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つまらない世界に“心のロックンロール”をブチかます無謀な企画 ★ロックンロールが鳴り響く!! ★

ザ・クロマニヨンズ

【ザ・クロマニヨンズ/Rainbow Thunder】虹雷のアグレッシブな魅惑! 12thアルバム

投稿日:2023年5月5日 更新日:

こんにちは。

『Rainbow Thunder』は2018年発表のザ・クロマニヨンズの12枚目のアルバムです。

鮮やかな虹の美しさと、凄まじき雷鳴や稲光の激しさが同時に存在する12作目。

クロマニヨンズならではの豊かなエンタメ性に魅了される瞬間ばかり。

つまりロックンロールのミラクル。

心の名盤:全曲レビューです。

皆様どうぞ最後までよろしくお願い致します。

ラジオに出演した際に『レインボーサンダー』はどのようなアルバムなのかと聞かれたマーシーの答え。

「素晴らしい」

一言だけでしたが、私もその通りだと感じます。本人たちがそう思っていなかったら発表しません。

たくさんあるクロマニヨンズのアルバムの中でも特に突き抜けた印象と、振り切れた魅力が突出した作品です。

鋭い切れ味も心に突き刺さってきます。

The Cro-Magnons/RAINBOW THUNDER(2018)


Rainbow Thunder(レインボーサンダー)は前作『LUCKY & HEAVEN』から1年後にリリースされた12枚目のアルバムです。

2018年10月10日発売。

ミディアムテンポの落ち着いた所感であった前作より積極的なサウンド。

再び突き抜けた勢いが戻ってきたって印象。

要するにアグレッシブなアルバム。

大袈裟ですがクロマニヨンズは命を繋ぎます。

聴くと気力が湧いて前向きになれるからです。私は毎年出る新作を聴かずに生きるのやめる訳にはいきません。

12枚目のオリジナルアルバムも、いつも通り特にコンセプトも決めずにみんな集まって楽しく演奏して、その時にテープレコーダーを回すだけであったということ。

 

ヒロト「その時の感想は“ああ、いいのができたな”って。毎回そうですけど。」

 

・レコーディングはスムーズ
・悩んだりせず楽しくやるだけ
・構成やアレンジが決まるまで演奏するのは3回ぐらい

いつも力を抜いてやっているんだなという事と、ひたむきにロックンロールを楽しむ人たちの遊び心が伝わって来ました。

だから毎回アルバムが最高で、聴いた私まで熱狂してしまうんだと感じます。

『Rainbow Thunder』収録曲

1. おやつ
2. 生きる
3. 人間ランド
4. ミシシッピ
5. ファズトーン
6. サンダーボルト
7. 恋のハイパーメタモルフォーゼ
8. 荒海の男
9. 東京フリーザー
10. モノレール
11. 三年寝た
12. GIGS(宇宙で一番スゲエ夜)

全編モノラル、全12曲37分。

クロマニヨンズが得意なアップテンポでぶっ飛ばしていく勢いの復活。

猛烈に元気が出る瞬間や感動する場面に必ず出会うロックンロール12曲。

根底はロックンロールでありながら、バラエティ豊かなアレンジで攻めた傑作。

急にミディアムテンポで感動させて来たりする場合もあって、本当はあんまり教えたくないけど、それは思いっきりグッときます。

どれもすぐに覚えて一緒に歌いたいメロディ。

他の誰も思い付けないと断言できる超個性的で絶対普通じゃない歌詞。

色々と心に残るクロマニヨンズの12作目。

何かの答えを教えてくれる訳ではないけど、日々落ち込んでしまいがちな心へ希望のレインボーサンダーと、問答無用のロックンロールをぶっ込んでくれるアルバムです。

マーシーが使うエフェクターは1個だけ!

本作のエフェクターも「オーバードライブ」1個だけで録音されたということです。

ゴージャスなギターがジャーンと鳴るロックもいいですが、シンプルなサウンドはもっとダイレクトに伝わります。

 

ヒロト 「マーシーはいい意味で不器用な人だと思うの。すごい器用でエフェクターがいっぱいあって曲ごとに全然違うプレイをするっていう人じゃなくて、“俺これしかできねえから”っていう感じ。それが余計にマーシーのキャラクターを際立たせてる気はする。」

 

仲間内でしか知り得ない個性の話を、誰にも分かりやすく話すヒロトってすごい。

ギタリストとしてのマーシーを一番近くで知ってる人です。

マーシーがギターを弾くうえで心がけていることは?

・カッコいい音でギターを弾く
・あんまり音を多く使わない
・もっとスカスカでいい

今回のアルバムでも最初はギターを重ねていたけど「これいらないね」って消したりして何曲かで最終的に取っ払った音があると。

私がいつも求めている音はこれだ!と納得です。嘘のない、余計な装飾もない誠実な音が心の奥にまで刺さっていると感じるから。

マーシーはギターソロを弾きたがらない⁈

 

ヒロト 「僕は毎回自分の曲でギターソロを1、2曲は入れてもらいたいんですけど、本人があまりソロを弾きたがらないんで(笑)。もうちょっとソロあったほうがいいんじゃないかな。毎回いいソロ弾いてくれるんです。」

 

マーシー 「あんまり、そうですね。弾きたいか弾きたくないかって言われたら弾きたくない(笑)。」

 

すごい本音。想像したこともなかった。

私はあの心が熱狂してしまうギターソロ聴きたいのが本音。他のギタリストとは私の心が激情しちゃう度合いが全然違うし。

マーシーがソロを弾きたくないことに対してヒロトは⁈

ヒロト 「そうすると僕、歌いっぱなしなんです。いいんですけどね。」

ああ!間奏なく歌い続けたり、歌った直後にハーモニカ吹いたりすごく忙しそうなヒロトをたまに見る。

ヒロト大変かもしれないけどその分やっぱり私の興奮が度を超えます。

マーシーは歌も歌いたくない⁈

THE BLUE HEARTS、THE HIGH-LOWSではメインボーカルを取る曲もあったけどザ・クロマニヨンズではコーラスに徹している。

自分で作った曲を自分で歌いたいと思うことはないのでしょうか?

マーシー 「そうですね。“歌いたいなあ”ってなることはあまりないです。」

『ましまろ』では歌っているけど、真城めぐみさんに言われるから?

マーシー 「そうですそうです。“ここはマーシー歌いなよ”とか余計なこと言いやがって(笑)。」

ではヒロトはマーシーに歌えと言っているのか⁉︎

ヒロト 「最近はないですね。ていうか何も考えてない。マーシーが“曲できたよ”ってスタジオに持ってきて、俺が歌詞カードもらって歌うだけ。何も考えずにそれが行われているんで、もしマーシーが“俺も歌いたいんだ”って言えばすんなりそうなると思うけど。」

ここまでの話だと、マーシーさんは歌いたくないしギターソロも弾きたくない人ということになってしまいますが(笑)とインタビュアーに突っ込まれて。

マーシー 「うん(笑)、ただバンドでワーッてやっていたいだけなんです。」

大丈夫、マーシーはこのアルバムでしっかり熱いギターソロを弾いているし、張り切ったコーラスも歌ってます。

あったらあったで大興奮。

何はともあれ、自分たちが一番しっくり来るスタイルで演奏した音楽をいつでも聴かせてくれたら私にはそれが何よりの興奮剤です。

シングル曲は17枚目のシングル「生きる」が収録されています。

2018年8月29日リリース。

いつも通りCDと7インチアナログ盤が同時発売されました。

初回限定盤CDは紙ジャケット仕様。

アナログ盤は完全生産限定盤で既に完売。

カップリングにはマーシー作のミディアムテンポで時の流れに共感してしまう歌詞が強烈な「時のまにまに」が収録されました。

一部にマーシーのコーラスが豪快に入っているし、生音感たっぷりのギターソロも聴きどころになっていて必聴です。

本作『Rainbow Thunder』には未収録。

2018年、12thアルバム『Rainbow Thunder』発売当時CDとアナログ盤が同時リリースされました。

CDの初回限定盤は紙ジャケット仕様。

限定生産だったアナログ盤は既に完売。

CDはそのコンパクトさや扱いやすさに魅力があり、クロマニヨンズのCDはレコードから録音したものだからいい音しています。

レコードは巨大なジャケットが猛烈に異国なインパクトを放つ「60年代E式フリップバック」仕様。

手に持つとズッシリの180g重量盤。

重くて分厚くて固いやつ。反りはするかもしれないけど、絶対に折れません。

このレコードを聴いている私の心だって反りはするかもしれないけど、絶対に折れません。

CDでもレコードでもロックンロールは心の支えになります。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

『Rainbow Thunder』はおもしろい、頭振って拳を突き上げて飛び跳ねながら楽しめる。

頭がブッ飛ぶ覚悟はしといてください。

退屈な平常心も突き破る。

なぜならこの作品は“宇宙で一番スゲエ今”を体験することになる。

クロマニヨンズが正々堂々としているのだから、私たちだってみんなに合わせた「普通」でいる必要もなし。

大胆にドキドキしっぱなしの37分間。

オーライ!ロッケンロー!!

M1「おやつ」

作詞・作曲/真島昌利

1曲目、絶好調のアルバムスタート。

再生ボタンを押すといきなり明るく楽しげな音が出てきて「楽しむ 楽しむ」と歌う超ポジティブな印象。

中途半端でなく自分の果てまで楽しむことを優先するロックンロール。

つい飛び跳ねちゃうアップテンポ。

驚異的にポジティブアレンジ。

親しみやすくも強烈に心へ響くメロディ。

諦め無用の強さと、3時のおやつを楽しみにしている愛嬌のある歌詞。

鳴っているすべての事柄から保守的の真逆を感じるのが魅力。革新的なアルバム一発目。

まずイントロでの想像を超える衝撃。

アルバムが始まった途端に、ひたすら明るいメジャーコードが鳴り響く愉快な演出。

意図が雲一つない空くらい澄んでいて、音が眩しい太陽みたいに光ってる。

濁りや曇りのない清らかな空気。

誰よりも楽しみながらヒロトが歌い出すから大抵の人は笑顔になると思う。

ロックンロールの神様みたいな笑顔のヒロトに「楽しむ」って連発されてつまらなくなる人はいません。

歌も演奏も強烈にリズミカル。

一番前にはロックンロールのまごうことなき堂々っぷりを感じる。

だから部屋でもライブ会場にいる時の熱気が目に見えてるあの感じ。

すなわちアクティブな聴きごたえ。

Bメロではマーシーのギターが空間をクルクル回して、私の中に蓄積していた不要なものを洗い流してくれる。マーシーの遊び心。

次は強力な成分の含まれた短めのサビ。

トキメキ成分を多く含有している。

うんざりする日常には癒される3時のおやつが必要です。幸せな甘さや丁度良い塩気でポジティブな思考に切り替える時間。

みるみる気力が湧いてきて自分の果てまで楽しんでやると前向きになれます。

おやつはロールケーキ1本食いなんか憧れる。

間奏のギターソロなどはなし。

最後まで豪快な勢いで突き破っていく。

特にクロマニヨンズは誰かの謎のルールさえも突破して、自分を優先していくのだ。

この歌の魅力は人生は落ち込むんじゃなくて楽しむんだよなと心が気付いたこと。

つまり爆発力必須の1曲目にふさわしい歌。

正真正銘のロックンロール。

 

歌詞:全部を楽しむということ、私にとっては正解と思える最強の哲学。

タイトルから想像も出来なかった深い内容。

この歌詞から感じて分かったのは、私はまだ果てまで行ってないし、楽しんでないし、手に入れたものを必死で守ろうとしてただけ。

そんなんじゃくて楽しめってこと。

私にとって衝撃の気付きまであります。

それはマーシーみたいに大人になっても3時のおやつを楽しみにしてることの重要性。

M2「生きる」

作詞・作曲/甲本ヒロト

クロマニヨンズの17枚目のシングル。

生きることを最大限にワクワクさせるロックンロール、“黄土色のサファリルック”仕様。

1曲目の流れを汲む、明るく軽快なサウンドが自然な繋がりを感じさせます。

迷いなし、後ろへと下がってる場合じゃないアップテンポ。

装飾なし、突き抜けたシンプルアレンジ。

誰かの前進を全力でサポートするメロディ。

今すぐ生きたくなるパワフルな歌詞。

自分では守り切れない背中の辺りをクロマニヨンズが守備してくれるような感覚が特徴。

だから自信を持って前に出られるのが魅力。

イントロは音が尋常じゃない疾走感を放って目の前をかっ飛んでいく。

長くはないイントロ、私の中には既に長編の物語があり、音からは生きることに突き動かされてる気配がビンビン伝わってきます。

ヒロトが胸を張って歌い出した。

何かを伝える歌心、こういう自信のある態度で歌わなかったら「生きる」にならない。

歌い出しからいきなり心を動かすのは、本気だしパワフルだし正々堂々としてるから。

演奏はどちらかと言うと軽めのサウンド。

これがただならぬ疾走感になってる。

極端にシンプルなアレンジは、ヒロトが歌っている内容を前方で際立たせるための仕掛けなのかもしれない。

シンプルなことを豪快にやる。

サビではヒロトの両隣にマーシーとコビーが寄り添ってくる映像がどうしても浮かぶ。

時間なんか無かったと言い切るリアリティと、その部分を強く発音するヒロトのロックイズムが印象的。

要するに一文にこれだけ「あ」の音が揃うと、明るく力強い強烈な響きになるってことです。

間奏はほとんどなくそのまま後半へ突入。

歌の主張をぶっちぎりに強くする隙間を活かしたアレンジへ。

すべての正直者に手を差し伸べる歌詞。

現在の私の無価値っぷりも肯定してくれた。

生きる力が湧いてくるけど、頑張りすぎなくてもいいんだよと出来る範囲でいいんだよとあったかい言葉をかけられてる気がする。

存在を認められてすっかり上向きな気持ち。

この歌は、生きることを楽しくしたり豊かにする「遊び」を歌っているように思う。

だからこそなんかすげえワクワクするのだ。

すべての生きる人へエールを送っている名曲。

 

歌詞:自分の意志で生きることの素晴らしさ。

私には歌い出しの「黄土色のサファリルック」がパワーワードで記憶に絶大のインパクトを与えました。

後半にある激励の歌詞が心へ響く。

“その時まで 空っぽでもいいよ”という歌詞に救われる人がたくさんいると思います。

急かさず、しかし私を信じてくれて、現在の何もない自分を肯定してくれるようなヒロトの笑顔を私は感じる。

ヒロトはよくこういう人としてのあったかい歌詞を私に聴かせてくれます。

M3「人間ランド」

作詞・作曲/甲本ヒロト

やはり普通じゃないヒロトの感性、丸出し。

何のこっちゃ意味不明なタイトル、異端的なインパクトがあることだけはすぐに分かる。

独自の視点で客観的に見た人間の世界の歌。

「人間ランド」とは、背中合わせでディズニーランドの真裏に存在してる世界か⁉︎

センチメンタルなアップテンポ。

ファンタジックをひっくり返すアレンジ。

暗めで特殊なフィーリングのメロディ。

普通とは視点が異なる歌詞は深い意味や真理を含んでいそうで興味をそそる。

断言しますが、普通じゃない。「普通」とかそんな言葉はこの曲の存在感には合わない。

何やら怪しげな音が心を奪うイントロ。

これは只事でない雰囲気と尋常じゃない感覚であり、あっちの世界への入り口が開く音。

キャラクターの被り物を着用したイメージのヒロトが歌い出す。

真摯に歌うマイナーキーのメロディが心の奥へと直行。心のガードなどまったく無意味だ。勝手に奥まで入ってくる。

マーシー、コビー、カツジの演奏は疾走感がありエモいと感じるもので感情を直撃。

感傷的な旋律になるBメロ。

Aメロとサビを繋ぐ耳触りの良いセンチメンタルなメロディで特別な雰囲気。

私なんか歌に感化されて既に“人間ランド”の行列に並んでしまった。

4人から出る音がガツンとしてるサビ。

Bメロでのわずかにセンチな聴き心地からのパワフルなサウンド。私の一つしかない個性のドアを叩いてるみたいだ。

なんとなくだけど私は、クロマニヨンズから「お前自分で選んだか?」と問われた気分。

この曲もマーシーのギターソロはやらない。
まだとっておき。すげえのあるから大丈夫。

曲の後半ではAメロの後ろに力強いアコギが控えめに主張していて、心地よい耳当たり。

無駄に主張しすぎないマーシーの性格がハイセンスな音像を作ってます。

イントロと同じフレーズを奏でるアウトロ。

今度は“人間ランド”が閉園する音が出てる。

 

歌詞:有名なテーマパークが論題。

テーマパークの幻想的な光景が、現実的な視点にひっくり返っていて妙なリアリティを実感する。

ヒロトも好きで夢の国へ行って楽しんだからこそ、この逆説的な歌詞の発想を得たのだと思います。

尖った独自性でとことん強烈な印象深さ。

人間である自分が、同じ人間を客観的に見るという斬新な視点とかあったんだな。

M4「ミシシッピ」

作詞・作曲/真島昌利

今すぐスカッとしたい時に合う4曲目。

Doo-wop(ドゥーワー!)っとして問答無用ですべての意味を無にするロックンロール。

歩くよりスキップしたい軽やかなテンポ。

軽快ながら歪んだエレキが前面に押し出された切れ味鋭いアレンジ。

最大級に明るくキャッチーなメロディ。

空想的な印象が特大の興味深さに繋がる歌詞。

音からクロマニヨンズのポジティブなパワーがドーンと溢れてる。

つまり、聴くとみんな元気出ます。

「ドン!ドン!ドドドン!」と力一杯カツジが叩くドラムから始まるイントロ。

また楽しそうな事やってくれそうな期待感で胸が高まる。

続くマーシーのギターリフはインパクトがあり一発で記憶に残ります。心に広がります。

元気なヒロトが「ドゥーワー!」と歌い出す。

かなり張り切ったボーカルスタイルに私の心の中の消極性が思わず逃げ出していった。しばらく戻って来ないでほしい。

この歌、いきなり何かを覆すパワーがある。

Aメロの軽快な音は楽しい気分にしてくれるし、そのズバ抜けて明快な雰囲気には心がたちまち軽くなる。

マイナー調のサビ。

演奏はマーシーのエレキがさりげなく唸る。

転調とは違うかもしれないけど、雰囲気が急変するスリリングさが猛烈なインパクト。

私はこのゾクゾクする興奮が大変好ましい。

間奏には、4曲目でとうとうブチかまされるマーシーのギターソロ。

人の心を動かす情熱的なフレーズで、色気までバッチリ出たその音は、、、本当は教えたくないけど、普通じゃない鳥肌モノ。

ビクッとするくらい鮮烈な生音が出る!

なんと、感情が全開されたヒロトのハーモニカソロとの2本立てでテンション急上昇。

クロマニヨンズのサービス、特盛。

最後まで明るい音が鳴り響いて、一切のネガティブを寄せ付けません。

後腐れのない締め方が輪をかけて良し!

 

歌詞:空想的な表現で、マーシーのルーツになった音楽と昔の自身を回想している印象。

ブルースやブルーグラスなどにちなんだ地名が出てくるのが興味深い。

何もなかった当時の自分を、今の自分が肯定している感じなのかな?今の自分を最高に楽しんでいるということなのかもしれない。

私にとっては意味を求めがちな日常の、そのつまらない思考を完全に覆してくれました。

すべてに意味があるのは楽しくない。

ギターソロを弾きたくないと言っていたマーシーですが「ミシシッピ」には超カッコいいギターソロがしっかり入っています。

マーシー  「君もうちょっとソロ弾いたら?って周りの人からずっと言われてて(笑)。」

それとギターソロがないとヒロトはずっと歌っていなければならないと分かってはいるようです。

ヒロト  「大変なんです。例えば1時間半のライヴでソロがなかったらずっと歌ってるんです(笑)。マーシーが酷いのはさ、自分の曲にギターソロをあまり入れないで、“ここはハーモニカソロを入れよう”って言うんだよ。そうしたら俺は歌ってすぐハーモニカ吹いて、酸欠になりそうで(笑)。」

この人たちっておもしろいですね。関係性も話し方もすごく興味を惹かれます。

M5「ファズトーン」

作詞・作曲/真島昌利

5曲目、スカのリズムに無意識に体が踊る。

安心感が突出したメロディや、分かりやすいギターソロがクロマニヨンズならではだったので好きになった曲です。

マーシーの思いつきそのままのスカアレンジ。

レゲエより速いスカのテンポ。

空高く昇っていく希望的メロディ。

悲しみを取り除いてくれる歌詞には心がスッと軽くなる。

これは楽しくてクロマニヨンズと一緒に歌っちゃう闇からの突破口。今回は特に心を明るくするメロディが揃ってる。

澄んだギターの音色が心を捉えるイントロ。

明るい表情でヒロトが歌い出すと同時にスカのリズムへ。

むろん、体がじっとしてはいられない。まず足がリズムを取り始めて、それからだんだん全身へと広がっていく。

これすごいんだ。なぜなら、聴きながらネガティブになったり落ち込んだり出来なくなる。

曲調の楽しさや明るさとか、クロマニヨンズの遊び心が気持ちの一番底を持ち上げてくれる感じがしてる。

だから自分のスタイルで楽しんでください。

次のサビ?Bメロ?そんなのどっちでもいいけどキレッキレの演奏を聴かしてくれる。

軽快なスカのリズムからわずかな重みのあるアレンジへ変わるのが刺激的。

マーシーのジャキジャキしたギター、コビーのグイグイ前に出るベース、叩きまくり一際派手なカツジのドラム。

頭を振りながら歌っていそうなヒロト。

歌詞の美しさにはスカッとした風景が見える。

間奏は、私の感覚では予告なく急にマーシーがブチかましたと感じたギターソロ。

短いメロディだけど存在感は特大のもの。

眩しく晴れたメロディなので、くそったれたネガティブを一瞬でも感じる人はいません。

またしてもどうやって録ったのか、目の前のギターアンプから今出てる生音だ、すげえ!

その後の曲終盤にかけても名場面あり。

ラストは“ラララ”のメロディ。

4人が笑顔で歌うメロディが、私のさっきまであった悲しみを放り投げてくれるから遠くまで歩いていけるいい感じ。

散歩中に聴けば、軽い足取りで普段は行かない所まで主体的に歩いていけるのが特徴。

 

歌詞:マーシーの一番の独自性である美しい比喩表現が際立つ物語風。

言葉から絵本の挿絵が見える感じ。

極めて透き通った表現には、心の表面にあった悲しみなんかただの役たたずに変わって、ホッとしちゃうのが魅力。

キラキラ光りながら私の心に入ってきた言葉があって、それは「虹の味の水」です。

私は未体験だけどこれを飲んだらすっかり心が晴れそう。マーシーの神技には大いなる希望が湧いてくる。

マーシー本人談としては、この曲は最初に作った時から適当にスカのリズムをギターで弾いていたら、いつの間にかできていたという感じだったということ。

M6「サンダーボルト」

作詞・作曲/甲本ヒロト

心の奥のガードしきれないやわな部分を刺激するロックの感動で、生きる覚悟の涙を誘う突き抜けソング。

こういうのクロマニヨンズ上手いんだよな。

心の奥の方へ響くミディアムテンポ。

クリーントーンのエレキと、優美なアコギが泣かせる感動アレンジ。

決してやかましくないメロディにはうるっとしたりジーンときたりキュッとなったり。

サンダーボルトが突き抜ける幻想的な歌詞。

つまりは心が求める歌。

私に近い感性や経験のある人は思いっきり心を奪われそうです。

イントロなし、爽快なサビ始まり。

乾いたサウンドがいきなり胸に突き刺さる。

一音目が鳴った瞬間から、感覚として突き抜けてると感じることを断言します。

すぐにAメロに入ると至極滑らかな旋律。

アレンジや演奏も柔らかで一切の暴力性がなくて極上の聴き心地を実現してる。

要するに、ただただ聴き入ってしまう。

稲妻が輝きを放つBメロには少し力が入る。

このメロディもたまらない。ヒロトの思いを込めたボーカルも胸の奥へ入ってくる。すごくキュッとなって自分の情熱まで感じる。

間奏にはマーシーの感情が奏でる感動突破のギターソロあり。

私の感情へと直接響くメロディ。

ただのギターの演奏なんかではなく、むしろマーシーが弾くギターの歌。

本当の意味での“エモい”はこういうのです。

やっぱりソロはあった方がいいよ。

ヒロトの歌い方、マーシーのギターの弾き方、コビーのくっきりしたベース、カツジの表現豊かなドラム、感動しちゃうよ。

心を捉えるメロディ、ジーンとくるアレンジ、そして大切な思い出を蘇らせる言葉。強がっても隠しきれない刺さったまんまのサンダーボルト。名前のように呼んでしまう気持ち。

テンポまで大切な思い出を蘇らせるきっかけになりやがる。

自分の経験と重なって涙が流れてしまうんだな。心の共有です。

さっき素晴らしいの弾いたばっかりなのに、アウトロにもマーシーのギターのメロディ。

ラストをバシッとキメる鋭く激しいサウンド。

おかげで未来から見た今には望んだ光があった。

レコードの場合はこの「サンダーボルト」がA面ラストという最高に粋な演出が、ロックンロールのプロフェッショナルのハイセンス。

確実に私の『Rainbow Thunder』のベスト3に入ります。

 

歌詞:注目なのは突き抜けていく強さや潔さ。

幻想的な雰囲気に感じつつ、多分ヒロトの現実的な経験だと思えるのが魅力。

だからこそ全体が心へぐっさりと刺さってしまい長めの放心状態になりました。

個人的には歌詞の言葉と同じ経験と気持ちがあり、忘れない思い出が蘇ってちょっとだけ切なくなる。

“突き抜けていく”って歌詞がパワーワード。

本作の中ではゆったりめの曲です。

ヒロト本人談によると、何年も前からあった曲で駄作だと思っていたけど、ちょっといじればバンドに持って行けるという気配を急に感じたそうです。

そうしたらほとんどいじらないで駄作のまま持って行くことになり、こんな感じになったというのが経緯。

私には完全に名曲。いつも記憶の中にそっとあって、胸の奥がうるっと来てて、心のレコードプレーヤーがスッと再生してる感じ。

M7「恋のハイパーメタモルフォーゼ」

作詞・作曲/甲本ヒロト

完全に直球をぶん投げてるラブソング。

ひん曲がっていない分かりやすい歌詞やメロディが、恋っていいねと誠実な人には気付かせるロックンロール。

裏を返せば、愛とかそんな程度では無意味なのだと同時に悟らせる。

笑いながら楽しめるアップテンポ。

曖昧さなど無用のストレートなアレンジ。

くそったれた愛の出番はない“恋”の歌詞。

今ある特別な恋心をとことん盛り上がらせる小さくない恋のメロディ。

イントロなし、4人の歌声で突然始まる。

「あなたを好きになったからさ」いきなりすべての答えが歌われてグッとくる。

その直後は急にサビ。

空高くまで突き抜ける明るいメロディ。

「オーオーオー!」とか「イェイイェイイェイ」とか歌うサビは歌詞がないのが印象的。

この曲のサビにくっついてるコーラスは特に凄まじきインパクトがあり、奇跡的な発想だと感じるもの。

誰もが「かかってこーい!」と闘志を燃やす。

この歌の気持ちはそのくらい最強なのだ。

どういう感性で聴いたとしても機嫌の良さがはっきりしてるヒロトの歌心。

マーシーたちの演奏はパンキッシュな耳当たりで、当然だけど私のテンションは急上昇。

内容は恋の強い気持ちが最高に好ましい。

徹底的に真っ直ぐで無敵感があり、だんだん自分の中に満ちてくる恋の気持ち。

もっとある気持ちが高まってしまうBメロ。

恋してる瞬間のテンションで歌うメロディやその熱い心の歌詞が私の恋心を煽る。2番の二人で歩いた河川敷なんか絶頂です。

聴くと一体何が起こるのか、、、

つまり、今すぐ恋人と一緒にいたくなる。

間奏のギターソロなどはないけど、その事実に気付けない程にこの歌の虜になってる、魅了されてる、夢中になってる、惹かれてる。

早い話がメロメロなのです。

突き抜けて明るくて、直球を投げて直向きに恋してるロックンロール。

猛烈で終わりのない恋心が朗々と鳴ってた。

「愛してる」とかって何の魅力もない殺し文句で逃げない誠実さこそ正解です。

「あなたを好きになったからさ」これだ!冒頭から宣言され何度か歌うこの真心こそ答え。

 

歌詞:恋人を想う気持ちが自分を強く変身させる、あのハイテンションな感じ。

私が特に好きなのは、桜の道を二人で歩いた記憶を歌う終盤。

記憶力は人それぞれ違うけど、思いが強いほどいつまでも忘れないもの。二人で歩いてる瞬間の鮮やかで美しい色が私にも見えた。

いいね、素敵だ。

その時の色や匂いや小さな言葉なんか、私も何度でも思い出すことがあります。

それは二人で歩いたからです。

“かかってこい!”のコーラスが強烈なこの曲。コーラスについての本人談による解説がとても面白く、興味深いです。

ヒロト 「あれはひとりで曲を作っている時から入っていたんですよ。みんなに曲を聴かせる時からやっていて、“何をやってるんだろう?”って思っていたと思う。でも、みんなでやると楽しかったですね。本気でかかってこられたら困りますけど(笑)。」

M8「荒海の男」

作詞・作曲/真島昌利

自分の奥に潜む荒ぶる魂をすくっと立ち上がらせる一撃ソング。

アルバムの中で一際頑強な個性をぶっ放す。

適度な緊張感がポイントであって、強く在りたい時にこそ合うロックンロール。

荒海へ挑んでいくタフなテンポ。

海も魂も大いに荒ぶるヘヴィなアレンジ。

何も恐れない屈強なメロディ。

映画を観ている気分でもある強靭な歌詞。

私のような影響を受けやすい人は、生身で挑んでいく質実剛健なイメージに間違いなく感化されます。

イントロはマーシー渾身のギターリフ。

その音やメロディからは、立ちはだかる荒海の前で腹をくくり仁王立ちしている男の背中を感じる。

まさに今始まった映画の冒頭シーン。

精悍な顔つきのヒロトがロックンロール精神でたくましく歌い始める。

ライブ会場は一気にぐわっと熱が増すはず。

もしも勝てなくても絶対に負けることのないストロングなメロディには拳に力が入る。

演奏は珍しくマーシーが大胆にギターを2本重ねてありギターロックという感じ。

荒れた視界に光が差して音場が広がるBメロ。

アレンジによる感覚。

重ねてあるマーシーのギターの高音パートが特に希望の光を私に見せる。

海の男がストレートに進行しながら恐れなど突破していくサビ。

キャッチーなメロディで、初めて聴きながら一緒に歌えるし、そうしない人はほぼいない程の親しみやすさと熱さ。

フィッシャーが胸を張って船頭に立ってる。

歌、演奏、アレンジ、テンポ、音から感じるのはあらわになる熱意。

アウトロはマーシーのギターリフが、エンドロールの如き締めっぷりを実現する。

巧妙な胸熱仕掛け。

この曲のギターリフ部分は、映画のテーマソングの存在感に似てる。

荒ぶった態度を取る必要はないけど、この歌にはやらない自分をブチ破り、弱音を覆して強気にまでブチ上げるパワーがあります。

一方私はというと、聴いて興奮しただけなのに随分と強い男に変わった自信がある。

そういう魅力。

もしくは影響力と言うのが正しいのかも。

 

歌詞:海の男のストーリー仕立てで、これは特に一撃必殺という印象。

魂が荒ぶる激しい内容、映画のワンシーンが再現されたような言葉の連続。

自分も引き締まった顔つきになるのが特徴。

静かに荒れ狂うという趣旨のマーシーの言葉が自分にとても近い性格で共感しました。

それは私の妄想でしかないけどなんか嬉しい。

M9「東京フリーザー」

作詞・作曲/真島昌利

「言葉」について歌われていて興味深いし共感しまくりのロックンロール9曲目。

言葉が凍るとか思い当たる節が自分にもありすぎてすごくイメージしやすい。

しかし心配無用です。

かじかんだ私の心もゆっくりとかして確実に燃え上がらせてくれるのが魅力。

失敗談を突破する勢いのあるアップテンポ。

熱さとエモさのハイブリッドアレンジ。

分かりやすくて活気のあるメロディ。

マーシーの言葉の美しさが表立った歌詞。

歌詞はカチンカチンに凍っているけど、熱く激しいロックンロールだから心の中学2年生が激情しない訳がない。

イントロなし。

キャッチーなサビ始まりの爆発的サウンド。

「オイ!オイ!オイ!」のコーラスが入るパンキッシュムード全開。

この高揚感は盛り上がり必至でライブ会場は1秒でカオス状態へ。是非誰よりも激しく!

Aメロへ入ると特にマーシーのギターが隙間を活かしたアレンジへ。音で埋め尽くさないスカスカな感じが私には好ましい。

そいつに自分の心が奪われているこの感じこそロックンロールの魔法だ。

ヒロトのボーカルは超ストレート。誰にも受け取りやすい直球をど真ん中へ投げてる。

当然、ロックンロールが堂々としてる。

マーシーが作った歌なんだけど、ヒロト以外の歌声ではまるで似合わない。

サビはやっぱり猛烈な耳当たり。

激しいアレンジ、何もかも超越したような勢い、オイ!オイ!オイ!のコーラスの凄み。

つまり何を感じるのかと言うと、、、

ロックンロールの毅然とした態度、最大級。

イントロもなかったけど間奏もない。

始まった瞬間から締めまで止まる事なく最高の勢いでぶっ飛ばす性急な歌。

終盤にも特大のインパクトがある。

“カチンカチンだぜ”の猛襲。

歌詞の趣旨とは変わってしまうかもしれないけど、私の目の前にある不要なことをカチンカチンに凍らせてくれたっぽい。

そういう雰囲気、ちょっといい気分。

むしろ絶妙な前向き加減。

 

歌詞:マーシーがよく語る「言葉」にちなんだ魅力的な内容。それゆえ興味深さ100%です。

言葉での失敗談と、自身による対処の仕方。

何か余計なことを言ってしまったのか、失敗してしまったような印象を受けました。

言葉は難しいです。私の場合は言葉が足りない方で失敗してあっという間に心が凍りついてしまいます。人間同士の基本である「会話」がとても苦手です。

時間をかけてゆっくり心をとかすのがいいかもしれない。マーシーが歌詞で言ってた。

この曲では“オイオイオイ!”のコーラスがとても印象的です。

これはコビーが言い出して、やってみたら楽しかったから採用したということ。クロマニヨンズって4人全員がウキウキしてる色んなアイディアを出すんですね。

アルバムを聴いて楽しいと感じるのは、そんなところからの熱量が私に伝わってきているんだなと思いました。

M10「モノレール」

作詞・作曲/甲本ヒロト

明るく鳴ってる音も、つい笑顔になる言葉もすべてが痛快に感じるロックンロール。

人を楽しませるとか感動させる娯楽。

つまりクロマニヨンズによる最高のエンターテイメント。

極めて滑らかなミディアムテンポ。

この曲には不要であろうヘヴィネスを極力抑えたロックンロールアレンジ。

これで笑顔になれない場合は休んだ方がいいうきうきのメロディ。

痛いことや嫌なことも楽しく響かせる歌詞。

10曲目、軽快な聴き心地が特に魅力的。

マーシーがギターでひょうきんなフレーズをブチかますイントロ。

一音目を聴覚が認識した途端に悟る。

この歌は絶対に愉快だし、退屈な1秒なんかどこにもないってことを。

そう分かった次の瞬間にはヒロトのハーモニカが空間全体にユーモア性を溢れさせる。

歌い出したヒロトは遊び心たっぷり。

マーシーたちのコーラスもやはりぶっちぎりの遊び心だけで成り立っている。

聴けば分かるけど全員歌声が笑顔なのです。

私は Aメロの時点で一切の嫌なことが吹き飛んでる。今日も楽しいだけの日になりそう。

“あるわな あるわな”のコーラスは強烈です。

単純明快に楽しめるこういうの、最高。

明るさが更なる高みへと突き抜けるサビ。

何度も「モノレール」を連発して一気に豪快な聴き心地へ。私の目の前をモノレールがカッ飛んでいく。

間奏はマーシーのギターソロ。

絶妙に力を抜いた印象の曲ですが、間奏だけはギンギンにとがった音、激しいフレーズが私の耳と心へ強めの刺激を与えます。

その音は娯楽をちょっと過ぎてもう快楽。

間奏後の3番ではビートルズがやって来る。

あえて言うならこの曲に興奮した精神状態の中で、モノレールに乗るビートルズを見た。

4人いた。

隣に座ろうと思えば座れたかもしれない。

落ち込んでいた私の心もモノレールに乗ってワクワクしてる。

私はね、聴いただけで嫌なことバシバシやっつけてくれるクロマニヨンズが大好き。

 

歌詞:モノレールにちなむコミカルな物語。

最大の特徴は、ヒロトのユーモア炸裂!

自分の意識が歌詞の世界へ入ると、本当に嫌なことがひとまわりして楽しい気分になってくるのが魅力。

クスッと笑える人間ならではの言葉たちが、滑らかに走るモノレールに乗せてくれます。

それはきっと理想の場所行きです。

この曲もまた印象的なコーラスを聴かせてくれました。

ヒロト 「4人でひとつのマイクに向かってワーッと歌ってる時、何とも言えない楽しい打ち上げ感があるんです。メロディーがあっても、ただワーッとシャウトするだけでも、4人で肩組んでやってる感じがいいんですよ。男の世界。」

演奏にはそれぞれの役目があるけど、コーラスは全員が同じことをやるから部活感があって楽しいと言っていたのがクロマニヨンズらしく感じました。

M11「三年寝た」

作詞・作曲/甲本ヒロト

11曲目、なんと!!「Rainbow Thunder」のナンバーワンインパクト。

何があっても忘れることのない衝撃。

尋常じゃない。度を超えてる。そこがいい。

世界で一番うっかりしすぎた人。何よりも自分の眠気優先な人。他力本願だし人任せで素晴らしい。その自分優先っぷりには救われる心がきっとたくさんあると思います。

うっかりしちゃった日の自己肯定ソング。

寝てる人を尻目に、我々は飛び起きて拳を突き上げるアップテンポ。

歌の主人公は寝てるけど割と突っ込んでくる激しめのロックンロールアレンジ。

ひたすら寝続ける愛嬌のあるメロディ。

尊敬しちゃうほど絶対起きない頑固な歌詞。

ドラム、ベース、ギターの強打、衝撃音が鳴り響くイントロ。

並外れの何かが始まるのにふさわしい迫力。

強靭な歌心で突き進むヒロト。

もういきなり「三年寝た」とかアルバムで一番のインパクトをぶっ放してる。ロックンロールはいつも極端だ。だから好きなのだ。

そこへマーシーのコーラスまで入ってきて私の眠気を煽る。

この曲、コビーの轟音ベースが特に印象的。

コビーが張り切ってるからこそ鳴らせた太々しいロックンロールサウンド。ベースの音に手で触れそうなほどの素晴らしい音圧。

サビの後半部分には歌詞がなくておもしろい耳当たり。

「あーあーあー」と三年寝たことを後悔しているのか、それともすっきりしてるのか。

どちらでもなく“もう三年寝る”という宣言。

急に表彰式が始まる後半も絶大なインパクト。

みんなを称賛する歌詞へと同調したアレンジが、表彰式みたいな音になって興味深い。

サウンドが完全にみんなをリスペクトしてる。

そんで、まだ寝るのがすごい人。

途中から転調したりするところにクロマニヨンズの魅力と特別な個性を感じました。

親しみやすいメロディ、わかりやすいロックンロールアレンジはいつもクロマニヨンズに求めてるものです。すなわち名曲。

起きれない朝のテーマソングでもある。

実は私も眠くてたまらない。

心の葛藤と共に布団の中で一時間、すっかり太陽が昇ってる。仕事には間に合わない。

私はそろそろ起きてコーヒーを淹れて寝起きの放心状態を楽しみます。

 

歌詞:人が「うっかり」を超える一部始終。

普通じゃないヒロトの感性が楽しい。

他とは比較にならない独自性や独創性。

三年寝るって、いくらなんでもうっかりに拍車がかかりすぎ。もう尊敬する程のうっかりっぷりです。つまりぶっちぎりってこと。

二度寝や三度寝は聞いたことがあるし経験もしてるけど、千度寝、万度寝とは初めて耳に入ったし超特大の衝撃を受けた。

三年寝る貫徹力には桁違いの魅力あり。

M12「GIGS(宇宙で一番スゲエ夜)」

作詞・作曲/真島昌利

ラスト!ぶちかます!!

誰だってクロマニヨンズが出演するライブハウスにブッ飛ぶロックンロール。

アルバムラストを盛り上げるアップテンポ。

本番直前の緊張感とライブ中の高揚感が充満したアレンジ。

宇宙で一番スゲエ夜も突破するメロディ。

ライブでの差し迫った雰囲気がダイレクトに伝わる爆発的な歌詞。

私にとっては永遠のウルトラミラクルを起こす爆裂ソング。

本番前の緊張感に興奮してるマーシーを隣で見れます。そして本番でぶちかまされた情熱が形を変えず目の前から聴こえてくる。

つまり、今この瞬間の歌。

余力のすべてを使い切る時だ。

直感がそれを1秒で理解するイントロ。

ギグの高揚感をそのまんま再現したと感じるサウンドは、聴く前の期待を超える衝動。

音、フレーズ、音圧、音像、五感で感じられること全部がキラキラしてる。

ステージからの緊張感が鳴り響く。

活気付いた表情のヒロトが一人一人に向けて歌い出した。

鼓膜の奥まで刺激する無敵のパワフルだ。

私たちオーディエンスには誰よりも高く飛び跳ねて力強い拳を突き上げる合図。

感じる光景は揉みくちゃのライブハウス。

クロマニヨンズの4人がロッケンロールをぶちかますBメロは、宇宙で初めて全員に永遠のウルトラミラクルを実感させる。

グッとくるメロディ、もはや涙が溢れそう。

サビはマーシーのギターが重ねてあってズバ抜けた煌びやかなサウンドが特徴。

すべてが炸裂してる瞬間。

よくステージで演奏するバンドが派手やかに見えて感銘を受けるあの感じを、音だけできっちり見せる凄み。

まさにロックンロールのウルトラミラクル。

この歌は特にステージに立って演奏する側の心情とか興味深いです。

とは言え、バンドもオーディエンスもロックンロールへの熱狂が同じなのは間違いなし。

熱い、スゲエ、ミラクル、最高!!自分が今ライブハウスでクロマニヨンズのギグに熱狂しているとしか思えません。

ロックンロールのぶっ飛んだリアリティ。

それこそが魅力。

そこにいる全員の熱狂がぶつかり合い、受け止め合い、炸裂し合って宇宙で一番スゲエ夜になってた。

最後になりますが、クロマニヨンズのライブでは毎回この体験をしてます。

 

歌詞:ステージに上がる直前のマーシーの心境が知れるレア度100%の内容。

ダイレクトに伝わるのが最大の特徴。

その緊張は特別感に溢れ、突撃するマーシーの覚悟をした顔が見えるリアリティ。

実体験でしか語れない言葉から、出番の前の緊張感が共有されるのが魅力。

ギグでの熱狂と、そこにはいつも必ず一緒に存在する幸福感まで手に取るように感じられるのが、唯一無二の神業。

結論→今すぐライブに行きたくなる。

「GIGS(宇宙で一番スゲエ夜)」というインパクトのあるタイトル。

ライブハウスの熱気ある光景が浮かんできて最高にテンションの上がるタイトルです。

マーシー  「70年代の終わり頃にパンクが出てきた時、パンクの人たちってライヴのことを“ギグ”って言ってて。たぶん、ほとんどの日本人が初めてライヴすることを“ギグする”って聞いたんじゃないかな。」

〜・〜・〜・〜・〜〜・〜・〜・〜・〜・〜

私も見た!感じた!宇宙で一番スゲエ夜!!

絶対オレにアピールしてる!!!

いい感じの緊張感と、手に汗にぎる興奮と、クロマニヨンズと私の一体感に包まれたところでアルバムはおしまいです。

ラストは派手に私の心を明日へ繋ぐ希望に変えてくれて終わるのが嬉しい。

マーシーはソロを弾きたくないとか言っていたけど、いつにも増してギターのフレーズがカッコいいと感じて興奮したクロマニヨンズの12枚目のアルバムでした。

すっかり熱狂してしまいました。

個性的な12曲のロックンロール、勢いのある突き抜けたアルバムだなという印象です。

興奮と熱狂と感動が同時に迫ってきた。

一番近くで凄まじき虹雷を見た!

聴き終わると何かが弾けて飛び散った肯定的な自分に変身してる。

クロマニヨンズのロックンロールはポジティブに響くいい音してます。

確実にこの人たちは私の存在まで知ってる。

それに私がこのロックンロールに熱狂していることも感じてるはず。

明日もクロマニヨンズを聴く。


皆様ありがとうございました。

また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。

-ザ・クロマニヨンズ
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力は抜いて手は抜きません。

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皆さんどうぞよろしくお願い致します。

『手作りカセットの達人』

40代、人より物が好きです。

私は外向型優先社会に一人でもブッ立ち向かうレアな超内向型。

唯一の問題は冗談のセンスが全然ないということ。

繊細なものが好きです。

細やかで、誠実で、ピカピカに光ってて、そこら辺には落っこちてないもの。

マーシーやヒロトの突き抜けたロックンロール!永遠のウルトラミラクル!

ダイナミズムと同時に存在感する繊細さと誠実さに心が動きます。

レコードに次いでカセットテープの人気が上がってきてるみたいです。

私はカセットがとても好きです。もちろん私の中でも一度終わったメディアですが、個性的なものはもう一度好きになったという感じです。最近はカセットばかり聴きます。

小さくて手に馴染むサイズ感はかわいいと思います。A面とB面があるわずらわしさが、音楽を聴く楽しさに変身してます。

それで、ブルーハーツのシングルのカセットが欲しいとずっと思っていました。全シングルがカセットで存在している訳でもありません。たまに出品されていても割と高値が付いて買えません。

でも欲しかったし、貧乏な私には買えないのはとっても悔しいので自分で作りました。

ジャケットも出来る限りオリジナルに忠実になるように自作しました。

生のテープが安く手に入ったので制作に踏み切りました。

自作カセットテープ↓

ハイロウズのカセットテープも作成しました。

ジャケットはレコードの帯の煽り文句をモチーフにしています。

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クロマニヨンズのシングルカセットも自作しました。

素敵な音が出てます。

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