういうことだったのかという発見と納得。確実に心に刻まれた具体性のある手応え。こういう体験には圧倒的な驚きがあるし、他にはない楽しさもある。
歌を聴いてこんな重要な事に気付けてラッキー!と思う感覚さえありました。
なんか知らないけど急にキスしてきた。
すぐに信じられない事が起こる。自分はそんな経験をするって信じてしまえる。
この歌が出来たのはヒロトが車をおりてドアを閉めた瞬間に“キスまでいける”と降ってきたということです。
歌を作る人ってやっぱり信じられないすげえことが起きているんだな。
M11「ドードードドードー」
作詞・作曲/真島昌利
ラスト曲っぽい堂々とした雰囲気のある11曲目。
まだもう1曲あるという事実に期待が膨らむ。
アルバムで初めてストレートなロッケンロー‼︎だという感じがしました。
クロマニヨンズの十八番な感じ。アルバムに1曲は入っていてほしいという期待。そいつに熱狂したいという欲望と希望。
バンドがオレたちのリクエストに応える必要はないけど、クロマニヨンズはいつもやる。
パワーがみなぎってくる芯の太さ。歌詞に意味のないサビは存在感抜群で堂々としてる。デカい音の堂々としたギターソロで、オレのパワーインジケーターはフル10に到達する。
怒られたり、失敗を他人に指摘されて萎縮してしまった日に聴けば、この歌に感化されたそのままの自分でいいじゃんと堂々とした態度が戻ってくる。必ずその勘違いしてる他人とオレの立場も逆転するに違いない。
歌詞 : 私の解釈なだけで「堂々」ではなく「ドードー」という歌詞なんだけど、聴いてポジティブな意識に変わっていくなら、それはロックが誕生した時から持っていたパワーなんだ。
その恩恵を受けるのはロックを聴いたオレの特権です。
今日はいつもより堂々とした態度で生きよう。
ステレオ録音も迫力あるな!と感じた1曲です。ステレオかモノラルかの違いというよりクロマニヨンズかそうでないかの違いなのかもしれない。多分そう。
この歌でアルバムが終わりでも違和感ないほどの貫禄。でもヤバいやつがもう1曲ある。
M12「孤独の化身」
作詞・作曲/甲本ヒロト
オレの孤独に寄り添ってくれる歌。
ロックに心を救われて、クロマニヨンズに生きる勇気をもらう名場面。
この曲も直球ストレートで耳に入ってくる印象です。ラスト2曲は何も考えず単純に楽しめるけど、やっぱりエモい。センチメンタルで心に聴こえるメロディ。
2番から入ってくるコーラスが気持ちを高揚させていく。
サビのメロディは心を持っていかれる胸熱なハイライト。エモすぎて感情が熱さを伴って震えてる。最後のサビを歌い始める瞬間は胸が張り裂けてしまいそうなほど熱くなる。
これは本気だな。
クロマニヨンズが全身全霊をブッ込んでいるのが伝わってくる。
『GUMBO INFERNO』の特色である切なさも感じます。そいつがすごい勢いで胸の中に入ってきます。
そっと寄り添ってくれるのが神様とかじゃなくて孤独の化身というのがグッとくる。神様なんか見た事ある人はいないし、感触もない。孤独はほとんどの人が感じた事のある感覚だから分かりやすいし、生きてる人間そのもの。
感情にダイレクトに響くアルバムラストにして最強なエモさ。いい。心が感情的になる。
「流行のコトバ」で写真を見て“エモい”と言っているのとは多分違う。オレにはその場合のエモいの感情が分かっていないけど、なんか違う気がする。そんな気がする、、、
歌詞 : いつでも寄り添ってくれるヤツ。絶対オレを否定しないヤツ。最強の味方なヤツ。もしかしたらそいつは初めからオレの中にいる揺るぎない自分なのかもしれない。
この歌がすべての人の孤独の化身なんだな。
いくら孤独を愛しても完全に一人では生きていけません。孤独よりも、孤立してしまった時に人は寂しさを感じるのだと思います。人との出会いは一期一会、大切にしたいです。
もう一人の孤独の登場で、すっかり心が一人じゃなくなったところでアルバムはおしまいです。
アルバムの流れとかもいちいち感動させる。
何度も胸がキュッとするいつもとちょっと違う手応えの熱さをビシバシ感じたクロマニヨンズの8枚目のアルバムでした。
全体的にセンチメンタリズムが漂っていた。
クロマニヨンズの熱さに没頭して、そのロッケンロー‼︎に熱狂していた瞬間は、ろくでもない「おぼろげな不安」というものが完全に消えていた。
なんてことだ。ロッケンロー‼︎にも最高の体調を実現する効果とかあったのか。
またすごいもの買っちゃったな。
アルバムを聴きながら自分の中で溢れていた感情はなんかいい。すごい好きな感覚だ。
『GUMBO INFERNO』は1回聴いただけでは分からない気がします。2回聴こう。なぜなら2回目は1回目よりもっとエモいから。
ステレオもいいね。
初回生産限定盤の特典ディスク
LIVE at B1F「CUTUP STUDIO」2014.07.24
48分収録です。
DVD収録曲
01.タリホー
02.紙飛行機
03.ギリギリガガンガン
04.炎
05.エイトビート
06.キスまでいける
07.突風野郎〜愛のテーマ〜
08.グリセリン・クイーン
09.スピードとナイフ
10.雷雨決行
11.オートバイと皮ジャンパーとカレー
12.突撃ロック
13.ナンバーワン野郎!
シングル曲のオンパレードで特別感ぶっちぎりなセットリスト。当時の最新シングル「キスまでいける」のカップリング曲「突風野郎〜愛のテーマ〜」をやってくれたのは胸熱でした。
バンドとオーディエンスの互いの熱狂がハッキリと映っています。他のDVD作品よりも狭い会場だからなのか、映像も音もやたらと近くて生々しいです。マーシーのギターの音なんか完全に聴き取れる。ピック投げまくり。
画面を観てるというより現実なのかと錯覚してしまう。オレは今一番前でクロマニヨンズの上昇した体温を感じてる。
世界で一番熱いロッケンロー‼︎の瞬間。
会場のリアルな“今この瞬間”に、ロッケンロー‼︎がこいつたちカッコいいなと熱狂してる。
この人たちなんでこんなにカッコいいの⁈
全員の凄まじい熱気がステージと客席の境目もブッ壊してしまいそうなラストの「ナンバーワン野郎!」で、すげえ楽しいのに涙が流れるのはなんでだろう。
『激情しすぎた心の中学2年生は今年もきっと留年する。』
『、、、、、。』
『留年決定である。』
ここまで豪華な内容で初回盤を買ったら勝手に付いてくる特典ディスクという太っ腹なクロマニヨンズが大好きです。普通はこれだけで単品のDVD作品として成り立つレベルです。
まぁ、初回生産限定盤CDは通常よりちょびっとだけ高い¥3700+税でしたが十分に思いやり価格だと思います。オレにも買えた。
どの音楽、どのバンド、どのアルバムにも10回くらい聴かないと聴こえてこない音があると思うのです。
クロマニヨンズには想像の余白がたっぷりと用意されているから、一聴して単純なロックに聴こえても実は深いんじゃないのかという感想に辿り着くことは余裕であります。
それもクロマニヨンズを聴く楽しさの一つ。
また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。
ありがとうございました。
それではまた。
※クロマニヨンズはサブスクがありません