こんにちは。
『20 FLAKES〜Coupling Collection〜』は2014年リリースのクロマニヨンズのベストアルバム第2弾です。
カップリング・コレクションです。
シングルのタイトル曲とは一味違う「笑いあり、涙あり、何でもあり」のカップリング曲たちが独創的な魅力を放ち、レコードの裏側でカリスマ性を誇っています。
収録時間35分のLPには収まりきらない個性派な曲たちが、今度は1枚の作品になって激突してきます。
すぐに覚えるインパクト!
記憶に残る衝撃性‼︎
The Cro-Magnons/20 FLAKES〜Coupling Collection〜(2014)
20 FLAKES〜Coupling Collection〜(20フレークス カップリングコレクション)は先に発売されたシングル・コレクション『13 PEBBLES〜Single Collection〜』の1ヶ月後に出たクロマニヨンズ初のカップリング・コレクションです。
「20 FLAKES」というタイトルは20個のひねくれ者たちとかそんな感じなのかな?もしそうならおいらはすげえしっくりくるな。
この時期のクロマニヨンズは短期間(半年間)にライブ盤、シングル・コレクション、カップリング・コレクションとリリースラッシュで、激情型リスナーの私には一息つける暇がありませんでした。毎日聴きっぱなしです。
12枚目のシングル「炎」までの、シングルのカップリング曲たちがコンプリートで収録された「カップリングの魅力」完全盤。
レコードだとひっくり返した裏側の面で大暴れしていた曲たちです。
クロマニヨンズのカップリング曲は興味深いものばかり。シングル・コレクションにはなかった笑いもあったりするので飽きずに聴き続けられます。
これすごくいいです。1枚のアルバムになったことでシングルのカップリング曲がまとめて聴けるし、今度はアルバムとしての新しい流れを体験できます。そこに化学反応みたいなことが起きているのも感じます。
『20 FLAKES〜Coupling Collection〜』収録曲
01.弾丸ロック
02.クロマニヨン・ストンプ
03.ワハハ
04.チンパンマン
05.マナティ
06.笹塚夜定食
07.ヒャクレンジャー
08.レッツゴー宇宙
09.オレなとこ
10.たこあげ大会
11.ネギボーズ
12.メインジェット
13.ヤッターキング2009
14.サンデー・サンデー
15.拳銃が泣いてるぜ
16.BLITZKRIEG BOP(電撃バップ)
17.アングラ番長
18.コロッケ定食
19.サイダー
20.とがってる
タイトル見ただけでも「普通」というイメージが一切湧きません。なんかすごい。
テキトーなタイトル付けときながらすげえエモいとか、涙が出るほど感動するとかが余裕であって印象に残らない曲はひとつもなし。
本作に収録されたカップリング曲たちは1曲もオリジナルアルバムには入ってません。アルバム未収録曲の集合体。
シングルを買わなければ聴けなかったやつが1枚のアルバムにまとまりました。最近クロマニヨンズを好きになった人もシングルをひとつずつ買わなくて済みます。最高です。
初回限定盤の特典ディスクのみに収録されていた「ヤッターキング2009」「BLITZKRIEG BOP(電撃バップ)」もしっかり入った親切仕様。当時うっかり買い逃しちゃった人も納得します。
これでシングルを引っ張り出してこなくてもよくなったのがかなりのメリットです。本音言うと、シングル出してくるのちょっと面倒くさいんだ。
7枚目のシングル「オートバイと皮ジャンパーとカレー」までの最初の方のクロマニヨンズのシングルは3曲入りで突っ走っていました。8枚目のシングル「流線型/飛び乗れ‼︎ボニー‼︎」(両A面シングル)からは2曲入りが定着していきます。
全20曲58分。
シングル・コレクション『13 PEBBLES〜Single Collection〜』と同様にmonoとstereoのハイブリッド盤。
前半の10曲は慣れ親しんだstereoの立体感、左右に広がる音場が楽しめて、後半の9曲(M13はstereo)は圧倒的なmonoの迫力と存在感が心に響く、2つの音の世界が体験できます。
意外にも3分を超える曲が多いですが、次から次に進んでいく印象です。激情する瞬間が何度もあって内容が濃いと感じるのに、20曲を聴いて1時間かかっていないとは聴いやすさ抜群です。何度も聴けるインパクト。
クロマニヨンズを聴くといつも自分の中で心の激情が始まります。それが楽しくてしょうがない。何度目だろうとなにも感じないということはありません。このカップリング・コレクションもそれです。
カリスマ性を持った20曲のロッケンロー‼︎がオレのド真ん中にも背中の方にも、普段はあんまり使わない隅っこの方にまで鳴り響く。
心を掴むそいつたちは熱くて最高な気分です。
大事な事に気付いてしまったようなとてもHappyな気持ちです。
楽しく生きるために必要な感情が揃ってる。
感化されやすい心の中学2年生が喜びます。
アルバム発売当時、アナログ盤も同時発売されました。重くて厚くて頑丈そうなアナログ盤は2枚組です。2枚となると結構な重量。
1枚目のレコードがstereoで2枚目のレコードは大体mono(1曲のみstereo)です。上手い具合にディスクごとでstereo/monoが別れたロッケンロー‼︎の魔法な感じ。
思わず無気力のプロを目指してしまいそうな日にきっぱりオススメのアルバムです。
※曲の解説ではありません。ただ好きすぎて熱狂しているだけです。
M1「弾丸ロック」stereo
作詞・作曲/甲本ヒロト
1st Single 『タリホー」c/w
熱狂のアルバムの始まりを告げるようなサイレンが鳴り響いてロックの突撃開始です。
アルバム1曲目にふさわしい勢い。
自分のテンションの高まりを実感する瞬間がたまらなく楽しい。これだ!クロマニヨンズだ!余裕でワクワクしてくる。
タイトでシンプルなロッケンロー‼︎は不快な思考を抜け出す突破口になる。
音がズンズンしてるしアルバムが始まった感がすごい。ロック聴いてるぜという高揚感。これからオレはどこへ連れて行かれるんだという期待感。
負けっぱなしの日常に反旗をひるがえす我が心のレジストソング。根拠のない勝機あり。
歌詞 : 爆音の夢が鳴り響いてるこの感じはクロマニヨンズに求めているもの。無敵なテンションに悩みや不安なんてすでに無用。
繰り返される力強いサビに寝起きのようなテンションも爆上がりする。
今日は攻めていけそうだ。
M2「クロマニヨン・ストンプ」stereo
作詞・作曲/真島昌利
1st Single「タリホー」c/w
これは激しい。
マーシーが激しい。
クロマニヨンズが熱い。
イントロなし。いきなり“人間 人間”を連発してくるから「そういえばオレも人間だった」ということを誇りに思えてきてしまう。
勢いのあるアレンジに、ヒロトとマーシーの掛け合いのボーカルが強烈なインパクトで最高です。マーシーがシャウトしまくりで胸の真ん中にブッ刺さる。
2人が歌う江戸っ子な言葉に、今日は細かい事はどうでもいいやと自分の中のクロマニヨンな心が仁王立ちしてる。
すごく短い歌詞に元気づけられます。
どんどん気持ちがたかぶっていく。すでにちょっとだけ地面から体が浮いてる気がする。
胸熱のツインボーカル炸裂。
歌詞 : 自己重要型の江戸っ子おやじな感じが、オレの昨日から引きずってる心のわだかまりを全部ブッ壊してくれます。
M3「ワハハ」stereo
作詞・作曲/真島昌利
2nd Single「紙飛行機」c/w
笑っていたい日のテーマソング。
“ワハハのハ”と大笑いから始まる軽快なアレンジに日々の不安な心が救われる。
うまくいかないことさえ笑ってしまえる歌。ネガティブなんか笑い飛ばせる歌。希望。
体が勝手に踊り出す音。歌詞だけじゃなくて聴こえてくる音も笑い飛ばしてるから心に響く。
生きてる人間がキラキラしたこの感じに笑っていられない心なんて存在しない。
聴くとうまくやれる気がしてくるのではなく、うまくやれると完全に決定できる。
歌詞 : クロマニヨンズからそっと差し出されてる希望を受け取らない訳にはいかない。強引に押し付けてる感じじゃなくて、あたたかい優しさと柔らかい思いやりに聴こえます。
あとは心がワハハのハと笑い出す。
M4「チンパンマン」stereo
作詞・作曲/甲本ヒロト
2nd Single「紙飛行機」c/w
強烈なタイトル。楽しすぎ。
カッコよくない人並みに嫌気がさした時のためのジャングルの無作法ソング。
イントロが始まると割とドスンとしたロックになるかと思いきや、ハーモニカが入った途端にスカのリズムで楽しい気持ちが炸裂する。
歌詞はヒロトの独特で人並みを一切感じさせない世界観。どうでもいい世間なんかを背負い投げてくれるチンパンマンの優しさ。
自分が優先だし自分のことのみしか考えていないチンパンマンに、オレのチンパンジーさがそっと共感してる。
すっかりジャングルに連れて行かれたな。
歌詞 : 自分を人並みじゃないと言い切るこのカッコいいジャングルのルードボーイに憧れる。
M5「マナティ」stereo
作詞・作曲/甲本ヒロト
3rd Single「ギリギリガガンガン」c/w
何が始まるんだ⁈怪しげな雰囲気のイントロから今度はレゲエのリズム。穏やかな気持ちが身体中に広がるほどにほのぼのしてる。
とは言え、退屈とは違う。つい反応してしまうようなかなり強烈なことを歌っているから手放しで聴ける歌ではありません。
さりげなく入ってる下ネタに笑える自分の心にほっとする。
なんかこれオレが歩くテンポと一致しちゃってるな。ただ真っ直ぐ歩けなくなっちゃうよ。左右に振れて変な歩き方になってるかもしれない。
歌詞 : 見た訳じゃないけど、なんかすごい光景だな。何より先に欲望だけが存在してる感じが強烈です。
でも下ネタだけの歌じゃなくてめちゃくちゃ真面目に真実を語るメロディもあるので、むしろそっちが記憶に残ります。
M6「笹塚夜定食」stereo
作詞・作曲/真島昌利
3rd Single「ギリギリガガンガン」c/w
尋常ではない超高速なロッケンロー‼︎
タイトル見てどんな定食を食べるのかと思ったらびっくりするおかずの、これほとんどハードコアだね。
すげえタイトな演奏です。足より細いパンツのようにパツパツで、スタイルがいいパンクスみたい。
猛烈に撃ちまくるドラムとか強烈です。
特に意味はなさそうなのに、一度聴いたら忘れないインパクトありすぎな短い歌詞にヤラレます。
歌詞 : 私がよく食べる定食です。こういう人いるんだな。でももっと美味しいおかずはある。この歌詞を超高速に演奏するハードコアなアレンジがインパクトありすぎです。
M7「ヒャクレンジャー」stereo
作詞・作曲/甲本ヒロト
4th Single「エイトビート」c/w
クロマニヨンズの楽しいところ全開した感じ。この歌に心がときめく感性でよかった。
心揺さぶる戦隊モノ。
これぞロッケンロー‼︎なアレンジで、左側で炸裂してるとんがったギターが悪いヤツをブッ倒す。
カッコいいロッケンロー‼︎なのにどこか笑える感じがクロマニヨンズのすごいとこです。
「ヒャクレンジャー」が楽しめないとか絶対にもったいないんだ。
これすごいな。人並みとはかけ離れたスケール。普通は大体ゴレンジャーぐらいなんだけど。五レンジャーでは厳しいけど百レンジャーならオレでも戦隊出来そうだ。何色が残ってるかな?黄土色ぐらいにはなりたい。
歌詞 : 百人て!キメのポーズを取りながらどんだけ並ぶんだという想像力を掻き立てる名曲。
白黒つけるのではない。認めることで世界は変わるってこと。
レコードで聴くと「ヒャクレンジャー」のギターソロは心に響くものすごい音が出る。
M8「レッツゴー宇宙」stereo
作詞・作曲/真島昌利
4th Single「エイトビート」c/w
イントロなし容赦なしのレッツゴー‼︎
レッツゴーな勢いのあるアレンジから間奏のサイケな感じのギャップが印象的です。「宇宙はいいなあ」ってしみじみ言ってるし多分、宇宙行ってきたんだな。
カツジのバスドラとかすごい音圧だし、宇宙まで飛んでくスピード感は聴きどころです。
イントロなしの始まりから、曲の終わりまで「レッツゴー」と連発しているので、出撃の前に聴けば無敵な勢いが精神に備わる。
1番が終わった後でカウントされる「3、2、1、ゼロォォン」の魂に心を撃ち抜かれた。個性的なカウントの威力に、普段のカッコつけて整った理性なんか宇宙まで吹っ飛ぶ。その後で宇宙に浮遊するふわふわ感が楽しめます。
歌詞 : 「レッツゴー」の連発に気持ちだけはとっくに宇宙に行っている。あえて言うなら、その宇宙でマーシーたちを見た。
M9「オレなとこ」stereo
作詞・作曲/甲本ヒロト
5th Single「スピードとナイフ」c/w
頭ブンブン振るタイプのアレンジ。
ジャカジャカ鳴らしてるギターの音に、自分の中のロックな部分が惹きつけられる。当たり前だけど何も加工されていないとわかるその音にロッケンロー‼︎のオレなとこが見える。
自己肯定感をぶっちぎりに高める一撃必殺。
ノリノリなロッケンロー‼︎だけど歌詞は相当に興味深く、踊り狂いながらも心に響く。
間奏とラストでギラギラしてるとんがったギターがロックの反骨精神を呼んでくる。
猛烈に自己肯定的である歌詞は自己犠牲で残念な世界を救う。自分が自分のオレなとこを認める重要性に気付ける超有益な1曲。
正しかろうが間違っていようがオレなとこ。
オレのオレなとこを肯定しているからこそ、お前のお前なとこを守ってやると断言できる真っ直ぐさに惚れます。2人の理想的ではなく現実的な関係性にすごく共感します。
「バーローメ‼︎」と繰り返すサビに生き方も感性も違う他人の付け入る隙はなし。
歌詞 : どれも愛しき自分だと完全に肯定している感じが心に刺さります。聴くと勝手に自己肯定感が爆上がりする驚異的な歌。
私が一番シビレたのは「変えられないぜ オレなとこ〜」のヒロトの歌詞です。とても人間らしい。
心にネガティブはやって来ないほど、歌詞もアレンジもポジティブすぎて何度も聴きたくなる。そのうちクロマニヨンズがお前カッチョいいよと言ってくれる。
M10「たこあげ大会」stereo
作詞・作曲/真島昌利
5th Single「スピードとナイフ」c/w
程よくテンション抑え気味なハーモニカが曲の雰囲気を決定付けてるミドルテンポ。
暴走しないコントロールされたテンポで、気付いてる人はあんまりいない超重要な事実をしれっと歌う。気付いたら人生が楽になる。
間奏はクールなハーモニカに絡む古き良きロックの音が聴こえてくるギターソロが印象的です。
「戦艦ヤマト〜」のところのメロディは印象的な歌詞とともに記憶に残りやすく、心を捉えるインパクト。
歌詞 : このアレンジ、このテンポでハッキリとした発音でこの歌詞を歌われると心の奥の方にグッサリと刺さる。なんかすげえ重要なこと忘れちゃってた自分に気付きます。
今日の耳たぶと今日の髪の毛。
猛烈にハッとした歌詞。
気付いてしまったこの感じ。
今ここに生きているのは今日のオレなんだな。もう昨日のオレじゃなく、まだ明日のオレじゃない。何これ!今日のオレ最高じゃん‼︎
曲のタイトルからは想像もつかないほどのインパクトで心に聴こえる1曲。
M11「ネギボーズ」mono
作詞・作曲/真島昌利
6th Single「グリセリン・クイーン」c/w
心がロックオンされて激情を回避できない。
歌詞、メロディ、アレンジ、テンポすべてがピカピカに光ってるロッケンロー‼︎これぞクロマニヨンズと感じる曲に心の熱い部分がメラメラしてる。すげえ元気出る。
後から勝手に頭の中で再生されてる記憶に残る歌。
歌詞はほとんど意味は分かりません。
意味は分からなくても感じることは100倍ある。もし正しい意味があったら楽しくない。
よく分からないけどカッコいい心に響く歌。何がどうカッコいいのか上手く説明できない系。とにかく光ってる。何かを感じたオレの心も完全に光ってる。ピカピカじゃんか‼︎
最後に転調するのも胸熱です。
歌詞 : 出だしから絶好調の訳の分からなさがいかしてます。厨二心をビシバシ煽るカッコよさ。
言葉と言い回しは心に何かが刺さった感触が現実的すぎてビビった。これ誰に主張してるの⁉︎総理大臣とかじゃないよね?もしかしてオレ⁈それピカピカじゃんか‼︎
「ピカピカじゃんか 光ってるじゃんか」
この歌詞に心の中学2年生は世界を変えるほどの衝撃を受けました。
ロッケンロー‼︎に求めてる勢いと、厨二心がロックオンされてゾクゾクうずく光る歌詞に何度聴いても熱狂する。意味の分からない歌詞がすべてを語ってるのかもしれません。
今のハイテンションに理由なし。
M12「メインジェット」mono
作詞・作曲/甲本ヒロト
6th Single「グリセリン・クイーン」c/w
ひと言で言うなら常識外れ。
そいつは曖昧さを受け入れない正直者。
小気味のいいジェットなアレンジで色々と炸裂してる。聴けば人生がいい方向にしか向かわない影響力あり。
曲中で何度も聴こえる「ジャカジャーン!」と鳴る歪んでいないギターの音が強烈です。その堂々とした鳴りっぷりな音に感動したオレは、今すぐ苦手な事をひとつ克服できてしまいそう。
そこら辺に不親切な顔でのさばってる「常識」という圧力を逸脱するための起爆剤。
歌詞 : 誰の胸にも引っかかる歌詞。日本で生きる場合の壮大な疑問。この後に“やべえなあ”と歌っている辺り、仲良しルールへの否定的な感情なんだと感じます。
これを聴いて「やべえなあ」と感じたなら正しい反応なんだと思うのです。
M13「ヤッターキング2009」stereo
作詞・作曲/山本正之
6th Single「グリセリン・クイーン」初回限定盤収録
めちゃくちゃ似合っててカッケェェェ‼︎
それにテンションすげえ高けぇぇぇ‼︎‼︎
完全にクロマニヨンズの歌になってて、心の中学2年生が黙っていられない。心を撃ち抜かれて爆発しそうなテンションと破裂しそうな大人の心。
ヒロトの歌がハマりすぎててオレのテンションを爆発させる。アレンジが神がかっててロックの魅力に自分の精神が若返る。
この人たちなんでこんなにカッコいいの⁉︎
歌詞 : このロックのアレンジに一人で燃えてる心と、悪と戦おうとする感情になってきてしまうのが楽しい。この時に実際には自分が今何歳なのかとか考えていないのが素晴らしい。
歌心が溢れてる。
世界観の表現力に心を鷲掴みにされる。
サビのラストでのコードチェンジがすごい胸熱で、自分の心がときめいているのが余裕でわかる。
こういう瞬間だ。いいぞ!いつまでもオレが守ってやるぞ!心の中学2年生。
その後で映画『ヤッターマン』を観たんだけど、おいらにはあまり刺さりませんでした。でもクロマニヨンズの「ヤッターキング2009」は今から出撃するすげえいい感じのシーンで流れてました。
この曲はstereoです。シングル「グリセリン・クイーン」の初回限定盤の特典ディスクにはmonoで収録されていましたが、今回はstereoになってます。
メカの名前を叫んでいくところが左右に分かれていて楽しいです。stereoのメリット。
M14「サンデー・サンデー」mono
作詞・作曲/真島昌利
7th Single「オートバイと皮ジャンパーとカレー」c/w
平日のあんまり幸せじゃない心をド忘れさせる解放感が心を自由にしてくれる。
明るくほんわかした雰囲気と体が踊り出す軽快なリズム。今から日曜日を楽しむぞという弾けるリズム。心のわだかまりなしで自由。
歌詞には異常な説得力があって印象的です。
サンデーということもあり、何かにイラついてる自分とかアホらしく思える、毎日が心の日曜日な歌。和みます。
後ろで鳴っているアコギの音がさりげなく日曜日感を演出してる。
義務感なし、否定なし、ルールもなし。
幸福感があり。
歌詞 : サンデーは火曜じゃない、この説得力である。
全員を納得させる言葉ってあったのか!
せっかくの日曜日なのだから無理して何かしようという考え方はよくない。「何もしない」が出来るものまた日曜日だけ。
M15「拳銃が泣いてるぜ」mono
作詞・作曲/甲本ヒロト
7th Single「オートバイと皮ジャンパーとカレー」c/w
ハーモニカ入りの和み系アレンジ。
割とほんわかした雰囲気の中で強烈なことを歌ってるギャップが楽しくて、やっぱり記憶に残る歌。
独特な歌詞はかなりのインパクトありです。もしかしたら下ネタソングなのかもしれないけど、ただのわるい人なのかもしれない。
クスッと笑えるところがクロマニヨンズらしい。みんなで歌うスタイルのコーラスも楽しさ倍増させてます。
音が良くて実在感もあります。今そこでやってる生の音に近い。生音と錯覚するようなバランスの取れた録音が好きです。
歌詞 : 独創的なヒロトの感性が溢れる歌詞は惹かれます。メロディとかみんなで歌ってる感じとかギターの音とか妙に記憶に残って、気付いたら頭の中で流れていることが多いです。
無意識に再生されてるクロマニヨンズの歌って思いの外たくさんある。記憶というレコードプレーヤーは心のジュークボックスになって、毎日いろんなクロマニヨンズを聴かせてます。おいらのその日の体調や機嫌に配慮しているのかなぜか選曲もバッチリです。
M16「BLITZKRIEG BOP(電撃バップ)」mono
Words & Music/Jeffery Hyman/John Cummings/Douglas Colvin/Thomas Erdelyi
7th Single「オートバイと皮ジャンパーとカレー」初回限定盤収録
言わずと知れたラモーンズの名曲のカバー。
2分ちょっとの激情。
この人たちがやって似合わないわけがない。変に自分流に変えた分かりにくいアレンジにせず、オリジナルに忠実なカバー。
とは言え、唯一無二なクロマニヨンズの音にしか聴こえない。モノラル音源というのもクロマニヨンズのカッコよさに更にロックの魔法をかけてる。
古いパンクロックを聴いているような音。ベースが強めに入ってる感じで迫力あります。
“Hey ho , let’s goー”
歴史に残る有名なこのフレーズがクロマニヨンズのロッケンロー‼︎に変わる瞬間に心をガシッと掴まれる。英語なんか分からなくても元気が出てくるクロマニヨンズの激情。
意味もなく始まるオレの熱狂。
M17「アングラ番長」mono
作詞・作曲/甲本ヒロト
9th Single「ナンバーワン野郎!」c/w
番長の登場で楽しさが何倍にも大きくなって、まだ少し残っていた心のネガティブな暗さを一気にくつがえす。
歪んだギターのアップテンポ。
コビーのベースがブイブイいってて心臓まで響く迫力の音を聴いてる感じがたまらない。
楽しいという感情しか湧いてこない、たった2分のロッケンロー‼︎途中のコマーシャルに入るアナウンスが面白すぎて記憶の活性化が急上昇。ラストの怪しげな笑いに眉間のシワも笑い出します。
「地下、地下」言ってるのが印象的です。地下の歌なのに明るさが突出したアレンジ。
全力なバカっぽさが魅力的なカッコよさ。
暗い気持ちになる人はいないと思います。
歌詞 : やっぱり独特な歌詞世界は、重要な意味を感じ取れたり、ものすごい何かを主張している訳ではないけどインパクトはデカすぎる。
何かがつまらなくなってきた時には単純に笑顔で聴ける歌。
モノラルで迫力のレコードの音はスピーカーよりすげえ前にあって、そこにクロマニヨンズが来てる。
M18「コロッケ定食」mono
作詞・作曲/真島昌利
10th Single「雷雨決行」c/w
きっと誰かの救いになるポジティブソングの決定版。
筆者はかなりのお気に入りです。
この頃ちょっと下がってしまった気持ちが上がっていくので、どうにも調子が上がらない時に聴くと効果的です。
これを聴きながらだんだん気持ちが下がっていく人はいません。
ギコギコギコギコと鳴る名前は知らないけど誰もが聞いたことのある楽器の音でスタート。スカのリズムと明るく楽しいアレンジに曇り空にも晴れ間が見えてくる。
このリズムで“だんだんよくなる”って連発されたらなんだかそんな気がしてきちゃったよ。涙が一粒だけ落っこちたらもう安心しちゃうぜ。
絶望した日にオススメです。
オチがついたようなラストの「パフっ」の音が最高です。
歌詞 : ちょっと調子よくない日には「だんだんよくなる」って言葉が優しくあたたかく心に沁みます。
ラストは“だんだんよくなる”の連発で、聴きながらだんだん自分の希望を奪っていくのは不可能です。確実に明るい希望が見えてくるクロマニヨンズのロッケンロー‼︎
コロッケ定食というメニューのある定食屋さんが筆者の周りにはないのが残念。
M19「サイダー」mono
作詞・作曲/真島昌利
11th Single「突撃ロック」c/w
「サイダー」というタイトルからパチパチした弾ける感じの曲を想像したけど、正直者が泣かせるスローテンポ。
ちょっと感傷的なメロディが涙を誘う。
このメロディは心の繊細な部分や隠しておきたい弱さの部分にそっと入ってくる。
感情に直接響くヒロトの擦り切れそうな歌と、後ろで鳴ってるマーシーの歪ませていないエレキの音が優しく地球を回す。
曖昧さのないギターソロはもうすぐにやって来る希望の音がする。
この歌を聴いて涙がこぼれ落ちるのは悲しいからじゃなく、共感して心が激情したから。悲しみで涙を誘う音楽はマジで嫌い。くだらないとさえ思う。必ず希望を与えてほしい。
マーシーの叙情性のある歌詞の切なさに感情を刺激されつつも、今を生きようとするでっかくてまぶしい希望あり。
歌詞 : 重要なことに気付いている、そっと希望が差し出された歌詞だと感じます。
この正直者なアレンジで歌われたら感動しちゃう歌詞です。悲しいからじゃなく、真っ直ぐな心のロックに感動する名場面。
M20「とがってる」mono
作詞・作曲/真島昌利
12th Single「炎」c/w
保守派には刺さらないとんがりソング。
音が聴こえた瞬間に思わず体が踊り出してしまうラスト曲。ハーモニカ入りのジャキジャキなロッケンロー‼︎
こういうのめちゃくちゃ好きです。
特に意味なんてないかもしれないけど、そこがすごくいい。
よく分からないけどカッコいい。
すげえ固いとかすげえ光るとか、心の中学2年生が思いっきりときめいています。何かに苦悩してしまわないために超重要な感情。
純粋で恐れを知らないそいつがときめいていることが、今を楽しく生きてる実感です。
強烈なマーシーのシャウトも聴けます。
間奏ではとがりすぎなギターソロとフルパワーなハーモニカにすげえシビレます。やたらと眩しくて丸みのないとがった1曲。
これ聴いたらもう保守的ではいられない。
歌詞 : 具体的に何の事かも言ってないのに心に刺さりまくるのはどういう事なんだろうか⁈言葉がカッコ良すぎる。オレの安全性よさらば。
それにしてもあっという間に終わってしまう歌だな。
すげえ固くてすげえ光るバキバキな厨二心がとがったところでアルバムはおしまいです。
1曲目からもう一回聴きたくなってきた。オレのこのカップリング・コレクション、再生回数が多すぎる。
楽しかった‼︎平常心のまま聴き終えることは不可能な、色々と楽しすぎるクロマニヨンズのカップリング・コレクションでした。
またやってほしい!カップリングってシングルのCDかレコード出してくるわずらわしさから、聴くの忘れちゃってた好きな曲が多いんだな。こんなに熱狂が揃っていたとは。
これ以降のカップリング曲も個性派揃いで、記憶の奥底に埋もれさせとく歌など一つもありません。そのほとんどがオリジナルアルバム未収録の自由奔放な歌たち。
私たちが今日を生きるためのエネルギーになる相当なパワーを持っていながら、シングルレコードの裏側でふてぶてしいほどの笑顔で圧倒的な存在感を放つ、厄介者でひねくれ者な名曲たち。
今を生きる瞬発力の神のように叩きまくるドラム、弾けてないシドとは正反対に機能する太いベース、いつでもアンプフル10で心に刺さるフレーズを連発していくギター、絶大なインパクトと魂で歌う迫力のボーカル。
好きになるすべてが揃ってる。
個性が鳴らす生々しい音は手を抜いていないから、感じた熱さがいつまでも減衰していくことはない。
ここにあるのは圧倒的な存在感。
カップリング・コレクション第2弾も期待しちゃってます。お願いします。
ありがとうございました。
また読んで頂けるとものすごく嬉しいです。
それではまた。
※クロマニヨンズはサブスクがありません